2018年7月29日 15:08:41
「――事件から一年が経ちますが、富裕層へと未だにお金が返還されていないようですね」
「やはり、どこへ消えたのか判明していないのが原因でしょう。それは――」
テレビから微かに番組の内容が聞こえていた。
証券取引所での計画は成功し、人々は混乱に陥った。
だが、それも始まりへの準備でしかない。
「『
ネームレス』、時間だ」
同志の声に返事は必要ない。彼らもその意を理解していた。
この日から我々は闘い続けることになるのだ。世界と。
着用していた薄汚い黒のフードを深く被る。それは決意の表れであり、全ての始まりを意味した。
「電波をジャックしろ」
その声と同時に、テレビの番組は違う映像へと切り替わる。
「ご機嫌よう、世界中の皆様方。私はネームレス、この世界を変革するために行動を起こす者だ」
ネームレスは淡々と語り続ける。
「今や世界は混乱の渦中と言えるだろう。何故か? 否、それは自らの私益のために動く者達がいるからだ」
この映像が、世界中へと流れていることを感じながら。
「我々はそれを許さない。まず、手始めに行ったのは富裕層から金の奪取を行った」
立ち止まることなどない。
「だが、我々はその金を貧民へと分け与えた。何故か? 否、それは全ての人間は平等であるからだ」
全ては新たな秩序を生み出すため。
「差が出るのは何故だ? それは一般人から全てを喰い尽くそうと考える奴らがいるからだ」
この縛られた世界を自由にするため。
「我々は支配を許さない。国家や力のある者は支配を行い、利益を貪る」
今、始まるのだ。
「だが、それも今日までだ。我々は共に立ち上がることができる」
世界の創造は――
「我らはAin Soph Aur、新たな世界を創る者達だ」
――私が行おう。
最終更新:2013年01月27日 00:57