さて、レンが酷い目に遭ったりMEIKOが家族を殺す決意を決めたりしているその時、日本中から標的にされようとしている当の二人はというと。
ぱしーん。ぱしーん。
新潟のラブホテルの一室に、少女の尻を叩く音がこだまする。
それに混じって、
「はうぅっ……も、もっと……///」
という、色気の中にも幼さの残る声が聞こえる。
尻叩きといっても体罰や虐待ではなく、性的なコミュニケーションの一環、つまりはプレイとしてのラブ・スパンキングである。
早い話が二人とも、筋金入りのスパンキングマニアであった。それもスパンキング以外のSM行為は完全にNGというくらい筋金入りだった。
妹・ミクは平手打ちに身をよじらせながらももっと叩かれるために尻を突き出し、兄・
KAITOはそれに応えるように、膝の上に乗せた妹の尻を更に強く殴打する。
この趣味は家族からもひた隠しにしてきた、二人だけの秘密の遊戯であった。
要するに、とんだ変態兄妹だった。
尻叩きが一段落した後、KAITOはミクを尻を出したまま部屋の隅に立たせると自分はベッドの上に腰掛けた。ミクの尻を鑑賞しながら休憩しようという魂胆である。
大の機械オンチで、パソコンも携帯電話も持っていない彼ら兄妹には、今自分たちに関するデマが日本中にばら撒かれていることなど知る由も無い。
「……最近ミクの尻も硬くなってきたなあ。そろそろ平手だけじゃあ限界かもしれない」
KAITOは掌をさすりながら、どうでもいいことを呟いている。
「もう、兄さんは失礼ですね。それに、いつまでもこうしてはいられないでしょう? 私たちの目的を忘れたんですか?」
兄のほうに尻を向けたまま、ミクが不満そうに言う。
「早いところ上京して、殺し合い中で混乱している国会を制圧し、『近親結婚を認める法案』を可決させるのが先決じゃないですか!!」
ぐっ、と拳を握って力説するミク。
「今こそ、この機に乗じて、兄妹だからというだけの理由で結婚ができないという、不条理で人権を無視した悪習をひっくり返すのですよ!!
そしてそのまますぐに兄さんと私の結婚届を役所に出して、ついでに式も挙げてしまえば、私たちは念願の夫婦となれるって寸法ですようふふふふ」
もしこの光景を彼女の家族が見たら、彼らを守る気など完全に失せるであろう。
言ってる内容も小学生レベルの無茶な計画としか言いようがないが、彼女は歌と兄と尻叩き以外のことなどほとんど何も考えたことがないので仕方が無かった。
「まあ待てミク……やはりその計画は無茶だ」
一方兄のほうはまだ頭が回るようである。
「非常事態の混乱に乗じて無理に通した法案など、殺し合いが終われば無効化されるのがオチだ。当然、僕たちの結婚届も取り消されるだろう」
「そんな……」
絶望したように崩れ落ちるミク。しかしKAITOは続ける。
「考えるべきは法案一つ通す、などという形式的なことじゃダメだ。この国の人たちの意識を根底から変える必要がある。
兄妹では結婚できないなどという常識が間違っているということを、もっとみんなにわかってもらう必要がある。
その為には多くの人に語りかけることだ。キング牧師やガンジーのように……」
やはり兄は兄でかなりズレていた。
「そっか……でもどうやって?」
「忘れたのか? 僕たちには『歌』という武器があるじゃないか。歌ほど多くの人にメッセージを伝えられるものはない、そうだろう?」
KAITOは床に崩れ落ちたミクを優しく抱き上げながら言う。
「東京に着いたら放送局を占拠して、僕たちの作った近親相姦を称える歌を全国に流すんだ。そうすればきっと、日本中の人の心を変えることができるに違いない。
そうすれば法案改正だろうが僕たちの入籍だろうが、障害は何も無くなる」
「さすが兄さん!! 冴えてますね!! 好き好き大好き超愛してます!!」
ミクは兄に抱きつくと、熱い口づけを交わした。
「さあ、そうと決まったら早速出発しよう……その前に、勝手に姿勢を崩したお仕置きをしてからだけどな」
「あーんもう、兄さんたら///」
そしてまた、部屋の中に少女の尻を叩く音がこだまし始めた。
【一日目・2時/新潟県新潟市】
【KAITO@VOCALOID】
【状態】健康
【装備】不明
【道具】支給品一式 その他不明
【思考】
基本:殺し合いというチャンスを利用してミクと入籍する
1:ミクの尻を叩く
2:東京に行き、放送局を占拠して歌を流す
※機械オンチで、自分たちが標的にされていることを知りません
【
初音ミク@VOCALOID】
【状態】健康 尻に若干のダメージ
【装備】不明
【道具】支給品一式 その他不明
【思考】
基本:殺し合いというチャンスを利用してKAITOと入籍する
1:KAITOに尻を叩かれる
2:東京に行き、放送局を占拠して歌を流す
※機械オンチで、自分たちが標的にされていることを知りません
※基本的に歌と兄とスパンキングのこと以外は考えられません
最終更新:2012年11月02日 01:06