戦艦・死国のデッキにて。
「はぁ……スタメン落ち確定か……」
「落ち込まないで熱斗くん」
「いや、ロックマンの指示に従ったからこのザマになったんじゃないか! 試合中は翔鶴さんに見とれてばっかだし!」
デッキで海を眺めながら落ち込んでいる少年は天才ネットバトラー・光熱斗。
ところがネットバトラーとしては天才的な技術を持つ彼に、天は二物を与えなかったようだ。
先の紅白試合では三振連続、エラーも多い、足が早くないのに盗塁しようとして失敗する、肩も強くないので送球が遅い。
クロスフュージョンも付け焼刃にしかならず、野球に関しては一日の長がある拳王軍の面子には並べなかった。
相棒のロックマンの指示に従ってもいたが、そのロックマンは妹にデレデレと見とれてばかりで役に立たず、指示は適当なものばかりになっていた。
そんな感じでチームの足を引っ張りまくったのだ。
そして試合後、タクア……監督の紬さんから言い渡されたのは「スタメン落ち確定です。一軍にはまず入れないと思ってください」という残酷な言葉だった。
いちおう主催に公式戦を申し込むためにはベンチを含む25人は必要なので補欠としては在籍できるが、紅白試合における熱斗の評価は下から数えた方が早いというレベルであり、出番が回ってくる可能性はとてつもなく低いそうだ。
ちなみに同じくスタメン落ちが確定したメンバーは、やっぱりクソレフトだった
野比のび太と、自分に横切る打球や投球に驚いてばかりでまるで仕事しなかったシグナムだけである。
そんな事情で落ち込む熱斗達に、優しく声を掛けた少女がいた。
「あら、こんなところにいたんですかロックマンさん、熱斗さん」
「『翔鶴さん!』」
翔鶴――祐一郎さんによって生み出されたロボットの少女であり、ロックマンにとっては妹に当たる存在であった。
「提督から熱斗さんやジョジョさんたちを連れてお使いに出て欲しいとのことです」
「パパからのお使い?』
「ええ、大阪の町で美味しい食料をできるだけ調達してきて欲しいとのことです。
お代はお店に領収書を置いておけば、後日紬さんが全額支払ってくだせるそうです。
ご要望としては多少割高でも、とにかく栄養がつくものを沢山持ってきて欲しいそうです」
『仲間がまた三人増えたからね、食料が足りなくなるんじゃないかと心配に思ってたんだ』
「流石のパパでもネジ釘から食べ物は作れないからな~、これから悪魔おじさんと一緒に倒しに行く『真の黒幕』っていうのはなんか強そうだし、戦う前にモリモリ食べておきたいしね」
突然、死国組の前に現れた悪魔将軍は、この殺し合いを開いた『真の黒幕』を知っていると言った。
なんでも九州ロボにいるダース・ベイダー達に公式戦を挑むより先に、死者スレにいる黒幕を先に倒した方が
主催陣に打撃を与えられるらしい。
だが、悪魔将軍はなぜか『真の黒幕』についてのことを、富士の樹海にある不思議なダンジョンにたどり着くまでは話す気はないようだ。
黒幕とくれば重要な情報であり、これから戦う相手とくれば情報も必要だろう。
首輪だって全員外れているので、主催からの遠隔操作による起爆で命を散らす危険もない。
だのに、悪魔将軍はその時が来るまで黒幕の情報について秘密にしようというのだ。
これに関しては多くのメンバーが反発し、実は真の黒幕についても自分達を騙す嘘や妄言ではないかと疑い不満を持つ者も多くいた。
しかし、祐一郎さん、紬さん、拳王様の
「この人の眼をよく見るんだ。妄言や嘘で誤魔化そうとする心の弱い男に見えるか?」
「その気になればこの地球を破壊し尽くせるかもしれない強さを持つ伝説の超人が、私達に嘘をつくメリットがどこにありますか?」
「うぬらの強さは前情報が無いごときで霞む程度のものなのか? うぬらの中にある友情パワーを信じるのだ」
意味がわかるような、わからないような台詞で皆納得した。
なんにせよ結局、主催やこれから戦うだろうマーダー達との戦闘は避けて通れまいだろうし、エネルギー摂取のために食事は大事だ。
食い倒れの町と言われる大阪なら、質の良い食料も手に入る。
大災害による食糧難でも多額の金を支払えばきっと譲ってくれる住民もいるだろう。
「なるべく早く出航したいらしいのでなるべくすぐに大阪の街に出かけて欲しいそうです」
『うん、わかった、それじゃあ行こう熱斗くん』
「ああ!」
熱斗達はデッキから降り、仲間を集めて死国から大阪の町へ移動するのだった。
(なあ、ロックマン)
『(なんだい、熱斗くん?)』
(翔鶴さんがロックマンの妹なら……俺にとっても妹になるんだよな?
俺には他人の様に接してるところからして、まだパパは『あの秘密』を彼女に教えてなさそうだし。
……兄妹なら『あの秘密』と『あの誓い』を打ち明けてもいいか?)
『(熱斗くん?!)』
(いつかは、俺達『兄弟』の秘密を教えてなくちゃいけないだろう? 教えるならなるべく早い方がいいだろ?)
『(熱斗……)』
(パパのこともあるし、なるべく他の人には聞かれないようにするから彼女に秘密を教えてあげようぜ)
(なあ、ロックマン。 いや、彩斗兄さん)
@
「よし! パパ達のためにも旨いもの沢山集めようぜ」
『僕はPETの中にいるネットナビだから荷物を翔鶴さんに持たせてしまうのが気がかりだなあ』
「ふふふ、私は大丈夫ですよロックマンさん」
「デューオなしでも大阪で美味い飯を最も集めるのは、このディオだーっ!!」
「いつも無駄にテンション高いですねディオさんは……」
「ほっとけシャロ。そんなことよりヴァンガードだ」
「野球はダメでも僕にはガンダムがあるぞぉ!」
「のび太くん、クソレフト認定されたのが余程ショックだったんだな……」
「ストレイツォ……まさか戦友を失うことになるとは」
「気を落としてはダメづら、ダイアーさん」
「なんか熱斗を筆頭に行動するのも懐かしい気がするなシャドーマン」
『シグナムがいないことと、喧しい連中が沢山加わったことを除けばな』
食料調達へ大阪の町へ出かけたメンバーは、熱斗、翔鶴、ディオ、シャロ、トシキ、のび太、クロえもん、ダイアーさん、殿馬、ジョジョの10人と、ロックマンとシャドーマンのネットナビが2体(現在は死国のAIに使われているため、ディオの手元にデューオはいない)、そこに支給品である紫龍とエスパー伊東も加えて14人である。
のび太が操縦するバスターガンダムをタクシー代わりに、彼らは大阪の街に降り立った。
ちなみに熱斗達が降り立った街はかつて影薄組が滞在し、ジプシー・デンジャーが暴れまわった町である。
したがって、その暴挙を目撃したモブ参加者もとい住民達にはロボット兵器に対しての恐怖が染み付いていた。
さらにこの町は一度、超危険人物(と思われている)祐一郎が魔改造したバスターガンダムのサテライトキャノンで蒸発しかねなかった。
したがってそんな住民達の反応は――
「あかん! また巨大ロボットがきおったで!」
「しかもありゃあ、祐一郎んところのガンダムやないかい!」
「た、助けを呼ばへんと……昨日のイェーガーをお釈迦にした赤毛の姉ちゃんはどこに行ったんや?!」
「んなもんとっくに町を出たわ!」
「とにかくワイらじゃどうにもならへん! とにかく逃げるんや!」
「し、しかしまだ町には貴重な食料がぎょうさん置きっぱなしやで? それも置いていくんかい!?」
「命あっての物種や! 仕方あらへんやろ!!」
祐一郎一派の所有するガンダムを見た瞬間、脱兎の如く町から逃げ出した。
より早く逃げるために大災害の影響で貴重になった食料を手放すほどである。
結果、熱斗達が探索する前に町はもぬけの殻となった。
「あれ、誰もいないのかな?」
「しめたぞ、住民がいなければ食料はただで手に入れられるわけだ!」
「うわ~……置き引きなんてドン引きだよディおじさん。
どうせディおじさんの財布は痛まないんだし、物をもらったら領収書ぐらいはしっかり置いていこうよ」
「なんでそうゆうところだけしっかりしているんだーッ!?」
「やかましいディオの奴は置いといてと。トシキ、どうやって探索する?」
「そうだな……」
ジョジョとトシキは周囲を見回す。
ジプシー・デンジャーによって半壊状態だが、探せば使える物資や食料はありそうだ。
「一塊で行動するより、分散して探した方が早く済みそうだ。
町の東側は熱斗・翔鶴・ジョジョ・殿馬さん・エスパー伊東が担当。西側は俺・シャロ・ディオ・クロエもん・ダイアーさんが引き受けよう。
瓦礫が積もって人が入るには危なそうな場所はガンダムに乗っているのび太と紫龍に任せる。
あとは30~40分も時間があれば作業は済むだろう」
「わかったよ、東側は俺とジョジョ達に任せて!」
「それじゃあトシキさん、さっそく町の西側を探しましょうか」
「仕事をするぞぉ!」
ある者達は東へ、またある者達は西へ、のび太はガンダムで、それぞれ割り振られた探索ポイントへ向かった。
@
町の東側。熱斗を始めとする五人は無人のスーパーやコンビニから食料をせっせと集め、一箇所にまとめていた。
そんな中、熱斗は翔鶴を連れてジョジョと殿馬から離れた場所へ移動し、適当な民家に入っていった。
「あの熱斗さん、私にどのようなご要件でしょうか?
あんまり、長く持ち場を離れすぎるとジョジョさん達に叱られてしまいますよ?」
相手は自分の主である祐一郎提督の息子なので翔鶴は熱斗の頼みを基本的に断れないが、ジョジョはそうはいかないだろう。
翔鶴はできるだけ早く食料調達の作業に戻るべきだと進言した。
だが、熱斗達にしても作業時間を割いてでも翔鶴に話したい事があるらしい。
「悪いけど翔鶴さん。今から君に話したい事は、こういう時にしか話せない秘密の話なんだ」
「秘密?」
『熱斗くんと僕の秘密さ』
熱斗とロックマンから語られる衝撃の真実とは……
「ロックマンの本当の名前は光彩斗。俺の兄さんなんだ」
『今でこそ人とネットナビだけど、熱斗は僕の血を分けた弟だ』
「?! どうゆうことですか? ネットナビと人間が兄弟? ありえないじゃないですか?」
熱斗達の口から告げられた言葉に翔鶴は混乱する。
データひいては機械であるネットナビと人間が血を分けた兄弟などと、普通は戯言にしか聞こえない。
翔鶴は機械なのでロックマンとは兄妹でも通じなくはないが……しかし、語る熱斗とロックマンの表情はこれまでになく真剣そのものであった。
「まあ、これには深い理由があるんだ」
『よく聞いて欲しい。君は僕らにとっても大切な妹なんだからさ』
双子の兄弟としてこの世に生を受けた彩斗と熱斗。
しかし彩斗は心臓が弱く、生まれて間もない間に心臓病を患い命を落としてしまった。
二人の父親である祐一郎は心の支えだった息子の死に悲しみに暮れる。
しかし祐一郎は『人間らしいネットナビ』を作成するために苦心していたのは研究者であり、彼はプログラムに人間のDNA構造を投影する事で人間らしいネットナビができるという己の理論を持っていた。
その理論を用いて息子を電脳世界で蘇らせないかと考えた祐一郎は行動に出る。
擬似人格プログラムに彩斗のDNAを組み込み『ロックマン.EXE(エグゼ)』として復活させたのだ。
祐一郎の行為は端から見ればマッドサイエンティスト……というより、実際そのものであるが、全ては息子のためでもあった。
そしてロックマン.EXEをベースに新世代型ナビの研究は躍進し、ネットワーク世界は大きく発展。
人類に対する技術的貢献も計り知れないものであった。
一方、ロックマンとして生まれ変わった彩斗は、父である祐一郎に熱斗には自分が彼の兄であることを秘密にするように頼んでいた。
もし熱斗が事実を知ってしまうと、自分に危険が付き物のウィルス退治を任せることをためらってしまうだろう。
例え、熱斗が事実を知らずに自分を兄として扱わなくとも、現実世界に生きられなかった自分が弟と同じ時を歩み、思い出を共有できる幸せを噛み締めることはできる。
兄としてではなくても、熱斗の側にいられればそれでいいという彩斗の願いであった。
やがて、その秘密もロックマンがドリームウィルスによる消滅の危機に立たされた時に、祐一郎の口から熱斗へ明かされた。
今まではプログラムだから大丈夫と思い込んで兄を危険に晒してきたことを熱斗は悔い、涙を流した。
しかし、この衝撃の事実を知ることが逆に熱斗とロックマンの絆を深め、最悪の場合は諸共死ぬような状況でも二人は
一心同体となって力を合わせて苦境を乗り切り、今日までに至ったのである。
「じゃあ、お二人は本当に血を分けた兄弟……!?」
「いちおう、まだ他の人には秘密にしておいてね。
父さんが息子をネットナビの実験材料にしたとか世間が騒ぎ出すかもしれないし」
『僕としては、むしろネットナビにしてくれてでも生かしてくれた父さんに感謝してるんだけどね』
「あ、でもこの殺し合いじゃ既に危険人物扱いされているような……」
『こまけえことはいいんだよ!(AA略)』
事実を聞かされて衝撃を受ける翔鶴であった。
そんな翔鶴の様子を知ってか知らずか、彩斗と熱斗は話を続けていく。
「そうさ。それからも色々あったよね、彩斗兄さん」
『ああ、僕達兄弟は二人で力を合わせて事件を解決していったんだ。
WWWやゴスペルとの戦い、デューオとカーネル、シャドーマンとの出会いもあったね』
「世界も6回ぐらい救ったし、ネットバトルを極めているうちにチップだけじゃなくてバグの使い方まで覚えて裏の王ってよばれるようになったしなあ……だけどそれも……」
話の途中で熱斗と彩斗の表情が曇る。
気になった翔鶴は「どうしたのですか?」と声を掛けるが。
『ネットに関わる世界の危機を乗り越えてきた僕達は人とネットナビには明るい未来が待っていると信じていた』
「だけど、それを『アレ』が奪った……」
「アレ、とはなんでしょうか?」
改まって神妙な面持ちで二人は翔鶴に答えた。
「『大災害さ』」
「大災害……!!」
大災害――この殺し合いを開くようになった大元の原因であり、それは日本以外を沈没させた地球史上最悪の災害。
その被害は、隆盛だったネットバトル界及び多くのネットバトラー達にも及んでいた。
「その頃、ネットバトルの世界大会が海外で開かれると聞いて、俺と彩斗兄さんも参加することになったんだ」
『その大会には世界中のネットバトラーやネットナビの集まる、とても大規模な大会だったんだ。だけど……』
「大災害は俺達のいた大会が開かれた国にも襲ってきたんだ……多くのネットバトラーやナビが地割れや津波の中に飲み込まれていった……その中には俺や兄さんの友達もいたんだよ」
『……』
「それから命からがら生き延びた俺と兄さんはデカオと一緒に日本に戻った。
なぜか増えるようになったデカオには最初は戸惑ったけど、今となっては友達が一人でも生きてることが俺には嬉しかったし、もう生きてればなんでも良かった」
「熱斗さん、彩斗さん……」
思わず頬から涙を伝わせる熱斗と、涙は流せなくとも重い悲しみを感じさせる表情の彩斗。
そんな二人の悲しみに対して翔鶴は労ることしかできなかった。
「あの日の大災害で多くのネットバトラーやネットナビが命を落とした。
皆はまだ、ネットバトルやネットナビとの生活を楽しみ足りなかっただろうに……」
『さらに世界で盛り上がっていたネットバトルも、ネットバトラー人口が大幅に減ったことで以前のような勢いがなくなってしまった。
このままでは人とネットナビとの関係も廃れてしまう……僕達二人の問題だけじゃない、今まで全てのネットナビに関わってきた人全ての努力が水の泡になる』
「それに危機感を感じた俺と兄さんは死んでいった人達のためにある誓いを立てた」
「誓いとは?」
熱斗は涙を拭き、彩斗は顔を上げて、翔鶴に伝えた。
「『この世界に、以前のようなネットバトルの盛り上がりとネットナビとの絆を取り戻すこと』」
「ネットバトルはただの娯楽じゃない、ネットバトラーとナビの心身を切磋琢磨させる修行でもあるんだ。
俺達は大災害でめちゃくちゃになった世界でも生き残った皆にそのことを伝えるんだ」
『そして、ネットナビはただの道具じゃなく、人と肩を並べて歩んでいけるパートナーであることも二人で伝えていきたいんだ』
かつてのネットバトルの隆盛とネットナビとの絆、その再生こそ光兄弟が大災害で死んでいった者達への誓いであった。
その誓いこそ死者への手向けになると信じているのだ。
『だけど、この殺し合いが続いている限りは、それも叶わない』
「ネットバトルの面白さを知らないまま死んでいくのはあんまり過ぎる」
『確かに大災害のせいで、避難してきた人が沢山押し寄せて、食料に水や土地も不足しているかもしれない』
「だけど、それをなんとかするためにパパのような博士がいるんだ。
技術は人を幸せにするためにあるもの……なんでその技術の力を信じないで総理はこんな殺し合いなんて開いたのかな」
『殺し合いを開く前に、持てる限りの技術を使って問題に打ち勝とうとしても良かったハズなのに……』
総理は祐一郎などの技術者を集めて日本の問題を解決しようとか、世界を復興させようとする素振りは見せず、妥協するかのようにバトルロワイヤルを開催してしまったのだ。
それに対して光兄弟は大きく不満を募らせ、主催と戦う道を選んだのである。
「だから俺と彩斗兄さんは」『僕と熱斗は』
「『この殺し合いを終わらせることを決めたんだ』」
「それがあなた達の願いなんですね……」
熱斗と彩斗は決して遊び目的で主催と戦おうというのではなく、確固たる信念を持って主催に挑むつもりなのだ。
しかしふと、翔鶴に一つの疑問が過ぎる。
なぜ、そのことを今、自分に教えたのか? 殺し合いが終わってからでも遅くなかったのではないか?
「でも、どうしてそれを私に教えたんですか?」
「それはね……翔鶴さんも、いや翔鶴が俺達の妹だからだよ」
「!」
『兄妹なら隠し事はない方が良いって熱斗が聞かなくてさ、僕も半分は同意見だけど』
「でも私は熱斗さんとは違う……、彩斗さんも元は人間でした。
私はあなた達とは違って完全に機械なんですよ?」
『たぶん父さんは君の心を成す擬似人格プログラムに僕らネットナビと同じものを使ってる。
ネットナビのプログラムにはDNAが投影されている、もしそのDNAパターンが僕に使われたものと同じなら、すなわち僕ら三人は血を分けた兄妹でも間違ってないということになるのさ』
「例えそうでないにしろ、父さんが造ったなら俺達と血を分けたも同然さ。翔鶴は俺達にとって大切な家族なんだ」
「家族……」
熱斗と彩斗と兄妹であり家族であると認められた時、翔鶴の中で嬉しいという感情がこみ上げてきたのだった。
「それから、翔鶴に秘密や誓いを打ち明けたのはもう一つ理由があるんだ」
「え?」
『僕らがこの戦いで命を落とした時の……保険さ』
「そんな! お二方が死ぬようなことなんて!」
「俺達二人だって自分達は滅多な事では死なないと自信はもってる」
『でも万が一というケースもあるし、もしもの場合は翔鶴に引き継いで欲しいんだ……僕らの願いを』
「……わかりました」
仮に自分達が命を落とした場合、翔鶴にネットナビの未来を託そうというのだ。
翔鶴は二人の意図を理解して返事をした。
「でも、私もあなた達を死なせたくありません。
提督の息子さんだからじゃない、あなた達はかけがえのない私の兄だからです」
「『翔鶴……』」
だが、二人が死ぬことを翔鶴は認めるわけにはいかなかった。
知り合ってからまだ半日と経ってないが、それでも二人は翔鶴にとって大切な家族になっていた。
故に彼らのために戦おうと彼女は決心したのだ。
「これからはあなた達の妹、「光翔鶴」として熱斗さんと彩斗さんをお守りします。今後共よろしくお願いします」
翔鶴改め光翔鶴は熱斗に握手を求める。彩斗もPETの中にいなければ握手を求めていただろう。
「ああ、これからもよろしくな翔鶴!」
『よろしく翔鶴……それから、みんなの前では「ロックマン」て呼んで欲しい。例の秘密はまだ家族だけに留めておきたいからね』
「わかりました彩斗さん」
握手をかわし、光兄妹は互いに微笑みあった。
――こうして翔鶴は本当の意味で二人の妹になったのであった。
一方、建物の裏側でその話をこっそり聞いていた少年がいた。
その少年はジョジョこと上条当麻であった。
作業中に消えた熱斗達に対し「あいつら、サボって何をやってるんだ」と彼らを探し、シャドーマンの探索能力で彼らの居場所を探り当て、内緒話をしているようだったので隠れて話を盗み聞きすることにした。
その結果……
『上条……泣きすぎだぞ』
「うっうっうっ……」
上条は大号泣していた。
「すまねえ。だけど俺、あいつらのことを勝手に誤解していた。
今まではなんでもかんでも問題の解決をネットバトルに頼り、周囲を振り回す変な奴らだと決めつけてた。
だけどそれは、俺が勝手に抱いていた幻想……あいつらにはあいつらなりの情熱と信念を持って戦ってたんだと思い知らされたよ。
幻想に振り回されていた自分が情けなくて仕方ないんだ」
話を聞いて、熱斗達は自分が考えていたほど安い人間ではなかったとわかり、途端に自分が恥ずかしくなった上条。
そして何を思ったのか自分の顔を右腕で殴りつけた。
『上条!?』
「シャドーマン……これは今の俺にとって必要な儀式なんだ。
俺の頭の中にある幻想をぶち殺し、頭の中をスッキリさせるためのな」
それから涙を拭った上条の表情は、どこかキリリとしたものに変わっていた。
「決めたぜ、シャドーマン。
俺も成り行きとはいえネットバトラーになったんだ。
これからはネットバトラーの一員・ジョジョとして迷わず主催やマーダーと戦う!
そしてあいつらの願いを叶えてやるんだ」
その目は以前のような、やる気なさげなものではなく、本気そのものであった。
熱斗の一本木すぎるほどのネットバトル・ナビ愛という信念が上条の考えを変えさせた。
熱斗と同じく、今の上条にとってはネットバトルはただの遊びではなくなったのだ。
さらに彼は信念を持ってまっすぐ生きている人間にはトコトン弱く、後押ししたくなるサガの持ち主。
だからこそ熱斗達の夢を応援したくなったのである。
『ようやく乗り気になったか、上条当麻』
「シャドーマン……」
『これまでのあなたは、どこか雲の上に乗っているように微妙な立ち位置で状況に流されているだけの男、正直新たな持ち主にふさわしくないのではと思っていた。
だが、今は違う。己の行く道を決めた今の上条はダークミヤビ以上の器になりそうだ。
故に、今後はあなたに敬意を込めて「お館様」と呼ばせていただく』
「シャドーマン!」
本気になった上条の姿に、シャドーマンも彼を新たな主と認めたのであった。
『さてそろそろ戻らないと、エスパー伊東や殿馬に迷惑をかける、急いで持ち場に戻ることを提案する』
「おう、行こうか」
ひとしきり話がついたところで、上条は熱斗達が戻るより早く持ち場に戻ったのだった。
しかし、持ち場に戻った上条はここであることに気づいたのであった。
「あれ? エスパー伊東と殿馬さんはどこにいったんだ?」
【一日目・6時00分/日本・大阪】
※食料調達のため、死国とは一時的に別行動を取っています。
※悪魔将軍は目的地の死者スレがある不思議なダンジョンに着くまでは、他のメンバーに『真の黒幕』について話す気はないそうです。
※ちなみにこの場にいないシグナムもスタメン落ち確定です。野球の公式試合には一軍では参加できません。
【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
各種ナビカスタマイザーパーツ、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:主催者たちにネットバトルを挑んで勝つ!
0:野球はダメダメだったけど、俺にはまだネットバトルがある!
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:大災害で死んだネットバトラーやネットナビ達のためにも、早く殺し合いを終わらせて世界を平和にし、ネットバトルの面白さを再び世界に広めたい
4:新たな家族として翔鶴は大切にしたい
※スタメン落ち確定です。野球の公式試合には一軍では参加できません。
※大山デカオ@ロックマンエグゼ、ロックマンエグゼ2、ロックマンエグゼ3(BLACK版)、ロックマンエグゼ5チームオブブルースは死国にいるようです
※熱斗やヒノケンなど一部を除く多くのネットバトラーが大災害で命を落としているようです。
まだ生存しているネットバトラーの面子については次の書き手氏にお任せします。
【ロックマン(光彩斗)@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ロックバスター
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
0:僕に妹が出来たぞォ!
1:主催者たちがネットバトルを受けてくれるか、心配。
2:新たな家族として翔鶴さんは大切にしたい
※PETの中にいます
【翔鶴(光翔鶴)@艦これ】
【状態】万全
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】基本:提督(祐一郎)に従う、妹として熱斗達と共に戦う
1:襲い掛かる者たちを殲滅する
2:二人の妹として彩斗さん(ロックマン)と熱斗さんはお守りする
3:二人に何かあった場合は二人の願いを引き継ぐ
※熱斗とロックマンより、二人の過去についての話を聞き、自身を光翔鶴と名乗るようになりました
【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】顔に小ダメージ、不幸、首輪解除、本気モード、今ならクロスフュージョンできそう
【装備】PET(シャドーマン入り)
【道具】シンクロチップ、他人のデッキ(「ぬばたま」デッキ)
【思考】基本:あのAA
1:ネットバトラーの一員として主催やマーダーと戦う
2:あれ? エスパー伊東と殿馬さんはどこへ?
【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP満タン
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:新しきお館様(上条)に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
2:ようやく乗り気になったようだな、お館様
※PETの中にいます
最終更新:2014年08月29日 12:02