「だ、誰か……! 誰か助けて……!」
降りしきる豪雨と吹き荒れる暴風。
最悪の天気の中、金髪の少女がひたすらに走り続けていた。
少し前までは家族と共に穏やかな時を過ごしていた、はず。
それが突然、殺し合いをしろという謎の存在にぶち壊された。
何かの冗談だと思った。
だが、家族と離れ離れ、見知らぬ土地に飛ばされ、
「てめえの血の色は何色だあぁぁぁーーーーーっ!?」
挙句には飛ばされた先で、一目で危険だとわかる男に出くわす始末。
認めたくないけれど認めざるをえない、けどやはり信じられない現実。
それに加えて、開始5分以内での『2人以上3人以下で行動』制限が少女を苦しめる。
誰かと行動をともにしなければ、死んでしまう。
せっかく人を見つけても、後ろから追ってくる男がすぐさまそれを切り刻んでしまう。
【
野比玉子@カオスロワ】 死亡確認
【ピッコロ@ドラゴンボールZ】 死亡確認
ある意味、その人たちがスケープゴートの役割を果たして少女は逃げ続けられている。
だが、どんなに逃げても行動を共にしてくれる人がいなければ、首輪が発動する。
奇跡的にそんな人を見つけても、追撃手をどうにかしないと死ぬ。
倒す? 生半可な人間で勝てる相手ではない。
自爆待ち? 爆発範囲は半径4メートル。それだけの距離を維持できない。
少女は握り締めた時計の針を見る。
残り、1分だ。
「し…死ぬ……? 私、死んじゃうの……!?」
振り向く、もう間に合わない。
男は距離を詰めて飛び上がった。
「血をっ
その男が、空中でバラバラに刻まれた。
【レイ@北斗の拳】 死亡確認
「えっ……?」
血を見たがっていた男の肉片が、自身の赤い血をぶちまけてドサドサと地に沈んでいく。
その光景の凄まじさよりも、少女は目の前の出来事を理解するほうに必死だった。
何が起きたかわからない。だがどうみても生きてはいない、自分を追って来た殺人鬼。
「私……助かっ…ひぃ!?」
助かった、そう言い終える前に少女はぬか喜びだったことを思い知らされた。
目の前にあったのは、血の男の比ではない巨体を誇る物体。
手に持つ剣から滴る血が、男を殺した何よりの証。
映画でも見たことのないような、恐ろしい殺戮マシーンが金属音を鳴らして少女に振り返った。
そして……
「いやっ―――
「大丈夫でしたか?」
「…………………………え?」
少女は、恐怖を忘れて思わず間の抜けた声をあげてしまう。
「え? え?? 私、殺さないの?」
「逃げていた様子から、あなたは殺し合いには乗っていないのでは?」
「う、うん! するわけない!」
殺戮マシーンの予想外の言葉に、少女はただただ驚くのであった。
◆ ◆ ◆
「5分経過……問題ないみたいですね。
申し遅れました、私は……元・最終の防衛システム。目的は主催者の完全抹消」
「た、助けてくれてありがとうございました! でも何が元なんですか?」
「自分の防衛の未熟さを痛感しまして、我が心の師アッコさんを超えるまでは一兵卒として働くつもりです。
ところで、あなたの名は?」
「あ、
ごめんなさい! 私、ボーカロイドの鏡音リンです!」
二人の会話が、途切れた。
「あ、あの……何か……?」
「まさかとは思いますが……【最終兵器鏡音リン改】と呼ばれていた経験は?
家族に、即死耐性持ちの私を一瞬で17分割できるようなマフラー装備の兄上は?」
防衛システムの謎の言葉に、鏡音リンはぶんぶんと首を横に振る。
何故に目の前の人にも最終がついていないのに自分が最終兵器?
もしかして自分は実戦用ボーカロイドだったのか? だったらさっきの男ぐらい倒せてもいいはず。
確かにマフラー装備の兄はいるにはいるが、とてもそんな技量は持っていないはず。
いやまさか兄は本当に実戦用ボーカロイドで、マフラーを取ると真の力を発揮するとか!? やだカッコイイ!
「……ないです。兄はともかく、私は。それより、どうして私に兄がいると?」
「(平行世界の同一人物か……)失礼、先程の男の攻撃を食らったのか思考回路に乱れが。もう大丈夫です。
さて、しばらく行動を共にさせていただきますが、生き残ること以外で何か目的は?」
「……やっぱり家族が心配です。兄はともかく、残りは私と同じように戦闘力はないと思うから」
「わかりました、お手伝いしましょう。プログラム、
KAITO以外のリンの家族を優先防衛……」
「あれ? なんで兄の名前を?
(や、やっぱり本当は実戦用ボーカロイドで、その道じゃ有名だったんだ! 全然知らなかった!)」
「あー、いや……とにかく、早く探しましょう!」
こうして、元・最終兵器と、別世界では最終兵器と呼ばれた二人は歩み始めた。
【一日目・0時10分/長野県/天候・嵐】
【防衛システム@SaGa2秘宝伝説GOD】
【状態】健康、最終形態
【装備】七支刀、鏡の盾、自己修復システム
【道具】支給品一式
【思考】
基本:主催者の完全抹消
1:KAITO以外のリンの家族を優先防衛
2:自分の上司や知り合いがいれば、そちらも防衛
※7期より参戦です
【鏡音リン@VOCALOID】
【状態】健康、中疲労
【装備】不明
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:生き延びる
1:家族を探す
2:防衛システム行動する
※7期とは別人です。
※KAITOがとても強いと信じ込んでいます。
最終更新:2011年01月27日 00:51