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ここは沖縄。
TCの化身とも言えるシャドウが居座る場所である。
端から見ると彼(彼女?)は沖縄の砂浜に鎮座して瞑想をしているだけのように見えるが、そうではない。
シャドウは自分の内部で、日本本土への進行の準備をしているのだ。




以前、5245話で安倍総理に関してこんな話をしたな。


まあ、他の罪人と違い魂が破壊されたわけではない。
シャドウが死んだら審判者によって罪を洗い流され来世で転生できるんじゃないんですかね(小並感)


あれは嘘だ。



「く、苦しい、やめてください……」

カルナに魂を喰われることを恐れ、シャドウの影に飛び込んだ安倍総理。

前回も言ったとおり、安倍総理のテラカオスとしての力は、『同化』であった。
すなわち、四条化と同質。
ゆえに、シャドウであった者が新たな特殊能力を得ることは無かったのだった。

これはどういうことかと言うと、安倍総理が持つエントロピーこそシャドウだったものにとって魅力的ではあったが、能力の方は被るので必要がない。
故に今、魂が滅ぼされようとしているのだ。

「エントロピーは凄まじいのだが、それだけだな」
「ま、待ってください! ディケイドのように尖兵として使っていただければ私はあなた様のために働きますとも!」
「ダメだな、おまえがテラカオスである以上、体内から出した途端テラカオスとして復活し、裏切るのは目に見えている。
同化能力は既に持っているから、エネルギーに変えた方が都合がいい」

いちおう、TCを取り込めるテラカオス故に時間はかかったが、もはや安倍の魂は消えかけている。
それまでに魂を削られる苦痛を味合わされていた。

苦しむ暇もなく消されるか、消されるまで多大な苦痛を味合わされるのはどちらが楽か?
安倍は今、死者スレでの消滅の方が遥かに良かったと後悔している。

「消滅よりはマシと来世で蘇ることを期待したのだろうが、災害である私に縋ったのは失敗だったな

亡霊よ、エネルギーに還れ」

「あき」

最期に何かを言いかけた瞬間、シャドウの体内の中で安倍の魂が弾けとんだ。
完全消失した魂は輪廻転生もなく、未来永劫蘇ることはない。


『酷いことを……』

そう呟いたのはシャドウであった者に体内から抵抗する存在、混沌の騎士である。
安倍は確かに外道であったが、こんなえげつない消し方をする必要はなかった。
シャドウの行いが混沌の騎士を憤らせる。

「案ずるな。大災害が発生すれば全ての者の魂が消失する。
早いか遅いかの違いだけだ。
……さてと」
『!?』

安倍を消し飛ばしたあと、死者スレまたはディーヴァから力を奪う際に取り込んだ数名ほどのネームドキャラ、数千名ほどのモブ参加者の魂がシャドウによって混沌の騎士の目の前に現れた。
大半の者が、シャドウの中で唯一消えることのない魂の持ち主である混沌の騎士に手を助けを求めている。

「アタシは世界と野球史に残るアイドルになりたかった……それだけなのに!」
「大人を騙してごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「パパの知り合いに偉い人がいてさ……だから助けてよ!」
『お、落ち着くんだみんな!』

安倍が消し飛んだのだから自分たちがこれから何をされるか、死者も混沌の騎士も察しが付いている。
故に大半が恐慌状態に陥っていた。
そして執行者は囚われた者たちに冷酷に言い放つ。

「おまえたちは私の戦いが有利になるようなスキルを有していない。
ディケイドのように尖兵に使うにしても弱すぎる。
だから魂を潰してエネルギーになってもらおう」
「ふざけんな、ク〇二しろオラアアアアア!!」
「待て、あの十神財閥の御曹司だぞ! おまえはその魂をここで絶やすというのか!?」
「キン肉マンめ、こいつを道連れにしてから死にゃあ良かったんだ!」

「アイスシザーズ、オマエハコイツ二トリコマレルンジャナイゾ……!」
「まどか、おまえは死ぬんやないで……死んだらコイツに……!」
「ジバンさんごめんなさい、私はここまでみたいです……」


激昂する死者、諦める死者、反応は様々だが迎える結末は皆同じであった。
混沌の騎士はテラカオスの力を使って一人でも多く救おうとしたが、哀しいかな、彼の力はシャドウの再生能力の妨げになることが精一杯で誰ひとり救うことはできなかった。

『やめるんだシャドウ!』
「災害に慈悲などない、ただ環境システムの一環として破壊するだけだ」
『やめろおおおおおおおおおお!!!』

シャドウは死者たちになんの感慨も抱かず、死者数千名の魂破壊を決行。
一瞬にして、死者たちの魂が老若男女、人間非人間、善悪関係なく、全てが平等に消えた。
悲鳴をあげながらガラスのように砕け、エネルギーとしてシャドウに吸収されていった。

今消え去った死者たちの能力は使えなくなり、そして彼らはどんな力があったとしても生き返ることはできない。
混沌の騎士は誰か一人ぐらいは救えるかもしれないと手を伸ばすが、その手が届くことはなかった……



『シャドウ……貴様ァーーーッ!!』

力不足で誰ひとり守れなかったことに対し、兜の下で涙を流す。
一方のシャドウは混沌の騎士に構わずに今しがた消滅させた死者の魂だったものをこねくり回して何かを作り出している。

『彼らの魂で何をするつもりだ?!』
「安倍のように滋養として取り込むこともできるが、食事とは別の使い道を考えついてね」

総理の魂こそ砕いて自らのものにしたが、たった今破壊した魂は取り込まずに別の何かに使おうとしていた。
なんだか手紙みたいなものに見えないことも無いが……

「時に混沌の騎士よ、ドラゴンネットワークというものを知っているか?」
『確か……竜同士で行うテレパシー通信のようなものだったか?』

ドラゴンネットワーク……竜同士で行われるテレパシーの掲示板。
竜版のカオスロワちゃんねるであり、様々なヒントや誤情報を対主催のドラゴンにもたらした。
シャドウはこれからいったい何をするつもりなのだろうか……?

「そこはまだサーフの思惑が絡んでいないだけ安全な掲示板だろうな。
なにせドラゴンにしか介入できない掲示板だ。
誤解はあっても情報操作など、 普 通 はありえない」
『何が言いたい!』
「仮に平和な掲示板にウィルスのようなものが貼られたらどうなるだろうかな」
『なに!?』

シャドウの思惑に混沌の騎士は絶句する。

『ドラゴンネットワークを破壊するつもりか!』
「そんな大それたことはしない。それをやるともっと莫大なエネルギーが必要になる。
――だが、最低限のエネルギーで竜同士をいがみ合わせて足並みを揃わなくすることはできる。
私がたった今作り上げた思念のウィルスがな」

シャドウは参加者の魂を犠牲に作り上げたコンピュータウィルスと比喩した呪いの罠をドラゴンネットワークに設置するつもりなのだ。

「このウィルスは開いた瞬間、ドラゴンネットワークを介して脳味噌に微量のTCが流れ込む。
微量といっても脳を破裂させるだけなら十分だ。
いかな硬い鱗や表皮を持つ竜とて脳への直接攻撃、そしてTCだけは耐えられまい」
『待て! それがあるぐらいなら、おまえを殺せるテラカオスを生み出さんとしているサーフのカオスロワちゃんねるを破壊した方が……』
「その手には乗らん。
奴の目的は我が天敵であるテラカオスを作ることだが、そのおかげで対主催の足並みは揃っていない。
あの掲示板を止めるには日本全土に妨害電波を垂れ流すしかないが、流石にコストパフォーマンスが悪い。
死者スレの掌握もまだなのに、そんなエネルギーは使えん」
『ぐ……』

「だがドラゴンネットワークは別だ。
竜自体の絶対数が少ないだけに竜同士限定でだが足並みを揃えやすい。
対主催たちが私への対策を練るためにカオスロワちゃんねるよりドラゴンネットワークを利用されるとように困る……だからその前に竜同士で疑心暗鬼に陥ってもらおう」


そしてシャドウは過去に貧乳歌姫が取り込んだ真竜七匹分の力を使い、強引にドラゴンネットワークにアクセス。

「初めてアクセスしたが、なるほど、まるで攻殻機動隊の世界だな」
『……なんの話だ』
「メタ発言だ。気にするな。
う~む、さて、誰になりすまして投下しようか」

ドラゴンネットワークにアクセスしたシャドウは大いに悩む。
というのも、誰かになりすまさないとウィルスを誰も開いてくれない可能性がある。
かといってなりすますドラゴンは誰でもいいわけでもない。
影響力のないドラゴンではウィルスを開いてくれる者が少なくなる。
オオナズチなど都庁・狂信者所属のドラゴンはアク禁状態。
となると残るドラゴンは……

「奴が……適当だな」

シャドウは頭の中でキーボードをタイピングするように思念で文字を打ち込み、己の名前を偽装してウィルスを流した。
偽装にも魂のエネルギーが使われ、通常はできないと思われる名前の偽装をも可能にした。

彼が選んだ存在は……




『オシリス「死んだふりをしてビッグサイトの内部を実況なう」』




イチリュウチームの天空竜オシリスである。

オシリスはドリスコルの不意打ちによりイチリュウチームや多くのドラゴンたちに死んだと思われていたが、生きていた。
少なくとも第六回放送までは確実に生きている。
事実として死に体ではあるがビッグサイトに連行されている。

ドラゴンズのリーダー格であった彼が死んだふりをしてビッグサイトを内部偵察しているとあらば頼もしいではないか。
難攻不落な狂信者の要塞、ビッグサイトの弱点を探ることができるかもしれない……オシリスはロリコンの変態だが嘘をつくタマじゃない……信用はできる、または見る程度なら大丈夫たろう。

――そうして信じてスレを開いたドラゴンの脳みそは焼き切られるのである。

仮に本物やイチリュウチームが気づいたとしても、オシリスや仲間であるギムレーとソウルセイバーの信頼は失墜。
三匹は疑心暗鬼になった竜たちから信頼されず、運が悪ければドラゴンネットワークへのアク禁を喰らうであろう。


「そうら、投下から五分もしない内に50匹ぐらいのドラゴンが死亡したぞ」

オシリスを信じて、もしくは深く考えずにスレを開き、脳を焼かれた竜たちの魂が死者スレに到着。
そして狙いすましたかのように現れたシャドウの影によって大半の竜が魂を吸収された。


【ライゼクス@モンスターハンター】
【タマミツネ@モンスターハンター】
【ダレン・モーラン@モンスターハンター】
【ブラキディオス@モンスターハンター】 他モブドラゴン50匹・死亡確認


『この卑怯者め!』
「災害に卑怯も何もない。ただ破壊するだけだ。
違いは……生きとし生けるものの絆とやらも破壊できることだがな」

「さあ、私が撒いた種が後でどうなるか楽しみだ。
生きる者の力は絆……他者との連携にある。
だから、ここから動けない間、連携を突き崩す準備をさせてもらおう」


18時30分現在、シャドウであった者は未だに沖縄に鎮座している。
しかし、ただ座っているだけではない。
復活させた死者三名を操り、死者スレを掌握せんとしている。
あまつさえドラゴンネットワークという領域まで犯し始めた。

クロキケモノは物理的なものだけでなく、絆をも破壊し始めたのである。




――破滅が本土に侵攻するまで、あと10時間30分。



二日目・18時30分/沖縄県】

【シャドウであった者@テラカオスバトルロワイアル十周目】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、休憩中、弱体化
【装備】聖約・運命の神槍@Dies irae 他不明
【道具】不明、混沌の騎士の魂
【思考】基本:世界の破壊
0:あの者(テラカオス・ディーヴァ)の魂の破壊
1:死者スレの掌握
2:体力と傷の回復
3:本土侵攻に備えて可能な限り参加者間の信頼を挫く
4:混沌の騎士の魂がとにかく邪魔
※シャドウが現れた沖縄ではTC値が増大しています。
※ディーヴァの捕食した能力も込みで持っているようです。
※死者スレを掌握、しかし掌握途中のため使える能力には制限がある模様。
※死者たちの召喚や使用していた装備なども使用可能、ただし掌握途中の為、制限あり。死者召喚は三人まで。
※死者スレ掌握及びディーヴァとの戦いでの傷を癒すのにリソースを割いているため弱体化中。
 更に死者スレ内の防衛にカルナが投入され、一度はテラカオスとして完成したこともある混沌の騎士の魂に内部から妨害を受けることで掌握速度が停滞。
 完全掌握に10時間30分以上の時間を要します。
※混沌の騎士のように一度は完成したテラカオスの魂は性質上、取り込めません

※ドラゴンネットワークを使ってオシリス名義でウィルスをばら撒きました。
 このスレを開いてしまったドラゴンの脳を焼いて殺します。
 大量の参加者(ネームド含む)の魂を犠牲にすることで名義を偽装し再度ウィルスを放つことができます。



※以下のキャラの魂が完全に破壊されました
 物語がどのような結末を迎えても、二度と復活できません


【安倍晋三@TCBR1】
【姫川友紀@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【歌愛ユキ@VOCALOID】
【骨川スネ夫@ドラえもん】
【河名コトミ@エデンの檻】
【十神白夜@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【カナディアンマン@キン肉マン】
【死を呼ぶ骨竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【浜田雅功@現実】
【音無キルコ@新米婦警キルコさん】
最終更新:2018年06月20日 20:41