激痛を全身が貫いた。
腹部からは止めなく血液が流れる。
(あーあ、やられちゃったな・・・・・・)
薄れ行く意識の中、ルカは溜息をついた。
彼女の妹、弱音ハクに撃たれ、今にも力尽きんとしている。
しかし、その顔は笑っていた。
(まさかこんなことになるとは思わなかったけど、
ハクちゃん、これで良かったんだよね?)
巡音ルカは、家族を想っている、いや愛していると言っても良い。
自身が傷つくことを望んでいる反面、家族が痛みを受けることを拒んでいる。
痛い思いをするのも、辛い経験をするのも自分だけでいい、むしろそうなるべきだと思っていた。
だから最初はハクがミクトランに仕えていることに怒りを感じていた。
人を、家族を殺して苦しんでいるだろう。
望まぬ形で純潔を奪われて悲しんでいるであろう。
(それでもハクちゃんはミクトランを選んだ)
しかしこれが彼女の選んだ道なのだ。
もしも自分達がミクトランを殺したとしたならば、ハクは悲しんだであろう。
だから彼女はあえて自分を撃った。
愛する人を守るため、愛する家族を切り捨てた。
それが彼女の選択。 自分が幸せになるための決断。
(でも、ちょっと悔しいかな? ・・・・・・まあハクちゃんが幸せになるなら、これでもいいや)
大切な妹が悲しい思いのは嫌だ。
ハクちゃん、あなたの道は茨の道。
これからもずっとずっと辛いことが待っている。
でも決して不幸にならないで。 私のことなんかで泣かないで、さ。
意識が薄れ、覚めない眠りにつく瞬間。
それが死ぬということ。
妹達の無事を祈りつつ、彼女はゆっくりと目を閉じた。
(きたきたきたきたぁ)
途端に笑顔がニヤケ顔に変わる。
まず襲い掛かったのは、肉を貫かれた痛み。
眠気覚ましに一発の心地よいスパンキングに似ている。
(熱い熱い熱いわぁ♪ ああ、すごくいい・・・・・・)
体内に流れる血液と銃弾によって生まれた内臓の火傷が絡み合い、
ハーモニーをなして断続的に襲い掛かる。
この激痛はネルの黄金の尻叩き-鎮魂歌-以来であろう。
(意識が消えて・・・・・・いやまだこの痛みを!)
肉体が限界を迎えつつあるのか、彼女の意識は消えていく。
というか魂が抜けていく。
それでも腹部の痛みを思い出して、強制的に半覚醒状態を保っていた。
(ハクちゃんから受けたこの痛み、決して忘れてなるものか・・・・・・イイ!)
ハクは普段消極的なため、ルカの尻を叩いたことが無い。
弱気なハクに尻を叩かれる、姉妹逆転SMプレイをやりたかったのだが、
最早それを叶えることができなくなってしまった。
せっかくだからこれを彼女の愛の鞭としようそうしよう。
(あ、やばいなんかカオスな空間が見えてきた)
ついにルカの目の前には真っ暗闇の空間だったはずのものが、
メタルヒーローシリーズの敵の怪人がパワーアップする不思議空間に変わっていた。
その中には巨大ロボや結合した夫婦や厭らしい目線の胡瓜と熊などがいて、見事にカオスな景色を作り出している。
(あ、MEIKO姉さんやいろはちゃんやユキちゃんやリツちゃんがいる。
何故か筋肉じゃないネルちゃんも・・・・・・私も今すぐそっち行くよ)
そしていつのまにか死んだと思われた家族達が目の前に立ち塞がった。
ルカは彼女達に手を伸ばそうとするが・・・・・・
『来るな愚妹』
『来るな8期の愚姉』
『あんたキティちゃんの100分の1程の価値もないのよ』
『おねえちゃんきもちわるいからこないで』
『来るな一族の恥』
「なんという総スカン」
「ああ!? 目覚めてしまいましたよ先生!」
「いやここ何処さ?」
ルカが目覚めた場所は円型の手術台であった。
そこに両手両足を縛られる形で拘束されており、
白衣の女と黒マントの男が見下ろしている。
「止むを得ん、このまま手術を始める」
「ええ!? 麻酔も無しでですか!?」
「大丈夫だ、問題ない」
その後、手術室から女の嬌声が響き渡ったとか。
「あった! 見つけたぞ!」
海の中からテルィーマンが出てくる。
びしょ濡れだったが、彼はそのようなことは気にせず手に持ったものを掲げていた。
アクセルドライバーとアクセルメモリ、彼が仮面ライダーとして戦うのに必要なものだ。
ルカを病院に預けて探しにきていたのだが、幸い流されていなかったためすぐに見つけることができた。
なお、アクセルメモリはドライバーに刺さったままだ。
「後は信長だな・・・・・・」
港に巻かれたロープを見ながらテルィーマンはぼやく。
信長もテルィーマンのように、海に捨てられた支給品を探しに潜ったのだ。
いくら病院の人に応急処置を受けたとはいえ、信長は怪我人だ。
最初はテルィーマンは止めたが、『今の自分にはこれぐらいしかできない』ということで、
時間限定で潜らせることを認めた。
「もうすぐ1分、そろそろ出てきてもいい頃だが」
近場の時計を見て呟く。
もしかしたら溺れていないだろうか。
そろそろ引き上げようと思ったその時である。
「テルィーマンテルィーマン!」
「なんだ・・・・・・おいルカ! お前どうしてここに?」
テルィーマンは驚いた。
病院に預けたと思ったルカが彼の元に駆け足でやってきたのだ。
「そんなことはどうでもいいから早く逃げるよ!」
「ちょっと待、おい!」
酷く息切れをしながらも、ルカはテルィーマンを引っ張って駆け出す。
傷跡が痛むのか、空いた手は腹を抱えていた。
「待て! まだ手術は終わってないぞ!」
すると彼らの元に、複数の怪人を連れた黒衣の男が現れた。
しかしその手にはそれぞれ武器を持っており、テルィーマン達に対して明らかに敵意を向けている。
「こいつらはなんだ? ルカ、お前は死神博士から手術を受けていたのではないのか?」
「手術は確かにされたよ・・・・・・同時に改造されたけどね!」
「は?」
テルィーマンはルカの言葉に耳を疑った。
改造? 何を言っているんだこいつは。
「ええい面倒だ、やれ!」
「「「イー!」」」
怪人達がテルィーマンに襲い掛かる。
テルィーマンは仮面ライダーアクセルに変身をし、殴りかかった怪人の攻撃を捌く。
(流石にこの数は不利か・・・・・・)
今の仮面ライダーアクセルに、愛剣であるエンジンブレードは無い。
素手でも戦えないことは無いが、それでもルカを守りながらというハンデは彼には辛いものがあった。
「おいルカ、乗れ!」
仮面ライダーアクセルは、バイクフォームへとその身を変形させてルカに叫ぶ。
初めて見るアクセルの形態に戸惑いを見せながらも、彼女はアクセルに乗り込む。
「何をしている、追わんか!」
死神博士が配下の怪人達に指示するが、
アクセルは既にエンジンを吹かし、彼らとは反対方向にターンをした後に駆け出していった。
「ルカ、ルカ、なんだその姿は?」
「私に質問するな・・・・・・というのは冗談」
テルィーマンがルカに質問をし、彼女が答える。
いつもとは立場が逆転している。
「なんで貴様は蛸になっている!?」
「いやー、どうも博士に改造されちゃったみたいでさ」
無事に死神博士から逃げ切ったテルィーマンは、同行者の姿を見て驚いていた。
何せ、今のルカの姿は首から下が全て消失しており、頭部だけの状態だ。
髪も触手に変質しており、触るとぬめりとしている。
「・・・・・・これがさっき言ってた改造とやらか?」
「うん。 でもこの姿になったから逃げ出せたんだよ」
彼女の台詞から結論を導き出すと、死神博士はルカの傷を癒すのではなく、
最初から改造目的でルカを手術したのだ。
それに今考えてみれば、20分程度という短時間で手術が終わることも、
手術上がりでここまで彼女が動けることもおかしい。
運良く脳改造前に脱出し、テルィーマンと合流することができた。
「まあ元に戻れるけどね。 どうせ変身できるならライダーがよかったよこんちくしょう」
「流石に今の時代は無いだろ」
平成の今でも、女性ライダーは非常に数が少ない。
それもアイテム使って変身したやつのみである。
改造人間とかぶっちゃけ今の放送規定だとありえない。
「で、これからどうするんだ?」
テルィーマンは神妙な顔で話を変えた。
ミクトランの凶行とハクの裏切り、そして死神博士の襲撃。
対処すべきことは多く残っている。
ルカは少し考え込んだ後、答えた。
「うーん、とりあえずミクトランとハクちゃんは放置の方向で」
「何故だ!?」
テルィーマンはルカの言葉に耳を疑う。
彼にとって、ルカは家族をミクトランに奪われたも同然なのだ。
ミクトランの操り人形となって、これからもその手を血に濡らすことであろう。
それを態々放っておくというのか。
「どうしてそこで諦める!? お前にとってハクは大切な妹ではなかったのか!?」
テルィーマンはルカに言い返すが、彼女は表情を変えずに言った。
「大切だよ? だからもうこれ以上邪魔をしたくないんだよ。
ハクちゃんはこれからも酷いことをたくさんしちゃうと思う。
でもそれはハクちゃんが望んだこと。 自分で選んだ道なんだから」
「だからって・・・・・・!?」
ルカに詰め寄ろうとしたテルィーマンの手が止まる。
無表情ではあるが、彼女の頬には一滴の雫が垂れている。
「お前・・・・・・わかった」
「うん、ごめんね」
涙の理由を察したテルィーマンは、
話を終わらせ、一先ず本来の目的に戻ることを提案した。
ルカもそれに賛成し、彼の手を引っ張って歩き出す。
二人の行く末は、今はまだ誰も知らない。
(さよなら、そしてごめんね・・・・・・ハクちゃん)
【一日目・午前9時30分/神奈川県/天候・晴れ】
【巡音ルカ@VOCALOID】
【状態】ダメージ(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】
0:さよならハクちゃん・・・・・・
1:テルィーマン(照井竜)と一緒に行動する
2:家族を探す
3:テルィーマン(照井竜)の仲間を探す
4:家族に心配かけたくないから死ぬつもりはない
5:できれば信長と合流したい
※7期までとは別人です
※改造手術を受けたため、ひょっとしたら身体能力が上がっているかもしれません。
※たこルカに変身できるようになりましたが、だからといってどうってことありません。
【テルィーマン(照井竜)@仮面ライダーW】
【状態】ダメージ(中)、ずぶ濡れ
【装備】アクセルドライバー、アクセルメモリ、靴紐
【道具】支給品一式
【思考】
1:ルカと行動する。
2:殺し合いを止める
3:左達と合流したい
4:ルカの家族を探す
5:自分を改名したおじさん(姓名判断士)を探して元の名前に戻す
6:できれば信長と合流したい
※テルィーマンに名前を変更させられました。
(不味いことになったのぅ・・・・・・)
怪人達に捕獲された信長は思う。
海上に上がってみたら、テルィーマンとルカが死神博士率いる怪人達に囲まれていたのだ。
助けに行こうにも、武器を持っていない信長にはどうすることもできないし、
逆に彼らも自身のことを気にかける余裕はない。
そしてそのまま死神博士に捕獲され、今に至る。
「アンジュくん、新しいオペの準備を」
「はい先生!」
(あれ? もしかしてワシこのまま改造されそう?)
【一日目・午前9時30分/神奈川県・病院という名のショッカー基地/天候・晴れ】
【
織田信長@歴史】
【状態】ダメージ(大)、右手損失、応急処置済み
【装備】なし
【道具】支給品一式、壊れた石ころ帽子
【思考】
基本:異世界の
KAITO達とその家族を守り、できれば主催を討つ
0:ワシやばくない?
1:KAITOの家族を探す。
2:巡音ルカ、テルィーマン(照井竜)と合流したい
3:テルィーマン(照井竜)の仲間を探す
4:ミクトランをぶっ潰す
※7期から参戦です
【死神博士@仮面ライダーシリーズ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:ショッカーによる世界制服
1:信長を改造する
【利根川アンジュ@アトラスの
ゲーム】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:死神博士の助手をする
【怪人達@仮面ライダーシリーズとか】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:ショッカーに絶対服従
最終更新:2011年02月19日 17:08