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「変態だと? あなたみたいな人が爺さんを殺したでしょうが!!」
「!?」

直後、まるこはメガネをかけた青年、氷山キヨテルに惨殺された。
例えまるこが既に息が無い肉塊となっても、振り下ろすバットを止めることはない。
それもそのはず。 せっかく発見した妹のGUMIを殺されたからである。
何故か全裸だったが、たったそれだけの理由で平然と彼女を殺せるまるこを、
青年は酷くくだらなく、そして忌々しく思えたのだ。

「まるちゃんを虐めないで~」
「おや、あなたにはこれと言って恨みも無いのでね。」

突如キヨテルの前に彼女の友人であろう少女が現れる。
しかし、彼からすれば特に関係を持たない赤の他人だったので、
適当に金属バットであしらいながら距離を空けていく。

「待って!」

少女、たまえは叫ぶが、所詮大人と子供の差、
彼との距離を詰めることができず、いつのまにかキヨテルの姿が見えなくなってしまった。
一人残されたたまえは、友の遺体を一瞥し、悲しみに沈んだ。

(いくらまるちゃんが悪いことしたからって・・・・・・からって・・・・・・!)

たまえにはわかっていた。
キヨテルだけが悪いのではない。 まるこも恨みを買うのに十分すぎることをした。
見たところ、自分が止めるまではキヨテルは、まるこに激しく怒りをぶつけている。
普段は冷静沈着であろう表情が歪み、罵言雑踏を吐きながら何度も殴打を続けていたのだ。
まるこが殺した人物の中に、彼にとって大切な人がいたのだろうと容易に推測できる。

「・・・・・・この人達もこんなところにいたらかわいそうだよね」

泣き止んだたまえは、まるこが殺した人物達を見て、支給品のスコップを出し始める。
遺体をこんなところに野ざらしにするわけにはいかない。
それは慈悲か、それとも単に自分が見たくないだけなのか、彼女自身はわからない。

(私、これからどうしたらいいのかな?)

大切な親友を失って心にぽっかり穴が空いたたまえ。
かつてのまるこはこんなことをする人物ではなかった。 あの眼鏡の男性だってそうであろう。
誰しもが平和な世界で生きていたはずだ。
殺し合いとはああも人格を醜く変貌させてしまうのだろうか。
このような殺し合いで自分はいったい何ができるのだろうか。
答えが見つからないまま、彼女はひたすら穴を掘り続けていた。


【一日目・11時45分/静岡県沖・ロストグラウンド/天候・真夏日】
【穂波たまえ@ちびまる子ちゃん】
[状態]悲しみ、迷い
[装備]包丁、スコップ
[道具]支給品一式
[思考]1:まるこ達を埋葬する。
   2:これからどうしよう・・・・・・



「ここまでくれば大丈夫ですね」

たまえから逃げ延びたキヨテルは、近くのベンチに腰掛ける。
しかし、その表情は安堵よりも、憂鬱と言った方が適切であった。

(流石に殺してしまうのはやりすぎでしたね・・・・・・)

再会できたと思った家族が目の前で殺された。
だから殺した。 それだけであったら心地よい気分でいたはずだ。
いや、本当にそうでいたのだろうか。
氷川キヨテルは悩む。 あそこでまるこを殺すのが正しい選択だったのか。

(彼女にだって私と同じように、大切な人がいましたね・・・・・・)

まるこを殺して気分を晴らしている所に突如、彼女の友人と思われる少女がキヨテルの前に現れた。
包丁を構えていたものの、涙を流して悲しみの感情の方をむき出しにしていた。
あれほど思ってくれる人がいたのだ。 まるこも生前は明るい少女だったのだろう。
そう、自分の妹達みたいに。

(MEIKO、ミク、ユキ、いろは、ネル、リツ・・・・・・そしてGUMI、すみません・・・・・・)

まるでその手を血に濡らし、家族を助けることができなかった自分への贖罪のように、彼はこの世にはいない妹達の名前を呟いていく。
彼女達は、憎しみの連鎖に巻き込まれて、その中で生き残れることができずに散っていった。
ならば自分は何ができたのだろうか。 キヨテルは自身に問いかける。

ゲームを破壊? 冗談言わないでくださいよ・・・・・・)

キヨテルは極めて理知的であった。
それ故、掴めることのできる希望を見分けることができた。
首輪という枷がはめられ、監視がされている現状で、
主催を倒すことなど泡を掴むよりも困難であることがわかってしまったのだ。

キヨテルは極めて理知的であった。
それ故、掴めることのできる希望を見分けることができた。
首輪という枷がはめられ、監視がされている現状で、
主催を倒すことなど泡を掴むよりも困難であることがわかってしまった。

(だから私は一刻も早くあなた達を見つけます!)

キヨテルは今生きている家族を思い出す。
自分と同年代のKAITOはこの事実に憤り、家族を守るため奮戦しているであろう。
異常者でありながらも誰よりも家族を愛しているルカは、その心を深く傷つけているであろう。
まだ幼いレンやリン、ガチャッポイドは、甘えていた姉達が次々と死んでいる事実に何もできずに泣いているかも知れない。
ハクだってそうだ。 家族の中でも一番弱気な彼女は、精神的にもう参っているに違いない。
ひょっとしたら今でも虐めを受けているのかも知れないのだ。
Lilyやテト、一見気丈に振舞っている彼女達も、何処まで耐えることができるのか心配だ。
他にも・・・・・・


(そうですね・・・・・・こうしてはいられません)

やがてキヨテルは自分の本来の目的を思い出す。
規模が非常に大きなため、バトルロワイアルに殺害を強制するルールはない。
強制しなくても自然と人が殺されていくからだ。
だから彼は一刻も早く家族を集め、殺し合いから逃げ延びるために歩き始めたのであった。

【一日目・11時45分/静岡県沖・ロストグラウンド/天候・真夏日】
【氷山キヨテル@VOCALOID】
[状態]健康
[装備]悟史のバット@ニコニコRPG
[道具]支給品一式
[思考]基本:家族を見つけ出し、生き延びる。
    1:まるこを殺したことに対する罪悪感

【さくらももこ@ちびまる子ちゃん 死亡確認】
最終更新:2011年02月21日 00:31