2020年8月18日
出題者:はっぴぃ


【問題】
私はいくつもの名を持つ女。でも本名を呼ばれて身体が軽くなった。
いったいどういうことだろう?



【解説】
+ ...
 山田コシ美は35歳。男の子2人の母親だ。
子ども達は「母ちゃん」と呼ぶが、酷いのは夫。
「おい」だったのが、最近は「おいブタ」に変わってきた。
「こっちゃ~ん♡」なんて呼んでたのは結婚前の遠い昔。
社宅では「奥さん」か「山田さん」だし、
子どもの友達からは「〇〇君ちのおばちゃん」、
その母親達からは「〇〇君ママ」……。

さすがにブタとは呼ばれたくなかったコシ美は、
ダイエットしようとトレーニングジムに入会した。
黙々とマシンをこなし、エアロビで汗を流す日々。
そんなある日、ジムで一番の男前と言われている渡辺コーチが
コシ美を見つめながら囁くように言った。
「コシ美さん、いつも頑張ってますよね。俺、そういう人好きですよ」
彼にとっては何気ない言葉だったのかもしれない。
でも…久しぶりに名前を呼ばれたコシ美は舞い上がって、
今まで以上に熱心にジムに通い、その結果なんと3か月で15kg減。
結婚前よりスリムな身体を手に入れた。

「今回も上手くいった笑。俺の一言でみんな頑張るんだよな。またボーナス上乗せだなー!」
渡辺コーチはチラシに載せるコシ美の「アフター」の写真を撮りながら心の中でほくそ笑んだ。

最終更新:2021年11月23日 16:06