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「あのクソ鳥野郎がッ!!」

まるでチンピラのように周囲に八つ当たりをしながら、堂々と歩く男。
その行為に注意する者は誰一人としていない。
その男から放たれる途轍もない殺気。
あの謎の鳥男にまんまと一杯食わされた。
それが彼をイラつかせるには十分であった。
例えるなら【遊ぼうとしていた玩具を直前で取り上げられた】くらいのイラつき方だった。

「クソがッ!」

テルミに蹴られた電柱が歪な形に歪む。
まるで蛇に喰いちぎられたかのように。

(オイオイ、マジかよ……すっげぇ蹴りの威力だな、おい!!)

自身でやっておいて、勝手に驚く。
対デウスの時は、前の器のハザマで出来るギリギリのレベルで動いた。
それでも確実に勝てる策があったから勝てたのだ。
ダイヤグラムでいえば9:1くらいの割合であった。

デウスの敗因は『認識不足』もあるが……
最大の敗因は『この男は主催側に呼んでしまった』ことだったかもしれない。
ハザマ単体だけであれば恐らくはこんなことにはならなかったであろう。

(『碧の魔導書(ブレイブルー)』は……まっ、後で回収でも製造でもすりゃいいか)

碧の魔導書がなくても十分に戦えるテルミ。
それはストライダーの素の身体能力の高さとマグネットパワーの脅威の性質があったからであろう。
だが、今はそんなことはどうだっていい。
散々自分(というより器の方)を使い走りにした特務機関トップのデウスは殺害に成功した。
残りの主催陣営もあとは最初の方に比べりゃ、4分の1かそこらへん。
自分に最大級の恨みを覚えてる連中だ。
どうせ今になって討伐だのなんだのに追われているであろう。

「ああッ! マジムカつくッ! 
 まっ、いいや…………適当に誰か殺すか」


殺すのは誰でもよかった。
テルミの前では全てを無価値なカス同然なのだから。


  ◆ ◆ ◆


「おや、これは……」
「どうしたんだ、光秀?」
「……皆さん、殺されていますね」
「か、かにぃ!?」
「ああでも、モブ信者なんで代わりなんて沢山いますがね」

あまりにも凄惨な光景に再びデスマスクは再び素っ頓狂な声を上げる。
しかし、一方の光秀は冷静そのもの。

やり方からして都庁の魔物とかの仕業ではないと判断した。
遺体の状況からして、下手人はまだ近くにいる。
気を引き締めなければなら…………

「当たるといてーぞ!!!!」

その思考を切り裂くように怒声が響いた。
二人が声の方を向くとそこには黄色いフードの男が立っていた。
衣服に返り血が付いていることをみると明らかにそいつが下手人だった。

「オラよ!!」

超速度でのクナイの投擲。
マグネットパワーが加わり、クナイはさらに加速。
回避はほぼ不可能。
しかし、彼は曲がりなりにも黄金聖闘士。
デスマスクには回避可能だった。


「いやあ、ザンネンでした」

だが、避けた先では……

「本命は『ソレ』じゃねぇんだよな」


―――デスマスクの世界が暗転する。

黄金聖闘士は光の速度すら反応される。
ならば、反応されても問題ない行動をすればいい。

「術式、展開……!」

テルミの支配した場に術式を展開する。
デスマスクの周囲に拘束陣が展開された。
そこに誘い込むためのクナイによる牽制。
デスマスクの動きを完全に止めて捉えた。

そこから一瞬だった。

サイファーで首と胴体を分けるように斬る。
殺意だけで振るわれた光剣はありとあらゆるものを切断する。
マグネットパワーで己の筋力をあげて、振るう速度を跳ね上げている。

マグネットパワーの正体は、地球という惑星そのものが持つ生命力のようなものである。
テルミはそこからの力を引き出し、自らの肉体のブースターとして使っている。

その力を使うのはなんの躊躇いもない。
ユウキ=テルミは戦闘狂などではない。決してない。
彼は戦いを楽しむ気などはない。更々ない。

黄金聖闘士に同じ技は通じない。
ならば、一撃で殺せばなんの問題もない。

「よぉ、光秀ちゃん~元気してた?」
「貴方は……誰ですか?」
「……ああ、面白みのねぇ反応だなぁ、おい!
 テメェの仲間を殺したってのによぉ!」
「デスマスクさんはクラウザーさん復活の生贄になっ……」
「なんねぇよ、馬鹿が!」

光秀の腹部を蹴りをぶちかます。
肋骨の数本が粉砕したと思われる鈍い音がなった。
ウロボロスで光秀の身体を拘束して、光秀の動きは封じてある。
地に伏せた光秀の頭部をぐりぐりと踏みつけながら、テルミは見下す。

争いは同レベルのものでないと起こらない。
レベル差がありすぎれば一方的に終わる。
もし一方的でなければ、手を抜いているか、只のマゾヒストか、道化かのいずれかである。

「残念でした、もうクラウザーだったか根岸だったかの『魂はこの世界から消滅』しちまったからよぉ!」
「貴方、一体何を言って……」
「ああ? まっ、言っても判らないクズ共に言っておくと、テメェらがやろうとしてることは完全に手遅れなんだよ!
 『最初の死者スレ』があのクソニートがぶっ壊した時点ですでに無駄な行為だったんだよッ!」

再び光秀の腹部を思いっきり蹴り飛ばす.
ウロボロスで拘束してあるので吹っ飛ばずに空中で急停止し、地面に叩きつけられた。

「SATSUGAIだったか? 実にいいよなぁ! テメェらがやってるような特に理由がない殺害はよぉ!」
「そんなことは違い……」
「いいや、違わねぇな、テメェらは本当は欲しいだけなんだよ……適当な理由付けて自分らを正当化する理由がよ!
 だから、あのカスを適当に祭り上げて、あのカス信共全員は殺しを本当は心から楽しんでる。
 心地よかっただろう? 絶望しながらゴミみてえに死んでいく奴らの悲鳴はよぉ!!」

光秀の頭部を何度も踏みつけながら、テルミは笑いながらも光秀に告げる。
いや、これはもはや告げているとかその類のものではない。
怒りを買うようにただ単に煽っている。

「いいか、誰かを痛めつけたり、殺したりすることに理由なんていらねんだよ」
「……これ以上の私たちの侮辱は許されませんよ……!」
「許す? 誰が誰を許すんだ? あのカスにか?
 まっ、テメェら程度のカス共に許されても全然嬉しかねぇわな!!」

光秀にどす黒い殺意が沸き上がった。
ついにキレた。
ここまでコケにされておいてキレないわけがない、

「殺す、貴方だけは絶対に……!」
「いいねぇ! その態度!! その表情!!!
 俺様に対して屈辱しか感じてねぇ、テメェのその顔は!!
 だが、テメェじゃ無理だ、何故なら……ここで死ぬからなッ!!!」

サイファーで光秀の四肢を切断した。
クナイで光秀の眼球を抉り取った。
ウロボロスで光秀の心臓を喰いつくした。
ここまでする理由は特にはない。
誰かを痛めつけたり、殺したりすることに理由なんていらない。

だからこそ、思い知らせてやる。

世界を救うなどという建前で、人を殺している歌姫に。
新しい世界を作るという建前で、人を殺している野球馬鹿たちに。
自然を守るという建前で、人を殺している魔物たちに。
クラウザーを復活させるためという建前で、人を殺している狂信者たちに。
世界救済という建前で、人を殺させ合っている主催共に。


「テメェらがやってることは結局全部同じこと……ただの『人殺し』に過ぎねぇってことをよぉ!!」


一般人程度ならその行動に恐怖を覚えてしまうだろう。
だが、ここまで生き残っている参加者ならばその程度では怯まないだろう。
むしろ、この男の今までの外道行為に対して怒りを買うであろう。

それこそ必然。
それこそ当然。

だが、それでいい。
彼を憎めば憎むほどその力を増していく。
彼に対する憎しみこそが……

「おやぁ? こいつは……なるほどね」

光秀が持っていたスマホを見る。
そこにはDMC狂信者が次にどう動くかとの情報。
その他、日本各地の情報が記されていた。

(ハクメンちゃんはまだ大阪か……いやぁ、助かったわ~~。
 で、あのクソ貧乳はそれを無視してすでに関西を出ているか……
 ああ、折角『あのクソ貧乳がハクメンちゃんに勝てるチャンス』をみすみす手放すか~~
 使えねぇ……やっぱ『出来損ないの紛い物』だったわ)

毒蛇はどこまで欲望に忠実。
己の欲のためならば、利用できるものは全て利用しつくす。
そして、用が済んだら、ザックリ切り捨てる。

「さてと、俺様はどこに行くかなぁ~~!」

ただ壊し、ただ殺す。
その道は人が通ってはいけない道。

冥府魔道。
それを彼は堂々と歩いていく。


【蟹座のデスマスク@聖闘士星矢 死亡確認】
【明智光秀@戦国BASARA 死亡確認】


二日目・11時50分/東京都・どこか】
【ユウキ=テルミ@BLAZBLUE】
【状態】飛竜の肉体、首輪解除
【装備】光剣サイファー クナイ、各種オプション、蛇双・ウロボロス、光秀のスマホ
【道具】支給品一式 
【思考】
基本:テラカオスを利用して、滅日計画を遂行する。
1:邪魔をする奴は殺す。
2:あのクソ鳥野郎は絶対にこの手で殺す……草加はどうでもいい。
※飛竜の肉体を完全に奪いました。
最終更新:2016年10月17日 22:53