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「はー、手かがり0か・・・・・・」

街の一角にある運動場にて、女子高生は嘆いていた。
少女の名前は久慈川りせ。
ペルソナという、もう一人の自分の力を使うことができる人間だ。
ペルソナ使いと呼ばれる彼女は、同じペルソナ使いである仲間達を探し回っていたが、
数時間も歩き回って疲れたので、今はベンチに腰掛けて休んでいるところだ。

「カンゼオンの力を使っても見つからないなんてなぁ」

カンゼオンというのは、彼女のペルソナの名称である。
アイドルという、独自の感性が求められる環境で思春期を過ごしていた彼女のペルソナは、
情報収集や探索に長けていて、幾多のペルソナ使いの中でも珍しい部類に入っている能力でもある。
捜し求めている人物の特徴さえわかれば直ぐにその人物を見つけることができるはずなのだが、
残念ながら今の所、彼女の仲間は見つかっていない。

「なんせ惑星全体だからな。 そう簡単に見つかるはずねえよ」
「5/さん」

5/と呼ばれた青年はりせの横にビニール袋を置く。
袋には、コンビニで売っていそうなクッキーやチョコレートが詰まっていた。
しかし、ここに通っていた市民達の忘れ物なのか、どれも食べかけだったり、
袋は開封済みだったりで手をつけていないものは何もない。

「ちょっと見てきたがあったのはこれぐらいだったな」
「いらない」

人が手をつけたものは、食べるのを避けられる。
ましてや、りせは女子高生。
他の世代よりも汚れることを嫌う彼女が、誰が触ったかもわからない食べ物を、
口の中に入れることに抵抗があって当然だ。

「少しは食っておかないと持たねえぞ」
「別にお腹空いてないからいいもん」

5/は、ビニール袋の中から一枚のクッキーを取り出してりせに差し出すも、
彼女はそっぽを向いて断った。

(まああんだけのことがあっちゃ無理もねえな)

5/は、りせの仲間捜索中に起こったことを思い返してみる。
最初はりせの能力に制限がかけられていることを想定して、
とりあえずは戦闘を行っていない人間を片っ端から当たってみた。

結果、灰色のパンツに覆面マントを纏った伝説の勇者がいたり、
妙な集団が変なモーションで延々と上空に飛んでいったり、
山田が大量発生していたり、全裸の赤髪の大男がウイルス撲滅運動をしていたり(ワクチン貰った)
『秋葉原』が意思を持って動いていたり、
極め付けに、一流のモデルにも劣らない美しい顔をしたピンク色の髪の女性が、
キン肉マンに出てくる超人みたいな筋骨隆々とした肉体で
『ドォォォォーーーーーーピングコンソメスーーーープ!!!』
と叫びながら走り回っていた。

いずれも書き手の複製である5/ならともかく、
一応は一般人である久慈川りせを困惑させるには十分であろうシーンの連発だ。

「カオスなのもぉ、ロワするのもぉ、りせにはムリ!キライ!シンドスギ!」

あげくの果てにすねてベンチで寝転んでいる。
こんな状態で更にカオスな状況に出くわしたら不貞寝してしまうに違いない。

「おまえら人間じゃねぇ!!!」
「野比ちゃぁぁぁぁん!!!」
「「「「「「「「ドララーーーーー!!!」」」」」」」」

悲鳴とともに、ベンチの近くの壁をぶち破って出てきたのは、
眼鏡の主婦と糸目とミニドラ軍団だ。

「おい大丈夫か!」

呆然としているりせを尻目に、5/はミニドラの一体に話しかける。
するとミニドラは、穴が開いた壁を指した後、力尽きて倒れた。


「フッハハハハ! キサマらの力は こんなものか!」
「楽勝ってマキュア大好き」
「ブッ潰す・・・・・・」

瓦礫を退けて現れたのは、赤と黒を基調とした、SFみたいな服を着た11人の集団だ。
高笑いする黒マフラーの男を中心に、扇風機みたいな髪型の少女や明らかに人外な頭の形をした男や巨漢が
立ち並んでいた。

「てめぇらがこいつらを殺したんだな」

ベルトをつけ、変身用携帯端末、ファイズフォンに変身コード『555』を入力した5/は、
リーダーの男を睨む。
そしてりせも、デイバッグから青い銃を取り出して臨戦体勢に入った。
だが、男は5/の予想とは裏腹に、5/の言葉に驚きミニドラ達の元に駆け寄る。

「残念だな・・・・・・こいつらはいい選手になりえる可能性を持っていただろうに」

男は、倒れているミニドラ達+2が一向に動かないことを確認すると、
憂いた表情でため息をついた。

「どういうことだ?」

死んでいるミニドラ達は、全身ボロボロで至るところ痣だらけなのだ。
先ほどの台詞からしても、男達がミニドラ達をいたぶっていたことは確実であるというのに、
殺意自体はなかった。 いやむしろ殺したことを悔いているのだ。
その矛盾に、5/とりせは首を傾げるばかりだ。

「それは俺が説明します」
(うわ、すごい格好)

男達の後ろから、ドレッドで編んだ髪の少年が現れる。
水中眼鏡みたいなゴーグルをつけて青マントを羽織った奇抜なファッションに、
りせは一瞬ひいたが、そんな彼女を無視して少年は事情を説明し始めた。


彼の名前は鬼道有人といい、雷門中学のサッカーチームに所属しているということ。
あの集団はエイリア学園という組織の子供達で、サッカーチームに挑戦を叩きつけ、
試合で勝つことにより、その施設を破壊し回る集団だということ。
鬼道は彼らをサッカーで倒すために、仲間達とともにイナズマキャラバンで日本中を旅していたということ。
実はエイリア学園の子供達は、吉良星二郎という男によって作られた、
世界を戦乱の渦に巻き込むハイソルジャー計画の尖兵だということ。

しかし、当の吉良は、とっくの昔に改心して警察の御用になっているため、
今のエイリア学園を操っているのが誰だかわからないということ。
エイリア学園の子供達は、一度は保護されたはずだが、一部の少年少女達が行方不明となり、
パワーアップしてエイリア学園に戻っているということ。
以前は中学校を標的としていたが、今は全世界のあらゆる組織を破壊し続けているということ。
そして、今の自分は仲間と離れ離れになってしまったため、有志として申し出してきたミニドラ達とともに
エイリア学園のチームの一つ、イプシロンと戦っていたということ。

「つまり、そのボスを倒せばあいつらが戦う理由は無くなるということだな」
「ああ、サッカーを破壊の道具に使う許せないやつに違いない!」
(そもそもサッカーを破壊の道具に使うって発想がないよ・・・・・・)

この超次元な話題にペルソナに目覚めてテレビの中を冒険した程度の女子高生がついていけるわけがない。
しかし、不貞寝しているりせを尻目に5/と鬼道は話を進めていく。

「このままあいつらを野放ししていては、また犠牲者が出てしまいます。
だからそのためにあいつらをサッカーで倒さなければいけない」
(いや普通に実力行使で止めてくれる人探しなよ)

「ふん、そういうことだ。 俺達を止めたければまた選手を連れてくるんだな。
そして俺をもっと愉しませろ!」
「ちょっと待て!」

その場から立ち去ろうとするイプシロンの選手達を止めようと、鬼道は彼らの前に立ちふさがるが、
キャプテンの男、デザームは鼻で笑って鬼道を見下ろす。

「仲間を失ったお前一人に何ができる。 それともお前一人で我らと戦うつもりか?」
「マキュア、弱小チーム嫌い(笑)」
「ブッ潰す・・・・・・」
「くっ・・・・・・!」

残念ながら寄せ集めのチームメイトは既に亡き者となっている。
そして鬼道自身もイプシロンとの試合で積み重なったダメージが少なからず残っている。
そのため、鬼道はイプシロンに再び勝負を挑むに挑めなくなってしまった。
だが、鬼道の隣に一人の青年が並ぶ。

「チームメイトなら俺もいるぜ。 今入ったばかりだけどな」
「5/さん・・・・・・」

不貞寝しているりせを引きずって、5/が鬼道の肩に手を置いた。

「俺もエイリア学園ってのがイラついてきたところだ。 生憎中学生ってわけでもないが、勝手に入部させてもらうぜ」
「ありがとうございます」
「ふははははは!!! 中々面白い、だが貴様らはまだ三人。
たったそれだけの人数で我らイプシロンに挑むとは、我らも舐められたものだな!」
(三人って私も人数に入ってるの!?)

驚いているりせを無視して、デザームは高笑いをする。
しかし、直後に壁をぶち破って二人の男女が姿を現す。

「「三人じゃない ぞ/わ!!!」」
「何者だお前ら!?」
「俺は太陽の子、仮面ライダーBlackRX!」
「同じく太陽の女王、南春香!」

街頭の光を浴びて高らかに宣言して現れた男女に、
その場にいた者全員が驚愕する。
つい数分前まで秋葉原で伸びていた彼らだが、イプシロンの破壊活動を目撃して
このスタジアムまで光の速さ(というかライドロン)で駆けつけてきたのだ!
不敵に微笑むデザーム。
ブッ潰す・・・・・・とイプシロンの女子選手。
これで勝つる、と5/。
ただ、困惑する鬼道。
もうどうでもいいや、とりせ。

「話は全て聞かせてもらったぞ!」
「エイリア学園・・・・・・きっとクライシス帝国が裏で絡んでいるんだわ!」
「己クライシス! 純粋な子供達を洗脳し破壊の尖兵として使うとは・・・・・・許ざんっ!!」
「許さないわっ!!」
(何この人達)

突如現れた仮面ライダーと女子高生に5/と鬼道は歓喜し、デザームは不敵に微笑む。
そしてりせは不貞寝する。

「面白い、面白いぞ貴様ら。 だがそれでも人数は・・・・・・」
「俺でよければ加勢するぞ」
「僕もちょっと手伝ってあげようかな」
「貴方は本郷さん!」
「この人が光太郎さんの言ってた先輩ね!」
(あーよかった。 今度はまともそうな人だ)

てつを達がぶち破った壁の奥から出てきたのは、仮面ライダー1号こと本郷猛と
スーパーアポロガイストから逃げてきた海東大樹だ。

「ちょっと失礼するよ」
「きゃ!? 何するのよ!」

大樹は、寝転がっているりせのポケットに手を突っ込む。
そして、そこから先ほど彼女が持っていた銃、ディエンドライバーを取り出した。
え? ディエンドライバーがなんでこんなところにあるかって?
そりゃ別の世界のディエンドライバーがりせに支給されていたんだろうJK。
オールライダー対大ショッカーは本編のパラレルワールドだし。

「何ってこれは元々僕のものだ」
「あ、そうなんだ・・・・・・」
「じゃ早速」

大樹は、唖然とする5/達の前で、ディエンドライバーにカードをセットする。
そして、ディエンドライバーを上空に向け、電子音声が響く。

  • KAMENRIDE DIEND-

すると大樹は、CPUクーラーをモチーフにした仮面ライダーディエンドに変身した。

「クライシス帝国の刺客かと思ったら仮面ライダーだったわ!」
「君のそのまっすぐな瞳を信じよう」
「任せてくれたまえ」

新たに現れた仮面ライダーに、てつを達は歓喜する。
特に、変身ヒーローや怪人等とは無縁な人生を送ってきた鬼道は驚きを隠せない。

「人数はまだ足りないが、それぐらいは俺達がフォローする」
「頼りにしているぜあんたら」
(まーいっか)

5/と本郷は握手をし、互いをチームメイトだと認め合う。
そして二人の手に、りせ、鬼道、光太郎、春香、ディエンドの手が乗る。
合いの声を入れた7人は、イプシロンを見据えた。

「人数の少なさを何処までカバーできるか試させてもらおうではないか!
では早くポジションに着くがいい!」

デザームは、穴の空いた壁の向こうに映るグラウンドを指し、
消えたかと思うとグラウンド内に現れる。
グラウンドには陣形を形作るようにイプシロンの選手が並んでおり、
5/達はそれがサッカーのフォーメーションであることを理解できた。
そして、5/達もグラウンドに向かい、鬼道の指示でそれぞれのポジションにつく。

※ポジション図
FW=フォワード   :主にシュート打つ人
MF=ミッドフェルダー:攻撃も守備も担当する人。 相手からボール奪ってFWにボール渡すのもこいつら。
DF=ディフェンス  :守り専門の人。
GK=ゴールキーパー :サッカーのゴールを守る人。 決して某会社と関係があるわけではない。


       てつを(FW)    

               鬼道さん(MF)

       本郷さん(MF)  5/(MF)

                      りせ(DF)

       ディエンド(DF)          

           姉さま(GK)


「まあ人数は足りているんだけどね」
「「「「「「え?」」」」」」

KAMENRIDE -SUPER1 SKY RIDER J SCISSORS-

電子音声が鳴り響いた後、
仮面ライダースーパー1、スカイライダー、仮面ライダーJ、仮面ライダーシザースの四人の仮面ライダーが姿を現した。
ディエンドの十八番のライダー召喚である。
もっともこの能力で召喚したライダーは、基本的には本人の姿形だけを似せた人形であり、
能力も、本来の6割程度しかない。

「あれはBLACK世界の俺を召喚する時に使ったやつだな!」
「じゃあ大丈夫ね!」

ちなみに例外がてつを。 だって本人が召喚されたんだもん。
とにかく、これでイレブン(11人)が揃い、
再びポジションを決め直した。



       てつを(FW)   5/(FW)

スカイ(MF)                  鬼道さん(MF)

       本郷さん(MF)  スーパー1(MF)

ディエンド(DF)                りせ(DF)

       蟹(DF)     J(DF)


           姉さま(GK)

まず、速攻に向いているてつをと5/に攻めを担当させ、
ファイブハンドによって臨機応変に対応できるスーパー1と、
幾多の技を持ち、戦闘経験も豊富な1号、そして空を飛べるスカイライダーをMFに当てる。
そして、運動経験の乏しい彼女をボールが着にくい位置に寄せてカンゼオンでのバックアップを担当させ、
蟹とJを盾にする。
ゴールキーパーは最初、ファイブハンドの一つ、パワーハンドによって怪力を発揮できるスーパー1を担当させようかと
したが、本人の申し立てで南春香となった。

『実況はこの私、鳴滝と』
『ア、アツコが担当します・・・・・・』
「アツコ!? どうしたのその格好とおじさん? もしやクライシスに・・・・・・」
『あ、春香違うのこれは・・・・・・』
「あの娘のまっすぐな瞳を信じよう」



「準備ができたようだな」
「マキュア、弱いチーム嫌い」
「ブッ潰す・・・・・・」

イプシロンの選手達は、皆闘志をむき出しにして
ライダーイレブン(仮名)に不敵に笑う。
そして、彼らのキックオフによってゲームが開始された。



☆ ☆ ☆


「ほらよ」
「何!?」
『おーっとイプシロンのゼル選手、ボールをライダーイレブンにパスしたぁ!?』
「ハンデだよハンデ。 だってお前ら寄せ集めだろ?」
「・・・・・・っち」
『これは余裕のイプシロン。 ライダーイレブンこのまま嘗められているわけにはいきません』

ボールを受け取った5/は、ドリブルして敵陣に走っていく。
しかし、5/の前にイプシロンのフォワードである、扇風機みたいな髪型の少女と黒肌白髪の少年が立ちふさがる。

「仮面ライダー5/号、パスだ!」
「5/号さん、本郷さんにパスして上がってください!」
「誰が5/号だ!」

今の5/は仮面ライダー555(ファイズ)に変身している。
昭和ライダーである本郷猛こと仮面ライダー1号は、
後輩ライダーと認めたライダーに○号とつけるのだ。
スカイライダーは8号、スーパー1は9号、RXは11号(BLACKは別物とカウントすると12号)である。
ちなみに、ファイズは仮面ライダーXをオマージュされたデザインとも言われ、
Xも5号ライダーであるため・・・・・・

まあともかく5/が変身するファイズは5/号がしっくりくるわけである。
5/は仮面ライダー1号にボールをパスし、自らはシュートに備えるため、1号からボールを受け取れる距離を保ちながらも
相手フィールドに上がっていく。

「おっとそうはいかないな」
「ブッ潰す・・・・・・」

しかし、一緒に上がっていたRXもろとも、5/は相手のMFにマークをされてしまう。
振り切ろうと試みる二人であったがイプシロンのマークは厳しく、右に動けば右に立ちふさがり、
かといって左に動こうとすればもう一人のMFに道をふさがれるのだ。
RXと5/にそれぞれ二人ずつマークがついているため、1号は彼らに思うようにパスができない。

「マキュア、弱いやつ甚振るの大好き」
「ライダージャンプ!」
『イプシロンのマキュア選手のスライディングが仮面ライダー1号に襲い掛かる!
かと思ったら1号は見事なジャンプでこれを回避した!
でもどうする仮面ライダー1号!? 着地点にはイプシロンのFWが待ち構えているぞぉ!』

「受け取れ! スカイライダー」

落下中、1号はオーバーヘッドキックで飛行を始めたスカイライダーにパスを送る。
人形であるはずなのに、何故かスカイライダーはうれしそうだ。
本郷はスカイライダーの微妙に左右に揺れている滑空飛行を見て、心なしか小躍りしているように見えた。


※イメージです

          /⌒ヽ
   ⊂二二二( ^ω^)二⊃
        |    /
         ( ヽノ
         ノ>ノ
     三  レレ
↓この辺にイプシロンの選手達がいる


『ここで1号、スカイライダーにパスだ!
そしてスカイライダーはボールを足に挟んだままイプシロンのフィールドを飛んでいくぅ!
このままイプシロンのゴールに向かうつもりか!?』
「「ちょ、せけえよ!」」
「せこいのってマキュア嫌い!」

イプシロンのFWと5/は思わず突っ込んだが、ルール上はなんの問題もない。
そのままゴール前まで飛んできたスカイライダーはボールにスカイキックを打ち込んだ。

『おーっとスカイライダーのシュートがイプシロンゴールに襲い掛かるぅ!
これはライダーイレブンの先取点確定か!?』

上空から向かってくる、新品のダンプカーをぶち壊す力(の6割程度)が込められたボールを視認した
ゴールキーパーのデザームだが、一向に動じる様子はない。
デザームは、口元を緩ませながら、両腕で円を描く。

「ワームホール!」

デザームが叫ぶと、彼の前に緑色に淡く輝く空間が出現し、ボールはその中に吸い込まれてしまった。
直後、消えたかと思われたボールが、ゴールのフレームポールに発生した空間から現れ、
そのままデザームの横の地面にめり込んだ。

『なんということだぁ! デザームのキーパー技によってライダーのシュートがあっさりと止められてしまった!?
己ディケイド!』

「なんだよあれ・・・・・・」
「気をつけて! あの技はワームホールって言って、目の前にワープ空間を発生させる技みたい!」
「ワープ空間って反則すぎだろ!」
「でも、もっと強い力を入れれば敗れるみたいだよ。 それにあのワープ空間はあまり遠いところには繋げないみたい」
「もっと強い力て言ったってな!」

ボールを片手にほくそえむデザームを前に、5/は頭をかく。
りせの分析によって、相手の技の一つを解析したわけだが、
どうにもこのイプシロンという集団は彼が思ったよりも曲者なのだ。
何せワームホールである、空間操作である。
この手の技を持つやつは、大体チートだと相場が決まっているのだ。
力づくで敗れるらしいが、少なくとも仮面ライダーの必殺キックでは通じない。
何せ強化に強化を重ねたせいか、仮面ライダー達と張り合える身体能力を持っているのだ。

「ふん、これが貴様らの実力ということか。
戦闘時間は6000・・・・・・10分でケリをつけてやろう」
『ここでデザーム、不敵にライダーイレブンを挑発だぁ!
このまま嘗められていいのかライダーイレブン!? いやいいはずがないっ!』
「ああそうだ、仮面ライダーの力、見せてやるぞ!」

1号の渇によって気合を注入された5/達は、
イプシロンの攻撃に備えるために自分側の陣地に下がる。

「光太郎さん5/さん、今は攻撃をやめて防御に専念してください!
スカイライダーも今は地上に降り・・・・・・」
「ブッ潰す・・・・・・」

鬼道の指示よりも先に、イプシロンのMFがボールをリフティングさせて飛び上がる。
そして、オーバーヘッドキックをすると、突如、ボールが炎に包まれて幾多もの隕石へと変貌した。

「なにこれ・・・・・・」
『本当になんだこれはぁぁぁ!!! クリプト選手が蹴ったボールが隕石となって、
彼女をブロックしようとしていたRXと1号に襲い掛かるぅぅぅ!!!
これはさしずめメテオシャワーといったところか、己ディケイド!
スカイライダーは至近距離からまともに浴びてしまい消滅してしまったぁぁぁ!!!』

「ぶっちぎるぜぇぇぇ!!!」
『おーとRX、なんと自ら隕石の中に飛び込んでいく!
身を挺してクリプトからボールを奪うつもりなのか!?』
「チェンジRXロボライダー!」

隕石の一つがRXに襲い掛かるが、RXは装甲の硬さに定評のあるロボライダーに変身し、
隕石を殴って砕いた。
しかし、その先にMFの姿はなく、地面には隕石によってできたクレーターと、
なんとかそれらを避けた1号がいるだけだ。
RXが砕いた隕石は外れだったのだが、むしろある意味では好都合だったかも知れない。
本物だったらボールに手触れてハンドだったし。

「光太郎さん、やつはもうゴール前まで来ている。 早く下がるんだ!」
「何だと!?」

鬼道の言葉を聞いて自軍のゴールを見てみると、既にイプシロンのMFはDFのシザースまで迫っている。

『クリプト選手、RXと1号とスカイライダーを抜き去りゴールまで着々と進んで・・・・・・
あれ? どうしたことだぁ!? ライダーイレブンのDFは三人しかいないぞぉ!?
己ディケイド! これも貴様の仕業かぁぁぁ!!!』
『さっきから我慢していたけど、ディケイド関係ないと思う・・・・・・』
「ってディエンドは何処いった!? あいつもDFのはずだろ!」

5/が自軍のゴール前を見ていると、りせとJとシザースしかいない。
そう、ディエンドの姿がいなくなっているのだ。

「春香、あんた、なんか心当たりはあるか?」
「なんか大切な用があるからって帰ったわ!」
「帰ったぁ?」



【二日目・23時45分/新惑星・東京都】

【海東大樹@仮面ライダーディケイド】
【状態】健康、仮面ライダーディエンドに変身中
【装備】ディエンドライバー
【道具】支給品一式
【思考】
0:全裸の男(右京)に加勢しにいく
1:お宝を探す
2:そういえば士達は何処だろう
3:ライダーイレブンには申し訳ないけどまあいいや

「しっかり状態表まで残していってんじゃねえよ・・・・・・」
「何言ってるの5/さん? ってそれどころじゃないよ!」

そう、りせの言うとおりに今はそれどころじゃない。
イプシロンのMFはFWにパスをする。
ここでイプシロンは先取点を取るつもりなのだ。
FWである黒肌白髪の少年が手をかざすと、彼の手は紫色の光に包まれ、
同じ色に輝くボールが彼の手元まで浮かび上がる。 手に触れていないのでハンドではない。

「来るぞ!」
「ガニメデプロトン!」

かめはめ波のモーションで、彼の両手から紫色の波動が噴出し、
それに包まれたボールがゴール目指して突き進む。 なお、手に触れていないので決してハンドではない。

『なんとイプシロンのゼル選手、かめはめ波をシュートに応用だぁぁぁ!!!
波動がシザースを易々と粉砕し、その力が集まったボールがゴールキーパーに容赦なく襲い掛かるぅ!
これは正直ゴールキーパー逃げたほうがいい!』

カードに戻るシザースを見て、ライダーイレブンの選手と実況のアツコは戦慄する。
劣化コピーのシザースはいえ、ライダーを粉砕玉砕大喝采するシュートだ。
そんなものを生身の人間が喰らったら、結果は火を見るより明らかである。
5/と1号と鬼道は彼女を守ろうと駆け出し、りせは襲い掛かる惨劇に耐えられないのか、自分の両目を覆い、
スーパー1はパワーアームでキャッチしようとするも、それはルール違反じゃね?と動くに動けず、
Jは春香を守ろうとして彼女の前に出て、普通にボールにぶっ飛ばされた。
しかしRXだけは、仮面越しに彼女に向かって微笑み、頷いた。

「わかったわ光太郎さん」

彼に向かって首を縦に振った春香は、腰を捻って右手を開く。

「ぶっち・・・・・・」

春香が呟くと、彼女の右手がリボルケインみたいに発光し始める。
ぶっちぎり、というか超次元サッカーなので仕方が無い。

「ぎるわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

そして右腕を思いっきりボールに向かって突き出す。
怪しく光る紫のボールは、光り輝く黄金の掌の前で止まり、
彼女の五指が突き刺さって破裂してしまった。

「なん・・・・・・だと?」
「信じられない・・・・・・」
『なんということだぁぁぁぁぁぁ!!! ゴールキーパーの南春香、
ゼル選手のガニメデプロトンを軽々と受け止めてしまったぁぁぁ!!!
それどころかボールを握り潰してしまったぞぉ!』
『え・・・・・・嘘・・・・・・春香・・・・・・あなた一体・・・・・・』

ライダーイレブンの陣地だけならず、イプシロンの陣地にも戸惑う声が飛び交う。
実況席でも、春香のクラスメイト(参戦元は違うが)のアツコが目を点にしている。
そりゃ無理もないだろ。 ただの女子高生である(と思った)少女が殺人シュートを受け止めたんだし。
余談だけどイナズマイレブンって初期の時点でダンプカー衝突以上の衝撃を持つシュートや
それを止める技がいっぱいあるんだってさ。

「ふっはははははは!!! やるではないか女! だがこれがイプシロンの本気だと思うなよ」

(マーラ様の人よ・・・・・・あんたの会いたがっていた女は当の昔に人間卒業していたようだぜ。
まあその程度あんたなら気にしないだろうが)

別行動中の創造主を思い出しながらも5/は反撃準備に取り掛かるため、元のポジションに戻る。
が、ここで春香が新しいボールを抱えてポーズをとった。

「ブッチギルンジャーボール、いくわよー! スーパー1!」
『鬼道!』
「J!」
『りせ!』
『鳴滝さん、声当てしないでください声優じゃあるまいし』
「てかわたしぃ!?」

スーパー1、鬼道、Jによってバウンドされてパワーが蓄えられたボールがりせの頭部に現れるものの、
彼女はペルソナでなんとかこれを弾く。

「じゃあ5/さん!」
「ああ」

5/はパスされたボールを足で受け止め、そのまま地面に押し付ける。
ボールを奪おうとイプシロンのFWが前に出るが、それよりも早くRXが現れ、
ボールを勢いよく蹴りだした。

『ライダーイレブンの新必殺技、ブッチギルンジャーボールが炸裂だぁぁぁ!!!
イプシロン陣地をグングンと山なりに進んでいくぞぉぉぉ!!!』

「駄目だ! あれでは高すぎる」

意気揚々に打ち出された必殺シュートに気合を入れるライダーイレブンの中、
唯一鬼道だけがその顔に焦りの表情を浮かべる。

「中々面白いシュートだ。 だが残念だったな、少し高すぎたようだ」

サッカーに慣れてない光太郎の放つロングシュートは素人同然のもので、
ループシュートというにもあまりに高く飛びすぎている。
ゴールのフレームポールギリギリに入るかも知れないが、
飛び上がったイプシロンのDFが、シュートの放物線上に重なってしまう。

「このボール、イプシロンが貰ったぞ!」

もしかしたらDFを弾くことができるかも知れないが、それでもゴールキーパーのデザームのところに来るまでに
勢いが衰えてしまうだろう。
そうなってはせっかくパワーを集めて放ったブッチギルンジャーボールも意味はない。

「いや、大丈夫だ」

そんな中、RXは落ち着いた声で上空のボールを見据える。
ボールの前にはそそり立つ二人の敵DFがいる。
しかし、彼らより高く跳ぶ、緑の影が一つ。

「あれは一体!?」

速く、そして高く跳ぶ緑色の影を、普段それと親しみの無い鬼道達は認識するまで時間がかかった。
だが、彼らもRXこと南光太郎のように、その存在を瞼の奥に焼き付けられる。
鋭く大地を蹴って繰り出される、洗練されし技の極みを。
後に続く仮面の戦士達の魂となった、必殺の一撃を。

「ライダーキィィィィィック!!!」



☆ ☆ ☆



『なんと仮面ライダー1号だ! これすごい!
必殺のライダーキックがサッカーボールに深々と突き刺さるぅぅぅ!!!
ボールは更に勢いを増してイプシロンのゴールに向かって・・・・・・』




         |::::::l {  |!  V:::::::::::::∧{、          :/        / | {  ./  ,′
         ∨:∧  |l  ∨::::::::/ヘ.        / l.ト     /  j |  /  /
          V::::li、 !l   ヽ:::::ii:::::::::::ヽ./:二二二ヽ.  |! \./  ,./ /、 /
         _.  ヽ::|iヽl {    \{::::::::::::::j:/ |二| :::|i  j| /   // イ }{/
     /  >‐1ト、 \、   |{j7ー- ム{., ‐_=‐ 、 l{_> '´    /イ  ,.ィ|ー< ̄`丶
    / , イ   ..||!:lヽ.  \   l !   //´__`ヽ.ヽ、      /   /.ィ ト、  `ヽ、 \
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イ{::´::::::  :::::.    :\     \:::::::::::::::\ヒ___ヽ/       |! j { ./       !|    }}::※注:デザーム

「ふっはははは!!! ならばこちらも最高の技で向かえてやろうではないか!」
「気をつけて! デザームってやつの左腕にものすごいパワーが集まっているよ!」

高笑いするデザームを解析したりせだったが、シュートを撃ってからではその警告ももう遅い。
デザームの左手から巨大なドリルが現れ、ボールに向かって突き出される。


     ____
.   /    丶      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   / .ノレ、レW)ヽ    ∠  ドリルスマッシャァァァァァァァ!!!!!
   |  |  |  | ∥ ___\_______________________
  .ハ . ゝ ▽/|  |/ / / /\
.   )〆ヽ|x|/|]]二| / / / / />○三三三
  (ノ(○ヘ_|_.L|.リ  |/ / / //
  \__人_/\  ̄ ̄ ̄
.       > )\_>i7'7
      <^vi>  L/
       `‐┘
※イメージ映像です!


激しい衝突音を放ちながら、ボールに触れたドリルの先端から火花が飛び散る。
そして、辺りの空気が振動し、ゴール前の地面は衝撃で凹む。
ドリルが消えた後、残ったのは勢いを失って落ちてきたボールを片手で持ち上げるデザームだった。

『なんと仮面ライダー1号のライダーキックを込めたブッチギルンジャーボールが止められてしまったぁぁぁ!?
ドリルだから仕方が無いとはいえ、あまりにも理不尽だぁぁぁ!!! これもディケイド、貴様の仕業かぁぁぁ!!!』


「なんだと・・・・・・?」
「ブッチギルンジャーボールが破られるなんて・・・・・・」
「諦めるなみんな! 希望はまだあるはずだ!」
「本郷さんの言うとおりだ。 幸いまだ点は入れられていないし前半も終わっていない。
まだシュートを撃つチャンスは残されているはずです!」





その後もライダーイレブンとイプシロンの激突は続いていった。

「ボルテックシューター!」
「ドリルスマッシャー!」

しかし、シュートは一向に入らず、

『スーパー1の冷熱ハンドから噴出される冷気と熱線が交じり合ってファイアブリザードしたボールがデザームに襲い掛かるぅ!』
「ドリルスマッシャー!」

撃つたびに何度も何度もボールを止められてしまう。

「RXキック!」
「ドリルスマッシャー!」

鬼道の言う通り、チャンス自体は幾多も残されていた。
だが、今のライダーイレブンにはそのチャンスを生かせるだけの攻撃力が足りない。

「ガニメデプロトン!」
「ぶっちぎるわぁぁぁ!!!」(パァン)
『おおっと、ボールが破裂した!』

ましてや、人数を欠いてイレブンとなっていない彼らでは、敵にシュートを撃たせることも多かった。

「「「ガイアブレイク!」」」
「ぶっちぎるわぁぁぁ!!!」(パァン)
『おおっと、ボールが破裂した!』

もっとも、それは全部、春香によって止められたが。

「ガニメデプロトン!」
「ぶっちぎるわぁぁぁ!!!」(パァン)
『おおっと、ボールが破裂した!』


こうして、試合は膠着したまま前半を終えたのであった。


最終更新:2010年02月01日 21:33