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文人の手により、初音ミクが新たな戦力となった主催本部。
徐々にではあるが人員も増えていき、黒服たちの労働量も減りつつある。

「それにしても、媚薬と色気であの初音ミクを手なずけるとは……」
「さすが文人様! そこに痺れる! 憧れるゥ! だな!」

彼らは先刻起きた同僚の大量死を忘れるかのように、テンションをあげつつ仕事に励む。
現在の動力源は、文人の飲ませた謎の薬についての雑談だ。

「貴方たち、無駄口ばかり叩いてないで、こちらの作業も手伝ってください」
「は、申し訳ありませんアンゼロット様! ……ですが、実際凄いと思いません?」
「確かに、マーダー登用プランとしては評価しますが……」

上司を巻き込み、黒服たちは文人の薬をあれこれ考える。
同格のアンゼロットにすら知らされていない、あの初音ミクを陥落させる薬……

「やっぱり、媚薬っていいよね!」
「全くだ……って今喋ったのは誰だ?」
「私じゃありませんよ?」
「自分でもありません」

その時、事件は起きた。

「一体誰がアッー!?」
「「!?」」

正体不明の声に、あたりを見回し始めた黒服の一人が奇声とともに倒れ伏す。
「ど、どうした黒服γ!? ってアッー!?」
そして一人、また一人と黒服が倒れていく。

「あ、貴方は!」
「き、貴様は!」

ここでようやく、アンゼロットと残りの黒服は襲撃者の正体に気がついた。
そう、本部が、黒服がまさに今『襲撃』されたのだ。

「はぁはぁ……駄目だ、こんな黒服たちじゃ満足できないよ!」
「「鏡音レン!?」」

下半身に限らず、その全身を曝け出した一種のモンスター、鏡音レンに。



「何故貴様がここにアッー!」
「よいしょ……なんかマユリ様が蘇らせてくれたんだよ! これでまた気持ちよくなれる!
 そんなことより……ねえ、そこのお姉さん?」
「わ、私ですか?」

突如復活した鏡音レンを前に、黒服部隊は総崩れである。
仲間の悲惨な最期の原因、それの本体なのであるから警戒してしまうのも当然といえよう。
現に、レンのその手に握られた大人のおもちゃによって、次々に黒服の犠牲が増えている。
そんな中、突然みつめられたアンゼロットは、ほんの一瞬だけ固まってしまった。

「お姉さんが、ぼくのおちん○んどこかに捨てちゃったんだって?
 ほら、おかげで女の子になっちゃったんだよ?
 でもね、感謝もしてるんだ。女の子の身体になっても気持ちよくなる方法はあるってわかったし。
 今 か ら 実 践 し て お 姉 さ ん に お 礼 し て あ げ る よ ? 」
「!?」

一匹の獣が跳躍した。
その不可思議な動きはもはや生前のそれとは別次元。
おそらく、彼を復活させたマユリの強化改造の結果だろう。
速度も桁外れになっており、それはかつて黒服を苦しめたWILD CHINKOよりもさらに速い。
とてもビン詰めにすることなど、できない程に。


※ ※ ※ ※


勝敗は一瞬だった。
元より崩れかけていた黒服たちはあっという間に蹴散らされるか逃げ惑い……
狙われたアンゼロットもまた、組伏せられていた。

「くっ……!? この力は……!?」
「はぁはぁ……ほら、ね? この薬を全身に塗りたくって女の子の大事なところを重ねるととっても気持ちいいんだよ?」
「な……や、やめなさい!」

アンゼロットの全身に妙な液体をかけつつ、さらにはその衣服も剥ぎ取ろうと迫るレン。
そしてそれを物陰からこっそりと録画しようと試みる生き残りの黒服。
だが当のアンゼロットはたまったものではない。全力でもってレンに抵抗する。

(ま……まずい……KLウイルスは未知のウイルス! 私に効かないという保障はどこにもない!
 長時間の接近戦なんて自殺行為……!)

アンゼロットの脳裏に、故・尾崎敏夫の姿が蘇る。
冷酷かつ堅物だった彼が、KLウイルスの前にはまるで無力であり、その末路はあまりに惨い。
何しろ射殺されるその寸前まで、変態的な言葉を口にし続けたのだから。
もし、自分が感染したら……?
嫌すぎる。それに尾崎敏夫と同じように黒服たちも巻き込んで、また騒ぎを起こしてしまうかもしれない。
それだけは絶対に避けなければならない。
今はまだ、計画の途中。レジスタンスの動きにも注意を……

(そうだ!)

薬とレンの手によって手遅れにされる前に、アンゼロットは口を開く。


「あ、貴方……私に、お礼をしたいのですよね……?」
「うん! だから一緒に気持ちよくなろう? ほらこことここを……」
「あっ、待ちなさい! 私よりも、その表に書かれてる人たちを相手にしてきてくれませんか?」
「……結構たくさんいるんだね。みんな欲求不満なんだ、かわいそうに……」
「そ、そうでしょう。彼らの相手をしてくれることが、私へのお礼にもなるんですが……」
「マユリ様へのお礼にもなる?」
「なりますよ」
「……そうだね! こんな気持ちいこと、もっと沢山の人に伝えてあげるべきだよね!
 じゃあ、マユリ様に外出許可を貰ったら早速行ってくるよ!」
「ええ……できればいますぐに行ってください」

納得した様子でレンは立ち上がると、シャカシャカと部屋を去っていった。
(危ないところでした……)
部屋に転がる痙攣した黒服たちが、事の凄惨さを物語っている。
(しかし……これはいい手段かもしれません。
 KLウイルスの凄まじさはすでにこちらが体験済み……
 レジスタンス相手に暴走してくれれば、レジスタンスも仲間内、組織内部から徹底的に破壊できるはず……)

昨日の敵はなんとやら。
かつて主催の脅威となった怪物が、レジスタンスに牙をむく。

二日目・2時45分/???・主催本部】
【真昼の月アンゼロット@ナイトウィザード】
【思考】
1:バトルロワイアルを運営しつつテラカオス・ドヴァイを倒す
2:新しい駒でも捜しますか
3:イシドを泳がせる
4:あの人の帰還を待つ
5:鏡音レンを利用するが、二度と本部には入れさせない
※主催側です。

【鏡音レン@VOCALOID】
【状態】全裸、WILD CHINKO喪失、肉体強化、洗脳
【装備】大人のおもちゃ、謎の液体
【道具】支給品一式、レジスタンス関係者の名簿表
【思考】基本:気持ちいいことをする
1:名簿に載っている人物全員と気持ちいいことをする
2:全部終わったらアンゼロットとマユリ様と気持ちいいことをする
※主催側のジョーカーになりました
最終更新:2012年02月09日 01:43