――賽は投げられた
ガイウス・ユリウス・カエサル
◆
冬木市、道行く人々は歩道を歩いていく。
今、視点の中心になっているこの無愛想な少年もその一人。
少年が見据えた先にあるのは、横断歩道、色は赤を示している。
次の瞬間だった、子供が無邪気に飛び出す、数十字メートル先から車が走ってくる。
誰も止められるものはいない、誰もがそう思った。
しかし、少年は腕を前に出し止めた、横断歩道に足をかけたところで踏みとどまり、車は何事もなく通り過ぎる。
「…気をつけろよ」
そう言い残し、少年、桐山和雄は自宅へと向かっていた。
◆
冬木の中心部より少し外れにあるボロアパート、そこが桐山の住処だった。
鍵を開け、部屋へと入る。
音ではテレビの音がなっていた。
「…ライダー」
「おぉ、帰ってきたか、マスター」
少し、背丈の大きく、赤いジャケットを着た青年、ライダーが振り向く。
「それで、収穫はあったか?」
「特に敵マスターとの接触はなかった、それとこれだ」
桐山が取り出したのは、時代劇のDVD、それを意気揚々とライダーは手に取る。
「うむ!買ってきてくれたか!ありがとうマスター!」
「あぁ…」
幼子のように、プレーヤーにDVDを入れる。
――これが――聖杯戦争か――
桐山は窓から空を見上げる、曇天が、太陽を覆っていた
◆
――時は、ライダーの召喚時まで遡る。
「じゃあ、お主は、別の日本から来たというのか」
「あぁ」
桐山の言う、別世界の日本、大東亜共和国とここ、電脳の冬木の日本は違っていた。
言論統制はなく、ネットを見れば首相への暴言も規制されず、街を行き交う人々は生き生きとしている。
これが自由かと、桐山は理解した、しかし、彼にはわからない、自由も、正義も、立ち位置も、生まれつきで、天才で。
「…お前は俺をどう導く…ライダー…」
「そうだなぁ…なら、お前を正義の味方にしよう」
「正義の…味方?」
お誂え向き、自分とは真逆の言葉だ、バトルロイヤルで殺し合いをし、何にも殺してきた自分にとっては、免罪符にすらならない。
「お主の心の闇、私にはわからぬが、晴らすなら、善行を積み重ねる、これが1番じゃ!」
ライダーの力強い言葉に、何が押された、ポッケに手を入れ、コインを手に当てる。
――表は正義の味方に
――裏は、殺しを厭わない、殺人鬼に。
――賽は投げられた。
◆
火の鳥が、空を駆ける、人を一人乗せて、駆ける。
――賽に従い、勇者と共に、空を駆ける。
鋼鉄を身にまとい、空を――
【クラス】
ライダー
【真名】
火鳥勇太郎(ファイバード)@太陽の勇者ファイバード
【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷B 魔力E 幸運C 宝具EX
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
騎乗:C
騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせる。
特に、後述の宝具と合体した際には、更に力を発揮する。
【クラススキル】
アンドロイド:B
人工的に作られた生命であることを示すスキル。
火鳥は正しくは「形のない生命体が、人形機械に乗り移ったもの」になるのだが、こちらでの活動としての記録が多く、このスキルがついた。
知識吸収:C+
地球外生命体であるファイバードは、地球の文化をよく知らない、そのため、活発的に知識を吸収していく。
何事にも取り組めるが、勘違いからか悪事まがいに手を染める可能性もある。
【宝具】
『太陽の勇者(ファイバード及び武装合体ファイバード)』
ランク:B 種別:対城宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
天野博士開発の戦闘機、ファイアージェットと火鳥勇太郎の合体した姿、ファイバードと支援機、フレイムブラスターとの合体形態、武装合体ファイバードへと変形する。
高い攻撃力と耐久力を持ち、戦闘を安定して行える。
『宇宙駆ける勇者(グランバード及びジェット合体グランバード)』
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
発動条件 「太陽の勇者」が一時使用不可になる
ファイアージェットとフレイムブラスターが使用不可になった際、変わりに新機体、ファイアーシャトルが合体した形態、グランバード及び支援機、ブラスタージェットと合体した形態、ジェット合体グランバードへと変形する。
ファイバードの時より武装強化が施され、更に安定して宇宙でも活動できるようになった。
『偉大なる太陽の勇者(グレートファイバード)』
ランク:EX 種別:対城宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
発動条件「太陽の勇者」及び「宇宙駆ける勇者」がどちらも使用可能な状態になる。
ファイバードの最終形態、それは、すべてを凌駕する。
【人物背景】
宇宙警備隊より来た、宇宙人。
天野博士の開発したアンドロイド、火鳥勇太郎に乗り込み、そのままその名を与えられる。
同時期に活動を始めた仲間たちと共に、地球を侵略しにきたマイナスエネルギー生命体、ドライアスを捕まえに行く。
【サーヴァントとしての願い】
聖杯はいらない、別な方法でケンタ達のもとへ帰る
【マスター】
桐山和雄@バトル・ロワイアル(漫画版)
【マスターとしての願い】
無い
【能力・技能】
運動、勉学、芸術、更には初めて扱う銃器でさえも、天才レベルの技能で操る
【人物背景】
――感情のない、大量殺人者(マーダー)
【方針】
ライダーの助言とコイントスに従い、「正義の味方」に殉じる。
最終更新:2023年11月20日 02:02