一つにスピーダーが東京と神奈川の県境のとある町に留まる。
それに乗っているのは
シマリスとレックス、二人はダイジョーブ博士探索の任についている。
「見つかりませんねぇ」
「全くだ、これは最悪の展開を考えなければならないかもな」
そう言いながら二人は少しの休憩を取っている。
ダイジョーブ博士を捜索して早数分、今だに二人ともその痕跡を掴めてはいない。
「もっと捜索範囲を広げたいところだが、下手に広げれば物置から離れすぎて危険なのが悩ましい所だ」
「あんまり離れてるとすぐに戻れないでぃすしね」
そう言って、二人ともこれより捜査範囲を広げるかどうか迷っていた。
物置から距離を取っている手前、これ以上範囲を広げれば時間通りの合流は難しくなるからだ。
「とは言え時間もまだある、もう少し捜索してみるとしよう」
「はい。でぃす」
レックスに同意してからシマリスはこの街を見渡す。
「……何か便利な物とか落ちていませんかねぇ」
「あったとしても探す時間がない、ダイジョーブ博士達の探索が最優先だからな」
レックスの発言にシマリスは同意するように頷いた。
しかし、少し諦めきれず再びあたりを見渡した、何か落ちていないかを探すように。
すると、何かが視界内に入ってきた。まるで日記帳
みたいなものだった。
「レックスさん」
「なんだ、おチビちゃん?」
「アレ何でぇす?」
シマリスが指をさした方向をレックスも見れば日記帳が視界に入った。
「日記帳か」
そう言ってレックスは落ちていた日記帳を拾う。
日記帳の表紙にはこう書かれていた「TCホール観察日記」と。
「…………ダメだな、タイトル以外全く分からん」
日記帳を拾ったレックスはさっそくその中身を見てみたが非常に難解な文章と字で書かれていた。
そのため全く何を書いてあるのか分からなかった。
「一応、持ち帰ってみるとしようコマンダー社長やミスターLなら何か分かるかもしれんからな」
「でぇす」
そう言って日記帳をデイパックにしまった。
「ところで、TCホールって何でぇす?」
「俺にも分からない」
そもそも物置組にはTCの情報がないためTCホールなどと言ったことは知らないのでありこの日記帳がどれだけ役に立つか不明である。
その前に解読できるかも不明ではあるが。
「さて、そろそろ捜索を再開するとしよう」
そう言ってレックスがスピーダーにまたがりシマリスはレックスのデイパックに入った。
そうして出発しようとした直後――
「アレなんでぇす?」
シマリスが空に指をさす、それに釣られてレックスが空を見てみれば。
空が光り、その光りが人の姿を構成していき、レックス達の所にゆっくりと落ちてきた。
◇ ◇ ◇
残滓は夢にいた、夢の中で残滓は彷徨い、そして夢を見た。
それはとても喜ばしいものであったり目をそむけたくなるような悲惨なものまで、様々だ。
そしてその中を彷徨って彷徨って、ゴールなんて分からずに彷徨い続けて。
――声が聞こえてきた。
――君は……そうか、君は俺と同類なんだな。
夢の中でその声は彼女にはっきりと鮮明に聞こえた。
――時間がないから率直に言わせてもらう、君は世界を救えるほどの力を持ってる。
唐突にそのようなことを言われて首をかしげる、ようなことをしたと思う。
世界を救うなどただ彷徨ってる自分には分からないことだからだ。
――ああ、今の君にはそれを自覚できないか。
その声は少し困ったよう喋った。
暫くその声は聞こえなかった何を言うか迷うかのように、そしてある程度たった後再び聞こえた。
――それを伝えるには時間が足りない、今はこれだけを伝えておくよ。
一瞬の間が空き、伝えてくる。
――
テラカオスの因子を集めるんだ、そして無くしてはならない。
そう伝えられたと同時に意識が遠のいていく。
最後の力を振り絞り聞くべきことを聞く――貴方は何者なのかと、
そうすると声の主はすぐに返した。
――俺は、平賀才人、最初のテラカオスだ。
その言葉を聞くと同時に意識は黒い海に引きずり込まれた。
◇ ◇ ◇
「レックスさん!空から女の子が!」
「見えている」
シマリスが空を見て、降りてくる女の子に向けて指をさして言ったがとっくにレックスはその子を視界に収めていた。
そうしているうちに降りてくる女の子を受け止めようとレックスは一旦バイクを下りて女の子の落下地点に行く。
幸い、その女の子が落ちてくるスピードは遅く余裕をもって落下地点へと向かい、女の子をキャッチした。
「……やれやれ、このような状況でも女子が降ってくるとなると少し驚くな」
「でぇすね、それでこの子どうするですか?」
女の子の扱い、これに関してレックスは少しばかり悩んだ。
無害な人々の保護を目的とするならば確かにこの少女は保護せねばならないと思う。
しかし、光によって構成された少女は果たして無害な存在なのかと、本当に助けていいのかと悩んだ。
「レックスさん、どうしたでぇす?」
「いや、すまない、この子を保護すべきか悩んでいてな」
「どうして悩んでいるでぇす?」
「彼女は普通ではないからさ」
そう言ってさてどうしようかと悩むレックス、その時ふと少女の顔を見る。
するとはっとした顔になった、何故ならこの少女の顔にレックスは見覚えがあったからだ。
「確かこの子は指名手配されていた子か?」
「でぇす!?」
その一言にシマリスも驚き、急いでレックスの肩まで行きその顔を確かめる。
「……確かにこの顔は指名手配されていたクリスちゃんのお友達にそっくりでぇす」
「参ったな、これではますます保護すべきかどうか」
さらに頭を悩ませることとなったレックス。
それに対しシマリスが一つの意見を言った。
「……とりあえず連れて行かないでぇすか?ここで悩んでても始まらないですし」
「…………だが、むぅ」
じーっとシマリスがレックスを見る、この子を見捨てないでと目で訴えてきたのだ。
これに対しレックスはさらに頭を悩ませ、数分が経過した後に結論を出す。
「……はぁ、仕方ない、連れて行くとしよう」
そのレックスの一言にシマリスはほっと胸を撫でおろした。
「だが、まだ信頼はできん故何かしら拘束しなければな」
「その前に服を着せてあげてほしいでぇす」
そう、今の少女の姿は何の服も纏っていない全裸なのだ。
レックスはそう言う系の感情はクローンとして生まれる際に削除されており、シマリスはそもそも種族が違うので興奮とかはしないのであった。
「ん、ああそうだな、なら服をまず探さないとなとは言えダイジョーブ博士も探さねばならぬし……やれやれ」
「なんか、申し訳ないでぇす」
そう言って少女をレックスがお姫様抱っこをしながら二人共、服を探し始める。
幸いなことに服は時間をかけずに見つけることが出来た。
「これで良しと、さてこの少女を一旦送り届けるか、それとも少女と共にダイジョーブ博士を探すか」
「無ずかしい所でぇすね」
そうして少々二人が悩むその時に――
「ッ!!」
長年の戦士であるレックスの勘が確かに捉えた、一瞬にして増幅されていた殺意に。
その方向に向けてひらりマントを向ければ銃弾が様々な方向へと跳ね返って行った。
「おチビちゃん!今すぐここから逃げるぞ!」
「分かったでぇす!」
レックスは強引に少女をそこら辺にあったロープで早業で括り付けるとスピーダーバイクに跨る。途中で解けず落ちない結び方でもあった。
シマリスもまた急いでレックスのデイパックに入り込み、スピーダーが急発進した。
「チッ、逃げたか」
そして、レックス達がいた場に現れる存在――それはシャドウであった者が送り出した刺客の一人。
全身の色が黒みがかった灰色、ディパインアーマーは金色で縁取られた存在、ディケイド、否ダークディケイドだ。
そう、初期に死亡した門矢士の魂を利用し強化を施された存在、意思を持つのは死者のリーダーとして任命されたからだ。無論シャドウであった者には逆らえない。
「だが、これを使えばまだ追いつけるが」
そう言って取り出したの一枚のカード、それはクロックアップのカードだ。
これをベルトにセットすれば以下にスピーダーであろうと追いつくのは容易であるしかし。
「……無駄だと思っていても希望は捨てられないか」
例えその魂がTCに汚染されようと仮面ライダーであり意志を持つ故に希望が捨てきれていない。
クロックアップのカードをしまい、自身のマシンを呼び出す。その色もまた本来のディケイドカラーとは違いダークディケイドカラーとなっていた。
「さて、行くか」
そう言ってマシンディケイダーに跨り発進する、そのスペックは本来であれば低いものであるがこれもまた強化が入っている。
その為少なくともスピーダーには何とか追いつける速度になっているのだ。
これより数分後、レックス達とディケイドによる猛烈な追跡戦が始まったのであった。
◇ ◇ ◇
一方その頃、超ハイテク物置の中で待機しているしている者達。
その中でLはカオスロワちゃんねるをじっと見ていた。
「どうしたL?何故カオスロワちゃんねるをそんなに見ている?」
そこに偶々通りかかったゼクスが話しかけてきた。
Lはゼクスの方に向かいあった。
「いえ、少しばかり考えていたのですよ、この掲示板は管理人に有利だとね」
「……どういうことだL?」
Lから出てきた発言にゼクスは聞き返す。
「常々思ってはいました、ほとんどのチャット系のサイトが使用不能になりました、その為唯一の掲示板であるカオスロワちゃんねるに人は殺到しています」
「ああ、多くの人々が情報を手に入れ書き込んでいるな」
ゼクスもまたそのように言ってからカオスロワちゃんねるを覗く。
今もまたひっきりなしに書き込みが続いていた。
「そして、このちゃんねるの管理人はある意味で情報王と言えるでしょう、だからこそ思ったのです――管理人は情報操作しやすいとね」
「それは!」
ゼクスがはっとしたような顔でLを見る、Lもまたゼクスを見て頷いた。
「そう、ここの管理人はこのちゃんねるを使い自分に有利な情報工作が出来るのですよ」
「それは……本当に可能なのか?この膨大な情報量の中でそんなことが出来るのか?」
ゼクスはLにそのような疑問をぶつける、その疑問に対しLは答える。
「可能ですよ、そのような仕掛けなどを行い、その後は適切に情報などを読み取ってその都度、誘導すればいいんですから」
「……だが、そのような事を出来る者達は限られる」
「ええ、そうですね、このような事を出来るのは主催のような存在だけでしょう……ですがね」
Lが一旦言葉を区切り、静かに息を吐いた。
「探偵の勘というものでしょうか、この管理人は他にいるかもしれないと思っているんですよ」
「勘か、いまいち信用できんな」
ゼクスがそう言って肩をすくめればLもまた苦笑する。
己の勘というものは重要ではあるが、しかし人を納得させるには難しいからだ。
「まぁ、管理人が誰であるかは一旦置いておきましょう、今はそこよりも重要な対策があるのですから」
「ああ、早速社長に対して君の推理を聞いてもらい情報工作などの対策を講じよう、とは言えどこまで出来るか」
そう言って二人とも立ち上がり社長の元へと向かう。
丁度、社長もまた外に出ていたようで、社長のテントに行く前に合流できた。
社長と会ってからはゼクスがLに促し先程の推理を聞かせた。
「……なるほど、確かにその可能性はありますね」
「ええ、ですから対策などを講じようと思ったのですが」
「それは、やはり難しいでしょう、精々鵜呑みにしないように気を付けることでしょうか」
その発言にLもゼクスも少し残念がった、分かっていたこととはいえ残念に思ってしまうのだ。
だが、その様子を見たイナバ社長が一つ提案した。
「では、そのパソコンを改造しませんか?」
「改造?」
「はい、書き込み制限の対策やもしもの時の為の居場所がばれないようにしたり、弾き飛ばしに対する対策ですね」
「出来るのですか?」
「ははは、私はこの物置を作った男ですから、こと機械関係に関してはブリーフ博士以上のものと自負していますよ」
そう言って胸を叩くイナバ社長、ならなぜ首輪を外していないと思われる方々もいるだろう、それは仕方のないことだ。
イナバ社長自身も首輪に関しては外したいと思っているが、首輪に関するデータがないため下手に触れることが出来ない故に放置するしかないのだ。
「さて、そうと決まれば機材などを用意しなければなりませんね、幸いにも機材などは私のテントにありますからそこに行きましょうか」
二人もイナバ社長の発言に同意し、社長のテントに向かおうとしたその時だった。
社長の胸元からアラーム音が聞こえてきたのだ、それを社長がとる、すると小さかった物が無線機になったのだ。
「どうしましたレックス?」
『コマンダー社長!すぐに基地を浮上させることは可能でありますか!』
「……緊急事態が?」
『ハイ、厄介な存在に目を付けられただいま追われています』
うぉっとレックスが少し慌てたような声を出す、そこから社長も尋常ではないものを感じた。
「相手は?」
『かなりの手練れです、恐らく私とおチビちゃんでも歯が立たない相手かと思われます、しかも厄介なビークルも持っています』
「そうですか、振り切ることは?」
『恐らく不可能かと、相手のスピードも速いですから』
社長は迷った、ここにいる多くの者達すら危険に晒すのかそれとも多くの人たちを危険から守る為にレックス達を切り捨てるか。
その事を察したゼクスが言う。
「社長、確かに多数を救う際、小を切り捨てなければならない時があります、ですが今はその時ではないと考えます」
「ゼクスさん……」
「彼は貴重な戦闘要員であり、私達の仲間であります、それに仲間内でも信頼を得ています、
そのような人物を見捨ててしまうと無用な疑心暗鬼を招きかねませんからね」
「そうですね」
ゼクスの言葉にイナバ社長は頷いて無線機にしゃべる。
「分かりました、今どのあたりに居ますか?」
『基地から数十分ほどの道のりです、とと、今度はミサイルか』
「ではすぐに浮上させます、急いで向かってきてください」
『了解しました』
そう言って無線が切れる、そして社長が二人に向き直った。
「それでお二人ともご協力願いたいのですが」
「この緊急時です、私は異論ありません」
「私もです」
二人が協力するという旨の返答を得たことで社長は頷き指示を出す。
「それではゼクスさんにはレックスが率いていたトルーパー達に指示を、Lさんは一般の人たちの避難をお願いします」
その言葉を聞いた二人は慌ただしく動き出す、それを見届けた社長もまた急いで動き出した。
こうしてレックス達を助けるために各々が動き出す。
◇ ◇ ◇
「これはどうかな」
そう言ってダークディケイドが一つのカードを取り出しカードを挿入しバックルを閉じた。
《ATTACK RIDE GIGANT》
すると、多目的巡航ミサイル「ギガント」がダークディケイドの手に召喚された。
それをレックス達に向ける。
「全く、多芸にもほどがあるな……!」
レックスがそう毒づいてからミサイルが発射される。
誘導式ではないものの的確にレックスがいる場所から回避する場所を予測して撃たれている。
しかしレックスもクローン戦争を駆け抜けその後の銀河帝国に対する反乱を戦い抜いた歴戦の戦士である。
それらをすべて見切り、ミサイルが来ない場所へと高速で移動しミサイルをすべて回避した。
「なるほど、油断の出来ない相手のようだな」
ダークディケイドがそのように呟き次のカードを選び挿入しようとする。
「おチビちゃん、基地まであとどのくらいだ」
「えーと、あと……すこしでぇす!」
シマリスがそう言ったと同時に急激に速度を上げる。
それを見たダークディケイドもスピードを上げて行く。しっかりと攻撃できる距離を保ちながら。
「これじゃきりがないな、ならこれだな」
そう言って取り出すカードは仮面ライダーWが使っていた武器、トリガーマグナムだ。
《ATTACK RIDE TORIGAMAGUNAMU》
召喚されたトリガーマグナムを手に持ちレックス達に向けて構え発射する。
発射された複数のエネルギー弾をレックスは避ける、だがそれだけでは終わらなかった。
「ッ、追尾式か!」
一度避けたエネルギー弾が機動を変え再びレックスの所へ迫ってきたのだ。
だが、それすらもレックスは避けて見せたが何発か掠ってしまった。
「クッ、流石に完全に回避とはいかんようだ」
「でも直撃していないのはさすがでぇすね」
だが、それでもダークディケイドの追撃は終わらない。
再びレックス達に照準を合わせるために銃を向ける。それに対しレックスは攪乱するように動く。
しかしそれはダークディケイドに見切られていた。
「これで終わりだな、見込みはあるかと思ったが……まぁ、言っても詮無いことだな」
そう言って次に行く場所を予測し、そこに狙いを定めて引き金を引こうとしたその時。
大きな地鳴りが起きた。
「ッ!?」
「よし、このまま全速だ!」
その地鳴りに驚愕しスピードを落としたダークディケイドを尻目にレックスはさらに加速を駆ける。
目標は自分達の拠点である物置だ。
「やれやれ、また引き離されちまったか、だがここで終わらせるつもりもない」
そう言ってダークディケイドもまたマシンディケイダーを加速させる。
レックス達に引き離されたとは言えいまだその姿を捉えられている、ならば追いつけずとも付く場所までに行くだけだ。
「あと少しでぇす!」
シマリスが叫ぶ、目の前には浮上してきた物置、その入り口が現れるまでもう少し。
レックスはスピーダーに最後の加速を駆ける。
そして、レックス達の更なる後方には追い付いてきたダークディケイドがいた。
「なるほど、あそこが拠点ってわけか」
浮上してきた物置を見てダークディケイドが見定めた。
とは言え今は攻撃を加えられはしない、レックス達も拠点の距離も遠いからだ。
(あともう少し近づければ行けるんだが、その前にあいつらが拠点内に入るのが先か)
そう思いながら次に使うカードを考える、拠点に攻撃を何かしらの損傷を与えればチャンスが巡ってくるからだ。
ディーヴァの後継の抹殺のチャンスを。
そのような思惑を露知らず物置が最後までせり上がり、入り口が開いた。
「行くぞおチビちゃん!」
「はい、でぇす!」
勢いを調節し、物置に入りバイクの後輪をスライドしスピーダーを停止させる。
スピーダーが物置に入ったと同時に同時に入り口が閉まっていく。
「ふぅ、生きた心地がしなかったな」
「でぇす」
そう言ってレックスがスピーダーから降り、背中のロープを外し少女を降ろした。
シマリスはデイパックから出て、地に足を付けた。
「おお、無事だったかレックス……その子は?」
「色々とあって保護した少女です、今はこの場から頼脱を」
「うむ、そうだな、潜航急げ!」
イナバ社長が無線機で部下に向けて指示を出す。
そして再び物置が地中に向けて潜航を始める、しかし地中に行く速度は物置のその大きさ故に少々ゆっくりである。
その隙を見逃すほどダークディケイドは甘くはない。
「生半可なものだと効かない可能性がある、ならこれだな」
そう言って取り出したのは本来なら必殺技、最後の止めに使用されるカードだ。
《FINAL ATTACKRIDE DECADE》
音声が流れると共に物置との間にカードがずらりと並んだ。
そして真上に飛び上がると同時にカードもまた斜め一直線に並んだ。
「何をする気だ」
「なんだかやばいぞ」
物置の操作室にいるオペレーターたちが何やら不穏な予感を感じ取る。それは当たってほしくない予感の類だった。
それを知る由もなくダークディケイドは飛び蹴りの体制に入る。
「ハァ!!」
気合の籠った掛け声を掛けたと同時にカードに引かれるようにディケイドが物置にめがけ一直線に降下する。
カードの中を通り過ぎながら右足のフットストンパーにエネルギーを蓄え、物置に対し蹴りを叩き込んだ。
その飛び蹴りの威力はすさまじかった、それは当然だ元の素体の優秀さもさることながら強化も入ったからだ。
物置の中もひどい衝撃に襲われ激しく揺れた。その事に多くの人々が戸惑う
「ッッ、被害報告!」
「各部損傷!ただいま被害を確認中、それと地下航行機能に異常が発生しました!」
「なんということに……」
操作室に入ってきていた社長がその報告に唖然としたがすぐにその状態から回復する。
「こうなればやむを得ません、緊急離脱装置は?」
「はい、そこは無事です」
「……では、緊急離脱装置を作動させこの場から離脱します、行けますか?」
「ただいま上がってきた被害報告から可能かと」
「よろしい、では準備が出来た後に即実行を」
そう社長が言えばすぐにオペレーター達は緊急離脱する作業に入る。
一方、必殺を食らわせたダークディケイドは地上に着地して物置を見た。
「なるほど、俺一人じゃ無理があるってわけか」
そう一人心地に呟いて、物置を見据える、蹴られた場所はへこみ、余波で所々傷がついていた。
「だが問題ないな、そろそろアイツらが来るしな……ん?」
物置を見据えていたダークディケイドが物置の変化に気づく。
何やら、ものすごい勢いで物置の各部に様々なものが現れていたのだから。
「……まさか!」
物置から出てくるもの、それらをよく観察したことによりダークディケイドは次に何が起こるか予想が付いた。
そしてそれを迎撃する時間はもう過ぎたということも。
「チッ、こっちが噴射を受ける側か、ならこれだ」
そう言って取り出したカードをバックルに挿入し閉じた。
《ATTACK RIDE INBIZIBURU》
発動と同時にダークディケイドの姿は掻き消えた。
「行けます社長!」
その言葉が聞こえると同時に社長は緊急離脱のボタンを押す。
すると、とてつもなく速いスピードで物置は離脱していった。
◇ ◇ ◇
「まさかあんな隠し玉を持っているとはな」
物置が離脱した後にダークディケイドは再びその姿を現した。
インビジブルのカードの効果は自身の姿を消す他にも攻撃を避けることすら可能、それが出来るからこそ利用したのだ。
姿を現してからダークディケイドは物置が飛んで行った方を見る。
「それでアイツらが向かった方向は……都庁がある方に行ったか」
そう、物置組が離脱して言った方向は都庁方面だった。
その事に対し少々ダークディケイドは頭を悩ませた。
「参ったな、あそこの連中に俺達の存在に気が付かれると厄介だ」
彼等、シャドウであった者に召喚された存在はシャドウであった者の記憶も引き継がれるのだ。
そのシャドウであった者もテラカオス・ディーヴァの記憶も保持しておりそのため都庁の戦力の事に関しても知っている。
だからこそ警戒するべき対象なのだ、いくら強化されているとは言え負ける可能性が高いのだから。
「アイツらも戦力を増やして強化しているかもしれないし、とは言え目的を果たす以上は避けて通れないか」
そのようにブツブツと呟きながらどうするか考える。
すると、何者かが歩いて来た。
「遅いぞ、ディエンド」
きたのはディエンド、ダークディエンドと同様に初期に死んだ海東大樹の魂を利用し強化された存在だ。
ディエンドの姿なのはそちらの方が戦力になるとシャドウであった者に判断されたからだ。これはダークディケイドも同様である。
とは言えディエンドはダークディケイドのように意思を持たない為、話しかけられ手も簡単な反応しか返さなかった。
「さて、もう一人は……来たか」
ダークディエンド達のもう一人の仲間それは――風鳴弦十郎であった。
風鳴弦十郎は死者スレがシャドウであった者に浸食された際、呑み込まれそうになった立花響を庇い代わりに呑み込まれた。
その際にシャドウであった者が風鳴弦十郎の高い戦闘能力を知った、それ故に今回もまた召喚されてしまったのである。
だが、今回はそれだけに止まることはなかった。
「風鳴弦十郎、お前は変身しておけ、何時戦闘があるか分からないからな」
ダークシャドウの言葉にこくりと頷き、弦十郎は一つの物、それはキバットバットⅡ世、だが本来あるべき意思が感じ取れない。
それもまた当然だ、このキバットバットⅡ世はディケイド世界の存在である為、
支給品として配られそして壊された為に死者スレにあったのをシャドウが取りこみサルベージしたのだ。
「ガブリッ!」
「変身」
弦十郎がキバットバットⅡ世に腕を噛ませ装着する、するとその姿が変わっていき、仮面ライダーダークキバとなった。
本来であれば普通の人間や適合者以外が変身すれば即死に至るが、弦十郎の場合はシャドウであった者に召喚されているため、
その問題を克服している、だから何のリスクもなく変身できるのだ。
「さて、どうやってディーヴァの残骸を壊すとするか」
そう言って、ダークディケイドは物置が飛んで行った方を睨み見るのであった。
【仮面ライダーダークディケイド@仮面ライダークライマックスヒーローズ】
【状態】健康、強化状態、
【装備】ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド、ライドブッカー@仮面ライダーディケイド
【道具】トイカメラ、マシンディケイダー@仮面ライダーディケイド、その他不明
【思考】基本:シャドウであった者の命に従いディーヴァの残骸を殺す。
1:希望を捨てきれないか。
2:都庁の方向か、厄介なことになったな。
※ディケイド激情態と同じく他のライダーにカメンライドせずとも能力が使用でき主役ライダー以外の能力も行使できる模様。
※平成二期のライダーたちの能力も使用可能。
【仮面ライダーディエンド@仮面ライダーディケイド】
【状態】健康、強化状態、意思なし。
【装備】ディエンドライバー@仮面ライダーディケイド、カードケース。
【道具】不明
【思考】基本:シャドウであった者の命に従う。
1:今はダークディケイドの命に従う。
【風鳴弦十郎@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】健康、強化状態、ダークキバに変身状態、意思なし。
【装備】闇のキバの鎧@仮面ライダーキバ、キバットバットⅡ世@仮面ライダーディケイド。
【道具】不明
【思考】基本:シャドウであった者の命に従う。
1:今はダークディケイドの命に従う。
※ダークキバの情報はシャドウであった者からインプットされています。
※召喚された死者は道具扱いの為アナウンスされない。
※死者の装備や道具は回収できません。
◇ ◇ ◇
一方、窮地を脱出した物置、イナバ社長は今行ったことなどの説明を避難民たちに話した。
幸いなことに窮地であったと理解してもらえ、特に目立ったことは起こらなかった。
「しかし驚きましたね、まさかこの物置にそのような機能があったとは」
「ええ、私としては使う機会がないことを祈っていましたがね」
再びゼクスとLとイナバ社長が集合し話し合っていた。
現在の物置は少しばかり揺れるだけで、本来であれば起きる諸々の障害なども起こらずに地上と同じように動けるのだ。
これもまた
イナバ物置の機能によるものだ、空に飛ぼうとイナバの物置は大丈夫なのである。
「ですが、安心ばかリはしていられません、予測到着地点が都庁の近くというのですから」
「窮地を脱したと思えば、また窮地と中々安心できない状況ですね」
「ええ、弁明するならばあの時は離脱の事ばかり考えていましたからそこまで考えが及びませんでした」
そう、三人ともこの物置の到達地点が都庁の近くと言うことに頭を抱えている。
その為の対策を三人で話し合っている一方でレックスとシマリスは少女の様子を見に行っていた
「まだ目を覚まさないか」
「そうらしいでぇす、あのスピーダーの追いかけっこでも目を覚まさないとは驚きでぇすね」
そう言って二人ともいまだに眠っている少女に目を移す。
丁度その時、少女の目が覚めた。それを見た二人は驚いて目を合わせた。
「………………」
「おい、嬢ちゃん気分はどうだ?」
レックスの言葉に反応せず静かに周りを見渡す少女。それに対しレックスは黙って見守った
そして一頻り見渡してレックス達の方を向く。
「あの……」
「どうした嬢ちゃん?」
「ここはどこですか?」
問うてきた少女にシマリスが答える。
「ここはイナバ社長の物置で安全な場所でぇすよ」
「そうなんですか」
シマリスからの簡単な説明を聞いて再び辺りを見回す少女、先程と違い忙しなく人が動いてるのが見えた。
そして再び少女はレックス達の方に向いた。
「あの……私は何者なんでしょうか?」
『えっ』
レックスとシマリスがシンクロした、いきなり自分が何者かなんて聞かれたためである。
そして、どう返答するか迷った、なんせ少女については何も知らないのだから。
「……どうする?」
「……どうしましょう?」
二人とも目を合わせてどうすればいいのか途轍もなく迷った。
しかし、その時慌てて走ってくるクローントルーパーがレックス達の元へときた。
「どうした、そんなに慌てて?」
「はい、至急クリス氏の元へ来てほしいとロビン氏からの伝言です!」
「なに?」
「なにがおこったでぇす!?」
二人の疑問にクローントルーパーはクリスの様子がおかしいのでもしもの時に備えるために来てほしいと答えた。
聞いた二人は頷いてクリスの元へと向かう、無論少女は放置せず今来たクローントルーパーに少女の面倒を命じて走って行った。
「…………」
しかし、少女はクローントルーパーが気付いたころには寝台からいなくなっていた。
◇ ◇ ◇
ロビンが吐き捨てるように言ってクリスの方へと向く。
そのクリスは終始無言で不気味に歩いている、先程から何を言っても返してこない。
これはまずいと思ったロビンはクローントルーパーを集合させ警戒態勢を敷かせた。
「ロビン氏、どうしますか?」
「どうしますかと言われてもねぇ、どうもできねぇよこれじゃ」
そう言ってクリスを見る、ロビンの勘が下手に攻撃したらまずいと警告していた。
そのためクリスト戦闘集団の睨み合いが発生していた。
因みにベルナドットは重傷から回復したが未だに戦闘はできない為、避難させられた。
「ロビン、どうしたんだねこれは?」
「おっ、社長達にレックス達も来ましたか」
イナバ社長、L、ゼクスとレックス、シマリスが現場へと到着した。
「そうでぇす、なんでクリスちゃんのことを警戒してるでぇす?」
「なんだかやべぇ雰囲気なんだよ、クリスの嬢ちゃんがな」
そう言ってロビンがクリスを指さす、その指差しに来た者達は見た。
クリスをそして感じた何かクリスの雰囲気が今までと違うということを。
だが少なくともそこにはいつものお転婆娘の面影はない、それを今来た者達は感じ取った。
すぐさまレックスが前に出た。
「……なるほど、いつものクリスさんではありませんね」
「でしょう、だから今こんな感じにしてるんでさぁ」
「…………クリスちゃん」
シマリスはいつもと違うクリスの元へ行き何時ものクリスに戻したいと思っていた。
だが、どうゆう訳か動けなかった、クリスの元へと行くという動きが出来なかった、それは生存本能が叫んでいたから、アレは危険だと。
だから動けなかった。
「それで、どうしますか社長?」
「……………………皆さん」
「出来れば、殺すことだけは避けてほしいです、彼女は一緒に戦ってきた仲間ですから」
「ええ、それに今戦力をなくすことは避けたい事態ですし」
ゼクスとLの意見に社長が頷く、そして生け捕りを命じようとして。
一人の少女がふらりとみんなの間を縫ってクリスへと近づいて行った。
「なっ」
「いつの間に、と言うかどうしてココに!?」
今この場にいる者達は驚く、クリスに集中していたとはいえ気づかなかったことに。
そして、少女がクリスに近づくことに。
「まて!今近づくのは危険だ!」
レックスが言って少女を止めようと動き出すその時だった。
少女とクリスの目が合い、少女がクリスに対して手をかざした。
すると、黒いものがクリスから出てきて少女に吸収されていくそれもただで吸収されていない。
その黒いものがまるで浄化されるかのように白くなり少女が吸収していったのだ。
『!?』
この不可思議な現象にこの場にいる者達は驚きを隠せず、見守ることしかできなかった。
「ッ!アレ、あたしは、いったい……」
そうしてクリスが気を失った、今のクリスにはあの近づきがたくやばい雰囲気はなかった。
終ったことを見届けたいる者達は少女に注目する。
「……君は、一体?」
「私は……テラカオス・ディーヴァその残滓です」
『えっ、なにそれは』
皆、一様に揃って疑問を口にした。
【二日目・15時45分/東京県内・物置空中】
【テラカオス・ディーヴァの残滓@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】健康、完全TC耐性。
【装備】なし
【道具】なし
【思考】基本:テラカオスの因子を集める。
1:えっと、その、えっと。
※ディーヴァが持ってほとんどの能力を失い使用不可になっています。
※一度、テラカオスになったことにより完全なTC耐性を保持、テラカオス候補者のTCを回収できます。
※死んだことによりディーヴァの性格を引き継いでいません、これからどうなるかは不明。
※どこまで記憶を保持しているかは次の書き手氏にお任せします。
【ゼクス・マーキス@新機動戦記ガンダムW 】
【状態】ダメージ(小)
【装備】ガンダムエピオン@新機動戦記ガンダムW (左腕破損 ダメージ多数)
【道具】支給品一式、そのほか不明、ウルトラストップウォッチ、マスターボール
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
0:都庁の対策を立てる。
1:クリスたちに協力する
2:殺し合いを止める意志のある仲間を集めたい
3:社長と協力し世界を救う
4:人格に問題がないのなら拳王連合軍とも協力する
5:ヘルヘイム・巨像(セル)退治・捕獲も視野に入れる
6:えっ?
※ウルトラストップウォッチには制限があります
【L@DEATH NOTE】
【状態】健康
【装備】自動式拳銃
【道具】支給品一式、手榴弾×25、ノートパソコン
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
0:皆と協力する。
1:主催の目的とは何でしょう?
2:ひとまずここでゆっくり情報収集でもしましょう
3:予言の答えの材料探しをする
4:拳王連合軍に対しては自分で見てから決めるスタンス
5:ロワちゃんねるには注意を払う。
6:えっ?
【ロビンフッド@Fateシリーズ】
【状態】健康。
【装備】祈りの弓、顔のない王。
【道具】支給品一式
【思考】基本:契約した社長に従って動く。
0:出来る限り人は助けたい
1:えっ?
2:ベルナドットとは仲良くなれそうだ
3:自然は自然でもヘルヘイムはちょっとやりすぎだぜ
4:社長がOKを出せば拳王連合軍にも協力する
【イナバ制作所社長@現実?】
【状態】健康
【装備】イナバ物置
【道具】支給品一式、予言が書かれた古文書、クローントルーパー×450、他不明
【思考】基本:世界を救う
1:協力者を集める
2:ダイジョーブ博士は無事だろうか?
3:拳王連合軍とは協力したいが、まずは会ってから
4:ヘルヘイムは可能なら潰しておく
5:ヘルヘイムにいる巨像(フォレスト・セル)を予言のために手元に置きたい
6:大丈夫!
7:えっ?
※イナバ物置は地中に潜り移動できるようです
【シマリス@ぼのぼの】
【状態】健康
【装備】胡桃×いっぱい
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:仲間と共に生き残る
0:無事に帰れてよかった。
1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
2:胡桃の扱いを極める
3:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する
4:クリスちゃんは友達でぃす!
5:拳王連合軍、悪い奴じゃなければ良いんですが
6:えっ?
【レックス@スターウォーズシリーズ】
【状態】健康
【装備】スピーダー、ブラスター・ピストル、ブラスター・ライフル、装甲服、ヒラリマント
【道具】支給品一式、TCホール観察日記。
【思考】基本:無害な人々の保護及び臨時コマンダー社長に従う
0:ダイジョーブ博士を見つけられなかったのが気がかり。
1:治安維持活動を再開する。
2:えっ?
【雪音クリス@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】気絶、変身解除
【装備】イチイバル
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間を探して現状を打破する
0:なんかすげー腹減ったな、肉食いてえ肉
1:シマリスの無事を祈る
2:翼を見つけ出し食人について問いただす
3:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
4:もっと強くなりてぇ
5:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する
6:拳王連合軍にはちょっと懐疑的
※テラカオス化が進行していましたがディーヴァの残滓によって回収され正常に戻りました。
【ピップ・ベルナドット@HELLSING】
【状態】中傷。
【装備】自動式拳銃×2 M16
【道具】支給品一式
【思考】基本:バトルロワイヤルを生き残る
0:今は何もできないので休む
1:生存確率が上がりそうなので今はゼクスについていく
2:拳王連合軍と組むのは有りだと思っている
3:アイツらが無事だと良いが。
最終更新:2018年03月29日 17:57