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豪腕が風を突き抜けて壁を打つ。
ゼロは紙一重で横に避けて、静電気がバチバチと弾けながら彼の肉体を掠めていく。
コンクリート製の壁は衝撃に耐えられず、無残にも拳に貫かれて崩壊していった。

(こいつは確か元イレギュラーハンターの・・・・・・)

かつてゼロが英雄として戦った時代では、イレギュラーハンターという組織が存在していた。
彼の前に立ちふさがっているのは、同じくハンターであったレプリロイド、スパーク・マンドリラーだ。
しかしシグマの反乱によりイレギュラー化し、鎮圧とともに排除されたはずである。
それが今、ゼロに襲い掛かって牙を剥いているのだ。

マンドリルをより大きくしたようなレプリロイドがゼロに振り向く。
深夜であるためか、肩部の電灯が発光ダイオードのように点灯しており、不気味に映る。
壁から拳を引き抜いたマンドリラーは、それを帯電させたまま今度は地面に叩き付けた。


「甘い!」

地響きとともにエネルギー弾が地面を伝う。
道路を焼き焦がしながら迫ってくるエレクトリックスパークをジャンプして回避し、ゼロはゼットセイバーの刃を展開した。
だが、かわされたと判断したマンドリラーは空中のゼロに向かって大きく跳躍してしまう。

(だがまだだ!)

ゼロは近くに立っていた木を蹴り、三角飛びを行う。
すぐ後にマンドリラーが激突し、ゼロの体重を支えていた木はミシっと音を立てた。
マンドリラーにすれ違い様に一太刀浴びせられ、木とへし折りながら地面に倒れていく。
そして起き上がろうとするマンドリラーの背後にゼロが着地した。

「これで終わりだ!」

マンドリラーは態勢を立て直すがもう遅い。
手、足と切り落とされ、最後に真っ二つに両断された。
三段斬りを受けたマンドリラーの破片は爆発し、辺りを炎上させていく。
ゼットセイバーを仕舞ったゼロは、道路の角から顔を覗かせるレンに振り向いた。





「ゼロさんすごかったよ!」

ゼロの前に現れたレンは、笑みを浮かべながら彼に抱きついた。
家族の捜索に入っていた時に、突如スパーク・マンドリラーが襲い掛かってきたので
つい先ほどまで戦闘を繰り広げていたのだ。
レンの無事を確認できたゼロであったが、彼の頭にはまだマンドリラーのことが残っていた。
別にマンドリラーのちんこやアナルのサイズが気になったわけではない。



(何故やつは俺達に襲い掛かってきた?)

単純にゲームに乗ったと考えるのが妥当であるが、何故だか引っかかる部分があった。
戦闘中のマンドリラーの動作がやけに機械的であったのだ。
レプリロイドといえども感情はあるため、戦闘をしている時でもそれは表情に現れる。
戦意のある者なら気迫は感じるし、ダメージを受けたら苦悶の表情を浮かべる。
ましてや死ぬのであれば、断末魔を放ったり無念に打ちひしがれたりするであろう。

(だがさっきのやつには意思が感じ取られなかった)

先ほどのスパーク・マンドリラーは、ただゼロに攻撃を仕掛けていただけだ。
怒ることも苦しむこともせず、戦うためだけの戦闘マシーンと化していた。
何者かが細工を施したのかも知れないが、だとすると彼を改造した人物が気になる。


「ねえねえゼロさん」

声に耳を傾けると、レンが上目遣いで不安そうにゼロを見上げていた。
するとゼロはため息を吐いて空笑いをする。

(悩むなんて俺らしくもない。
 目の前に敵が現れたなら叩き切るまでだ)

今自分がすべきことは、レンや他の人々を守り主催を切り捨てることだ。
邪魔する者は容赦無く切る、今まで自分がやってきたことではないか。
そしてそれは今も、これからも変わらない。

(エックス、こんなときお前ならどうするんだろうな)

レンのアナル開発を進めながら、ゼロは今はいない友のことを思うのであった。


【豪速拳の雷王 スパーク・マンドリラー@ロックマンX 死亡確認】



【一日目・01時00分/北海道】

【鏡音レン@VOCALOID】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、その他不明支給品
【思考】基本:家族を探しつつ性欲を解消する。
     1:ゼロについていく。
※8期までのレンとは何も関係ありません。
※VOCALOIDとかじゃなく、れっきとした人間です。

【ゼロ@ロックマンゼロシリーズ】
【状態】健康
【装備】ゼットセイバー
【道具】支給品一式、その他不明支給品
【思考】基本:主催を倒しつつ性欲を解消する。
     1:ゲームに乗らない参加者を守る、特にショタ。
     2:シエルのことは助けられたら一応助ける。



「エックス様、都知事がターゲットの始末に失敗したようです」
「そう、ありがとうテト」

青年はゼロの写るモニターから目を離し、ツインドリルの髪型の少女を労わる。
全身を青と白のアーマーで包み無邪気に笑う彼は、人間とはかけ離れた存在であった。
かつて伝説として歴史に名を残したレプリロイド、ロックマンX・・・・・・の模造品。
コピーエックスと呼ばれる機械であった。

「イレギュラー扶助者の始末は失敗したんだね。
 昔から色々手伝ってあげたんだけど、やっぱり彼じゃ無理だったか」
「おっしゃる通りです」

彼の世界では、レプリロイドの人工知能が異常をきたして
暴走したり犯罪を犯した者をイレギュラーと呼んだ。
しかしここで定義するイレギュラーは何も機械に止まった話ではない。

「自分を優先させて平和を乱すイレギュラー。
 てっきりプログラムのエラーかと思ったけど、人間にも同じことが起こるんだね」

コピーエックスがカオスに交じり合った世界に降り立った時、真っ先に興味を向けたのが"変態"であった。
自分の欲望、それも表向きに出してはいけない分類の物を主張させ、人々に混乱を与える存在である。
かつて彼が管理していた世界には大よそ存在しない人種を見て、コピーエックスは大変不思議に思った。
あのような人種は社会に多大なダメージを与える恐れのある危険なものだ。
だからこそ、コピーエックスは"変態"と呼ばれるバグを、イレギュラー同様に排除する結論に至った。
そして多くの武力が行き交う世の中でうまく立ち周り、世界の権力中枢の一部を牛耳ることに成功したのである。


「レン、君の存在には本当に驚いたよ」

ゼロとともに映っている少年を見て、コピーエックスは微笑んだ。
この世界のことを観察するために偵察機をいくつも飛ばしていたのだが、
北海道にて彼の興味を引き付ける少年を発見したのである。
同じ屋根の下に住む家族だというのに、生殖活動をしているではないか。
実の姉との行為は、歴史を見ればそのような民族も存在するためそれだけなら問題無い。

しかし、彼は女一人に納まることなく次々と他の親族を襲い始めた。
行為直後、特に両者の仲が悪くなった様子はほとんど見受けられない。
それらは全て"ダイスキ"という感情によって引き起こされたものであり、
合意によって行われたケースさえもある。
が、おかしなことに、ある日を境に一部の者達がレンを嫌悪し始めたのだ。


「変態もイレギュラーとなんの変わりも無い」

原因は単純だ。
レンが己に行ったことと同一のことを、他の女性にも行っていることを知ってしまっただけである。
ダイスキですらダイキライに変えてしまうのだから、嫉妬という物は大変恐ろしい。
そして初めてレンと生殖活動をした者のことを考えると、今後彼は見境いなく異性を襲い始める危険性がある。
彼をスキになった者とキライになった者が、やがて社会を巻き込む大きな渦になってしまうだろう。
なんとしてでも排除しなければならないと判断したコピーエックスは、変態を憎む都知事にこの情報を提供したのだ。


「だからこそ、なんとしてでも排除しなければなりません!」

コピーエックスに決意を見せるテトは、レンをキライになった側の人間である。
彼女もかつてはレンをスキであったのだが、彼の異常性を知ると変態全てを嫌悪するようになっていた。
そこに付け込んで、彼女を部下に引き入れたのだ。

「それにしてもいいのかい? 弱音ハクは君の知り合いじゃないか」
「レンに味方するなら敵も同然です」

彼女に恨みはありませんがね、とテトは一言付け足して、唇を三日月型に歪めた。
コピーエックスもテトと同感だ。
いくら脳にバグを起こして無かろうと、イレギュラーを庇うなら既に彼らと同じ存在である。
ならば例え人間でも生かしておく理由は無い。
彼女の決意を確認し終え、コピーエックスはテトに新たな指令を出す。

「じゃあ都知事に戦闘用レプリロイドをいくつか送っといて」
「わかりました、ゼロとレンについてはどうしますか?」
「彼らについては下手に手を出しても無駄だとわかったからね。
 今は様子見でいいよ」

指令を受けたテトは、パソコンを操作して都知事に連絡を繋ぐ。
彼は苦虫を噛み締めた表情をしていたが、通信を受けたことに気づくと即座に作り笑いをする。
テトと都知事の会話を聞きながら、コピーエックスは次の作戦を考え始めていた。


【一日目・01時05分/???(ネオアルカディア本部)】

【重音テト@VOCALOID亜種】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、その他不明支給品
【思考】基本:変態を根絶する(特にレン)
     1:コピーエックスの命令を聞く
     2:邪魔する者は身内でも殺す
     3:都知事に戦力を送る
※8期までのテトとは何も関係ありません。
※VOCALOIDとかじゃなく、れっきとした人間です。

【コピーエックス@ロックマンゼロシリーズ】
【状態】健康、第一形態
【装備】アルテミットアーマー
【道具】支給品一式
【思考】基本:イレギュラー(変態とか)を抹殺し、ヘブンを作る
     1:いずれゼロと決着をつけたい
     2:ゼロは今は様子見
     3:東京都知事を指揮し、イレギュラー(変態とか)を効率的に排除していく
最終更新:2011年08月21日 11:01