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この狂気のゲーム、バトルロワイヤルで主催の織田信長が消えた。
彼の魂は撃ち殺され、肉体は「ああああ」という名のヒーローではない勇者の操り人形となった。
もはや、このゲームは統治するものがいない殺人狂といない者を倒そうとする勇者しかいなかった。
主催がいなくなり無法地帯となったこのゲームは、皮肉なことに前の状態より悪化の一歩を辿っていた。

しかし第二の本部は存在した。
織田信長は参加者に倒される可能性も想定内だった。
だから予備の本部を作っていたのだ。
不運にも自分の部下に殺されるとは思いもしなかった。
が基地は物だ。作った以上、そこにある。
設備も万全。そしていまだ参加者からは一人しか見つかっていない。
では、その一人とは?その話はこれから続く。

スイッチがカチリと押されるボタンと同時に電灯が光を放つ。
そこの部屋はほこり一つも無い、近代的な設備に囲まれていた。
「ほう・・・伊達に殺し合いを開いたわけではないな・・・。
 しかし「あの世界」でのわしは何をしておるのだ。本当に困ったものだ」
彼の顔、体、声、服装、髪型のどれを見ても織田信長と瓜二つだった。
しかし織田信長とはまったく別物。それは当然だ。
彼は数ある平行世界の一人の「織田信長」だからだ。
彼は予備の主催本部を確認し始めた。

彼があるドアを開けると、そこには一人の大柄な武士が椅子に座っていた。
男はゆっくりと口を開いた。
「貴公は・・・織田信長様でございますか?」
ここでいう「織田信長」は今、操り人形となっている織田信長。
平行世界での彼は違う「織田信長」である。
だが彼は言った。この武士を利用できると思ったからである。
「そうだ。本部が潰されたのだ。生き残ったのはわしのみだ。
 作っておいて本当によかったと思う・・・。予備はやはり必要なものだな」
そう言いながら彼は椅子に座った。後ろにはドア。
武士は頭を少しかいたあと、織田信長に言った。
「山をみるものは・・・」
織田信長は戸惑った。これはいわゆる合言葉。
よくよく考えれば予備の本部を作るような裏を読む人間が思いつかないはずがない。
彼は当然答えることができず黙ったまま。
十秒とただ時が流れた。

武士は彼を斬りつけた。刀は弧を描く。
信長は間一髪避けることに成功した。が刀の攻撃はまだ続く。
右上から左下へと斜めに斬りおとされる。
その時、刀がガキィという金属音とともに弾かれた。
信長の手には大きな銃が握られていた。
「・・・信長様はそのような銃を持っておられていなかった。
 合言葉がいえない時点で偽物とは思っていたが、やはりそのようだな」
「それはそうだ。私はあのような部下に裏切られたようなクズとは違う。
 わしのほうがより強い偽者だよ。わしが頭領のほうがよかったな」
それを武士は恐る恐る信長に聞いた。
「裏切った・・・・とはどういうことだ?」
「殺されたのだよ。明智光秀という男にな」
武士の脳内にとてつもない悲しみが走った。
しかし、信長に管理を任されただけあってかすぐに気持ちを取り直した。
「・・・では今、敵となった明智光秀は殺さなくてはならない。前をどいてくれ」
「そのようなことができるか。貴様はここで死ぬ」
そういうと信長は左手に持っているトンプソンM1の引き金を引いた。
パパパパという音とともに武士は倒れ、この世から旅立った。
武士の死ぬ間際に思ったのはたった一つである。
なぜ、武器が現れたのか、と。

ここでの織田信長にはある能力があった。
それは重火器を召還する能力。もちろん制限はあるが。
拳銃からロケットランチャーまでなんでもござれ。そのような代物の能力だ。
彼はその能力を持ってして生まれた者。そしてそれを作ったのは二つ名メーカーというもの。
彼の能力は「硝煙奇術師(マニックリボルバー)」だ。
本来は二つ名と言ってあだ名のようなものだが、彼がこの能力があるからこそその二つ名が生まれたのだろう。
「さあ、私がこのゲームの主だ」
織田信長はにやりと笑い、スイッチを押した。
大きなテレビ画面に光が灯した。

三日目・9時/主催本部予備】

【硝煙奇術師(マニックリボルバー)の織田信長@二つ名メーカー】
【状態】健康
【装備】デザートイーグル(8/8) トンプソンM1(30/24)
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催となりバトルロワイヤルを円滑に進める。
※平行世界の織田信長が死んでいることは確認できます。誰に殺されたのかも確認できています。

【武士@戦国時代 死亡確認】
最終更新:2010年04月12日 00:37