まあ、大したことない話だけど聞いてくれ。
誰かに話さないと、ストレスが溜まって期間外テストに支障をきたすかもしれないこと、この上ないんだ。
見たかったわけじゃない。見てしまったんだ。見えちゃったからしょうがないってヤツだ。
ってゆーか、あの子の声すごい通るんだよね。悪く言うと耳に障るってやつだ。
最初から後者で言えば良かったな。
で、リップクリームを塗りはじめたわけだよ。
そん時は俺も「なんか面白いことやんないかなぁー」とか淡い期待を抱いてしまった。
久し振りで忘れていた。
彼の行動のネタになるようなことで、間近で見ていて「おもしろい」なんて感じたことは一度も無かったことを。
無駄に抱いてしまった期待にも応えてくるのがテツジクオリティである。
クリームをまず、まんべんなく口唇に塗った。
そこで終わっていたなら、俺の脳裏にはこんな鮮明に彼がクリームを塗る動画の記憶は残ってない。
今すぐにでもニコニコでなんか見て上書きしたいのだが。
その後彼は続けざまに、口唇にそって2周、グルングルンと塗ったくった。
この時点で俺の抱いた、いらない期待は許容容量を満たしたわけだが、
彼はその後、上口唇に重点的にクリームを塗り始める。右左右左。
正面から見ていなくてよかった。
俺は好きな時に、見たくない対象にモザイクをつけるなんて瞳術持っていないので。
んで、そっからまた何周かグルングルンやった気がするが、許容容量を越えたとさっき言ったよね。
なのでその辺の記憶は保存できていない。
そして今日も彼はスーツを身にまとっていた。
最終更新:2008年01月11日 22:29