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「ザ・ワールドッ!ゆっくり停止していってね!!」
生首となってネウロに踏みつけられていたDIOは渾身の力を振り絞ってスタンド能力を発動させた。
生首状態のDIOが止められる時間は僅か0,01秒程度。しかしそれだけあれば事は足りる。
「ッ!」
「ネウロさん!」
時が止まったその一刹那の間に、DIOは首の切断面から伸ばした血管をネウロの首筋に突き刺していた。
(兎に角今は新しいボディを手に入れなければ・・・!このDIOの面を足蹴にしたクズの肉体を使うのは癪だがやむを得ぬッ!)
DIOはネウロに突き刺した血管をさらに奥深くへ押し進め、完全に肉体を乗っ取ろうとした……

が、
「ほう、この生首はこんな芸もできるのか」
ネウロは涼しい顔をしている。それどころか――
「UGAAAAAAAAAAAッ!!なんだこれはァッ!!」
DIOは悲鳴を上げた。ネウロに刺した血管から『何か』がDIOに向かって逆に侵蝕を始めたのだ。
「UGYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYッ!!」
DIOは必死になって自分を侵蝕しようとする『何か』を押し返す。その様をネウロはニヤニヤしながら見ていた。

「ハァ……ハァ……このDIOに何故このようなことが……お前も吸血鬼か……?」
「吸血鬼? 我輩を貴様のようなノミと同等の害虫と一緒にするな」
ネウロがそう嘯いた瞬間、DIOは再び悲鳴を上げた。
「ほれ頑張れ、頑張らないと貴様の脳味噌を我輩に削られるぞ?」
「GUAAAAAAAAAAAAAAAAッ!!」

血管を逆流してくる『何か』――自分の精神を消滅させようとするネウロの魔力――を必死になって押し返そうとするDIO。
DIOが少し押し返したかと思うとまたすぐにネウロは魔力を侵蝕させる。
そうして生首の顔が赤くなった青くなったりするのをネウロは楽しそうに見物している。
「あの……ネウロさん、大丈夫なんですか?」
目の前で起きている常識を越えた展開に呆然としていた圭一がようやくネウロに声をかける。
「問題ない。それよりもまずは腹ごしらえだ。『謎』を食いにいくぞ。……生首はこのままにしてな」
自分の首に絡みついた生首がWRYYYYィと呻くのを聞きながら、ネウロは圭一を伴って秋葉原跡地を後にした。自らの食料を探すために。

数時間後――
「WRY……ィィィ……」
DIOの精神は崩壊寸前だった。この数時間休むことなく自分を侵蝕しようとするネウロの魔力と戦い続け、その精神は磨耗しきっていた。
考えてみれば散々ダンジョンをさまよった上に元部下に襲われて首だけにされ、さらにこの仕打ち。
いかに吸血鬼の生命力が強靭だとはいえ、最早DIOの疲労は限界を迎えていた。
そしてそんなDIOを尻目にネウロは謎を食い続けているのだった。

【有森裕二@金田一少年の事件簿】
【浅井成実@名探偵コナン】
【黛竹千代閣下@古畑任三郎】
【ミラクル三井@TRICK】
【ジェイムズ・シェパード医師@アクロイド殺し】
死亡確認 死因:謎を食われたことによるショックで自殺 ※自殺なので大量虐殺にはカウントされない

「まだ足りん……織田信長を倒すためには」
ネウロはそう呟いてから、思い出したように自分の首筋にぶら下がっている生首に目をやった。
「……ゥィ……リ…………」
「ふむ、これにも飽きてきたし、そろそろ捨てるか。」
そしてDIOの頭部を鷲掴みにし、力を込める。

「…………ィィィ……」
末期の意識でDIOは考える。自分は帝王だった。世界を統べる力を持っていた。
だがこの男――脳噛ネウロにはそんなDIOの力はまったく通用しない。
ネウロは自分の及びもつかない世界の存在だった。帝王だと思っていた自分の世界は、砂上に立てられた塩の楼閣に過ぎなかったのだ。
自分の頭がトマトのように潰されるのを感じながら、DIOの意識は途絶えた。

気がつくとDIOは薄暗い教会の礼拝堂の片隅に隠れるようにうずくまっていた。
(何故……俺はこんなところにいるんだ……)
思い出せない。
礼拝堂の中には一つの棺が安置されており、一人の神父が忙しそうにその周りを動き回っていた。

「そんなところで…………何をしているんだ? 神父さん」
DIOは思わずその神父に声をかける。神父はDIOの出現に驚いた様子もなく答えた。
「休憩中すまないね……今……葬儀の準備中でね……あるご婦人が亡くなったんだ……まだ若いのに病気でね」
浅黒い肌の神父は、穏やかに語りかけてくる。
「気の毒にね……飲んだくれの夫との間に、まだ幼い男の子を残して逝ってしまったんだ……」
頭がガンガンと痛む。
「祈るのか? その女のために」
「神には祈らない。私は真の天国を目指しているからな」
次の瞬間、DIOは自分で思ってもいなかった質問を神父にぶつけていた。

「ああ……その……なんだ……参考までに聞きたいんだが……
 ちょっとした個人的な好奇心なんだが、重力を、人と人とが何故出会うのかを考えたことはあるかい?
 我々は皆、どうしようもない運命の奴隷であると……そうだとするなら、あんたはどう思ってその天国を目指しているんだい?」
神父は動きを止め、DIOへと向き直った。
「そうだな……私は真の幸福とは『覚悟』することだと思っている。自らの運命を知り、それを覚悟する世界こそ、人類の目指すべき天国であると。
 私はその天国へ向かうためならばどんなことだってする。人を騙し利用することも、実の弟を殺すこともためらわない」
そう語る神父の瞳。漆黒の意志で充たされた邪悪な瞳を見つめながら、DIOは不思議なほど穏やかな気持ちで呟いた。
「うらやましいな……」
DIOはうつむき、言葉を続けた。
「俺は……この世界の支配者になりたいと思っていた……親父を殺したころから……
 かつてお前のような『漆黒の意志』を抱いていた事もあった……
 闇の帝王だの悪の救世主だのと呼ばれたこともあった……でもやられてしまった……
 人間を辞めてもな……くだらない男さ、なんだって途中で終わっちまう、いつだって途中でだめになっちまう…………」

「そんなことはないよ……DIO」
「え?……」
思わず顔を上げるDIOに神父は優しく微笑みかける。
「君は立派にやっているじゃないか……『意志』は同じだ……君が抱いていた世界を、運命を支配しようとする意志は……
 今……君の心の中に再び戻っているのだよ……DIO」
その瞬間、稲妻に撃たれたようにDIOは思い出した。
「お前は……!!そうだ!!お前はッ!!あの時教会の礼拝堂で私に躓いた……!!」

次の瞬間、DIOの世界に奇妙な光が満ちた――

ネウロがDIOを頭を握りつぶそうとした時に異変は起きた。
「ネウロさ……!!」
脳噛ネウロの身体が、DIOの首が突き刺さっている首筋から真っ二つに――文字どおり縦に真っ二つに裂けた。
「ッ!!!」
半身をもぎ取られたネウロは、しかし次の瞬間にはもがれた肉体を修復し、迎撃の態勢に入る。だが――
「無駄だッッッ!!ザ・ワールドッッッ!!」

――時が動き出した次の瞬間、ネウロはその身体にザ・ワールドの攻撃ラッシュを受けて吹き飛ばされ、背後にあったビルの壁にめり込む。

「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYッッッッッ!!!!」
立ち込める粉塵の中、ビルの壁から抜け出してきたネウロが見たものは、前原圭一の喉笛に牙を突き立てている元・生首――DIOの姿だった。

「ご……ぁ……ぃ…………」
悲鳴にならない悲鳴を上げながら、圭一は血液を吸い尽くされ干乾びて果てた。
「フンッ!」
そんな圭一のミイラ化した死体を、DIOはHBのエンピツをへし折るかのごとく砕き捨てる。

「……吸血鬼の生命力ではなく、人間の執念で蘇ったというわけか。生首」
下僕の無惨な最期を見ても、魔人は動揺しない。吸血鬼はそんな魔人に対して凍りつくような憎悪の視線を投げかける。

「脳噛ネウロォォォォォ……!」
DIOの肉体は、見た目は鏡音リンによって失った肉体と瓜二つである。
しかしその肉体を組成しているのは「この世のものではない」もの。DIOはそれを己の身体として完全に支配していた。

「感じるぞ…・…我が肉体の隅々までかつてない力を……」
だがそれは最高にハイなどという高揚した気分はもたらさず、むしろ強い飢餓感、何かを手に入れたいという耐え難い欲求を伴っていた。

「脳噛ネウロ!まずはお前を殺しお前の力を完全に我が物とする!そしてこのバトロワに勝利するッ!
 人間も!主催者も!お前のいた魔界も!全てをこのDIOに服従させるッ!そして我が絢爛たる永遠の生を生きるのだッッッ!!」
凄まじい禍々しさをその身に纏いながらDIOはそう宣言した。その背後には彼のスタンド「世界(ザ・ワールド)」が浮かび上がっている。
だがそのスタンドのヴィジョンは以前と比べて巨大になり、元より強靭だった体躯はより筋骨隆々となって、その全身から魔界の瘴気を発散させていた。

「理解したぞネウロッ!お前がここで私と出会った意味は!お前は我が絢爛たる永遠の礎となるために俺と出会ったのだ!
 お前の運命はッ!このDIOに捧げられし旨し貢物なのだッ!!」

「身体を手に入れた途端随分とおしゃべりになったじゃないか、この生首は」
DIOに魔力ごと身体の半分を奪われたために、ネウロの持つ魔力は元の状態の半分にまで減っている。
現在持っている力はDIOとほぼ互角、だが彼は決してうろたえても臆してもいない。
ただ不快そうに顔をしかめているだけだ。

「貴様の運命など知ったことではないが、我輩の食卓を穢すゴキブリは駆除せねばなるまい。
 かかってこい〈元〉生首……魔界777ッ道具・激痛の翼(イビルトーチャラー) 」
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァァッッッ!!!」

時刻は午前2時30分。月の光さえ射さぬ新惑星上の闇夜の中で、
魔人探偵と邪悪の化身、不倶戴天の怪物同士の殺し合いは幕を開けた。


ちなみに2人の身体は変形しまくったためにどちらも首輪が爆発したが、人外の肉体と凄みで大丈夫だった。


三日目・2時30分/新惑星・秋葉原跡地付近】

【DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】ネウロの半身を己が肉体として大幅にパワーアップ 首輪は爆発した
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
0:WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!
1:カオスロワの混乱に乗じて、全ての世界を制覇
2:そのためにもネウロを殺しその力を完全に手に入れる
3:なんだこの飢餓感は……
※ネウロの半身と融合したために身体能力が大幅に強化されています
※それに伴ってスタンド「ザ・ワールド」の能力、及び時間停止能力も強化されています
※戦闘力は現在のネウロとほぼ互角

【脳噛ネウロ@魔人探偵脳噛ネウロ】
【状態】DIOに魔力を半分奪われる 僅かだが負傷 首輪は爆発した
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:人間は自分の暇を潰すための玩具
0:害虫(DIO)の駆除
1:織田信長を倒す
2:今はDIOを倒すことに集中
3:スバルvs綾崎ハーマイオニーの元へ帰る
4:基本、人間は守る
※圭一の死による精神的動揺はありません
※魔界777ッ道具、魔帝7ツ兵器は普通に使用できますが、魔力が半減していることを考慮しないと自滅する危険性もあります
※戦闘力は現在のDIOとほぼ互角

【前原圭一@ひぐらしのなく頃に 死亡確認】
死因:DIOによる捕食
最終更新:2010年02月11日 00:12