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「がはっ……!」

アヒル隊長の一撃を受け倒れた空気王
しかし、またしてもあのアイテムが立ちふさがる。
そう、いつの間にかアビシオンから一個拝借していたリバースドールである。
リバースドール――持ち主が死にそうな時身代わりで砕けるありがたい石像だ。
ずるいと思われるかもしれないが、他ロワでもリバースドールはしっかり効力を発揮している。
だから、何、気にすることはない。
「だらしないな、ウッドロウ……折角得た力の反動を受けるとは……」
そして衝撃で再び闇人格が戻ってきた。
この状態なら、リバースドールが無くとも萌玉の超再生能力で死ぬこともない。
「ふむ、まずはあのアヒルを追って血祭りにしますか」
立ち上がった空気王は、アヒル隊長を追わんとその足に力を込めた。
「ん?」
だが、少し先に一組の男女がいるのが見える。
一人を殺すより、二人殺した方が気持ちいい――
そんな理由で空気王はターゲットを変えた。
地を蹴り、目標へと急接近。



「――!お前っ……!空気王……!」
「むっ!?」



だが、奇襲は失敗。
相手に自分の正体もばれているようだ。
いや、ばれているだけではない。その表情に宿るは、憎しみだ。

「そっちから来てくれるとはね……!」

空気王が襲った相手の名は、藤原妹紅。
このカオスロワでおそらく最も空気王を憎んでいるであろう少女だ。

「私を知っているのか、女」
「ああ、この時を待っていた……私の手で、お前を殺せるこの時をね!」
空気王と妹紅は僅かに距離をとって身構えた。
「くくく、なるほど敵討ちか。矮小な目的だ……」
「なんだと!」
「誰の敵討ちかな?あの男か、それとも私に刃向かったあいつか、もしかしてあの女かな?
済まない、斬った相手などいちいち覚えてなどいないのでね」
「っ!この……!」
「妹紅!落ち着くべき!」
不適な笑みを浮かべ、空気王は指を折り、自分が戦った相手を思い出す。
その余裕の様子と言葉が妹紅の神経を逆撫でし、妹紅に背負われたブロントさんが冷静になれと呼び掛ける。
まだ、大丈夫だ。
妹紅も空気王の手強さは知っている。怒りに任せ突っ込むなど、愚行だ。
イナバ製作所で空気王の能力はある程度聞いた。
完全催眠。拘束術。瞬間移動。全裸。
そして、自分と同じくらい空気王を殺そうと燃えていた輝夜たちの段幕を捌けるだけの力。
いくら自分がExボスとはいえ、生半可な弾幕ではかすり傷をつけるのも苦労するだろう。
「おや、そこの騎士は手負いかな?よければ私が一瞬で楽にしてやるぞ?」
だから、こんな挑発に乗ってはいけない。冷静に行動しなくては。
「何、気にすることはない。いずれ天の上に立つこの私の礎となるのだ。誇りたまえ」
こんな……
「私に殺された者も、きっと感謝しているに違いない……」

「いいや限界だ!――――殺すねっ!」

妹紅の全身から、炎が吹き上がった。

――怒髪天衝
まさにそんな言葉がふさわしい妹紅の姿を見ても、空気王はまるで動じなかった。

「強い言葉を吐くな……弱く見えるぞ」

それも当然といえよう。
自分は天上の存在。他は全て等しく下等の存在。
今や自分は萌玉に限らずあらゆる装備との融合を果たした。
完全、磐石、無敵、最強、究極、それらをも超える超越者となった。
立ちふさがる……否、転がる塵も全力で消し飛ばす。
天に立つ存在としての力を見せつける。

「そう簡単に私が倒せるかな?」
空気王の体が怪しく蠢いた。
「このイージスの盾と狂戦士の甲冑で君の攻撃は防ぐぞ」
空気王の体が鎧に包まれ、左腕に神の盾が出現し、無敵の結界を張る。
「私には比類無き魔力が身についた」
空気王の口からゴキジェットの煙が吐き出され、辺りに暴風が吹き荒れる。
「この無数の剣の切れ味を君の体で味わうがいい!」
空気王の右腕からは鏡花水月、イクティノス、マサムネ、アイスソードが出現する。
さらに両肩から天鎖斬月、天空の剣、キーブレード、清虫、パニッシャーまでもが。
「きたぞきたぞ!」
とどめといわんばかりに、空気王の背中から巨大な翼までもが現れた。
もはや人とは呼べない存在、異形の怪物。
目立ち、天へと昇るためについには人の身を捨ててしまった空気の王。

「お前・・・本当にそれでいいのか・・・?」
「……」

その姿を、哀れみが混じった目で見つめる二人の人間。

「フハハハハハハハ!なんとでも言うがいい!私は、空気王!
空気は目には見えぬが世界の全てを包む唯一無二絶対の存在なのだ!」

「――――そう」




断罪『灰燼壊星―フジヤマヴォルケイノスターバスター―』




「何・・・だと・・・?」
空気王は絶句した。
本当になんだこの弾幕は。
表の人格、ウッドロウもかつて弓兵組の危険な弾幕をギリギリだが攻略した。
だが、これはなんだ?
逃げ場が無い。遊びやごっこではないため当然と言えば当然だが……

「こ、このイージスの盾で――」

言い終える前に、空気王の左腕が、右腕が、全身が消し飛ばされ、消えていく。
妹紅の本気の弾幕。それはもはやルナティックも生温い程だった。
後先なんて考えていなかった。
ただでさえ攻撃範囲が凄まじく、難易度の高いフジヤマヴォルケイノ。
その発射される弾の一発一発がスターバスターになっているのだ。
そのスターバスター一発は小弾×6+大弾×1の構成。しかも攻撃範囲が広く防御無効。
単純計算でも弾の量は7倍。防御が意味をなさない以上逃げるしかないが逃げ場がない。

「があああああ!私は、私は、まだ、死ねぬのだ!私はあああああああ……!」

次々に燃え尽きて行く装備品。だが空気王の体は萌玉の力で再生してしまう。
なまじ超再生してしまうが故に、延々と自分の体が塵にされる苦痛を味わい続ける。
再生を得意とする者の弱点は、その再生速度を上回る速度で全身を破壊されること。
――弾幕は、まだ第一波だった。

◆ ◆ ◆

「妹紅もうやめテ!とっくに空気王のライフはゼロなんだが!?」
「はぁ……はぁ……」

空気王が灰も残さぬ程消し飛んでなお、妹紅は攻撃の手を休めなかった。
だが、ようやく彼女は我に帰った。
自分の前方に、地平線が見えた。

「……ごめんなさい。ちょっとやりすぎたわ」
「まあ仲間の敵討ちなら仕方ない系の話があるらしいぞ
だが・・・思えばあの空気王にもほんの少し僅かに同情するんですわ」
「え……?」
「確かにあいつが悪人なのは確定的に明らかなのだが・・・
自分をもっとみてほしいもっと自分という存在を認めてほしいという気持ちはわかる
だがあいつはそこでナイトにならずに暗黒のダークパワアッーーーー!!!に負けてしまったのが運のつき」
「……そうね。でもだからといって02や皆を殺した、あいつの罪が無くなるわけじゃない」
「確かにな・・・
ところでさっきシャアの悲鳴が聞こえた気がした気がするんだが?」
「あ、やっぱりブロントさんにも聞こえた?」
「もしかしたら空気王以外の敵に襲われているかもしれないカカッと助けにいくべき!」
ごめん、ブロントさん重いからカカッとは行けないよ……」
「すいまえんでした・・・」

宿敵の一人を倒しても、休む暇はない。
シャアの悲鳴に気をとられた二人は悲鳴の方へと去っていく。

あとにはまるで墓標のように突き刺さったアイスソードだけが残された。

四日目・0時10分/新惑星・東京都】
【ブロントさん@ネ実】
【状態】決意、首輪無し、フードドーピング、ダメージ(大)、魔力消費(中)、胸部大裂傷(ケアル中)、一部に焦げ
【装備】竜殺剣グラットン(両手持ち) 、キングベヒんもス、ティアラ
【道具】支給品一式、無限のジュース、片手剣・ベジタブレード、天使の翼、星降る杖、氷輪丸
【思考】基本:主催者を倒して元の世界に帰る
0:シャアの悲鳴が聞こえた方に向かう
1:貧弱一般人は殺さず退け、クライシス帝国を滅ぼす
※阿部さんに狙われているようです
※インビンシブルはあと2時間弱使用できません

【藤原妹紅@東方Project】
【状態】健康、全身に包帯が巻かれている、全身血塗れ、鷹の爪団員、強い決意、首輪無し、スターバスターを習得
疲労(中)、ブロントさん担ぎ中
【装備】チェーンソー、斬鉄剣 、秘宝75個
【道具】支給品一式、蜆、米の苗、将棋セット一式、ゾフィー直筆サイン色紙 、黒竜号
【思考】基本:戦いを止めたい。『生きる』
0:シャアと合流後、ブロントさんの治療
1:死んでいった者たちの遺志を継ぎ、人々を守り必ずこの大災害とバトロワを止める。
2:らきすたのデコ、新生鷹の爪団、クライシス帝国を倒す
3:さっきの放送で呼ばれた人たちは信頼できるのか?

【空気王@テイルズオブデスティニー】死亡
※アイスソード以外の装備品は破壊されるかどこかへ吹き飛びました
【不特定多数の症候群キャラ@カオスロワ】妹紅の攻撃の巻き添えで死亡
最終更新:2010年10月24日 00:20