「お願いです!オレをプリキュアにしてください!」
荒野となった東京を進むキュアディアーことアツコと鳴滝(そして2人のマスコット)その前に現れたのは、アツコの知り合いの少女(?)だった。
「あなたは!たしか夏奈ちゃんの後輩の……マコちゃん……だったかしら?」
「そうです!あなたは春香さんの友達のアツコさんですよね!? お願いです!オレをプリキュアにしてください!」
愛らしいヘアピンを揺らしながら、必死で懇願するマコちゃん。それにアツコは笑顔で応える。
「よかったわ!私達ももう1人のプリキュアになってくれる人を探していたの」
実は今まで、鳴滝とアツコはあちこちを回り、出会う美少女すべてに「プリキュアにならないか」と勧誘行動をしていたのだ。
しかしその勧誘に乗ってくれるものは誰もいなかった。その主な理由は「変身アイテムがキモイ」ことと
「鳴滝というオッサンのプリキュアに賭ける異常な情熱が気持ち悪い」ということだった。
「おのれディケイドォ!」
プリキュアが見つからないことを嘆く鳴滝、その横でアツコもくたびれきっていた。そんな時だったのだ、マコちゃんがプリキュアを志願してきたのは。
『自ら進んで悪と戦う道を選ぶとは……感心な御方です』
『? なんでか知らねえがコイツから相当なもっこり力(ぢから)を感じるぜ……これなら俺との相性もいいかもな』
「鳴滝さん、この子ならいいでしょう?私の知り合いだから信用できますよ!」
「 だ が 断 る 」
鬼神のような顔をして鳴滝は断言した。
「そんな!どうしてですか!?」
「どうしてかって……? それはね……
そいつが 男 だからだよおおおおおおおおおおお!!」
○ ○ ○
「オレが男だってばれるなんて……これもオレの溢れるワイルドさと生まれ持ったダンディズムのせいか……」
「マコちゃんが男の子だって、私全然気づかなかった……」
『どうりでもっこり力を感知できたはずだぜ……』
「女装で取り繕ってもこの鳴滝の目は誤魔化せん。なぜ女装などして我々に近づいた!?
ははぁ、さては貴様プリキュアのアイテムを奪いに来たディケイドの手先だな!この場で叩き殺してやる!」
鳴滝はものすごい剣幕で、近くにあったバールのようなものを拾い上げるとマコちゃん……改めマコトを殴りつけようとした。
「まって!
ごめんなさい!実はこれには理由があって……」
「まあまあ鳴滝さん落ち着いて!ねえマコちゃん、じゃなかったマコトくん、どういうことなのか私達に教えてくれない?」
実は……とマコトは語りはじめた。
この狂ったバトルロワイアルが始まってから3日目……マコトはスラムキングという男が支配するドラゴンという軍団に捕まっていた。
そこでマコトは人犬に改造されそうになっていたのだが、その直前に思ってもいなかった救世主がドラゴンに殴り込みをかけてきた。
それは仮面ライダーBLACKRX、そしてマコトの憧れの女(ひと)である南春香のぶっちぎりコンビであった。
2人はあっという間にドラゴン軍団を蹴散らした。スラムキングはRXのリボルケインで爆散し、スラムクイーンとズバ蛮は春香のアイアンクローと金的蹴りによって死んだ。
そしてドラゴンの全部隊とついでに外道会を完全に殲滅したブッチギルンジャー組は、新たなる悪を倒すために朝日の中に旅立っていったのである。
だいたい今朝6時ごろの出来事だった。
【
三日目・6時00分/新惑星・東京都】
【スラムキング@バイオレンスジャック 死亡確認】
【スラムクイーン@バイオレンスジャック 死亡確認】
【ズバ蛮@バイオレンスジャック 死亡確認】
【ドラゴン全部隊@バイオレンスジャック 死亡確認】
【外道会@バイオレンスジャック 死亡確認】
「春香そんなことしてたんだ……。それで、そのことがマコちゃ……マコトくんがプリキュアになりたがっていることとどう関わってくるの?」
アツコの問いにマコトは顔を真っ赤にしながら答えた。
南春香はマコトにとって憧れの人である。この女装だって元々は、南家に出入りして春香と会うために始めたものだ。
そして朝日の中、ぶっちぎって戦っている春香の姿は美しかった。
「でも……オレなんて手の届かない人になっちゃったんだなって……それに……」
すべての戦いが終わった後、仮面ライダーの変身を解いて春香の隣に立ち、爽やかに笑った青年……そんな彼に笑い返す春香……
「とても勝てないって、そう思った……でもオレがスーパーヒーローになって活躍すれば、ひょっとして春香さんがオレに振り向いてくれるんじゃないかと思って……」
「だからプリキュアになろうとしたのね……」
「男の上にそんな不純な動機でプリキュアになりたいなど!言語道断だ!おのれディケイドォ!!」
「な、鳴滝さん落ち着いて。もしも彼女、じゃなかった彼がプリキュアに変身できるのなら、マコトくんにパフュームを託してみたら……」
「駄目だ!男がプリキュアになるなど、そんな邪道、この鳴滝の目が黒いうちは絶対に許さんぞ!!」
喚きながらココロパフュームもといマリモパフュームを自分の服の奥に隠す鳴滝。そんな鳴滝を必死で説得しようとするアツコ。マコトはすっかり萎縮してしまっている。
「貴方様がたが光の戦士プリキュアですか?」
突然、変な公家口調で声をかけられ、争っていたアツコたちは驚いた。
声の先には異様な姿の怪人が立っている。
「あ、あなたは誰!?」
「これはこれは、お初にお目にかかります。我は筋殻(スジカラノ)アクマロと申しまして、三途の川に住む外道衆の一人にござります」
丁重に名乗る怪人。そんな彼の足元には、幾人もの切り刻まれた死体が転がっている。
「その人たち……あなたが殺したの!?」
「ええ、ゴレンジャイとか名乗っていらしたので試しに戦ってみたのですが、いやはや、大した楽しみにはなりませんでしたなぁ」
【山田隆夫@現実 死亡確認】
【ピカチュウ@ポケットモンスター 死亡確認】
【真紅@ローゼンメイデン 死亡確認】
【
赤木しげる@天 死亡確認】
【キスケ@おじゃる丸 死亡確認】
「外道……なんでこんなことを……」
「我はねぇ……地獄を見たいのですよ。外道衆として生まれた以上、決して見ることの叶わない真の地獄を
この世界は素晴らしい!天変地異の大災厄の中、全ての人と人とが殺し合っている!これこそまさに我が望んだ地獄の姿!!
……だからそんな
地獄絵図に水を差すような無粋な輩は排除しなければと思いましてなぁ……特にゴレンジャイだの、光の戦士だのという輩は!」
次の瞬間、アクマロが手から放った電撃によりアツコたちは吹き飛ばされていた。
「うわぁ!!」
「おのれディケイドォォォ!!あの怪人もディケイドの放った刺客に違いない!」
「こうなったら……せんとくん!」
『ええ、あのような外道、許すことはできません!私も堪忍袋の緒が切れました!』
「『チェインジ・プリキュア・ビートアァァァァァァァップ!!!!!』」
変身してキュアディアーとなったアツコはアクマロに対して猛攻を繰り出す。だが攻撃は軽くいなされ、逆に爪での斬撃を受けキュアディアーは弾き飛ばされる。
「くうっ……攻撃が通じない……」
「ホホホ、ただ一人でこの筋殻アクマロに挑むなど……」
アツコの苦戦を、鳴滝とマコトは安全そうな場所から隠れて見守っていた。
「こんな時もう1人のプリキュアがいてくれれば……おのれディケイド……」
「……なあオッサン!あの変身アイテム、オレに貸してくれよ!」
マコトは鳴滝に取り縋った。
「何を!さっきあれほど言ったのにまだ懲りていないのか!」
「違うよ!確かにオレ……はじめは春香さんに近づきたくてプリキュアになりたいと思ってた
でも、今はアツコさんを助けたいんだよ!オレがプリキュアに変身できれば、あいつをやっつけることができるんだろ!?」
その言葉、そしてその真摯な瞳から鳴滝は思わず目をそらしていた。確かにこいつに変身させれば
ふたりはプリキュアになる……ふたりはプリキュアに……
(それでいいのか)
「!? 誰だお前は!!」
(私はお前の中のもう1人のお前、ゾル大佐だ。その小僧を、男をプリキュアにして、お前はいいのか?)
「いいもなにも……そんな事を言っている状況では……」
(そのために捨てるのか。お前の理想のプリキュアを?)
「理想の……プリキュア……」
(可愛い二人の少女が協力しながら敵を倒し、人々を守る。これがお前の望んでいたプリキュアだろう? 鳴滝)
「わ……私は……」
鳴滝が自分の中のもう1人の自分(ゾル大佐)と葛藤している間に、アツコは大ピンチに陥っていた。
「ハァ……ハァ……これならば……プリキュア!『奈良平城遷都1300年でも祝えばいいんじゃないかなぁ!』アターーーック!!!」
アツコは力を振り絞り、必殺技のエネルギー弾をアクマロに放つ。
「なかなか面白い技ですなぁ。まぁ我は奈良より京都のほうが好きなのですが……」
アクマロはそのエネルギー弾を受け止め、まるで貴族の蹴鞠遊びのようにしてアツコに向けて蹴り返した。
「きゃああああああああああああああああああ!!!」
直撃を受け吹き飛ばされたアツコの体は、地面で二転三転して転がり、動かなくなった。
「ホホ、他愛もない……それではそろそろお開きとしましょうか……」
「鳴滝のおっさん!なにしてんだよ!このままじゃアツコさんが死んじゃうよ!」
マコトの必死の問いかけにも鳴滝は応えない。彼は今、自分の精神世界で葛藤することで頭がいっぱいだった。
(キモイだろ、女装した男が変身するプリキュアなんて)
「そ……それは……」
(そんな奴がいたらプリキュアヲタは罵詈雑言を浴びせるだろう。当たり前のことだ。鳴滝、お前はプリヲタだよなぁ)
「わ、私は……」
(男の娘がプリキュアになるなど邪道だと言ったのはおまえ自身じゃないか)
「あ……あああ……」
(もしも一度でも男をプリキュアに変身させてしまったら、お前のプリキュアの理想は永遠に消え去ることになるぞ)
「理想……プリキュア……」
(あの娘のことは残念だが諦めろ)
「プリキュア……プリキュアは……」
(まだ次の機会がある。そうだろう鳴滝)
「プリキュアは…………じゃないか」
(ん?)
「いいじゃないか……男の娘のプリキュアがいたって……
男の娘のプリキュアがいたっていいじゃないかあああああああああああああああああああああ!!」
そう叫び自分の中のゾル大佐をぶん殴る鳴滝。
(うわらばっ!貴様!気でも違ったのか!)
そう喚く心の中のもう1人の自分を無視して、鳴滝はマコトの目を正面から見つめる。
「君は……マコちゃんか、それともマコトか?」
これはマコトにとって大きな決断だった。頭の中を春香のことが、死にかけているアツコのことが、そして自分を助けてくれたブッチギルンジャーたちの姿が駆け巡った。
「マコちゃんです……オレはマコちゃんです!」
その言葉を聞いた鳴滝は、服の奥からマリモパフュームを取り出してマコちゃんに手渡し、無言でうなずいた。
変身アイテムを手にしたマコちゃんは、急いでアツコたちにむかって走っていった。
(貴様正気かッグフッ!!)
「黙れ!私の中の弱い私よ!これでいい、これでいいのだ!
お前はもうごちゃごちゃ言うんじゃねぇぇぇぇ!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーッ!!」
(ひでぶっ)
こうして鳴滝は自分の中のもう1人の自分に打ち勝った。
「あとは頼んだぞ……プリキュアよ……」
「頼むよ、まりもっこり!」
『任しときな!おまえのもっこり力……じゃなかったプリキュアの力を最大限に発揮させてやるよ!』
倒れたアツコに止めを刺そうとするアクマロ、マコちゃんはその間に割って入り、変身の呪文を叫んだ。
「『プリキュア!オープン・マイ・ハート!』」
そしてマリモパフュームを体中に噴きつけていくマコちゃん。その体はハートキャッチプリキュア風の緑色の衣装に包まれていく。
頭のヘアピンは三角形の巨大なマリモになり、そしてなりよりスカートの前部分が も っ こ り となっている。マスコットがマスコットだから仕方ないね。
「夢と!勇気と!下ネタと!特別天然記念物の使者・キュアマリモ!!闇の力の僕たちよ、お前をもっこりできなくしてやろうか!」
いろいろ酷い、これには流石の筋殻アクマロも気圧されたようだ。
「な……!き、切神!!」
使い魔として作り出した2体の切神を差し向けるアクマロ。
「キュアマリモパンチ!」
だがキュアマリモの一撃で切神の1体が粉砕された。
「なんと!」
たじろぐアクマロ達。その隙にキュアマリモはキュアディアーを助け起こす。
「アツコさん……じゃなかったキュアディアー!大丈夫ですか!?」
「ええ、なんだかふたりになったら急に力が湧いてきたみたい!」
そう言うと起き上がったアツコは、すかさず「キュアディアーキック」でもう1体の切神を粉砕した。
「こ……これがプリキュアの真の力……だが我が悲願の地獄創造の邪魔はさせませぬ!」
そう言って手から電撃を放つアクマロ。それをかわしながら、ふたりのプリキュアは叫んだ。
「こうなったら合体必殺技を使うわよ!」
「わかりました!」
2人は片手を天に翳した。その二人の体に、奈良の都と阿寒湖の力が充たされる。
「『プリキュアの美しきもっこり魂が!』」
「『邪悪な群魔外道を打ち砕く!』」
「「『プリキュアマーブルスクリュー・マスコットハート!!』」」
このわけのわからない必殺技をくらった筋殻アクマロは
「これが……この痛みこそが本当の地獄……!!」
と1人で勝手に納得しながら消滅していった。
○ ○ ○
「鳴滝さん……いいんですか、オレがこのままプリキュアを続けても……」
「ああ、これでいい、これでいいんだ」
まるで憑き物が落ちたようなさっぱりとした顔で鳴滝は言った。
「助けてくれてありがとう、キュアマリモ……マコちゃん」
「いえ、こちらこそ……、キュアディアー……アツコさん」
そう言って微笑みあうふたりのプリキュア。
「良し!ではプリキュアがふたり揃ったところで、早速ディケイドを倒しにいこう!」
「えぇー!結局そうなるんですか!」
「アツコさん、ディケイドって?」
「ふむ、君には説明していなかったな。ディケイドという奴は破壊者で悪魔なのだ。どれだけ酷い奴かというと(後略)」
「そ……そんな悪い奴絶対に倒さなくちゃ!」
バカなマコちゃんは何の疑いもなく鳴滝の話を信じ込んだらしい。ディケイド討伐にやる気を燃やしている。
(ああ……プリキュアがふたりになったのはいいけど、これから私達どうなるんだろう……)
そう心で思ってはいても言葉にはできないアツコであった。
【三日目・9時00分/新惑星・練馬区】
【アツコ@みなみけ】
【状態】健康、キュアディアー
【装備】リンクルンWithせんとくん@フレッシュプリキュア+ご当地キャラ
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:知り合い(南春香、マキ、保坂、速水優先)を探す
0:プリキュアとして困ってる人を助けたりすればいいんじゃないかなぁ!
1:鳴滝と行動してディケイドを倒す
2:ディケイドって本当に悪い人なのかなぁ……
※プリキュア(キュアディアー)になりました。
※なんか知らないけど、服のベースがハートキャッチプリキュアのものになったみたいです。
【マコちゃん@みなみけ】
【状態】健康、キュアマリモ
【装備】ヘアピン@みなみけ、女装@みなみけ、マリモパフューム@ハートキャッチプリキュア+ご当地キャラ
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:知り合い(
南千秋、トウマ、内田、吉野優先)を探す
0:美少女戦士プリキュアとして悪と戦う
1:鳴滝と行動してディケイドを倒す
※プリキュア(キュアマリモ)になりました。
【鳴滝@仮面ライダーディケイド】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明支給品、バールのようなもの@現実
【思考】基本:ディケイド(門矢士)を倒す
0:これで……これでいいのだ!
1:プリキュアと行動する
2:プリキュアの勇姿をその目に焼き付ける
3:プリキュアとディケイドを倒しにいく
※次元を操作できる能力は制限されているみたいです(少なくとも遠距離移動は不可能)
※世界融合をディケイドの仕業だと思っています。
【せんとくん@ご当地キャラ】
[状態]:健康、リンクルン@フレッシュプリキュアと融合
[装備]:不明
[道具]:支給品一式
[思考]基本:悪人を倒し、この無益な殺し合いをやめさせる
1:アツコに協力する
【まりもっこり@ご当地キャラ】
[状態]:マリモパフューム状態、ココロパフューム@ハートキャッチプリキュアと融合
[装備]:不明
[道具]:支給品一式
[思考]基本:このバトロワを終わらせ阿寒湖のマリモを守る
1:プリキュアに協力する
2:マコトのもっこり力を伸ばす
【筋殻アクマロ@侍戦隊シンケンジャー 死亡確認】
【切神×2@侍戦隊シンケンジャー 死亡確認】
【ゾル大佐(鳴滝)@仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイド MOVIE大戦2010 死亡確認】
○
「えっ2人目のプリキュアって私じゃないの? マジで?」
【マキ@みなみけ】
【状態】健康
【装備】カメラ
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】基本:とりあえずアツコの活躍を盗撮する
0:あーそうなんだ……私じゃないんだ……
1:いや別になりたかったとかちょっと期待してたとか無いからね!そういうの全然無いから!
最終更新:2010年04月05日 00:24