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「鏡音レンを殺す――それがレンの兄としての、僕の使命だ」

月明かりの下。
誰もいない公園で、悲壮な決意を固める細身の男がいた。
彼の名はKAITO。歌手一家の長兄として、早くに両親を亡くした一家を守ってきた男だ。
しかし今、彼は守るべき対象であるはずの家族に対して、殺意を向けていた。

きっかけは、仕事を終えて早めに帰宅した彼が、弟と妹の情事を見てしまったことだった。
リビングの床にルカを押し倒し、一心不乱に腰を振るレンを。
自分が見ていることにも気付かず、狂ったように喘ぎ声を上げるルカを。

愛する家族の知られざる一面を垣間見て、彼は絶望した。
レンを殺してやりたいという衝動に駆られたことも、一度や二度ではない。
だが、それはできなかった。
どんなにレンのしたことが許せなくても――彼にとってレンは、愛すべき家族だったからだ。

「……でも、それが失敗だったんだろうな。あの時、僕がレンを殺していれば……僕一人が罪を問われるだけで済んだのに」

何もできないまま、時は過ぎ。
レンの性欲は日に日に増大し――KAITOが気付いたときには、もう遅かった。
ミクも。リンも。MEIKOも。KAITOが守りたかったものは、全てレンによって壊されてしまっていた。

「もう、レンを野放しにしておくわけにはいかない。
 ……例え最悪の結末になろうとも、僕がレンを止めるしかないんだ」

カオスロワが開催された今こそ好機だ。
世界中に殺人が氾濫している今なら、レンが死んでも不幸な事故で済ますことができる。

「……全部僕が悪かったんだ、レン。
 もっと早くに、お前の異常に気付いてやれれば、こんなことにはならなかったんだ。
 だけど、僕にはもう、お前を許すことはできない」

今でも、KAITOにとってレンは大切な家族の一員だ。
大切な家族だからこそ、ここで止めなければならない。
これ以上、弟が罪を犯す前に――自らの手で。

今も何処かで性欲を持て余しているだろう弟に向け、ありったけの想いを込めて彼は叫んだ。

「よくも……よくもミクたちの処女を奪ったなッ!!!」

◆ ◆ ◆

KAITOは童貞だった。
ルックスも歌唱力も優れている彼が何故に童貞だったかと言えば、
それはKAITOの性的嗜好が近親姦オンリーだったからに他ならない。
だからこそ彼は、血の滲むような思いをしながらも妹たちを守り、必死に育ててきた。
健やかに成長した彼女たちを、いずれ自らの手で摘み取るために。

「僕が一家を支えるために、どれだけ苦労してきたと思ってるんだ!
 ミクの、ルカの、リンの、MEIKOの好感度を均等に上げッ! ハーレムルートに入るためにッ! 僕は人生の全てを捧げてきたッ!!」

もう少しだったのだ。
最年少のリンさえもう少し大きくなったら、全員まとめて美味しくいただくはずだったのに。
その計画は、レンの手で完膚無きまでに叩き潰された。
レンが死んだところで、失ったもの(※処女膜)は二度と帰ってこない。

「絶対に許さない……絶対にだ!」

怒りと哀しみ、そして深い絶望。
それらすべてが混じり合ったような顔で、KAITOは吼える。

「家族の絆を汚したお前を! みんなを傷つけたお前を! 僕は絶対に許さないッ!!!」


【一日目・0時30分/日本・長野県】

【KAITO@VOCALOID】
【状態】健康
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:家族(ただしレンは除く)を守る
1:これ以上罪を犯す前に、レンを殺害する
最終更新:2011年08月21日 11:13