今日では蓬莱もシャンバラも人々の想像力が生み出した幻想郷であると認識されているが、
一方で妖怪などの伝承が根強く残る実在の幻想郷と呼ぶべき土地も存在する。
ここで紹介する岩手・遠野はまさにそんな土地である。
明治から昭和を股にかけ活躍した民俗学者・柳田国男の代表作「遠野物語」は遠野で口伝されていた民間伝承を収集し
近代民俗学に大きな影響を与えた書物である。
ここに記された「デンデラ野」など「東方」ファンに身近な言葉の数々は、この地に生きた人々の歴史の証明である。
実際に「座敷童子」が出ると噂される旅館が存在する遠野。
幻想郷は今もここにある―。