「それにしても、本当に恐ろしい進化を遂げたものだな……」
新しい基地を探しつつ、一人ダークブレインは呟く。
当然彼がいっているのは、KLウイルスのことである。
「あの時は、考えなしに投与したからなー……反省せなあかんな、うん」
ダークブレインもまさか、自分が遊び半分で行った実験でダークナイトモンが犠牲になるとは思わなかった。
精力絶倫の若者を無作為に選び、始祖ウイルスがどのような進化を遂げるか興味があっただけ。
その結果があれだ。ダークブレインの頭脳をもってしても完全に想定外の凶悪ウイルスの誕生。
おそらく、運がいいのか悪いのかわからないが、とにかくウイルスと鏡音レンが共鳴、シンクロした故だろう。
何しろウイルス投与前から姉や親戚の大切なものを奪い、同人誌などを嫌悪してきた男。
ウイルスも非常に凶悪な性質となってもなんら不思議ではない。
さらに鏡音レンはウイルス投与後、ゼロ(not目玉)に貫かれ……
目覚めた。
それはつまり、ウイルスの新たな可能性(感染後の速効性)が目覚めることとなった。
そして、このKLウイルスを完全なものにさせたのは、三沢大地だ。
彼が鏡音レンを踏み砕いた瞬間、踏まれた方は2つの極上の快楽を得てしまった。
踏まれる喜び、ドMの覚醒。そして隣死の恍惚。
これにより鏡音レンは絶頂を迎え、死と同時に大量の白濁液をぶちまける。
その直後、時間差でウイルスは完全なものとなり、そして生まれたのがあの、
WILD CHINKO
。
驚異的な感染力、速効性、しぶとさを併せ持つKLウイルスの塊は、その本能を爆発させた。
つまり『ヤる』ことだけを目的に暴れ回る。
そして感染者を増やしていく。ウイルスは高速で細胞分裂を繰り返しWILD CHINKOに弾切れはない。
その威力から、戦術兵器にも転用できそうだが(というか
アンゼロットが実行済み)
当然、このウイルスも万能ではない。欠点は存在する。
まず、高い致死性を持つ代償なのか、空気感染はしないということ。
(……しとったら、この世界お終いやったな)
僅かにダークブレインが身震いする。
危うく、自分の好奇心で全てをぶち壊すところだった。真っ先に地獄になったのは恐らく熊岡だろう。
そしてもう一つの欠点が、攻撃対象が完全にランダムだということ。
ウイルスはただ『穴に入って気持ち良くなる』ことしか考えていない。
穴さえあれば、誰であろうと問答無用で襲い掛かる。
その点を考えると、ニアラは幸運であり、ジャギはとことん不運だ。
以上が、KLウイルスの正体だ。
思考を重ねながらダークブレインは、この凶悪なウイルスを抹消して正解だったなぁと染々実感した。
そしてこのウイルスを自分が作ったということは、絶対に言うまいと誓っていた。
正直、さすがのダークブレインもこんな外道ウイルスに若干ひいていた。
さらに下手するとバグラモンとジャギの親友であるウヴァにぼこぼこにされかねないからだ。
だが、完全なKLウイルスワクチン、フルブロックワクチンによりKLウイルスは根絶やしにされた。
もう、世界がKLウイルスの脅威に脅かされることはないだろう。
「うむ、よかったよかった!」
ダークブレインは知らなかった。
KLウイルスの、WILD CHINKOの危険度が――今自分が考えているものより遥かに高いということを。
先ほど暴走したダークナイトモンを基準に考えているのだから、仕方がないといえば仕方がない。
事実、暴走ダークナイトモンはWILD CHINKO単体よりも強力だろう。
だが、彼は知らない。
対主催の彼らにとっては幸運かもしれないが、WILD CHINKOが主催者本部を蹂躙したことを。
そのWILD CHINKOが敗れ、捕獲されたことを。
アンゼロットの手により、宇宙空間に発射されたことを。
ドヴァイの手により、ロケット噴射よろしく凄まじい速さでWILD CHINKOが宇宙を巡ったことを。
そしてとある星に突き刺さり、新たな生命体を誕生させたことを。
それが宇宙空間でさらに進化を遂げ、単体から軍隊、次元戦団へと次々に増えていったことを。
それらが並行世界の宇宙を次々に凌辱、蹂躙、破壊を繰り返していたことを。
ことはもはや、この世界だけの問題ではなくなっていたことを。
幸い勇敢な戦士達の手によってその軍勢は完全に滅ぼされたが……
さらにもう一段階進化した存在が、ごく僅かながら存在するということを。
「アナタトガッタイシタイ!」
「なっ!?」
そして、天文学的確率でその存在が自分の背後にワープしてきたことを。
『地球外変異性金属体 (Extraterrestrial Living-metal Shapeshifter)』
『地球内鏡音錬成性命体(WILD CHINKO)』
この二つの融合性命体『ELOS』が。
ダークブレインを貫通した。
メタリックな宇宙性命体と化した『ELOS』はもはや強化KLウイルスとかそういう次元ではない。
完全に異なる、しかし同じ思想をもつ宇宙最悪に限りなく近い性命体なのだ。
「―――!?」
ダークブレインは己の体が侵食されていくのがわかった。
接触した物質と融合する能力を有する『ELOS』は瞬く間にダークブレインと同化していく。
ワクチンなど効くはずがない。そもそも同化されては、自分も消えてしまう。
(な……なんとかしなくては……!)
本能でわかる。この『ELOS』の攻撃を受けたらバグラモンでもアウトだ。
誰でもいい、助けてくれ――
その時だ。クライシス皇帝が通りかかったのは。
「む、闇脳……?……他に誰もいないな!ならば!」
そして彼は、躊躇いなくダークブレイン(と『ELOS』)に向けてロケットランチャーをぶっぱなした。
【ダークブレイン@バンプレストオリジナル】
【ELOS@???】
爆死確認
「はっはっは!このクライシス皇帝をこき使うからそのような目にあうのだ!」
皇帝に悪びれた様子は微塵もないどころか、清々しさすらあった。
身勝手な皇帝の行動により、闇の脳は倒れた。
しかし、同時に宇宙の脅威も滅び去った。
最終進化を遂げても、ついになくならなかったKLウイルス最後の致命的な弱点。
『感染者が暴れる前に脳を破壊』
これだけで、もう災害は起こらない。かつての黒服もそうしていれば助かったのだ。
これは、外道な皇帝だからこそできた迅速な対応。
そして今度こそ、本当に鏡音レンとウイルスの因果は断たれたのだ。
【
二日目・19時20分/アフリカ】
【クライシス皇帝@仮面ライダーBLACKRX】
【状態】疲労(中)すっきり
【装備】サタンサーベル、ディノファランクス@クラッシュギア、ロケットランチャー
【道具】基本支給品一式、その他不明
【思考】基本:地球人類を抹殺するのも私だ
0:実は生きていたのも私だ
1:ちょっとすっきりしたからマルクは撃たないでおこうと思うのも私だ
2:どうせなら誰よりもはやく新しい基地候補を見つけてやろうと思うのも私だ
※今までとは別人です。
※ビッグバンをボーグ星人だと思っています
最終更新:2012年02月20日 17:49