「はぁはぁ……ショッカー……世界が違っても恐ろしい敵じゃった……」
息を荒げて走るのは、
織田信長。
彼は死神博士に捕まり、改造されかけたのだが、隙を見て博士を殺害し逃走した。
残った助手や戦闘員の行方はわからないが、追って来ないところを見ると撒くことには成功したらしい。
「はやくルカやテルィーマンと合流しなくては……」
ハクの裏切りは、流石の彼も予想することは出来なかった。
いや、信じているからこそ、身内への警戒心は最初からゼロだった。
それが災いして、守るべきルカ達ともはぐれ、手痛いダメージも受けてしまった。
全てを疑っていれば回避できたかもしれないが、それが出来ないのが織田信長という男なのだ。
魔王と恐れられた武将の彼も、人の子。
前期も、明智光秀の謀反によりあっさり火縄銃を頭部に受けて死んでしまっているし。
「しかし、どうしたものか……」
「……貴方、もしかして前期主催者の織田信長?」
悩む信長に、突如声がかけられた。
信長が振り向くと、そこには幼さの残る少女が立っていた。
「いかにもワシは織田信長じゃが……ワシを知っているということは、お主は前期の参加者か?」
「……えぇ。私はヘイズ。ニアラの友人……手っ取り早く言えば、主催者側の存在よ」
「なん……じゃと……!?」
信長は絶句した。
主催者の手先が、自ら自分の前に現れるなどということは全く予期していなかったのだから。
しかし、彼も前期の主催者である。すぐに落ち着きを取り戻し、ヘイズと向かい合った。
「もし本当に主催者側の人間なら聞こう。目的はなんだ? 何故我ら前期の者まで集めた!?」
「……全ての怒りは甘んじて受けるわ。殺されても文句はない。私が憎ければ、斬ればいい。
前期の主催者と剣を交えて倒れるなら、なかなかいい死に方よ」
そう言うとヘイズは持っていた剣を信長に投げて渡す。
そして自分は右腕を剣へと変えて、身構えた。
「武器がないなら、その剣を貸してあげる。戦えばまず貴方の勝ちでしょうけど……
もし、少しでも私の話を聞いてくれるだけの心があれば、その剣を返していただける?」
ヘイズの言葉を聞いても、信長はただ黙って立ち尽くしたままだった。
地面に転がる剣を拾いヘイズに斬りかかることも、投げ返すこともしない。
「……悩んでいるの? 悩むだけ、優しいわね。てっきりすぐに斬ってくるかと……」
「無理なんじゃ……」
「え?」
信長が、搾り出すような声でうめき、ヘイズは思わず聞き返した。
一体、なにが無理だというのかがわからない。
「この両手じゃ、剣を拾うこともルカの尻を叩いてやることもできんのじゃああぁぁぁ!」
振り上げられた信長の両手は……
「ちょ、貴方いったい何があったの!?」
ドリルになっていた。
「はぁ……ショッカーに改造されてそんなことに……」
「ドリルは男のロマンじゃ! とかなんとか……まあこのドリルのおかげで死神博士も倒せたんじゃがな」
【死神博士@仮面ライダーシリーズ 死亡】
結局、信長とヘイズは近くの工場に共に向かった。
両手がドリルなのはさすがにまずいと、ヘイズが修復改造を申し出たのだ。
「本当にこのドリルをどうにかできるのか?」
「これでも元・装真竜よ。あらゆる武装のつけかた外しかたは心得てる」
信長の左ドリルを弄りながら、ヘイズは言葉を続ける。
「こうしているってことは……私の話を少しは聞いてくれるのかしら?」
「……うむ。お主もワシを殺そうと思えば、すぐに殺せるはず。
それをしないと言う事は、よほどワシに伝えなければならないことなんじゃろう?」
「……ありがとう。実はね……」
~説明中~
「……というわけよ」
「なんと……」
ヘイズは信長に自分が知る限りの主催者側の状況を話した。
信長達を集めた張本人は行方不明であり、残された自分達も脱衣拳の前に全員が無力化されたこと。
そしてその脱衣拳の裏に潜んでいるであろう、真の主催者の存在。
信長の世界で活躍した英雄達も、すでに半壊状態であることなども全て。
「しかし、何故そんなことをワシに明かす?」
「……私もよくわからない。人間にされて、同じ立場になって……狩られる側の苦痛がわかったからかしら?
なんとなく……黒幕の奴に勝ってもらいたいと思ったのよ。私怨も混じっているけどね……
もちろん、操り人形同然とはいえ私達も憎いでしょうけど、私達を殺しても終わりじゃないことを伝えたかったの」
「……ひとつ、質問してもいいかの?」
「なに?」
「お主達が生贄羊の役割にされているのはわかった。しかし、何故最初に主催者の役を引き受けたのだ?」
真っ直ぐ見つめてくる信長に、ヘイズは思わず苦笑してしまう。
「……本当はね、ニアラもその部下のみんなも私も……最初はとても落ち込んでいたの。
まあ当然よね。神を名乗っておきながら、人間に完敗しちゃったんだから。
私なんて酷いわよ? まさにフルボッコって言葉がぴったりなくらいやられてね……
自信無くして、他のみんなも生き返ったはいいけどとても神なんて名乗れるわけがなかった。
新しい道をーなんて言っても、竜だから、支配欲が無くなれば残ったのは食欲だけ。
結局、人間以外で何かおいしい食べ物を探そうって意見が纏まった時に……『あいつ』は現れたの」
「……それが、ワシらを集めた、最初の主催者じゃな?」
「そう。名乗らず、姿もぼやけていてよくわからなかったけど……こう言ったの。
『我は真に混沌とした狂乱殺戮の宴を開きたい。だが、我だけでは実現できない……
神たる君達、竜の力が必要なのだ。頼む。どうか、我に協力してはくれないか?』
私達は少なからず疑問を……いやニアラも多分あいつの言葉が怪しいのはわかっていたはず。
それでもニアラはその言葉に乗った。
そして竜の世界も縦社会でね、ニアラの部下と階級がニアラより低い私も巻き込まれたわけ。
あとはさっき話した通り。そいつは逃げ出して、私達はこのざまよ……」
ヘイズは深いため息をつき、「きっと報いなんでしょうね」と付け加えて口を閉ざした。
そのまま無言で、信長の左手を弄り続ける。
「……何故、お主の友人は疑問を持ちながらも引き受けた?」
「……自信を失って、これから何をすればいいのか何もわからないという時に……
たとえどんな理由であれ、どんな奴であれ……なんらかの生きる目的を与えられれば、それに縋りたくなる。
ニアラは特にプライドが高かったから……またあの頃の、自分が神だった頃の輝きを取り戻したかったんだと思う」
「お主はどうなんじゃ?」
「ごめんなさいね、私は昔から食欲と戦闘欲ばっか強くて……だから、どうせ死ぬなら誰かと戦って死のうと思って。
あっ 」
「どうしたんじゃ?」
突然ヘイズがぴたりと言葉と手を停止させた。
なにがあったのかと、信長もヘイズに顔を向けるが、彼女の顔からは汗が流れていた。
「
ごめんなさい織田信長……詫びるべきことが増えたみたい……」
「なにがってなんじゃこれはあああぁぁぁ!?」
信長の左手は、ドリルではなくなっていた。だが……
「話しながらだったから、つい私の願望が表にでちゃったみたいで……でももう義手の材料はなくて……その……」
「ワシこのままなのか!? これは一体なんじゃ!?」
「……弾自動生成装填型30mm機関砲。やっぱり機関砲は女のロマンだし……」
【一日目・9時50分/神奈川県・工場/天候・晴れ】
【織田信長@歴史】
【状態】ダメージ(中)、右手ドリル、左手機関砲
【装備】ショッカー製ドリル、弾自動生成装填型30mm機関砲
【道具】支給品一式、壊れた石ころ帽子、取り外されたドリル
【思考】
基本:異世界の
KAITO達とその家族を守り、できれば主催を討つ
0:ワシこれからどうなるんじゃ!?
1:KAITOの家族を探す。
2:巡音ルカ、テルィーマン(照井竜)と合流したい
3:テルィーマン(照井竜)の仲間を探す
4:ミクトランをぶっ潰す
5:真の主催者を警戒
※7期から参戦です
【ヘイズ@TCBR】
【状態】健康、美少女 、脱衣拳たちを警戒、僅かに罪悪感
【装備】キャリバーン、巫女服
【道具】支給品一式
【思考】
基本:このバトルロワイアルの黒幕に一矢報いる
0:どうしよう……
1:織田信長の許可がおりれば、共に行動
2:力をつける
※脱衣拳たちの裏に黒幕がいると睨んでいます
最終更新:2011年02月20日 00:33