お前は私に、あんな事をしたくせに。




今際の際、際で踊りましょう。








悪は、また咲く。







日曜日の、午前だった。
私と娘は、二人で買い物に行くところだった。――彼女が友達と修学旅行に行くと謂うから、私はそれに付き合った。
ふと、商店街のアーケードにボロ切れを来た人間が、立っていた。
「お、父さん」先を歩いていた娘が、いきなり斃れた。
そして私も頭になにか触れた感触があり、気絶した。





認めたくない。認めたくない。認めたくない。
日曜日の昼に、私は頭に掌を充てられて脳をいじられる。
奴は娘にあんな事をしたくせに。なぜ私は悦ぶ?悦んでいるんだ...?

憎い。
憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。

奴らは地下貯水増で、光の当たらない闇の層で。




その飄々とした姿の青年は私の大事なものを、切り刻んだくせに。
目の前で、■を切り抜いていったくせに。

それでも尚、改造させて、生き永らえさせたくせに。





それでも、私は尚、頭を掌で転がされて、それを悦んでいた。




思って、しまったんだ。




ああ。

なんて娘は、美しいんだ。
お父さんーー愛してると、
脳をいじられる私の前で、娘はそう云っていたっけ。


■■■。ああ。私も、愛してる。


気付けば、私の腕は無くなっていた。
手も、足も、ぐにゃん、と私の躰がその掌に吸い込まれ、呑まれる。



吞まれる直前に、残念だなぁ、と思っただけだ。

そして、願わくば。■を切り抜いていった奴等も同じ苦しみを味わえ。と。呪っていた。



「....どうだった?"処女作"は....?」

「いやぁ、まぁまぁかな。....そっちは?」「...うん。美味かった。」
青年と呪霊。それはその一人と一人にとって、ただの、嫌駆らせだった。


…聖杯戦争。
そんな物、いやそれは、そのついでにすぎない。



二人が召喚されたときから、運命は決まっていたのだから。



真の作品。
真の芸術。








それを表すために同意し、そして主人(マスター)、雨竜龍之介が死の際に得て従属者(サーヴァント)、真人に教えたもの。

それは人にとって大切なもの。それは真人には欠けた、天啓だった。

「――恐怖というのは、鮮度があるんだ。」そう、彼は目を輝かせて云っていた。

呪力の本質。
死というものの真贋。
野良(たいりょうぎゃくさつ)も勿論後で楽しむつもりだったが、手始めに、と云った感じだった。

そんな訳で、真人と龍之介は一日をかけ、処女作(プロトタイプ)の施策に熱中した、というわけだ。
神様は人を愛している。そして世界はエンターテインメントに過ぎない。


呪いである真人にとってそれは、天啓だったのだ。


依然、それが背景と化した老人は見たことがある。だが、真人にとってそのサンプルはあろうことかこんなことを喋り出す。

おもしろい。こんな人間がいるのか、と思った。

そして、漸回とは違い、真人によって聖杯戦争のルールを把握した龍之介は、ある提案をした。
真人は「呪い」だった。その上でキャスターのクラスを得たサーヴァント。それは両立できた。

だから、それが出来た。――魂喰い。その上位に互換するもの。
真人は人が人を憎む呪いの塊。すぐに肉体が呪力で満たされる感覚があった。この上なく、美味だったのだ。



そして、真人が気に入ったところはもう一つ。
龍之介は、あろうことか、真人に対してこう言ったのだ。

「君は呪いだろ?それって超COOLじゃん....?なら、決ーめたっ。
最期にさ、俺を作品にしてみてよ」

「ふーん...死が怖くないの...?龍之介は」



「あぁ、怖いさ。でも恐怖ってCOOLだろ?
 だから、死はエンターテインメントとして、確立しうるのさ」


「.....ふひっ。あはははは」
真人は嗤った。前世では感じえなかった、心からの快い笑顔。青空の様な、笑顔だった。

「...だろ?よろしくな、キャスター。」

人が人を憎むのに意味なんてないさ。やりたいからやる。
この脚本にルールなんて存在しない――それが「人間」(のろい)だろ?



今やお互いが教え合う、教師のような存在だった。


真人は想う。
雨竜龍之介。その男は、虎杖と真逆の男。何も考えず人を芸術にし得る。


君に、会えてよかった。真人は、心からそう思ったのだった。




その主従は、衝動に身を委ねる。
人は、相容れることはできる。

ああ、俺は。呪いだ。ごめんね、龍之介。





真人は、もう虐殺になんか興味はこれっぽっちも湧かなかった。
龍之介には恩義があるが、それに従ったままにしようとは思う。だから、彼の為に殺戮を行おう。


――だって今は。
人の為に殺戮をするのは、生まれて始めてだった。





今は龍之介を、もっとも作品にしてみたい。それは愛情だった。




龍之介は、想う。

でも、つまんないな。と、親娘の"残骸"を見て、想った。
この”処女作”のヴィジョンは、試作だった。
まだだ、まだいける。なぜかそう、思った。
恐らく、ただ殺すだけのは二度はやらないだろう。何故かそう、思った。


【クラス】
 キャスター

【真名】
 真人@呪術廻戦

【ステータス】
 筋力:C 耐久:C 敏捷:C+ 魔力:B 幸運:C++ 宝具:A

【属性】
  混沌・悪

【クラススキル】

 道具作成:B+
魔力を帯びた器具を作成する。真人は後述の無為転変による改造人間の作成の他、渋谷事変で見せた分身の作成も可能。


【保有スキル】
 呪霊の呪:A
真人が操る呪術、結界術の技を示すスキル。
後述の『無為転変』の他、これを応用した自切と切合、多重魂なども可能。
また、サーヴァントとしてキャスターのクラスが備わったことにより冬木の第四次聖杯戦争でジル・ド・レェが見せた基本的な治癒再生術・痛覚の遮断・工房の作成の行使なども可能。(大体無為転変や帳で代用は出来る)
また、生前の真人は「魂の形」を捉えられた攻撃以外は効かなかったが、サーヴァント体である以上、この特性は失われているかもしれないと彼自身は踏んでいる。

【宝具】
『無為転変』
ランク:A++種別:対人宝具レンジ:1 最大捕捉:1
真人の生得術式。触れた生物の魂を造り替え、形状や質量を無視した改造を行う。
基本的に触れられただけで魂に触れられ、触れられた者は改造されないためには魂を呪力≒魔力で保護する必要がある……が、エーテル体で出来ているサーヴァントも一度触れただけで肉体・霊格を改造できるかは未知数(真人にも分かっていない)。

『領域展開・自閉円頓裹』
ランク:A 種別:対人宝具レンジ:1~20 最大捕捉:100
自身の周囲を呪力で覆うことにより、その呪力領域内の『無為転変』を必中効果にした領域。
基本的に領域に入った者は無条件で魂に触れられる。

『遍殺即霊体』
生前が呪霊である特性上、サーヴァントとして真人は「生まれ変わった」ことになる。
よって、『今回の生』で黒閃を決めるなどにより肉体が「魂の本質」を得た時に変身できる形態。
肉体が強化され、黒閃レベルの破壊力を持つ攻撃でもない限り通らないほどの防御力と、比較にならないほどの破壊力を持つ。
(…が、これが生前の直接的な死因であるため、真人は「もう使わない」と思うぐらいには苦手意識がある。)


【人物背景】
 人が人を憎み恐れた腹から生まれた呪い。人間との相互理解は不可能。
生前は殺戮を愉しみ、人間が絶望する様が好物だった。

【サーヴァントとしての願い】
 龍之介を芸術にしてみたい。その後はどうでもいいや。


【マスター】
 雨生龍之介@Fate/zero

【マスターとしての願い】
 あともうちょいでなんか掴めそうなんだけどなぁー。

【能力・技能】
 ”死”の真贋を見たいと願う殺人鬼。 
 第四次聖杯戦争において脱落、腹腔がまろび出た自身の死の際に“黒い羽”に触れて参戦。
 此度ではリスペクトした"先人"の恩恵を経て、人間としてカリスマ的な位置に昇華している。
























今は只、君に感謝を。


嫌いだね。

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最終更新:2023年11月20日 01:57