「何で放送主が変わっているんだ…?」
KAITOはさっきの放送を聞いて疑問詞を浮かべた。
信長の知り合いにあんな奴らがいるなんて知らない。
もしかして主催本拠地に侵入した奴らが…?いや、それはない。
第一太陽までどうやって行くんだ。今は気軽に来れたり去ることが出来る場所ではない。
それに放送なんて場所に拘らなくてもどこだってできる。
信長様のことだからどこでも放送できるように予備の施設でも造っていたんだろうと脳内完結する。
「でもさっきまでは信長様が放送していたはず…もしかして信長様に何かが…。
だとしたら早く信長様の元へ行かないと…。
太陽まで行くルートも確保しなきゃならない。
まだまだ僕は終われな――」
「いいや、お前の旅はこれで終わりだ」
声のするほうへ顔を向けるとKAITOの顔は驚愕の色に満ちた。
何故なら死んだはずの…いや、殺したはずの男がそこにいたからだ。
「バカな、死神博士……お前は僕が殺したはずじゃあ……」
「死神博士ではない、スーパー死神博士だ!!
我らがショッカーのため、地獄から舞い戻ってきたのよ」
スーパー死神博士だのアレすぎる名前につっこむ暇なんてない。
ただ呆然とするKAITOを見て死神博士はさらに笑みを強める。
「ああ、そうだ私だけではないぞ。いやいや、お前は運がいいなあ。
今日は特別でね。後3人来ているんだ」
そう言って死神博士は指を鳴らす。
すると物陰から3人の影が姿を現した。
怪しげな戦闘服に身を包んだ小柄な男(子供?)吉田、そしてマイクを持ちファックポーズを決める男フィリップ。
そして白衣に身を包んだ熊レオナルド博士。
「こいつが総統の仇ですか。どうみてもただの優男にしか見えませんよ」
「お前はディナー。オレのディナー」
「………」
KAITOは察した。
死神博士は一度殺された恨みを晴らすため。後の三人は先ほど殺した総統とかいう奴の仇を討つため。
利害が一致した彼らはKAITOに復讐しに来たのだ。
(でもそれがどうした。分かりきったことじゃないか。
僕だって自分のしたことが分からないほど愚かじゃない。
こういう奴らが襲ってくるなんて想定の範囲内。
さっさと蹴りをつけてやるよ)
KAITOはアルティメットワンのメモリを取り出す。
デメリットを無視して挿入してしまえばこいつらを屠るなど簡単。
あれから30分くらいたった。今なら後一回は何とかなるか。
だが――――
「ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
挿入する前にフィリップのデスボイスが木霊する。
刑務所の牢屋をも破壊する超音波がKAITOに襲い掛かる。
KAITOは何とか耐え切るものの……
「しまった、アルティメットワンが!」
音波の衝撃でメモリがKAITOの手を離れる。
それによって生じた彼の隙を死神博士は逃さない。
「手から離れた玩具を気にしている場合か?」
死神博士は怪人態イカデビルに変身していた。
KAITOに接近した博士は容赦なく鞭を浴びせる。
凍らせる暇も与えない。
一発だけでは飽き足らず何発も。
まるで嬲り殺すが如く。
やがてKAITOは地面に倒れ伏す。
立ち上がろうとするがイカデビルの鞭が足を叩き、それを許さない。
悲鳴を上げて地べたを這いずるKAITOをイカデビル、そして鷹の爪団の3人が見下ろしていた。
「助けて……MEIKO……ハク……がくぽ…」
「プッ、こいつ自分の兄弟の名前呟いてますよ」
「そいつらは死んでるじゃないか」
「リン…レン…ルカ…ミク……」
「まだ続けるか、この男」
「大半は自分が殺したくせに」
「さて、このクズをどうする。私は一度こいつに殺されたからな。私が殺したいんだが」
「それは僕だって同じですよ。こんなやつに総統がやられたんですから。僕じゃなかったら誰がこいつを殺すんですか」
「オレも殺したい…」
「お前はディナー、オレ様のディナー」
「そうか、じゃあ決まりだな」
その後、彼らがやったことは想像するに難くない。
スーパーリンチタイムが始まったのだ。
死神博士の鞭が振り下ろされるたびに、吉田に足で踏みつけられるたびに、レオナルド博士に身体を食い千切られるたびに、フィリップの拳が振り下ろされるたびに、
KAITOの悲鳴が辺りに響き渡ったのだった。
そして言葉に言い表すのも憚れる最後の断末魔が上がった時、ようやくそれは終わりを迎えた。
「酷い有様ですね死神博士」
「フン、こいつには相応しい末路だな。とても気が晴れた。
アレの開発の休憩がてらに来たかいがあったな」
「それよりこれは一体なんですか?」
KAITOの残骸を尻目に談笑する死神博士と吉田。
吉田が手に持っているのはKAITOの持っていた小さな物体。
「どうみてもこれUSBメモリですよね。
ハッ、まさかこの中にエロエロ画像の山が入っているファイルが!?
こいつ、まさか自分の死期が近いことを知って……」
「吉田君、
お前は何を言ってるんだ」
「おい吉田。あのクソ野郎はそれを頭に入れようとしていたぞ。
もしかして頭に入れてみれば何かが起こるんじゃねーのか」
「なるほど、エロ画像が僕の頭に……何だか嫌な感じがしますね」
「いい加減そこから離れたまえ吉田君」
「………」
軽い漫才を繰り広げる3人とそれを呆れてみているフィリップ。
吉田はしばらくの間悩んでいたが、意を決して頭に入れる。
「お、おおっ…!」
「どうしたのかね吉田君」
「大変です!皆の身体に黒い線が!!
いつも間にラクガキされたんですか?」
「お前は何を言ってるんだ」
「どこにも線なんてねーぞコラッ。
お前、そのメモリのせいで目がおかしくなったんじゃないのかコラッ」
「う~ん、これは一体?」
自分に起きた異常に首を傾げる吉田。
レオナルド博士は何か分かったのか再び口を開く。
「おい吉田。KAITOにやられた奴の死体を見てみろ。
潰されていて分かりにくいが綺麗に切り刻まれているぞコラッつまり…」
「つまり?」
「その線を刃物かなんかで切れば何か起こるんじゃないのかコラッ。
適当なので試してみろよコラッ」
「確か、僕には包丁が支給されていた気が……。
じゃあ試してみます」
そう言って包丁を取り出す吉田。
そして、包丁をぶん回す。
すると……
死神博士の身体が十七分割された!!
「おおっ!すごいですね~」
(何やってんのさ~)
「すごいですねじゃねーよコラッ!」
「だって博士が適当な奴で試せっていうからじゃないですか」
「よりによって死神博士をターゲットにすることねーだろコラッ!
ショッカーにどう言い訳する気だコラッ!」
(終わった…総統、自分達もそちらへ…)
「もう…いいじゃないですか。ショッカーなんて」
途端に、吉田の雰囲気が変わる。
まるでギャグパートからシリアスパートに入った時のような……
いや、それ以上のヤバさが吉田からは滲み出ていた。
「「ハァ?」」
「分かってるんですよ。このメモリには凄いパワーが眠っていることを……。
これがあれば世界征服なんて容易じゃないですか。ショッカーの手を借りずとも……」
吉田は笑みを浮かべる。
それはとても邪悪なもので、普段の吉田では想像もつかないような笑みだ。
吉田は完全にアルティメットワンの虜と化していた。
「じゃあ行きますよ。レオナルド博士。フィリップ、お前も来いよ」
「行くって、お前どこに行く気だコラッ」
(キャラ変わってない?)
「決まってるじゃないですか。鷹の爪団による世界征服のため……
敵対勢力を全て叩き潰しに…サーチアンドデストロイですよ」
「吉田、お前……」
(そんなイ○テグラ
みたいな…)
フィリップはともかく、レオナルド博士すら今の吉田を止める事はできなかった。
それほどまでに彼の声は背筋が凍りつくほど冷たかった。
「おっと、始める前にこれをやらないと。た~か~の~つ~め~」
「た……た~か~の~つ~め~……」
両手を前に突き出して揺らす吉田。
レオナルド博士は戸惑いつつもこれに続く。
そしてフィリップは吉田の豹変っぷりに心の中で定番の台詞を呟いた。
【吉田@秘密結社鷹の爪】
【状態】健康
【装備】包丁、アルティメットワンメモリ@テラカオスバトルロワイアル
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:鷹の爪団による世界征服
1:敵対するものを皆殺し
2:た~か~の~つ~め~
【フィリップ@秘密結社鷹の爪】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:ダメだこいつ、早く何とかしないと…
【レオナルド博士@秘密結社鷹の爪】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
1:吉田の変貌に戸惑い
【KAITO@ボーカロイド 死亡確認】
【光栄次郎@仮面ライダーディケイド 死亡確認】
最終更新:2010年04月25日 00:29