「うん、しっくりくるね。やっぱり王者には王者にふさわしい格好があるものだ」
旅の扉を使い、無事にアンチ連盟本部に帰還した譲治。
本部が妙に寒かった気がしたが、特に気にすることもなく着替えだけを済ませて再び外にでた。
いま彼の格好は、漆黒の全身タイツに豪華なマントという、そこはかとなく魔王を彷彿とさせるものだ。
「この勝負服なら僕の肉体美が服の上からでもわかってしまう。
ククク……そして女の子はみんな僕に魅了されてしまうのさ……」
「いい肉体だな。 や ら な い か 」
「男はよるなぁ!!!」
【ビラク@ファイアーエムブレム】譲治に蹴られ死亡
「はぁはぁ……まったく、七期参加者・ビラク撃破確認と……」
せっかくの再出発を妙な男に邪魔された気がするが、とにかく譲治は決意を新たにしていた。
カップルやモテ男、フラグ建築士はもちろん、ミクトランやサイモンなども殺す決意を。
結局のところ自分の許せない相手を殺すというスタンスに変わりはないのだが。
「しかし、天上王の傍に女の子がいるなら、魔王たるこの僕の傍にも女の子がいるべきだよね」
そしてこれも追加スタンスだった。
ミクトランに負けじと、自分も巨乳の女の子を手に入れる。それが譲治の新たな野望だった。
だが、都合よくそんな参加者が見つかるとも思えない。
そもそもどの辺りのサイズから【巨】になるのかも曖昧である。
「そんなのは簡単さ、触診して僕が気に入ればそれでいい」
王者の暴論である。
そんな時。
「変態ってやっぱりいる……」
「き、君は!?……ほう」
突然少女がワープしてやってきた。
あまりの出来事に譲治は一瞬焦るが、すぐさま少女の一点を凝視し始めた。
そう、胸である。
やがて譲治はぐっと親指を立てた。どうやら譲治の求めるサイズを越えたらしい。
「いいよ、合格だ。確か君は
野比玉子症候群の
巴マミちゃんだったかな?」
「……」
「ん?」
笑う譲治に対して、少女、巴マミはただ黙っているだけだった。
その様子に、譲治は違和感を覚えた。
本部のデータにも彼女の記録はあった。
巴マミ・新たな野比玉子症候群患者で、我々が七期参加者を撃とうとすると高確率で間に立っていて邪魔である。
また、変態兵何名かを斬殺。所持している魔剣の力でどこにでも現れ、相討ち狙いで変態を殺しに来る少女。
(名も無き兵士の記録より)
その彼女が、現れておきながらすぐに殺しにこない。すぐに死なない。
それが違和感の原因だった。
「あなた……玉子さんが症候群を抜けたのは知っているかしら?」
「ん?ああ、知っているよ」
そして、ようやく口を開いたマミは譲治に問いを投げかけ、譲治もそれに答えた。
「野比玉子症候群……その名の通りの病気。でも、今それはその効力を失いつつある。
病名にもなっている玉子さん本人が抜けたことで、症候群の力がどんどん抜けているの。
そして私も、この前三人の変態を冥空斬翔剣で倒した直後……死ななかったのよ」
「なんだって……?」
「他のみんなも症候群を打ち破って、自分の進むべき道を歩み始めた……
私の道は、魔法少女としてこの世界の平和を取り戻すこと。
そして……最初に私を射殺したうえに変態の生息率が高かったあなた達アンチ連盟を滅ぼすことよ!」
ぶわりとマミの気が解き放たれた。それは、とても患者に放てる気の量ではなかった。
(なるほど、一時的なものにせよ症候群が力を失っているのはどうやら本当らしいな。だが……!)
譲治も魔王としての気を解き放ち、得意の構えをとる。
「所詮は患者あがり、魔王たる僕に勝てる確立は0以下だよ?
君の胸はさっきも言ったが合格だ。脱症候群祝いに、僕の前に屈服して生涯の忠誠を誓うといい!」
「変態問題を差し引いても、罪も無い前期の参加者を殺してまわるあなた達の所業は許せるものじゃない。
覚悟しなさい!」
魔王は両の拳と脚に力を溜めて。
魔法少女は片手の剣と片手の銃を握り締めて。
両者は同時に地を蹴った。
「悪いが、一瞬で眠ってもらうよ!」
だが、譲治の方が脚力が強く、先に間合いを詰める。
そのまま攻撃態勢に入る譲治。譲治が魔王と呼べる証でもある攻撃だ。
ストレート、アッパーの拳の二連撃から脚を高速で振り上げ、最後は必殺のかかと落しで決める脅威の四連撃。
まともに食らえば、どんな相手でも確実にダウンするか吹き飛ばされる。
そして、譲治には見えていた。
どこまで踏み込み、どのタイミングで殴り抜き、蹴り飛ばし、完全に勝利するか……
そのビジョンが完全に見えていた。
そして、譲治の狙い通り、マミは自ら自分のテリトリーに入ってきた。
「いまだ!」
無常なる拳が、少女のがら空きの体を捉え
「鳳凰天翔脚!」
「ごぶぅ!?」
るよりも先に燃える蹴りが譲治の体にめり込んだ。
「なっ……!?なにが起き……」
「時空蒼破斬!虎牙破斬!剛招来!襲爪千裂破!殺劇舞荒剣!まだいくわよ!虎牙破斬!剛招来!次元斬!」
怒涛の剣撃の合間に銃撃を一回挟んでさらに追撃の剣撃が容赦なく襲う。
一度ガードを崩されているところにコンボを繋がれているため、譲治にはなにもできないのだ。
「これで最後よ!ティロ・フィナーレ!」
「そんな、そんな馬鹿なあぁぁぁぁぁ!」
そしてとどめの一撃に持ち出されたのは剣でも銃でも魔法でもなく、魔砲。
いまだ自分の上にHIT数が表示されている譲治はそれをまともにくらい、東京湾のもくずと消えた。
「これでいいわ……この身が持つうちに、少しでも世界を平和にしないと……」
【一日目・9時15分/東京/天候・晴れ】
【巴マミ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】無限の銃製、エターナルソード、赤い鉢巻
【道具】支給品一式、アルベイン流奥義書セット
【思考】
基本:バトルロワイアルの破壊
1:他の症候群のみんなは今なにしてるんだろう……
2:アンチ連盟関係者、キュゥべえは見つけ次第攻撃
【右代宮譲治@うみねこのなく頃に】完全敗ぼ
「み、認めないぞ……この僕が……症候群の女の子に負けるなんて……
つ、次だ……次こそ僕も全身全霊を賭して戦おうじゃないか……」
そして魔王はしぶとく生き延びていた。
「でも、このままじゃ駄目だ……もっと、もっと強い力を……」
【一日目・9時25分/東京湾/天候・晴れ】
【右代宮譲治@うみねこのなく頃に】
【状態】魔王、落とし穴無効、大ダメージ、ずぶ濡れ
【装備】魔王装備
【道具】支給品一式
【思考】
基本:自分以外のモテ男を全て殺す
1:今より
強くなる方法を探す
2:ミクトランも殺害対象に
最終更新:2011年02月19日 17:11