2020年8月22日
出題者:はっぴぃ


【問題】
タカフミは思った。
「そうだ! タカヒロになろう!」と。そうすればきっと生きていける。
そしてタカフミはタカヒロになった。
いったいどういうことだろう?



【解説】
+ ...
タカフミは、かつてはひたむきで熱い夢多き青年だった。
いつの頃からだろう、何もかも上手く行かず生きる意味を見失ってしまったのは……
長く付き合っていた彼女も「もう疲れました。さようなら」の手紙を残し去ってしまった。
俺にはもう何もない。

そんな時ふとかつての夢がよみがえってきた。
「作家になりたい」。
すべてを失った悲しみを原動力に、生まれ変わったようにタカフミは書いて書いて書きまくった。
そしてついにやり遂げた。
超大手出版社「TESTEST社」主催の「ミステリー文学大賞」に選ばれたのだ。
賞金1000万円。そして映画化。
今までの大賞受賞作はどれも100万部は下らないので、印税も期待できる。
ペンネームは当時使っていた「コシノタカヒロ」名義。
夢を追っていた頃の「タカヒロ」になれた。
喜びを分かち合ってくれる人はいないが、タカフミにもう迷いはなかった。


【注釈】8月11日のはっぴぃさんの問題の続編。

最終更新:2022年01月10日 14:40