冬木市の路地裏、次々と破壊されてく男達。
眼前には白スーツの男。
隙が丸見えのような大振りの拳を繰り出す。

「すいませんでしたぁー!」
男たちは蜘蛛の子散らすように逃げていく、男はポッケより眼鏡をかけなおすと、取り返したであろうバッグを女性に渡す。

「…あんたのだろう」
静かにバックを渡すと、男はそのまま路地裏に出た。
拳を磨きながら。

――――――――

男――花山薫は喧嘩師だ、前の世界では極道の組長をやっていたが、この世界ではそのロールは無い、少し貧困な若者と言ったところだ。

もうすぐ自身の廃れたアパートが見えてくる、眼前にし、部屋へと向か――わなかった。

花山は隣の路地裏へと向かうと一言
「遊ぼうか」
「気づいてたか」
声に反応し、闇夜に出てくるのは、男――そしてサーヴァント。

「良くわからない連れがいるようだが」
「そちらは、見事に不在か、なら!」
男のサーヴァントが剣を取り出しこちらへと向かう、花山は腕を掴み移動を制限させようとするが、倍の力で吹き飛ばされる。

「馬鹿め…サーヴァントに力勝負で勝てると思っていたのか」
男の嘲笑が突き刺さる。
しかし、花山は立ち上がる、一介の喧嘩師としての誇りをかけて。

「まだ…やるかい…」
「面白い…だが!」
再び、サーヴァントが襲い掛かる次の瞬間だった。


――――――――――

「そうはさせへんで!」
思わず、全員の動きが硬直する。
キィ…キィ…と、まるで幽霊屋敷のドアの様な音を上げて迫っていたのは――少女だった。

車椅子に乗り、こちらへと進んてきてる、直後、サーヴァントの顔が強張る、花山を無視し、少女の方へ向かっていく。

「…セットアップ!」
少女は杖を掲げ、高らかに宣言する。
直後、辺りに光が撒き散らされる。
残光が残る中、現れたのは、黒い装束を纏った彼女だった。

サーヴァントが彼女へと迫る、しかし、それより先に彼女は詠唱する。

「バルムンク!」
光の刃がサーヴァントへと突き刺さる。
動揺する男に、花山は迫る。

「俺とも…続きだ…」
そして花山は…男の令呪のある手に、必殺、握撃をかます。

「グェぇぇぇ!?」
男は悶絶し、倒れ込む、サーヴァントは既にやられた、花山は胸ぐらをつかみ一言。

「…まだやるかい」
「すいません!すいません!許してくださいいいぃ!」
さっきまでの風貌は消え、泣き叫ぶ、花山は男を離すと、腕を抑えながら逃げていった。
眼の前には、はじめの頃に戻った少女が居た。
車椅子に乗り、こちらへ向かってくる。

「…あそこまでやらんくてもよかったんやないか?」
「…どっちにしろ、消えるんだ」
「…確かに、そうやけど…ふぅ…」
一息ついた後、少女は、続きを始める。

「…自己紹介がまだやったな、うちは八神はやて、クラスはキャスター、よろしくな」
「…花山薫だ、よろしく頼む」
互いに挨拶を済ませた後、花山ははやての車椅子から離す。

「へ?ちょ」
その体勢はまるで抱きかかえられるような姿になった。

「へ、へぁっ!?マ、マスター!このかっこはいかんせん…」
「…俺の家は隣のアパートの二階だ、車椅子じゃ、やりづらいだろう」
「そのくらい自分で…」
有無を言わせず、そのまま歩いていく、そして、数秒たって、家の前に立つ。

「ここからは、大丈夫やろから、後は…」
「あぁ」
担ぎ下ろすと、壁に手を当て、部屋へと入る。
狭い間取りに詰められた畳へと座る。

「そういえば、マスターの願いは何かあるやろか?」
「…一つだけ、ある」
花山は軽く息をすい、続けた。

「あの人に…世界最強との、決着を…つける…ただそれだけだ」
「そうか…分かった…」
はやては一呼吸置き、花山の正面を向く。

「うちのできる範囲なら、マスターの為に尽くします、任せてくれな」
「あぁ」
少女の誓いは、花山へと捧げられた、時期は冬、外は雪が降っている。
奇しくも、彼女が激動に巻き込まれた時期と同じだった。

【クラス】
キャスター

【真名】
八神はやて@魔法少女リリカルなのはA's

【ステータス】
筋力D 耐久C 敏捷D 魔力A 幸運C 宝具B

【属性】
秩序・善

【クラススキル】

陣地作成:C
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 小規模な”工房”の形成が可能。

道具作成:―
このサーヴァントは道具作成のスキルを持たない

【固有スキル】

魔力放出:A+
 武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、
 瞬間的に放出する事によって能力を向上させる。
少女の身でありながら、彼女の体には、膨大とも言える魔力が蓄積されており、それを放出し、魔術などに転換する。

魔術:A
広域魔法や砲撃魔法を中心として使う。

【宝具】
『来へよ、雲の騎士(ヴォルケンリッター)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
夜天の魔導書に記された防衛プログラム、ヴォルケンリッター。
剣の騎士、湖の騎士、鉄槌の騎士、盾の守護獣を召喚する。
彼女にとっては――大切な――

『光の蛇よ、魔を滅せよ(ウロボロス)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1〜100m 最大捕捉:25人
はやてが使える魔法の中で最大級の威力を誇る。
効果範囲内に光の矢を降らせ、相手を消滅させる。
ただ、強力な分魔力消費、詠唱に時間がかかり、その分サポートなどが必要になる。

【weapon】
シュベルツクロイツ、本来なら、夜天の魔導書とともに失われていたが、ここでは普通に使用可能。
また、魔法少女に変身すると、普通に歩けるようになる

【人物背景】
海鳴市に住む、車椅子の少女。
心優しく、争い事を好まない。
――少女が見た激動は――
この冬木の様な、冬の季節だった。

【サーヴァントとしての願い】
みんなと一緒に平和に生きられた、それでいい

【マスター】
花山薫@刃牙シリーズ

【マスターとしての願い】
あの人――範馬勇次郎との雌雄を決する。

【能力・技能】
純粋なフィジカルのみで繰り出される強烈な一撃。
また、自身が生み出した技の一つ、握撃。

【人物背景】
暴力団、花山組組長。
若干14歳で父の跡を継ぐ。
いかつい風貌に見ているだけで威圧されるような体を持つ。
経歴の一方、礼儀作法や人付き合いはしっかりしており、旗付きのオムライスを頼むなど年相応の姿や、釣りが趣味の面も。
後に友人となる範馬刃牙との戦いのさなか、範馬勇次郎が乱入、結果、敗北する。
勇次郎にトラウマを植え付けられたと同時に、超えるべき敵として目標にしていく事になる。

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最終更新:2023年11月04日 23:31