辛くも驚異のヤンデレキモウト深雪の魔の手から逃れたクロエ。
しかし狂信者のテリトリーから脱出できたわけではない。
彼女が今いる地点は築地。
ビッグサイトからあまり離れていない場所。
(クッ……狂信者が多い……隠れながら進むのは骨が折れるわ)
流石に右も左も狂信者なビッグサイト内部と比べればマシだが、狂信者の本拠地が近い位置だけに通り道になりやすく道中に狂信者は多い。
本来のクロエの実力ならばモブ狂信者など屁でもないが、今は深雪に負わされた怪我のせいで戦闘力が落ち込んでおり、モブといえど数押しで来られた場合は苦戦必至である。
故に見つからないように隠れながら移動していたが、そのせいで中々ビッグサイトから距離を取ることができなかった。
(早くイリヤのいる都庁のヘルヘイムへ行かなければいけないのに!)
時間が経てば経つほど狂信者は軍勢を整え、都庁への侵攻を始める
その時にはルルーシュや深雪も都庁攻めに加わる可能性は濃厚だ。
ルルーシュの他人を意のままに操るギアスの力や、氷を使った魔法を使う深雪の戦闘力は驚異の一言。
いくら都庁が絶大な戦闘力を持っていたとしても事前情報なしでは犠牲は確実。
特に深雪の性格を考えると確実にイリヤを殺しに来るだろう。
(都庁が三度目の侵攻を受ける前にいち早く情報を持ち帰る必要がある!
早く行かなくちゃ……)
だが一秒でも早くイリヤと合流しなければという焦りが出てしまった結果、一瞬だけ注意力を欠いてしまい、狂信者とバッタリ出くわしてしまった。
「ゲッ」
「あなたは」
桃と黒のシンフォギアを纏ったカギ爪団の1人、レジーナである。
(まずい……戦闘やむなしか!)
正面戦闘では手負いのクロエの方が明らかに不利。
それでも交戦は避けられないと思い身構えるクロエ。
「大丈夫!? 怪我しているじゃない!」
「へ?」
「誰にやられたの? 敵はどこ!」
「えっと……」
(こいつ、私を狂信者だと思い込んでる?)
ここは狂信者の勢力圏。
普通の参加者が歩けるのがおかしいのだ。
また、深雪による情報が狂信者内にまだ拡散しきっていないのか、クロエは手配されていない。
そのためレジーナはクロエを狂信者仲間だと誤認していた。
「今から回復魔法唱えられそうなモブを連れてくるから待ってて!」
これはクロエにとって嬉しい誤算である。
シメシメと思った彼女はレジーナを欺くために嘘をつく。
「その前に侵入者の排除が先よ……あの建物の屋根の上を見て」
「屋根? どこにいるの?」
当然、屋根の上に狂信者の敵などいない。
全てはレジーナに背後を向かせるための算段である。
レジーナに狂信者仲間として保護されたところでビッグサイトに戻されるだけなので意味はない。
声を立てさせない内に暗殺する必要があった。
暗殺のやり方は単純明快。
適当な嘘で騙され、隙を見せたレジーナに背後から喉を切り裂くだけ。
レジーナが気づいていない内にクロエはこっそりと干将・莫耶を投影する。
周りに人影は無し。
暗殺は成功度は高い。
――ハズだった。
「え? なに!?」
彼女の失敗は目撃者となる人影がいるかいないかの確認ばかりに気を取られすぎたこと。
そして近くにあった『無人のバイク』が唐突に動き出すなどの、想像力に欠けていたことである。
「きゃあ!?」
「ええ?!」
無人のバイクはそのままクロエの側面から衝突し、クロエの体は衝撃によって築地の店の中にドンガラガッシャンと突っ込んだ。
レジーナは狂信者仲間がいたハズの背後で起きたアクシデントに狼狽す。
そこへ騒ぎを聞きつけた狂信者にして装者である切歌が駆けつけた。
「レジーナ!」
「切歌! これっていったい……」
「サイドバッシャーが言っていた『怪しい奴』ってそいつのことデスよ!」
「嘘……」
『俺がいなかったら危うく死んでいたところだぞ』
『サイドバッシャー』と名乗る喋る黒いバイクの忠告により、切歌とレジーナは築地に狂信者とは思えない怪しい奴がいることを教えられた。
夜の暗さも手伝ってレジーナは今まで気づかなかったが、最初の目撃者であるサイドバッシャーが近くにいたことで暗殺は阻止されたのだ。
「痛てててて……よくも!」
バイクにはねられたクロエであったが、なんとか致命傷だけは回避した。
正体がバレた以上はもはや戦いは避けられないと思い、半壊した店から出てくる前に英霊エミヤを模した衣装に変身。
そして短期決戦を仕掛けるべく、宝具を使った絶技『鶴翼三連』で一気に切歌たちを討とうとする。
「山を抜き、水を割――」
「遅いデスよ」
「は」
ところが、処刑鎌型のシンフォギアを操る切歌はそれよりも早かった。
ギアの暴走状態をコントロールするイグナイトモジュールの使用によって切歌のパワー・ディフェンス・スピードは通常形態よりも格段に強化されている。
少なくとも戦う前から重症、未強化、首輪を解除していないクロエでは勝てる道理はなかった。
待っているのは残酷な結末である。
クロエの眼前まで飛び込んだ切歌は手始めにクロエの右腕を鎌で切断。
次の刹那には返す刀で左腕を切断。
クロエの腕の付け根から噴水のような血(魔力)が噴き出す。
「い、いやあああああああああああ!!」
「レジーナを騙して殺そうとしたのが仇になったデスね!
私は今、ムショーに腹が立っているデスよ!」
友を騙して殺そうとした相手に切歌は怒りのまま、トドメを刺さんとする。
燃えるような殺意と狂気を瞳に宿し、イグナイトモジュールによって悪堕ちした魔法少女にしか見えないデザインのスーツ、それが自分の返り血を浴びている様子は、クロエには自分を殺しに来た死神にしか映らなかった。
「いやだ、イリヤ……」
恐怖で引きつった顔をしたクロエの首は、イガリマによる最後のひと振りにより体から切断されてポロリと落ちた。
しばらくするとクロエの遺体はただの魔力として消え去り、首輪だけがそこに残った。
【クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】 死亡
「危なかったわ、ありがとう切歌、サイドバッシャー」
「全てはクラウザーさんのためデスから、サイドバッシャーもそうデスよね?」
『おう、そうだな』
狂信者の敵をSATUGAIできてご満悦な切歌・レジーナコンビ。
戦果報告として二人はクロエの首輪を持ち帰り、サイドバッシャーに相乗りしてビッグサイトに帰還しようとする。
さて、読者の皆様は覚えているだろうか?
切歌とレジーナを助けたバイクであるサイドバッシャーの正体を。
――
テラカオス化により無機物への憑依能力を得た草加雅人である。
そんな彼がどうして狂信者の味方をしているのか?
クラウザーさんを信望した……わけではない。
サイドバッシャーとして新生した彼は、合流できる勢力を求めて各地を走り回った。
ところが都庁・
聖帝軍・拳王連合軍は悪い噂しかなさすぎて各所から狙われる、物置組は壊滅、イチリュウチームは物理的にボロボロ。
どこも接触は危険であり、生き残った対主催で草加が安心して戦力集めとできるところなどありはしなかった。
どこと合流すれば良いんだと考えあぐねていたところ、草加は
イチローたちとドリスコルの乗るグレートゼオライマーの戦闘を遠目で見た。
イチローたちさえ圧倒するゼオライマーの戦闘力……あの力さえあればメーガナーダだけでなく、自分に立ち塞がる敵全てを抹殺できると思った草加は考えた。
グレートゼオライマーに憑依できれば俺って無敵じゃね? と。
戦闘力だけでなく、狂信者の目的はクラウザーさんの復活である。
その技術を奪えば自分も再び人間として復活できるだろう。
蘇生できれば寿命問題も解決である。
ついでに言うと人間として復活できないと真理と結婚できないので、乾巧という恋敵が消えた今が最大のチャンスなのである。
そして草加は対主催との合流は諦め、マーダー集団である狂信者入りすることになった。
前にバドが「狂信者って行動に矛盾点多すぎ(意訳)」とか言っていたが、草加には関係ない。
頭おかしかろうが何だろうが、利用価値があるものを徹底的に利用するだけである。
自分優先の彼によって組織の善悪やスタンスなどどうでもいいのだ。
ひとまず草加は騙せそうな狂信者を探す。
その過程でコソコソしているクロエを発見し、自分を狂信者入りさせるための『生贄』に選ぶ。
偶然を装って築地を見回っていた切歌・レジーナコンビに彼女のことを教え、クロエ殺害の手助けをした見返りに狂信者入りすることができたのだ。
なお、切歌とレジーナには自分のことを死亡したモブ狂信者が使っていた支給品で、自立AIが搭載されたロボットバイクだと吹き込み、元の持ち主のためにクラウザーさんを復活させたいと嘘を言った。
また、自分のことは草加ではなくサイドバッシャーだと名乗った。
これは本名を名乗ってしまうと放送で草加の名前が呼ばれているので怪しまれる危険があるからである。
どこにカオスロワちゃんねる管理人やその手先がいるかわからないということもあった。
何にせよ、二人の少女を騙し通せた草加はまんまと狂信者入りすることができたのである。
あとは格納庫へ向かい、ゼオライマーに憑依できれば戦闘力をゲット。
会場のどこかに潜んでいるカオスロワちゃんねる管理人を抹殺し、あわよくば狂信者による蘇生手段さえわかれば草加の天下である。
『ところでさあ、切歌ちゃんとレジーナちゃんは狂信者の中で怪しい動きをする奴はいなかった?』
「怪しい人デスか?」
『ああ、さっき殺した奴みたいに仲間を騙して入り込んでいる奴がいると怖いからね』
もしかしたら狂信者の巣窟であるビッグサイトにカオスロワちゃんねる管理人が潜んでいる危険を考慮して、二人に内部のことを聞いてみた。
ちなみに大災害の原因や管理人そのものについては切歌たちには喋っていない。
切歌やレジーナを仲間として認めていないのと、自分やバドを殺そうとした手先である可能性が捨てきれないからだ。
「う~ん、さっきの不届きもの
みたいな一時的に人を騙す奴ならともかく、狂信者に長くいる人の中からは考えにくいデスね。
松ちゃんはじめ、みんなクラウザーさんのために真面目にSATUGAIしてるデスし……う~ん」
切歌は仲間である狂信者から裏切者がいるなぞ考えたくなかった。
狂信者への裏切りは人類全ての希望(切歌目線)であるクラウザーさんへの裏切りに等しく、そんな悪い奴がいるなど考えたくもなかったのだ。
「いや……私1人知ってるかも」
仲間を信じたい切歌がレジーナの発言にギョっとする。
草加もまた管理人を見つけ出す手がかりかもしれないと耳を傾けた。
「レジーナ、それってどういうことなんデス」
『教えてくれないか?』
「たった1人だけ、狂信者の中にフラっと現れてそれまで何の功績を上げたわけでもないのに不自然に慕われていた上に、いつの間にか仲間内の中で一大グループの長になった奴がいるの」
「現・カギ爪団のリーダー。仮面の男であるゼロよ」
【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】
【状態】疲労(小)、決意、首輪解除
【装備】シンフォギア「イガリマ」、イグナイトモジュール@戦姫絶唱シンフォギアGX
【道具】支給品一式、クロエの首輪
【思考】基本:SATSUGAI、自分の生きた証として絶対にクラウザーさんを蘇らせる。
0:ビックサイトに戻る
1:みんなの希望であるクラウザーさんは必ず蘇らせる!
2:風鳴翼については大いに失望
3:同じ狂信者仲間としてレジーナを大事にしたい
4:フィーネになってしまう自分の危険性を考慮し、クラウザーさんが蘇り次第、自分の命を断つ
5:ゼロを警戒し、可能なら正体を探る
※自分が新しいフィーネになると思い込んでいるのは勘違いです
よって、自分がフィーネになると勘違いしている時期からの参戦です
※サイドバッシャーを支給品と思い込んでおり、正体に気づいていません
【レジーナ@ドキドキプリキュア!】
【状態】健康、首輪解除
【装備】ミラクルドラゴングレイブ、電子星獣ドル、シンフォギア「シュルシャガナ」
【道具】支給品一式、ギラン円盤
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
0:ビックサイトに戻る
1:クラウザーさんの為にすべての人や魔物をSATSUGAIする
2:切歌に友情を感じている
3:ゼロを警戒し、可能なら正体を探る
※月読調のギアの装者になりました
※サイドバッシャーを支給品と思い込んでおり、正体に気づいていません
【草加雅人@仮面ライダー555】
【状態】サイドバッシャーに憑依、
テラカオス化進行(中)
【装備】サイドバッシャー@仮面ライダー555
【道具】カイザギア@仮面ライダー555
【思考】
基本:生き返る方法を探す・カオスロワちゃんねる管理人を殺す
0:狂信者の支給品としてビッグサイトに潜入し、グレートゼオライマーに憑依する
1:0が済んだら蘇生手段も手に入れる
2:とりあえず、乾巧の仕業にする(カオスロワちゃんねる管理人以外)
3:今年のカイザの日も祝いたい
4:仲間にする奴には大災害の原因や蒼(TC)の件を教えておく。狂信者は
様子見してから。
5:怪しいゼロの正体を探る。管理人だったら殺す。
6:乾巧が死んだので真理は俺のもの!
※大災害発生の原因とカオスロワちゃんねるの危険性を知りました
※
テラカオス化によって得られた能力として無機物への憑依能力を得ました
※生き返れるタイムリミットは(作中時間で)残り55.5日です。
再憑依のペナルティとして、一回につき蘇生タイムリミットが9.13~55.5日まで減少します。
※
テラカオス因子によって魂を現世に繋いでいるため、フォレスト・セルやツバサの治療を受けると問答無用で死にます
※カイザの日は
テラカオス因子とは関係ありません
最終更新:2018年08月11日 03:01