23:魔法老人リリカルななし 00:16:27
青い髪でマフラーを巻いてる男がかなりヤバイ。
生き残りたいからとかじゃなくて、快楽のために人を殺しまくるタイプっぽい。
24:あなたの支給品はななしよ 00:23:05
その男俺も遭遇したわ。完全に目が逝っててヤバかった。
オマケに能力的には氷系の技を使う奴だった。
こっちに炎使いがいなかったら殺されてたな……
「青い髪にマフラーの男、の情報が出始めたのはこの時刻か……」
新潟より少し西にある県・富山。
その路上でパソコンをカタカタと打ちながら、じっとカオスロワちゃんねるの画面を見ているのは、
この騒動で祭り上げられている
KAITOの同僚――VOCALOID・氷山キヨテルだ。
黒い髪、黒いメガネに教師じみたスーツの彼は実際のところボーカロイドとしての仕事は副業で、
普段は富山の小さな小学校の教師をしている。
時間はすでに五時を回り、六時が迫っている。
噂ではもうすぐ、参加者を煽るための「死者を知らせる放送」が全国に向けて発信されるらしい。
それも気になるが――教え子の大多数はすでに安全な場所へ隔離したため、
とりあえず同僚の無事を確かめようとキヨテルはネットを検索した。その結果がこれである。
青い髪にマフラーの男が殺人鬼であるというデマからKAITOの写真が張られ、
デマの波は大きくなり、彼の妹にまでおよび、当然であるかのように彼らは追われる身になっている。
「KAITOさんは僕や、僕の教え子のユキちゃんと違って売れっ子ですからね。
こういうバッシングにも遭うでしょう。何者か、彼を恨む者の犯行でしょうが……さてどうしたものか」
正義感の強いキヨテルはこの事態を見過ごせない。
だが、今ここでカオスロワちゃんねるに「KAITOはそんなことはしない!」と書き込んだところで、
何の意味もない。大多数がKAITOが殺人犯だと信じている状況では笑い飛ばされるだけだろう。
「と、すれば、KAITOさんを見つけて保護するのが最優先でしょうか……? ユキちゃんも心配ですが・……」
キヨテルは迷う。
そう、大多数の生徒は富山の地下シェルターに避難させたが、ただ一人、
同じVOCALOIDでもある歌愛ユキにだけは連絡がつかなかったのだ。
ユキは可愛い外見とは裏腹に重い物をかかえたような恐怖的・幻想的な歌が得意な子で、
それだけにこの殺し合いに感化され、なにか過ちを犯していないかとキヨテルは心配していた。
出来ればKAITOより先に彼女を探したい。しかしKAITOの現状は一刻をあらそうだろう。
二兎を追えば一兎も捕まえられない――。
教師であれば常識的に知っているだろうそんなことわざがキヨテルの脳裏をよぎる。
「どうすれば……」
「死ねばいいのではないでしょうか?」
PCの前で頭を抱えたキヨテルの背後から、
凛と澄んだ、しかし狂気をはらんだ声。
冷たい氷を溶かした後に、再度固めたようないびつな氷の音。
振り向く。
キヨテルの目に「青髪」が入る。
ショートカットの――初見では性別の分からないような髪型。
次に魔法を使うのであろう大きな杖。知的なメガネ。
それを助長するあまり起伏のない小柄な体は、
これまた中性的なジーンズとジャケットという服装で整えられている。
最後に、冬でもないのに首につけている――――首輪を狙われないためであろう「マフラー」。
「青、髪……マフラー」
その姿はカオスロワちゃんねるで最初に発言された危険人物の特徴とたがわない。
――デマでは、なかったのだ。
本当にそれは居て、ただ特徴の似ていたKAITOが、勘違いで祭り上げられただけだった!
「では、さようなら」
「……こ、ここで死ぬわけには! いかないな! ……“Guilty Verse”!!」
キヨテルは杖を振り上げた少女から距離を取る、
その一瞬後、キヨテルがPCを見ていた路上が一面氷漬けになる。
キヨテルは「曲」を、
それも自身のオリジナル曲の中で最大威力のものを「発動」することでなんとか逃れたが、
実際数コンマの世界で発動が遅れていたら氷に包まれて死んでいただろう。
「強いね、君は。少なくとも実力は」
「お褒め頂き光栄です。では死んでください」
「情報では快楽殺人者だという話だったけどそうは見えないね。少し落ち着いただけ?
あるいは爪を隠しているだけ? なんにせよ――君の“真実”を知る必要がありそうだ!」
“Guilty Verse”によって教会の牧師風に姿を変化させたキヨテルの瞳が朱く染まる。
この曲のテーマは真実。
なぜこのテーマなのかは歌っている当人にしか分からないが、ともかくこの曲の力は、
キヨテルの身体能力を上げるだけでなく、彼が目で見た者の真実を浮き彫りにする。
「……見たいのならば、どうぞ」
「見せてもらうよ、君の“真実”……!」
深く深く潜っていく。深層心理、その奥へ。
「君は――男ではない」
「ええ」
「君は――自暴自棄になっているだけ」
「そう」
「君は――本来はマフラーは着けず、マントにスカートを履いた姿」
「うん」
「君は――それをしない理由は」
「……」
「君の――愛するものが」
「――それ以上は、ダメ」
少女が杖を振った。キヨテルはあわててさらに距離を取ろうとした。
しかし、その動作を行うより早く、青髪にマフラーをたなびかせたその少女は、
キヨテルの背後から氷の槍を突きださせた。
「が、はっ」
「日本の地面の下には排水管がたくさんある。その全てが私の氷槍の出現場所になる」
「……参ったね。肺をつぶされちゃ、歌が歌えない……」
血を吐くキヨテルの胸からは氷槍が突きだしている。
そのまま衰弱し、キヨテルの瞳から虹彩が失われるまで、そう時間はかからなかった。
「サイト……あなたが悪い」
青髪にマフラーの少女、タバサはキヨテルの死を見届けると静かにその場を去る。
彼女がどうして殺し合いに乗ったのか、それを知る者はまだいない。
そして彼女のことを目に入れた者は全員死んだため、
KAITOにかけられたあらぬ容疑が晴れることも、今のところまだない……。
【氷山キヨテル@VOCALOID 死亡確認】
【一日目・06時00分/日本・富山県】
【タバサ@ゼロの使い魔】
【状態】???
【装備】杖、マフラー、ジーンズにジャケット姿
【道具】支給品一式
【思考】
基本:???
1:???
569:ななしののんべえ 05:56:07
おい、今富山の路上にきてるんだが……氷使いがここに来てたらしい。
同僚のVOCALOIDのキヨテルが死んでるぞ!
570:メタボリックに悩む名無し 05:56:43
まじかよおい……そういえば最初にKAITOに出会ったって言ってたやつらからの書き込み、
あれから全くないよな……
逃げおおせたみたいに書いてはあるけれど、その後の書き込みがないってことは……
571:コダック大好き名無しさん 05:56:59
とにかく富山・新潟、この辺りに奴がいることは確定したんだ。
犠牲者を増やさないためにも、ここは凸るしかねえだろ!
「あれ、新着レスのこれ……富山? いったいどういうこと?」
「ヨク分かランガ、ドウモ嘘から出たマコトが起キタのかも
シレンな……フフ」
【一日目・6時/北海道札幌市】
【ヒ・ダリ@Delay Lama】
【状態】普通
【装備】不明
【道具】支給品一式、パソコン
【思考】
基本:KAITOとミクの抹殺(他の子供たちもあわよくば殺す)
1:KAITOとミクに関するデマを流す
2:メタモンに、ミクの姿で悪事を働いてもらう
※ミクたちの父親です
【くま@くまうた】
【状態】普通
【装備】不明
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:KAITOとミクの抹殺(他の子供たちもあわよくば殺す)
1:KAITOとミクに関するデマを流す
2:メタモンに、ミクの姿で悪事を働いてもらう
※ミクたちの母親です
最終更新:2013年02月20日 22:25