昼の海を高速艇は切り裂くように進む。
「パパ……」
「熱斗さん……」
『熱斗くん……元気を出して』
その片隅で膝を抱えて、俯く少年が一人。
偉大な父親が自分が居ぬ間に死んでしまったのだから。
「隣、いいですか?」
「貴方はセ……Xさん」
「熱斗さん、その言い方は少し如何わしいかと思います」
『うん、それは翔鶴さんの言い分が正しい』
落ち込む熱斗の横にジャージの女・ヒロインXがどっさりと座り込む。
「私の騎乗スキルはEXという規格外だったんですがね。
あのムギさんがいうには『EXはAの上じゃなくて、規格外だからEX』という理論を突き付けられてしまいましてね」
「つまり、操縦席から追い出されたんですね」
「端的に言えばそうです」
ワープできないポンコツ宇宙船をワープできるくらいの騎乗スキルであるが、それだけである。
「私にも息子がいました……ええ、どうしようもないほどの不良息子でしたがね」
「そうなの……?」
「ええ、キャメロット城の窓ガラスを壊して回り、盗んだ名馬で走り出し……。
私がこっそりマーリンから永遠に借りていった砂糖菓子のつまみ食いまでやらかし――――。
挙げ句に『この支配から卒業する』と言い出して叛逆して、国を滅ぼした不良息子でしたがね」
『それって円卓物語のモードr……』
「駄目だ、ロックマン、それ以上言ってはいけない!」
「そうです! この人はXさんです! そもそもあのイングランドの有名な王様が女性なわけないです!
こんな人が! ね、こんな人が!!」
『翔鶴さん、それは言い過ぎだと……』
「うっ……それは流石の私でも少し傷つきます……」
『ほら!』
その時である。
大きく高速艇が揺れた。
何事だと思い、熱斗たちは窓から外を見た。
すると、そこには………
「あれは……『戦艦煉獄』!?」
「あの志々雄真実が全財力の5分の3を費やした、あの『戦艦煉獄』!?」
「あの御旗は……『DMC』と書いてありますね」
一方、DMC煉獄外部。
「いいですか、私は裸がユニフォームです」
「流石右京さん! 英国紳士だ! そうだよね! セイバーのお姉さん!」
「私の国が誤解されますから服を着てください」
DMC煉獄は海路で大阪に向かっていた。
主なメンバーは
杉下右京さんを筆頭に。
円堂守、セイバー、その他数百人ほどのモブである。
「皆さん、いいですか海路というのは比較的安全です。
しかし、それは先程までです。もうすぐです。
復活したクラウザーさんがこの海をも真っ赤に染めるでしょう。
ですから、我々で先に迎えに行きましょう」
「右京さんが言うんだったら、間違いないな!」
「ええ! キリツグよりも信頼できますからね! 右京さんは!」
その時である。
鋭い回転が掛かった硬球は右京さんの剥き出しになった局部に直撃した。
ボールはそのままポトリと右京さんの足元に静かに落ちた。
野球の死球は打者に当たって大きく跳ねるより、静かに地面に落ちた方が危険なのだ。
跳ねるということは。つまり、まだ運動エネルギーが残っている状態である。
しかし、その場に落ちるということはボールの持つエネルギーを全て体で受け止めることになるのだ。
ましてや、10期において数々の強敵と(野球で)戦い、(野球の)特訓で培ったボール。
メジャーリーグなんて尺じゃその威力は計り知れない。
まあ、ということで……
【杉下右京@相棒 死亡確認】
チ○コがもげたら死ぬ。
「おい、右京さんのチ○コがもげたぞ!」
「くっそー! どうなってやがる!」
「いや、それよりもどこから砲撃が……!?」
「あれは拳王軍の船だ!」
「拳王軍ってデカデカと書かれてやがる!?」
「舐めやがって!」
「拳王軍絶対許さないぞ!!」
双方の距離はざっと1km以上離れている。
普通なら当たらない。
そう、普通ならば……
「あー……無性に高速回転する野球ボールを当てたくなる的だったから、つい、ね……」
「あの時の遠投特訓が役に立つとは……」
MEIKOの(相手にぶつけることに関しては)正確無比なコントロールならそれが可能だった。
「オラァ、もう一発ッ!!」
MEIKOの砲撃のような投球が放たれた。
なお、さっきの揺れの原因はこのMEIKOのせいである。
「ゴッドハンド!」
「約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!」
が、今回は防がれた。
「あれは『円堂守』という世界一……いえ、宇宙一のサッカー馬鹿だ、そうです」
「何、宇宙一だと!?」
「あのバンダナのガキが!?」
「サッカー馬鹿だか○○○ー馬鹿だか知らないけど、邪魔するなら……」
「打ち倒し、突き進むだけですよね?」
「うむ」
野球とサッカー。
決して相容れぬ二つのスポーツが激突しようとしていた。
素直にキックベースやれよ。
「ああ、あのセイバーらしき女は私が殺ります……
あんな外道と仲がよくて、パチモン臭がするセイバー死ね」
セイバーを見るや否や、ヒロインXの眼の色が変わっていた。
とりあえず、拳王軍は直接殴りに行く班と待機班に分かれることになった。
「ところで悪魔のおじさんは?」
「悪魔将軍さんだったら、
途中下車しましたよ、あのバイクで」
「一人で?」
「全く困った人です」
【
二日目・13時00分/太平洋(大阪東京間の静岡辺り)】
【拳王軍高速艇内部】
【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【ロックマン(光彩斗)@ロックマンエグゼ】
【翔鶴(光翔鶴)@艦これ】
【
琴吹紬@けいおん!】
【川崎宗則@現実?】
【クロえもん@ドラベース
ドラえもん超野球外伝】
【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】
【デューオ@ロックマンエグゼ4】
【拳王軍高速艇外部】
【謎のヒロインX@Fate/Grand Order】
【ラオウ@北斗の拳】
【平等院鳳凰@新テニスの王子様】
【MEIKO@VOCALOID】
【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【DMC戦艦『煉獄』】
【円堂守@イナズマイレブン】
【セイバー@Fate/Zero】
【その他多くのDMCモブ狂信者】
「……来たか」
「貴様は……何者だ?」
富士樹海の最奥。
バイクで突っ切り、ここまで一直線に向かってきた男。
対峙しているのは槍を持った男。
「……今は訳あってここの守護を任されている者だ」
「それは『あやつ』の命か?」
「………………そうだな」
将軍の進路を立ち塞がる男。
一目では青年にも見える。
しかし、見た目のわりには落ち着きがある。
何よりも悪魔将軍と対峙しても全く動じていない。
「来い……!」
「ふん、小僧が……!」
ダイヤモンドソードを両腕に装備し、将軍は回転しながら突撃する。
しかし、その回転を男は受け流すように槍を振るう。
「くっ……」
「どうした?」
接近戦。
超人レスラーにとっては得意分野と言っても過言ではない。
しかし、目の前の男は異常とも思える槍捌きで全ての攻撃を防ぐ。
それどころか神速とも思える踏み込みの速度で悪魔将軍との間合いを詰める。
そのまま轟風を巻き起こし、砲弾のような刺突を放つ。
音速にも近いほどの斬撃が両者から放たれる。
「……貴様、不死身の肉体か?」
「そういう、貴様はダイヤモンドの肉体だな」
――槍が大気を切り裂き咆哮する。
「――――貴様、インドの大英雄・『カルナ』だな」
キン肉マンの世界にはロクでもない神様が沢山いる。
だが、そんなロクでもない神様の中にもまともなのもいる。
それが太陽神・スーリヤ。
金髪に3つの目、そして4本の腕を持つ姿の神。
そして、そのスーリヤの息子の一人が……
【施しの英雄】と称されるこの男・カルナである。
「武器など前座。真の英雄は眼で殺す……」
カルナの右目から炎を纏ったビームが出た。
悪魔将軍を追尾し、迫りくる。
だが、それは必滅の炎。
神だろうと悪魔だろうと燃える。
その炎。
太陽の火。
ダイヤモンドをも焼け焦げる。
破壊したのは悪魔将軍の超人硬度調節機能。
さらに燃える炎。
「死者の魂がこの扉の奥にある……『窯』の中にあるのはわかっている。
……貴様は『あやつ』の傀儡になっているだけだ……」
「確かにオレは貴様が言う、『傀儡』かもしれんな。
だが、今は…………」
自身に掛けられた呪いはこの場にはない。
全力で存分に自分の武を振るえる。
自身の命あるかぎり、この槍を振るうだろう。
そして、ここ(死者スレ)の出入り口の守護を任された。
自身を召喚したあの黒い青年(10/)がもうこの場にいなくても。
そう、燃え尽き灰になった悪魔の躰を見て強く思った。
【悪魔将軍@キン肉マン 死亡】
【二日目・13時00分/静岡県・富士樹海】
【カルナ@Fate/Apocrypha】
【状態】ダメージ(小)
【装備】自身の槍、黄金の鎧
【道具】不明
【思考】基本:何人たりともここを通しはしない
最終更新:2017年04月23日 14:41