二人の丘から去った後、郊外の喫茶店に入った。
こじんまりしたよそよいの小さなカフェだ
席に座り、コーヒーを飲む。やはりブラックに限るな
外見の寒さを内側から温められる。
ふと、また一人男が入店した。記憶にある男だ
男は私の後ろの席に背中合わせで着席した。
「中佐か、出世したなエマヌエル。」
エマヌエルは仕官学校時代の同期だ。KGB時代も共にいたが
私がGRUに引き抜かれた時以来の再開だった。
「馬鹿が…何で帰ってきた…。」エマヌエルは小声で呟いた。
「二人に会いに来た。今日が命日だからな。」
「そんな事はわかっている。尾行を撒いてまで来やがって…。」
呆れたようにエマヌエルは続けた
「お前には機密情報の漏洩、無許可亡命、反逆罪、甘ったれ兵士でいる罪がついてるんだからな!」エマヌエルの発言に思わず私は苦笑してしまった
「馬鹿!笑うとこか!お前は現政府の裏切り者何だぞ…!」
「悪かった、ああわかってるよ、もう用は済んだし帰るとこだ。」
「…ったく貴様と言う奴は…噂によるとまだ戦場に出てるそうだな」
「ああ、俺はまだやり残した事がある、それを見つけるまでは、な」
「どれだけ戦っても甘ちゃんは甘ちゃんだぞ…」
「ありがとうエマヌエル、皆によろしくな」
エマヌエルは私が言う事をわかっていたかのように小さくため息をついた後
「この先の駅にFSBが網を張ってる、勿論お前目当てだ。幸い空港は安全だ、
空港までは鉄道以外で行け…それだけだ。あばよ戦友…」
話終えるとエマヌエルは喫茶店を出て行った。
もう昔には戻れない、少なからず私の運命は二人の死で変わってしまった
私はこの先の何かを一生探し続けなければならないのだろう
だが、それが「俺」の選んだ道だ。
最終更新:2013年02月04日 19:25