ここは異界の横浜スタジアム。
両軍2-2で第五回裏。異界横浜スタジアム消滅まであと30分――
拳王軍はMEIKOが抜けたピッチャー枠を補うため、チェンジ前に誰が代わりの投手になるか協議をしていた。
「本来ならレーザービームを投げられる僕がMEIKOさんの代役が務まるんだけど、MEIKOさんと違って戦闘は苦手なんだですよね……」
メジャーリーガーであるムネリンは一見するとピッチャーには最も適役に思えるが、カオスロワ式野球においては野球の上手さだけが勝利に繋がるとは限らない。
カオスロワ式野球では打者から投手への妨害・攻撃もルール的にはOKなので、MEIKOはそれで打撃を受けて退場する羽目になった。
MEIKO自体もアルティメットアーマーに守られていたがために致命傷を回避したようなものなのに、サウザーの雷霆が飛んでこようものならムネリンではひとたまりもない。
打者も投手も捕手もできるムネリンがいなくなれば拳王軍の野球における戦力はもちろん激減する。
「だったら、私がいくわ」
「え? 瑞鶴さん?」
ムネリンの代わりに立候補したのは瑞鶴だった。
「瑞鶴、あなた投手なんてできるの?」
「提督さんから仕込まれていてね、MEIKOさんほどじゃないけど自信はあるわ」
サーフは、野球選手不足という事態も考慮して、いざという時のために瑞鶴に野球を教えていた。
一通りのポジションはこなすこともできる。
『だが、
聖帝軍も疲弊しているとはいえ一筋縄ではいかないよ』
「ええ、でも私には秘策がある」
『秘策?』
「お願い、私と“最凶の野球ボール”を信じてみて」
瑞鶴もまた適当に言ったわけではなく、何か勝利への策があって物を言っているのが目から見て取れる。
その眼差しを見て、ラオウは言った。「うぬに任せるぞ」と。
そしてバッターボックスに立ったのはスタービルドストライクことガンダム。
ビームサーベルを構えている。
マウンドに立ったのは瑞鶴、しかしその手にはちょっと変わったボールが握られ……
「なんだありゃ?! ってセンターにいたサボテンの怪物じゃねえか!?」
『インドラ』
訂正。
かなり変わった巨大な球を瑞鶴は持ち上げていた。
ぶっちゃけ球の正体は夜叉鬼・メーガナーダである。
明らかに投手より大きい球、しかも意思持ち支給品とはいえさっきまで選手として出てきた者がボールの代わりとして出てきたことにレイジは面食らう。
余談だが瑞鶴が涼しい顔で巨大なこの悪魔を片手で持ちあげているのはメーガナーダが軽いのではない。
瑞鶴の膂力がそれだけ凄まじいのである。
「いったい何のつもりなのだ拳王軍?
布陣的にもレフトはおろかセンターまでいなくなって外側ががら空きじゃないか……」
「捕手が2人分いらないくらい自信があるんだと思う。
レイジ! 見た目のシュールさに騙されないで!」
「おう、全力で挑むぜ」
「あなたたちに打てる? 私と提督さん、最高のペットを!
いきなさい! メーガナーダ!!」
『インドラ!!』
瑞鶴は巨大なメーガナーダをボールとして投げた。
だが、その球速はMEIKOに比べれば明らかに遅い。
しかも大きいため、ビームサーベル(バット)を振れば確実に命中する。
(遅え! だがヒットしても殺された亜久里のケースもあるし、警戒はしとくべきか?
とにかく最初は
様子見も兼ねて振るだけ振って見よう)
メーガナーダは人間から見ると大きいが、平均18mはあるMSから見るとさほどでもない。
むしろ打つにはちょうどいいくらいの大きさだ。
レイジは警戒はしつつも、ビームサーベルを振った。
――雷変のモクシャ――
――マハザンダイン――
「なに!?」
レイジがビームサーベルを振った瞬間、飛んできたメーガナーダの殻が開いた。
複数のエイリアンでも入っているかのようなおぞましい姿を晒すと同時に、風の魔界魔法を使用。
当たりかけたビームサーベルは風の刃の衝突で弾かれ、それだけでなくガンダム自身にも襲い掛かる。
レイジは咄嗟にアブソーブシールドで防御するが、物理的な要素が強い風は吸収できないためか、盾は切り刻まれて破壊された。
その間にメーガナーダというボールはラオウが両手でキャッチをした。
「レイジ!?」
「慌てんなイオリ、俺もガンダムもまだ大丈夫だ。
……クソッ、攻撃能力を持ったボールか!」
レイジがガンプラバトルで、そしてこのカオスロワで実戦経験を積んでいなかったら、今の一投だけでガンダムは撃墜されていただろう。
ラオウから悪魔を返された瑞鶴はすかさず、2投目を投げる。
レイジは今度は悪魔が届く前に、機銃による先制攻撃を仕掛けることにした。
「バルカンを喰らえ!」
――雷変のモクシャ――
「ぜ、全然効いてねえ!」
――狩る――
「ぐゥ!!」
しかしメーガナーダは今度は殻を閉じ、命中した弾丸は全てBLOCKという文字と共に金属屑と化した。
殻を閉じた状態のメーガナーダは物理攻撃を一切無効化するのだ。
おまけに体格が非常に大きいため、ピッチャーである瑞鶴の防壁として後ろの彼女を守ってもいる。
レイジは再びビームサーベルを振ろうとするが、攻勢はメーガナーダ側にあり、拳をガンダムが握っていたビームサーベルに向けて放たれ破壊された。
「このサボテンエイリアン、良いパンチをしやがるぜ……見た目よりずっと機敏だ」
再び、ストライク。
そしてあまり間を置かずに三投目が投げられる。
レイジはここで壊れたビームサーベルの柄を投棄した。
「こいつでやるしかねえ! ビルドナックル!!」
ガンダムの右腕が光り輝く。
直撃であればハクメンをも気絶に追い込むスタービルド最大の技、ビルドナックルで立ち向かうつもりなのだ。
「ブオオオオオオオ!!」
だが、ここでメーガナーダは咆哮共に空中で高速回転する。
発動した技の名前はパワーチャージ、そしてマッスルボンバー。
前者は次の攻撃の威力を二倍にし、後者は自身の質量を使って暴れまくる物理技だ。
それがガンダムの右拳ごとビルドナックルを砕いてからラオウの両腕に収まった。
ガンダムおよびレイジのアウトである。
「クッソおおおおおおおおお!!!」
(無駄よ、あなたたちも今までの戦闘や、ドラゴンハートで強化されているのは知っている。
でも、私とメーガナーダは提督に極限まで強化されているし、特にメーガナーダはスーパーサイヤ人になれるベジータの肉も喰らってきた。
内包するパワーはそこらのガンダム以上よ)
右腕が破損したガンダムに代わり、次にチルノがバッターボックスに立つ。
しかし……
「こいつ……氷属性攻撃が効かない!」
お得意の氷を使った技でメーガナーダを氷漬けにしようと試みるが、メーガナーダは凍らない。
それもそのはず、メーガナーダは殻を開けた状態では火炎・氷結・衝撃・地変攻撃が無効になるのだ。
ちなみに閉じた状態では物理攻撃が無効である。
そして三投目にてメーガナーダから容赦ない攻撃が放たれた。
――次の魔法攻撃を強化するマインドチャージ
――からの高等火炎魔法マハラギダイン
「うわああああああああ!!」
「チルノ……!!」
氷の妖精にとって弱点とも言える火炎魔法が容赦なくチルノに直撃する。
当然、氷柱で作られた弾幕やスペカ攻撃も諸共溶かされてしまい、
聖帝軍はチルノの死を覚悟した。
「……あたいはまだ生きてるよ」
「チルノ!」
「だが、その体は……」
チルノは妖精の力を使って、メーガナーダの莫大な威力をもつ火炎魔法を防いでいた。
だが、その代償として大人の体を持っていたチルノの体は熱で溶け、または魔力を使いすぎたがために、子供の姿に戻っていた。
そのような代償を払いながらもチルノは生還はしたが、
聖帝軍はこれでツーアウトである。
「アイツとたたかったときに、何かをつかみかけてたのに、あたいってば、さいきょーしっかくだ!」
「気負うな、チルノ、俺がヒットやホームランを取ってやる」
余談だが、大人化が解除された影響なのか、チルノの知力が元の⑨に戻っていた。
最後にバッターボックスに立ったのは鎧武。
刀をバットの代わりにして挑む。
――BLOCK ――BLOCK
「クッ!」
しかし……チートライダーの一人である鎧武・極アームズのあらゆる召喚武器をもってしても、メーガナーダの硬い殻を突破することは叶わず。さらに。
――黒きバクティ
――ヴィラージュの剣
「うおおおおおおおおお!!!」
メーガナーダの必殺技の一つである、某草加似の男をも葬ったワラスボ状の食らいつき攻撃が放たれる。
鎧武は嵐のような攻撃の前に刀を全力で振って対抗。
甲冑の何ヵ所かをかじられてボロボロにはなったもの、攻撃を凌いだ。
ただメーガナーダを打つことは叶わず、スリーアウトとなってしまう。
「轟沈させる気で投げたんだけど、流石にやるわね……」
「ぐふッ……伊達に死線を生き延びちゃいないぜ」
瑞鶴はあわよくば三人を抹殺するつもりでメーガナーダを投げたのだが、三者ともメーガナーダを打てないなりに生き延びた。
ここまで生き延びたのは決して運だけではないという証左であろう。
少なくとも舐めプしたり、ゴリ押しして勝てる敵では確かであると、瑞鶴は警戒を強めた。
「ものの五分でチェンジ……まさか、誰も打つことができなかったとは」
「サウザー……」
「闇よ、俺は仲間たちを責めてるわけじゃない。ただ、あの瑞鶴とメーガナーダという奴らは侮れんということだ」
「幸いなのは僕らは後半裏の攻撃権があと一回だけ残されていること、三人の奮闘のおかげでメーガナーダに関するいくつかのデータを手に入れたこと、六回表が終わるまでになんとか対抗策を考えてみるよ」
「任せたぞ、犬牟田」
瑞鶴・メーガナーダへの対抗策はベンチの犬牟田に任せ、
聖帝軍は守備に入る。
拳王・聖帝・両軍にとっても最終回になるであろう第六回が始まる。
拳 2-2 聖
『拳王連合軍 布陣』
川崎宗則 1番ショート
クロえもん 2番サード
ラオウ 3番キャッチャー
瑞鶴 4番ピッチャー
5番レフト
メーガナーダ 6番野球ボール
翔鶴(+ロックマン) 7番ファースト
8番セカンド
9番ライト
1番ショート
葛葉紘太 2番ファースト
金色の闇 3番ピッチャー
サウザー 4番キャッチャー
5番ライト
6番セカンド
7番レフト
レイジ(+ガンダム) 8番センター
チルノ 9番サード
【
二日目・23時35分/神奈川県・異界横浜スタジアム】
【サウザー@北斗の拳】
【ターバンのボイン(金色の闇)@ToLOVEるダークネス】
【ターバンのガキ(アリーア・フォン・レイジ・アスナ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのないガキ(葛葉紘太)@仮面ライダー鎧武】
【ターバンのレディ(チルノ)@東方project】
※メーガナーダの火炎攻撃により、元の姿に退化しました
【ターバンのガキ(犬牟田宝火)@キルラキル】
【ターバンのガキ(イオリ・セイ)@ガンダムビルドファイターズ】
※負傷により退場
【拳王連合軍】
【ロックマン(光彩斗)@ロックマンエグゼ】
【翔鶴(光翔鶴)@艦これ】
【ラオウ@北斗の拳】
【川崎宗則@現実?】
【クロえもん@ドラベース
ドラえもん超野球外伝】
【瑞鶴@艦隊これくしょん】
※メーガナーダを野球ボールとして使っています
【ハクメン@BLAZBLUE】
※負傷により退場
また鎧に罅が入り、瑞鶴が持つ違法改造スマホで起動するリモコン式の爆弾を罅から入れこまれました
【MEIKO@VOCALOID】
【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【デューオ@ロックマンエグゼ4】
※負傷・気絶等により退場
最終更新:2020年06月06日 17:26