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「うぅ……師匠……どうして……」

自分の体の回復も程々に、ネルは殺された自分の師匠と見知らぬ正義の男達を埋葬していた。
薄れた意識の中、師が自分の首を飛ばした男と交戦したことまでは理解できた。
自分も一度、師とは戦ったが、埋めようのない力の差があったのを覚えている。
その師が、ここまで惨く殺されているのだ。
いくら半不死身の身体とはいえ、あの男とまともに戦って勝てるとは思えなかった。

「…………蘇生魔法は使うなって師匠言ってたな……」

埋葬作業を続ける中、ネルはふと頭をよぎった考えを振り払う。
おそらく全魔力を使えば今の自分でも蘇生魔法は使用できる。
ネルも、家族や師には生き返って欲しい気持ちはある。
だがそれは、他ならぬ師から止められていた。

「……私の魔力がもっと強かったら、完全に蘇生魔法を使えたのかな?
いや、もっと強ければ、私があの男を倒して、師匠達も死ななくて済んだのに……」


「あなた達も被害にあったのね……」
「だ、誰!……あなたは!?」

突如ネルの前方に何者かが空間転移をしてやってきた。
一瞬身構えるネルだが、その顔には見覚えがあり警戒を解く。
何度か見た顔だ。何回か殴り飛ばし、その後ソウルジェムの秘密を教えてくれた人物。
その見覚えのある顔、頭はその人物の右手で持たれていて……
そう、現れたのはネル達と同じく一方通行に首を飛ばされたマミだった。

「あの男の気配を追ってきたんだけど、間に合わなくてごめんなさい……」
「その格好……あなたもあいつにやられたの?」
「ええ……私の先輩も殺されたわ……となり、いいかしら?」

生首状態ながら普通に喋るマミは、左腕で抱えた全裸の男の遺体をネルの掘った穴に横たえる。

「私は師匠を殺されたわ……」
「そう……埋めるの、私も手伝うわ」

ボロボロになった魔法少女二人は、その後黙々と死者の埋葬を行った。








「今はこれが精一杯ね……」

埋葬を終えたネルとマミは、辺りの木を組み合わせた簡素な墓標の前で並んでいた。

「自己紹介がまだだったわね……私は巴マミ。魔法少女に関しては一応あなたの先輩になるわ」
「私は亞北ネル。あなたが教えてくれたおかげで、なんとかミクトランやさっきの男にも殺されずに済んだわ。
……ねぇ、あなたなら、さっきの男に勝てる?それ以前に、あの男は何者なの?」
「あいつは通称一方通行。その能力はあらゆる事象の反射と思っていいわ。
救いのない、自分の歪んだ愛のベクトルを幼女に向けるロリコン……
そして、自分の野望のための障害となる存在を全て排除しようとする危険思想の持ち主でもあるわ……」

頭部を首に乗っけて、切断面をゆっくり魔法で治癒しつつマミはネルに言葉を続ける。

ディアボロ……さっき埋葬した先輩の話では、この馬鹿げた殺し合いは以前にも開かれたらしいの。
そして色々な世界の人が集まって、当然なかには変態もいたんですって。
でも、同時に正義感も強くて、幼女を守るために戦ったロリコンもいたそうよ。
私は学んだわ。変態には二種類いると!善の変態と悪の変態がいると!そしてあの一方通行は後者よ!」

言葉に憤怒の感情が混じり、くっつきかけた首から鮮血が飛び散る。
その様子に慌てながらも、ネルも同じく叫んだ。

「ええ、あいつは変態と言ったら変態に失礼な程の、最悪な殺人鬼よ!
自分の歪んだ愛が認められないからって、師匠を殺したっていうの!?」
「うーん、あなたが歪んだ愛っていうのも……いや、今のあなたはあの時とは違うみたいね」
「……返す言葉がないわね。前は巨乳ってだけで殴ってごめんなさい」

頭を下げるネルに、マミはもう別に気にしてないからと手を振る。
塵にされたりスパンキングされたりと、結構な目にあわされてはいるマミではあるが、
症候群の身ではいちいち気にしていたらキリがないと、少しのことは水に流すことにしたらしい。

「師匠は、道を踏み外した私を正してくれた大切な恩人だったの。それをよくもあいつ……!」
「……敵は同じようね。それなら、共に戦いましょう。魔法少女以前に、人として」
「そうね。敵は巨乳なんかじゃない。歪んだ殺人鬼に、私を全裸にした主催者達!」

二人の魔法少女は、拳と拳を軽くあわせ、共闘の意を示す。
想い人に振り向いてもらえないから巨乳を殺すのではない。
人に害を与える存在だと思い込み全ての変態を殺すのではない。
倒すべき本当の敵を見極めた彼女達は、以前よりも強くなっていた。

「とはいえ、一方通行の力は尋常じゃないわ。
ベクトル操作の防御壁を強引に貫ける程の圧倒的な力をもった攻撃以外はまず全部反射する。
そして予想外だったけど、主催者の一人、魔全裸王の力も強大よ。
あの攻守に手堅い黒い羽をなんとかしない限り、勝ち目はない」
「私達じゃ、勝てないってこと……?」
「このままじゃ、ね。一人で駄目なら二人、二人で駄目なら三人。まずは仲間を集めるわよ。
蛇の道は蛇、悪の変態には善の変態の力を借りるのがいいと思うわ。
ディアボロの話では、阿部という人なら世界が違ってもずっといい男らしいの」
「そうね……あの一方通行の力も、まさか無尽蔵に使えるわけがない。
仲間と協力して、そして私達ももっと強くなって、そして……!」
「「悪の変態を討つ!」」



【一日目・16時50分/神奈川県/天候・晴】

【亞北ネル@VOCALOID派生】
【状態】魔法少女、ダメージ(中)魔力消費(大)、首から下は超肉体、魔力上昇、決意
【装備】ボロボロの肉体、炎杖エクリクシス
【道具】支給品一式
【思考】基本:自分の肉体と魔法を正しく使い、レンきゅんと家族を守る
1:一方通行、主催者といった悪の変態を殺す
2:マミと行動し、善の変態の仲間を探す


【巴マミ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ、疲労(中)、決意、上下下着のみ
【装備】無限の銃製、エターナルソード、赤い鉢巻
【道具】支給品一式、アルベイン流奥義書セット
【思考】
基本:バトルロワイアルの破壊
1:ネルと共に行動し、対主催の参加者を探す
2:ディアボロの言っていた阿部なるいい男を探す
3:アンチ連盟関係者、キュゥべえは見つけ次第攻撃
4:マダオ、魔全裸王、一方通行を警戒。強くなるまでは戦略的撤退
※7期の世界を知りました
最終更新:2011年03月13日 05:09