「仮面ライダーを呼び戻そうと思う」
事務室の椅子に腰掛けて、開口一番に橙子さんが口にしたのは、そんな言葉だった。
「仮面ライダーというと、五代さん達のことですか?」
ソファに座った態勢で、僕が問いかける。
仮面ライダーと聞いて心当たりのある人間は、クウガと呼ばれる戦士とその仲間達だ。
終始へらへらしてるように見えて、真剣な想いを胸に秘めていた五代雄介。
五代さんに比べると落ち着きに欠けるけど、同じクウガの力を持っていた小野寺ユウスケ。
時に皮肉めいた言い回しをする、何となく橙子さんに似た雰囲気を持っていた門矢士。
熱意は伝わってくるんだけど、何だか変な言葉を話していた剣崎一真。
彼らのことは、情報交換の時に橙子さんにも話してある。
「そうだ。
バトルロワイアルが始まってから、既に1日目と18時間近くが経過している……恐らくこの殺し合いも、間もなく最終局面を迎える頃だろう。
お前達以外のサーヴァントが壊滅し、信長の拠点さえ見つかれば、後は総力戦になる。
もっとも、うちの妹はどうなろうと知ったことじゃないが」
「ちょっと待てコラ」
「とまぁそれはさておいて、だ。
お前の言うそいつらが本当に腕の立つ連中なら、今のうちから連携準備を整えておいても損はないだろう。
それに、そいつらを呼ぶ理由はもう1つある」
殺気を振りまく青子さんを尻目に、橙子さんが言葉を紡いでいった。
本当にこの姉妹は、何でまたこうも喧嘩が絶えないんだろう。橙子さんも、訳もなく煽らなくてもいいのに。
「あいつらが帰って来なかった時のため、か」
「さすがに察しがいいな」
口を挟んだのは式だった。
あとこれは余談だが、さっきから彼女がぐいぐいと身体を押し付けてきて、正直左腕が痛い。
おまけに右腕も痛い。これはもう片方から、文さんが同じように密着してきてるから。
女の子2人に挟まれたサンドイッチ状態、なんてのは、学人辺りが聞いたらうらやましがりそうだけど、そんな上等なものでもない。
なんてったって、両サイドから思いっきり肘が食い込んでるわけだから。
この2人にも仲良くしてもらいたいと思うんだけどなぁ。
「万が一、社長とレミリア・スカーレット、それから八雲紫が返り討ちに遭うような展開になれば、さすがに現状のままではまずいからな。
吸血鬼にスキマ妖怪、おまけに人間やめた半化物を退けるような相手だ……
それが真っ向から挑んで倒したという形であれ、逃げ延びてきたという形であれ、我々の戦力のみで当たるのは厳しいだろう。
全滅とまではいかずとも、かなりの痛手を負うことになるやもしれん」
「それで私達がピンチになった時のために、戦力を増やしておこうというわけですね」
「分かれば話が早い。
黒桐が居場所を突き止め次第、奴らに烏を送ってくれ。くれぐれも慎重に、外の連中に見つからないようなルートに誘導するんだ」
「了解です」
「さて、聞いての通りだ。黒桐、なるべく急いで五代達の居場所を調べろ。ついでに残りのサーヴァントの調査も頼む。
式、青子、孫の3人は周囲の警戒だ」
橙子さんの言葉を皮切りに、僕らはそれぞれの仕事に向かった。
相変わらず青子さんは舌打ちしてたけど。
■ ■ ■
「そんな……」
ぽつり、と呟いた幹也の声を聞く。
声音からして、よくないことがあったんだろう。
「どうした?」
正直これ以上の不確定要素は勘弁してほしかったが、無視するわけにもいかないので聞いてみた。
「式はまだ会ってないから、ピンと来ないだろうけど……五代さんが、亡くなられた」
「そんな、五代さんが!?」
天狗女が振り向いた。そういえばその五代雄介とかいう奴とは、こいつも会ってるんだったっけか。
「詳しく説明しろ」
トウコの奴が説明を求める。
探していた戦力のうち1人の死亡――彼女ら2人のみならず、その場の全員が幹也に注目していた。
「正確には、死んだというわけじゃないんですけど……
クウガのベルトと一体化した五代さんの肉体が、小野寺さんのベルトと融合したんです。
肉体は生きているということになりますが、五代さんの人格と精神は、完全に消滅しました」
「状況が掴めんな。何故小野寺ユウスケが、味方であるはずの五代雄介を取り込んでいる?」
「クウガの最強にして禁断の能力……変身した者を憎悪の化身へと変える、究極の力によるものです。
小野寺さんはアサシンのマスター――
空気王の手によって操られ、凄まじき戦士と呼ばれる姿に変身し、彼らの手駒になってしまいました。
五代さん達は彼を救おうとして……結果的に、彼のベルトが犠牲になることで、小野寺さんの正気を取り戻させました」
「なるほどな。それで、今小野寺に同行しているのは、門矢士と剣崎一真の2人だけか?」
「いえ、どうもそっちも人が入れ替わっているようなんです」
「入れ替わっている?」
「ややこしいことになってるわね……」
トウコの妹のアオコとかいう奴が、がしがしと鬱陶しそうに頭を掻いた。
「今小野寺さんと一緒にいるのは、士さんと、あとは、桜井侑斗と上城睦月、そしてフィリップという人の3人。
桜井および上城は仮面ライダーに変身できるようですが、残るフィリップは、見たところただの一般人です」
「じゃあ、残る剣崎はどこで何をしているんだ」
「それが、彼らを裏切ったというところまでは分かっているんですが、その原因が不明瞭なんです。
調べた結果出てきたのは、剣崎一真と剣崎一真が1つになった、というもので……」
「何だぁ、そりゃ?」
最後に呟いたのは孫悟空だ。
幹也が言うには、同じ剣崎一真という人間が2人いて、それが1つに融合した……ということらしい。
もちろん、心当たりがないわけでもない。
私はついさっき幹也の目の前で、自分から分かれたもう1人の自分を殺している。
その戦いに勝てたのも、さらにもう1人いた私――両儀“識”の協力のおかげだ。
つまり私の身体に宿る三重人格が、それぞれに別の肉体(識に至っては剣だ)を持ち、独立して行動したということ。
……ただ、そんなことは特例中の特例だってことも分かってる。
全く同じことが起こった、ってわけでもないだろうな。
「……要するに、向こうは今5人で行動しているということだな」
「まぁ、細かいところを全部纏めて省略すると、大体そうなります。現在地は東京の目黒区です」
「なら、孫を出すまでもないな。よし、迎えの烏を出してくれ」
「分かりました」
意外にも、幹也の言う助っ人達は、随分と近いところにいた。
射命丸の指示に従って、一羽の烏が飛んでいく。
「でも姉貴、そんなにぞろぞろと集まられたら、こっちも動きにくくなるんじゃ?」
「ここに引きこもる分には問題ないだろう。仮に移動するとして、その時本当にそうなる場合は、最悪二手に別れればいい。
射命丸の烏がいれば、合流も苦ではなくなる。……式、外に立って、小野寺達を出迎えてくれ」
「何でオレが」
急に矛先を向けられて、幾分かつっけんどんな響きを宿した声で応えた。
「奴らのうち門矢士は、お前の顔を見ているらしい。目印にはちょうどいいだろう。
おまけにお前は、黒桐と違って実戦慣れしてるからな。下手に敵に見つかるなんてヘマをやらかすタマでもないだろ」
そいつに顔を見られたとなると、あの時か……嫌なことを思い出したな……。
「……分かったよ」
多分、口にした言葉はもっとつっけんどんになっていて、顔はもっと不機嫌そうになっているに違いなかった。
■ ■ ■
「何だ、この烏は?」
士ら
ライダー軍団の生き残りの元へ、射命丸の烏が飛んでくるまでには、さほど時間はかからなかった。
最初にその存在に気づいたのは、未だ彼女らとの面識のない桜井侑斗。
事情を知らない彼からすれば、馴れ馴れしく鳥が寄ってきたようにしか見えないだろう。
「俺達に協力してた人の烏だよ。多分、また俺達を呼んでるんだと思う」
「やれやれ、休む暇もなしに呼び出しか」
ユウスケの言葉に、うんざりしたような声音で士が呟いた。
だが表面でこそそうして悪ぶっていても、内心ではそんなことを言っている場合ではないと理解しているに違いない。
「伝書鳩のようなものだね。烏にそれだけの芸を仕込むだなんて、実に興味深い……じっくり検索してみたくなったよ」
「あーあー分かった、分かったから後にしろ。呼んでるんだったら、さっさと行くぞ」
フィリップに先を促しながら、侑斗が睦月を担ぐ。
彼が黙らせた少年は、未だに意識を失ったままだ。こうして誰かが運んでいかなければならなかった。
そうして射命丸の烏の後についていくと、程なくしてオフィスのような建物が見えてくる。
「イナバ製作所……っていうと、あの物置を作ってる会社か」
実はユウスケも、ここの物置には一度世話になっているのだ。
他に目立った建物もない。となれば、あそこが黒桐達との合流場所と見て間違いないだろう。
「あれは……」
と、そこで士が何かに気づいた。
見ると会社の正面に、1人の女性が立っている。
中世的な凛々しさを持った顔に、赤いジャケットと着物の出で立ち――両儀式だ。
「よう。お前が門矢士か」
「お前、確か漫画喫茶にいた奴だったな。黒桐達の知り合いだったのか」
さらりと発せられた士の言葉に、ユウスケがぎょっとしたような表情を浮かべる。
そんな話は聞いてない。教えてくれてもよかったのに。
「両儀式だ。入れ、コクトー達が待ってる」
漫画喫茶、という言葉に反応し、むすっとした表情を作る式。見られたくないところを、士に見られてしまったのだろうか。
ともかく彼女に促されるままに、士達はイナバ製作所へと入っていった。
通されたのは会社の事務室。
そこには案の定黒桐と射命丸の2人がいて、同時に見慣れない人間の顔もいくつかあった。
「ようこそ。まずは椅子にでも座って、ゆっくりと話をしようか」
赤い髪の蒼崎橙子が、誰よりも早く口を開いた。
【蒼崎橙子@空の境界】(マスター)
【状態】健康、首輪無し
【装備】無し
【道具】支給品一式、人形の入ったホイポイカプセル、人形創りの道具、煙草(この二つは支給品ではありません。)
【思考】
基本: 主催者を殺し、その後に青子を殺す(それまでは取り合えず協力し合う)
1:この聖杯戦争、主催者の意図について調べるがチャンスが来るまで動かない
2:アーチャー達と協力するがあくまで目的は聖杯戦争の破壊
3:協力者を集める。弱者は一応保護
4:士達と情報交換をし、協力を求める。剣崎が裏切った経緯について詳しく聞きたい
【蒼崎青子@月姫】(マスター) (クラス・キャスター)
【状態】健康、首輪無し
【装備】透明マント
【道具】支給品一式
【思考】
基本: 主催者を殺し、その後に橙子を殺す(それまでは取り合えず協力し合う)
1:この聖杯戦争について調べるがチャンスが来るまで動かない
2:アーチャー達と協力するがあくまで目的は聖杯戦争の破壊
3:とりあえず襲ってき奴は軽く蹴散らす
※橙子の令呪は効きません(意地)。
※孫悟空のマスターです。
【孫悟空@ドラゴンボールZ】(クラス・ヒーロー)
【状態】健康、首輪無し
【装備】無し
【道具】無し
【思考】
基本: 主催者を倒し、元の世界に戻る。
1:青子と橙子を手伝う。
2:サーヴァントは腹へらねぇのかぁ。
3:監督役とも戦ってみたい
※主催者に存在を気づかれていないようです。そのため首輪と支給品はありません。
この世界の人間ではないので宝具は持っておりません。
参戦時期は本編終了後です。
打者の存在を知りました
【射命丸文@東方Project】(マスター)
【状態】健康、首輪無し
【装備】手帳@現実
【道具】不明
【思考】 基本:真実を新聞にして客観的に皆に伝える
1:この聖杯戦争を生き延びる
2:元の世界に皆で帰る方法を探す
2:式には負けない(何についてかは自覚していない)
【黒桐幹也@空の境界】(クラス・サーチャー)
【状態】健康、首輪無し
【装備】エーテライト
【道具】謎の本、他は不明
【宝具】此の者想いし最愛の人(両儀式)
【思考】
1:鮮花やその他の知り合いを捜す
2:文を手伝う
3:橙子達も手伝う
4:式に会えて嬉しい
5:サーヴァント達の生存・脱落状況について調べる
【両儀式@空の境界】
【状態】健康、首輪無し
【装備】不明
【道具】支給品一式、ナイフ
【思考】
1:幹也を許(はな)さない
2:何があっても幹也を守る
3:何故、あの男には線が視えないんだ?
【門矢士@仮面ライダーディケイド】
【状態】ダメージ(大)、数カ所の骨折
【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド、ライドブッカー@仮面ライダーディケイド
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:全てを破壊し、全てを繋ぐ
2:カズマを止める
3:黒桐達と情報交換を行う
【小野寺ユウスケ@仮面ライダーディケイド】
【状態】ダメージ(小)
【装備】アークル@仮面ライダーディケイド
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:士と行動を共にする
2:カズマを止める
【桜井侑斗@仮面ライダー電王】
【状態】ダメージ(中)
【装備】ゼロノスベルト@仮面ライダー電王、デネビックバスター@仮面ライダー電王
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:ライダー軍団の一員として、士について行く
【フィリップ@仮面ライダーW】
【状態】健康、射命丸の烏への興味
【装備】ガイアメモリー(サイクロン、ヒート、ルナ)
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:検索する
1:ライダー軍団の一員として士について行く
【上城睦月@仮面ライダー剣】
【状態】ダメージ(大)、気絶
【装備】レンゲルバックル@仮面ライダー剣
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:………
最終更新:2009年12月04日 00:22