「死……………か」
パロロワ書き手である6/にとって、その言葉は身近なものだ。
特に自分はいくつものロワを実際に経験してきている。
親しかった者の死は一度や二度ではない。
「けどなぁ……やっぱり」
黒衣マトのあの死に方は正直驚いた。
ズガン……という訳ではないだろう。
少なくとも鮮烈なインパクトはあったのだから。
「ははっ………」
人の死に対して悲しむよりも先に、そんなことを考えてしまう自分がおかしく思えてしまい、6/は少し笑ってしまった。
ロワを引退したといっても、自分はどうやら未だにロワに囚われているらしい。
「ショックを受けているようだね。
君は……彼女と親しかったようだから、それも仕方ないかもしれないけれど」
何者かが、そんな言葉を投げかけて来た。。
振り向くとそこには銀髪の少年がいた。
スタッフには見えないし、どうやら参加者の一人のようだ。
6/はふと尋ねてみたくなった。
「おいお前……『死』についてどう思う?」
「死、かい?」
特に意味はない。
ずれてしまった自分の死生感が目の前の少年とどれほど差があるのか、それが少し知りたくなっただけだ。
6/の唐突な質問に対しても、少年は落ち着いた口調で返した。
「生と死は等価値なんだ、僕にとってはね。
君は死というものの価値を計りかねているようだけど、それを僕に聞いても参考にならないと思うな」
何だか良く分からないことを云われたが、人に聞くようなことではないのは確かだった。
しかし、生と死は等価値……か。
カオスロワではそれはある意味、真理なのかもしれない。
「ああ……すまなかったな。変なこと聞いて」
「別に僕は構わないよ。
親しい者の死が悲しいだろうしね。
せめて彼女が
最後のシ者であることを願うよ」
そこで少年は一拍置いて
「僕の名は渚カヲル。
分かっていると思うけれどカオスロワンアイドルの参加者だ。
僕は歌が好きだからアイドルなんてものを目指している。
歌はいいね。リリンの生み出した至高の文化だ」
そう云って渚カヲルは6/から目を離し、歩き始めた。
そして、去り際に
「君とも何時か戦うことになるかもしれない。
その時はよろしく頼みよ」
そう云い残してその場を後にした。
そして、食堂には6/だけが残された。
6/はただ
(アイツ……思わせぶりに登場したはいいけど、リレーされずにそのままフェードアウト……なんてことになるかもな……)
まずそんなことを考えてしまう自分に再び苦笑していた。
【一日目・6時30分/東京・カオスロワンアイドルセカンドステージ会場/天候・雨】
【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】健康
【装備】カオスロワンアイドルの番号札
【道具】不明
【思考】
1:歌はいいねぇ。
カヲルが去った後、6/は一人で何をするでもなく、ぼぉっと座っていた。
やることは特にないのだ。
仕方ない。
「ねぇ……? あなたが6/氏で、いいかしら?」
唐突に声が掛けられた。
いや唐突に感じられたのは、自分があまりに呆然としていたからかもしれない。
「私……マトさんの死の真実、知ってるわよ」
声の主――東京タワーは云った。
その言葉に無表情だった6/の顔に僅かに感情の色が灯る。
それに気を良くしたのか、東京タワーはどこか弾んだ口調で云う。
「彼女の死は自殺なんかじゃないわ。殺されたのよ」
「…………………」
6/は無言だ。
そのことに別に驚きはなかった。
他殺もおかしいとはおもっていたが――自殺はそれに輪をかけて有り得ないのだ。
「犯人の名は――アンチ連盟」
「………アンチ連盟、ね」
東京タワーが告げた名を6/は軽く復唱する。
そこに込められた感情の質は、彼以外の誰にも分かりはしないだろう。
「知ってる? 奴らはね……」
そして、東京タワーは語り出す。
アンチ連盟の目的、実態、現状……そして如何にしてマトを殺したのか。
落ち着いた口調で紡がれるその言葉には、奇妙な説得力があった。
「さぁ、あの娘を殺した犯人のことは分かったでしょ?
それで――貴方は、どうするの?」
そう締め括り、全てを語り終えた東京タワーは真っすぐに6/を見据える。
刹那の沈黙があった。
そして、6/は
「別に……何もしないさ」
にべにもなく、そう云った。
その淡泊な反応に東京タワーは少し意外そうにきょとんとする。
「実際に何話書かれたかは知らないが、所詮アイツとはほんの数時間共にしただけの仲だ。元を正せばライバルだしな。
そりゃあ死んで悲しくはあったが、だからといってどうしようとも思わねぇ。
ましてや仇を取ろう、なんて考えはねぇよ」
それに、と6/は続ける。
「ここはカオスロワだ。
アイドルだの何だの言っても――殺し合いの中に居ることには変わらねぇ」
6/はそこで口を閉ざした。
それ以上語ることは何もないといった面持ちだ。
東京タワーは6/のそんな反応に拍子抜けしたようで、そう、と短く返し踵を返した。
どうやらこの場を去るつもりらしい。
そして、6/は再び一人になった。
「死………か」
何となく出現させた胡桃を弄びながら、彼は一人ごちる。
「アイツの死に対して何もする気はないがな……殺した奴を許す気もまた――ねぇな」
東京タワーの去った方を見ながら、6/は誰に云うのでもなく、そう口を開いた。
二回戦はどうやらもうすぐらしい。
そろそろ動く必要があるようだ。
【6/氏@テラカオスバトルロワイアル】
【状態】疲労(小)、精神的疲労(中)、混乱、カオスロワ参加者として引退中
【装備】カオスロワンアイドルの番号札、万年筆
【道具】支給品一式
【思考】基本:カオスロワのアイドルの頂点を目指す。
1:…………?
〔備考〕
※今までのカオスロワや他のロワの登場、活躍を全て知っている6/氏です。
【東京タワーちゃん@テラカオスバトルロワイアル】
【状態】健康、エージェント、常任審査員
【装備】予選応募者の名簿
【道具】支給品一式ほか多数
【思考】
基本:あの人と一緒にカオスロワを盛り上げる。
1:???
※今期世界の東京タワーの役割も果たしているみたいです。
※猫村いろはと黒衣マト
※真の主催者のエージェントだったようです。
※ついでにカオスロワンアイドルの発案者だったようです。
※どうでもいいと思いますが、脱衣拳とは切っても切れない程の仲になった模様。
最終更新:2011年02月14日 01:19