風を斬る拳。
力強く握られた拳は空気を裂く。
誰よりも強い男の拳。
KIを纏った拳で、真っ直ぐ一直線に向かっていく。
風鳴弦十郎は屈強の漢だ。
その強さは肉体だけではない、
その精神力も強い。
絶対的強者にも決して屈したりしない強さを持っている。
しかし、それだけでは届かない。
強き肉体を持っていても……。
強き技を持っていても……。
強き精神を持っていても……。
目の前の白き侍に、その拳が届くことはなかった。
「……諦めが悪いな……」
「悪いな、それが俺の性分でな!
けどよ、そんな俺でもな、足止めくらいは出来るさッ!」
HAKKEIを用いて、防御は出来ている。
ハクメンの攻撃は防げている。
今は届かない攻撃ならば全部を防御に振る。
幸いハクメンには弦十郎に対して殺意がない。
それは完全に舐められていると言っても過言ではない。
それくらい出来る力量差があることは認めざるを得ない。
もし殺意があった場合。
きっとただではすまなかっただろう。
人と人の理の外の者。
どれくらいの時間が経ったか、戦っている当人にはわからない。
(やべぇな……勝てる気がしねぇッ!)
諦めなければ勝機はいつか来る。
だが、それはアニメや漫画などの話だ。
ヒーローはいつだってやって来る。
しかし、今は来ない。
両手にKIを込めて、全力で鳴神の斬撃を受け流す。
所謂、武術でいうところの『化勁』呼ばれる行為。
全神経を攻撃を流すことだけに集中する。
「オラァ!!」
攻撃を流して、素早く反撃に移ろうとするが。
だが、届かない。
物理による外部破壊も。
気功による内部破壊も。
一刀のもとに薙ぎ払われる。
(時間は十分に稼げた……はずだッ!)
自分ではこれで精一杯。
もう体力が持たない。
息が上がり始めた。
それでも自分の四肢に空気を送り続ける。
少しでも止まってしまえば、確実に取られる。
だからこそ動き続ける。
全神経をハクメンを止めることだけに集中させる。
一方の目の前の白い侍は。
最初と何も変わらない。
「……貴様、それ以上やれば死ぬぞ?」
「構わねぇ……ッ!」
それは常人でも感じ取れるレベルの重圧。
いや、重圧(プレッシャー)などという生易しいものではない。
人間の本能を直接刺してくるような鋭い〝圧”がある。
「…………………」
無駄な言葉はいらない。必要ない。
だが、その僅かな言葉で弦十郎は気づいてしまった。
己の肉体の限界は確実に近づいてることを。
大きく息を吸い込む。
次の一撃が確実に全力で放たれる最後になる。
『目指すは常に……敵の正面』
八極拳士のようにはいかない。
あくまで自分が使うのは自己流の拳法。
趣味の映画を見て覚えた。
八極とは『大爆発』の意である。
弦十郎の震脚でコンクリートに小さなクレーターが出来る。
そこから身体を反転させて、背中からおもいっきりぶち当たる。
所謂、靠撃(こうげき)。
その中でも特に有名な【貼山靠】。
別名【鉄山靠】。
その一撃は敵の防御の上から吹っ飛ばせるだろう。
さらにOTONAの持つ謎身体能力ならば、その威力は言うまでもない。
もしかしたら不動の山すら動かすかもしれない。
だが、それは……
「『虚空陣奥義』…………」
相手がまともな者であったらの場合だけである。
ハクメンはドライブ能力『斬神』で受ける。
そして、当然のように当身からの発動。
「――――――『悪滅』」
雷撃。
間桐雁夜に放った『悪滅』ではない。
アストラルヒートではない方の『悪滅』。
BLAZBLUE REVOLUTION REBURNING版の方の『悪滅』である。
周囲に響く雷鳴。
謎の雷がハクメンの周囲に発生し、ほぼランダムに落ちていく。
どういう原理で発生しているのか、さっぱり分からない。
「……終いだ、強き人間よ」
大阪の市街地はボロボロだった。
今までの戦闘で壊れなかったのがおかしかった。
だが、今の戦闘で確実に街の耐久度の限界を超えた。
その今にも崩壊しそうな街でハクメンは鞘に鳴神を納めて佇む。
(『凶』の気配が一つ消え、一つはどこかに飛ばされた……といった所か?)
残った拳王軍は東に向かった。
シグナムという女が死者スレを破壊したという。
ならば、恐らくは拳王軍に同行するかもしれないが……まだわからない。
だが、行く方向は『東』と同じだ。
(行くか……)
強者同士は惹かれあう。
ならば、もうここには用はない。
ハクメンが歩を進めるは『東』。
だが、ゆっくりはしていられない。
「…………待、ち、な」
「…………!」
男はボロボロになりながらも立ち上がった。
だが、かなりの時間休めば、OTONAの回復力なら生き残ることはダメージ量だ。
それでも 男は立ち上がった。
「何故、立ち上がった?」
「……意、地があんだろうよッ! 大人にはッッ!!」
「…………意地か」
男の着ていた服の一部は焼け焦げている。
男はどんな逆境でも屈しなかった。
男はどんな状況でも弱音を吐かなかった。
男のその姿はまさに不撓。
ハクメンは弦十郎を『倒すこと』は出来ても『勝つこと』は出来ないであろう。
『負けること』はないが『勝つこと』もできない。
「さぁ……続けよう、じゃ、ねぇか……ッ!」
「…………いいだろう」
ハクメンは構える。
弦十郎も構える。
両者構えて、大きく息を吐く。
果たして先に動くのはどちらになるのか?
その緊張感と疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。
「……ぬかった」
否、黒塗りの高級車に追突したのではない。
「やりましたね、井之頭さん!」
「ええ。由良さん!」
いや、それも不幸などではない。
マーダーコンビであるWゴローが完全に隙を狙っていた。
真剣勝負? これ殺し合いだよ?
馬鹿なの、死ぬの? つうか死ね。
それくらいの勢いで突っ込んできた。
弦十郎は吹っ飛ばされた。
いつもの彼だったら発勁なりなんなりで止めたりも出来ただろう。
だが、出来なかった。させてもらえなかった。
一方のハクメンは……
「これで一気に二人も倒せましたね!」
「ええ。この調子でいけば……」
「残念だが、貴様らにその先はない」
「「!?」」
高級外車の車体の上に白い侍が立っていた。
言うまでもなく、殺気をガンガンにだして立っていた。
「ズェェェアッッ!!!」
そして、次の刹那には……。
黒塗りの高級外車は真っ二つに斬られた。
ギャグマンガだったら、真っ二つになって止まる。
だが、そんなことは起きない。
黒塗りの高級外車は二人を乗せたまま炎上した。
慈悲などない。
「行くか……」
今度こそハクメンは駆け出した。
大阪を背にし、向かう先は東の都『東京』。
【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】ダメージ(小)、unlimitedモード
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『ユウキ=テルミ』及び『悪』を全て滅する
0:東京に向かう
1:主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:風鳴翼は滅する
※unlimitedモードに入りました
【井之頭五郎@孤独のグルメ 死亡確認】
【由良吾郎@仮面ライダー龍騎 死亡確認】
……
…………
………………
OTONAは生きていた。
まさに命からがら、食いしばっていた。
寸でのところで急所を外し、受け身を取った。
『生きるのを諦めるなッ!』
かつて「ガングニール」適合者が今の「ガングニール」適合者に言った言葉である。
男もまた諦めなかった。
どんなに意地汚かろうが、生きることだけは諦めなかった。
この身が1ミリでも動く限り、彼は戦い続けるであろう。
だが、今は……そんな彼を少しは休ませてあげたい。
【風鳴弦十郎@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】ダメージ(極大)、疲労(極大)、気絶
【装備】
【道具】支給品一式
【思考】基本:殺し合いの否定
0:…………
1:翼に会うために大阪で待つ
2:戦えない者(主にKODOMO)たちの保護
3:拳王連合軍は許さない
一方、Wゴローが持っていた残ったデイバックは燃えずに残った。
たっくん? ああ、生きてるよ。
独力じゃデイバックから出られないけどな!
【乾巧@仮面ライダー555】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、気絶、首輪なし
【装備】なし
【道具】支給品一式、その他不明、ファイズギア(ベルト故障)、通信機
【思考】基本:殺し合いを止める
1:市街地に残っている拳王連合軍を倒しにいく
2:
ホワイトベース組の仲間を守る
※支給品だったので首輪はありません。
※支給品だったのでデイバックの中に入ることができます
最終更新:2016年12月19日 17:12