埼玉県にあるホテル前。
ここでは放送に入る前に、ここではザ・魔雲天を筆頭とするグループと、一人のDMC狂信者との戦闘に突入していた。
そして4時30分前、その戦いも今、終わりを迎えようとしている。
タバサの氷結魔法が襲撃者である
DMC狂信者の一人、妖の火黒の足を氷で固めて動けなくした。
「マウンテンドロップ!!」
それに続くのはマウンテンドロップ。
それは相手の頭上から1トンの体重を叩きつける大技……それでトドメを刺すつもりなのだ。
回避不可能になった火黒は敵の必殺技に対して全身から刀を出して対抗する。
最悪、自分が潰されても相討ちを狙える――しかし。
「ク、クラウザーさ……ッ」
敵の防御力は刀の硬度を大きく上回っており、相手にはほとんどダメージを与えられず、接触と同時に全ての刀を折られてしまった。
そして畏怖し信仰している者の名を呼びつつ、火黒は自動車に轢かれて潰れた蛙のようにぺしゃんこになった。
【火黒@結界師 死亡確認】
襲撃者を仕留めた者が立ち上がる。
返り血塗れでありながらもおどろおどろしさはなく、どこか勇壮な雰囲気を醸し出しているのは、悪魔超人 ザ・魔雲天!
「にょわ~、天ちゃんの必殺技の見様見真似だったけど、思いのほかうまくいったにぃ!」
――ではなく、巨漢系アイドルの諸星きらりであった。
火黒を倒したのは超人でも魔法使いでもなく彼女だったのだ。
(グムーッ、なんてことだ……)
ザ・魔雲天はただただ驚いていた。
思い返せば、諸星きらりという少女は自分を投げ飛ばせるようなパワーを持っていながら、生来の心優しさ故に戦闘に積極的に参加するタイプではなかった。
放送で知り合いの名前が呼ばれる度に恐怖と悲しみでビクビクしているような女であり、
第三回放送が流れた際は一時的にふさぎ込んでしまった。
いくらポテンシャルが高そうとはいえ、こんな調子ではろくに動けない。
さらに夜の闇で視界が悪いということもあり、深夜は適当なホテルで休むことにした。
しかし、そんな彼女が魔雲天にいきなり「悪い奴と戦いたい」と言いだしたのだ。
彼女はその場の勢い任せで言ったでけではと魔雲天も最初は疑ったが、実際に火黒との戦闘では彼女は勇猛に戦い、そして高い戦闘力を見せつけた。
まず、3対1だったとはいえ、超人同士の戦いについていける身体能力の高さ。
スピードの高さによる手数の多さも手伝って、高い防御力を持つ魔雲天すら少なからずダメージを受けた火黒の剣を彼女の肌はほとんど受け付けず、軽いダメージで済ましたのだ。
さらには、多少なりとも消耗していた魔雲天やタバサと違って、彼女には疲労の色が全く見えない。
この驚異的な事柄に魔雲天は考える。
(このデカい女、いや、諸星きらりには間違いなく超人になれる才能がある。
この娘に超人の洗礼を受けさせれば、必ずや『あのお方』……悪魔将軍様のお役に立てるだろう!)
魔雲天はきらりに超人の素質があると結論づけた。
人の身でありながら超人に打ち勝ち、洗礼を受けて超人に昇華したジョロニモの前例もある。
彼女の力は殺し合いの打破のみならず、悪魔超人として迎え入れれば己の主のためにもなるだろうと、魔雲天は大いなる期待を抱くのだった。
そして、当のきらりは初めての戦いに勝利し、子供のようにはしゃぐのだった。
「天ちゃん、きらりんやったよ! 悪い人をやっつけたにぃ☆」
「正直、俺もビックリだ。
まさかおまえがここまでできるとは……上出来だ!
それになんだかおまえが一回り大きなった気もするぞ!」
「きらりんはもっと大きくなるにぃ☆ そんでもって悪い人をバンバンやっつけるにぃ☆」
魔雲天にはきらりの元から大きかった背中が、更に大きくなった気がした。
おそらく初戦を乗り切って戦士の道を歩み出し、なおかつ彼女の中から沸き続けている闘志が錯覚となり、彼女をより一層大きく見せているのだろう。
魔雲天はそのように物事を受け取った。
「どういうわけか戦いたくてウズウズするにぃ、タバサちんもそう思わないにぃ?」
「……いや」
いつの頃からか馴れ馴れしく話しかけてくるようになったきらりにタバサは素っ気なく返す。
ちなみにタバサの話をすると、出会い頭に魔雲天へ襲いかかった彼女であるが、保護されるように拾われて以降は反抗する素振りは一切見せず、それどころか先の戦闘では積極的に援護してくれたほどである。
当人は相変わらず、殺し合いに乗っていた目的含め何も語りたがらないが、とにかく同行する気はあるようだ。
同行は仲間意識などではなく、あくまで生き延びる算段として魔雲天についていった方が賢いという判断かもしれず、いつか裏切る危険もあるが、「仮に寝首をかかれたら俺が未熟だっただけの話だ」と魔雲天は本人が付いてくる限り、もしくは再び襲いかかってくるまでは同行を認めることにしたのだ。
「ところで天ちゃん、これからどうするにぃ?」
「俺の方針は変わらず悪魔将軍様の命に従い、あのウォーズマンもどきを含めた主催者共を倒すことだ」
野田が死んだからといって彼の任務は終わらない。
抹殺対象の野田総理が死んでもロワが滞りなく続いているところからして、真の主催・黒幕は別にいるのは魔雲天も薄々感づいている。
ならば、その黒幕は主である悪魔将軍にとっての敵であり、魔雲天にとっても叩くべき相手だ。
その黒幕を潰す、あるいはウォーズマンによく似た主催幹部を名乗る男のように、主催の主だった者たちを全員叩けば良い。
「しかし、俺たちだけでは主催者の位置を特定するのも困難だ。
主催者共を叩きのめすのにも仲間が必要なのも変わらずだな。
それにしても関東で超人達が軍団を築き上げたと噂に聞いているが、関東のどこにいるんだ?
あのお方に仇なすものでなければ、これからの戦いのために協力してやってもいいところだが……」
軍団とは多くの超人たちを揃えた超人血盟軍……という野球チームである。
魔雲天たちは情報収集にネットなどを使ってないために、超人血盟軍の居場所は関東にあるとだけしかわからず、軍という名がつく通り、本当に超人による軍隊だと思い込んでいるのであった。
「放送に出てた食人鬼の翼ってひとも危なそうだよ? こっちはどうするの?」
「フンッ、俺は主催共の報酬には興味はない。
だが、あの女は放っておくと悪魔将軍様に害をなす……そんな危険な目をしていたな。
どこにいるのか知らんが、鉢合わせしたら必ず倒しておこう」
「それじゃあ、どっちが先にその人をやっつけられるかきらりん と競争だね☆」
「そうだな。
さっきの相手はおまえに譲ったが、今度は俺が先に仕留めてやるぜ。ゲヘゲヘゲヘ~!!」
「まけないにぃ、にょわにょわにょわにょわ~☆」
「……」
「ひとまず、関東中を虱つぶしに探せば主催者共に纏わる情報や、超人の軍団も見つかるだろう。
なんにせよ出発をしないことには何も始まらん。行くぞ、きらり、タバサ」
とりあえずの方針を決めた魔雲天たちは滞在していたホテルを後にすることにした。
しかし、魔雲天は気づいていなかった――きらりの異変に。
諸星きらりは殺し合いに強い恐怖心を抱いた結果、先輩である天海春香のように
テラカオス化が進行してしまったのだ。
超人並のパワーや防御力も、弱気だった彼女が突然闘志に目覚めたのも――全てテラカオス化の進行によってもたらされたものだった。
おまけに、戦う度に身長が大きくなる能力まで付随していた……彼女が大きく見えたのは魔雲天の錯覚などではなかったのである。
現在のきらりはとても血の気が大きくなっているが人間性は残っているため、少なくとも仲間やマーダー(悪いひと)以外を殺す気はない。
だが、その人間性すらもテラカオスへと近づく度に失われる可能性もある。
彼女が人間でいられなくなるのは時間の問題かもしれない……
「………………」
「………………」
「………………ニヤッ」
そして、魔雲天はもう一つ気づいていないことがあった。
今まで感情らしい感情を見せていなかったタバサが、変わりゆくきらりを見て微かに笑っていたことに……
その笑顔は果たして何を意味するのか?
それが解き明かされる時がいつかは来るのだろうか?
【
二日目・4時30分/日本・埼玉県にあるホテル前】
【ザ・魔雲天@キン肉マン】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)
【装備】柔道着
【道具】なし
【思考】基本:悪魔将軍の命に従い主催を抹殺する。
0:関東に超人の軍団ができたという話だが、どこにいるんだ?
1:他の悪魔超人達と合流する(できればミスターカーメンかBH)
2:邪魔者はすべてマウンテンドロップでペシャンコにする。
3:きらりは超人になれる才能がある?
4:女(タバサ)はとりあえず連れて行く。また襲ってきたら返り討ちにする
5:仮に風鳴翼と出くわしたら倒す。
6:自分を破ったテリーマンと再戦できなかったことは心残り。
※超人血盟軍が野球チームであることに気づいていません
【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【状態】ダメージ(小)、210cm、戦意もりもり!、全身返り血塗れ、テラカオス化進行
【装備】ないにぃ!
【道具】支給品一式、巨大化爆弾@五星戦隊ダイレンジャー、
芋丁の芋羊羹@激走戦隊カーレンジャー、ビービ虫の巣@天装戦隊ゴセイジャー
【思考】基本:Pちゃんを探すついでに悪い奴をやっつけるにぃ!
0:どういうわけか戦いたくてウズウズするにぃ!
1:天ちゃん(魔雲天)は強くて優しいにぃ!
2:もっと強く大きくなるにぃ!
3:翼って人と出くわしたらきらりんパワーで成敗するにぃ!
※テラカオス化の進行によってかなりの超人強度(身体能力)とザ・魔雲天を越える防御力を得ました。また、戦う度に身長が高くなります。
【タバサ@ゼロの使い魔】
【状態】ダメージ(小) 、疲労(中)
【装備】杖、マフラー、ジーンズにジャケット姿、服の下には包帯を巻いている
【道具】支給品一式
【思考】基本:???
1:???
※前話で受けたダメージは治療と時間経過によってだいぶ抜けました
最終更新:2014年07月13日 17:06