「暁王と剣姫」
序
「覚悟は出来ておるか、暁(さとる)王」
深い紫を湛えた瞳の少女が問いかける。
王と剣のシステム。それは学園で繰り広げられる地方の代理戦争だ。
同じ天下を目指す者同士、とっくの昔にその覚悟は出来ている。そうでなければこの場にはいない。
暁王と呼ばれた少年は祈りを捧げる神官のように目蓋を閉じて立っていた。その隣には藤色の鞘の刀を腰に佩いた長身の少女が控えている。
そして、返事代わりに視線で応える。
誰にも止めることが出来ない王の眼差し。
幼さすら残す面影に似合わぬ、生き残った者だけが出来るその表情に、紫の瞳の少女は満足気だ。
深い紫を湛えた瞳の少女が問いかける。
王と剣のシステム。それは学園で繰り広げられる地方の代理戦争だ。
同じ天下を目指す者同士、とっくの昔にその覚悟は出来ている。そうでなければこの場にはいない。
暁王と呼ばれた少年は祈りを捧げる神官のように目蓋を閉じて立っていた。その隣には藤色の鞘の刀を腰に佩いた長身の少女が控えている。
そして、返事代わりに視線で応える。
誰にも止めることが出来ない王の眼差し。
幼さすら残す面影に似合わぬ、生き残った者だけが出来るその表情に、紫の瞳の少女は満足気だ。
「愚問であったか。……よい目をしておるな」
惑いなどない。ただ真剣な眼差しのみで紫の瞳の少女の射抜くような鋭い視線をたじろぎもせず受け止める暁王。そこに他者の介在する隙間など微塵もないように思えた。
惑いなどない。ただ真剣な眼差しのみで紫の瞳の少女の射抜くような鋭い視線をたじろぎもせず受け止める暁王。そこに他者の介在する隙間など微塵もないように思えた。
「我が剣を受け止めよ、暁王!」