――武というよりは舞、舞踏だな。
自身に対する侮辱が眼の前の個人より放たれる。
――しかし、何故石や木を…?
――もう我慢の限界だった、言葉を振り絞り、怒りを見せる。
――なんだぁ…テメェ…?
◆
冬木市夕方、町道場。
木造の道場が夕日に照らされる。
かけられてる屋号は「神心会」
「よぉーし!小童ども!気を付けて帰ろよー!」
明るい笑顔を見せるは、道場主。
眼帯をかけ、子どもたちを帰るのを見据えてる。
名を、愚地独歩
全員帰った事を確認すると、扉を締め、道場の真ん中に座る。
「さて…もう出ていいぜ」
「あいよ、マスター」
眼の前より出てくるのは、独歩よりは高齢だろ、老剣士、真剣を肩にかけ、眼の前に座り込む…
「これも何かの運命だろうな、あんたがあの佐々木小次郎だなんてよ」
「なぁに、「あの」なんて言われても、しがない老人と同じだよ」
独歩のサーヴァント、史上最強の敗者(ルーザー)、セイバー、佐々木小次郎。
かつて、ラグナロクに名を連ねた、剣士である。
「そういや、あんた、あの武蔵と合ったってのは本当かい?」
「あぁ、まぁ、いい思い出では無かったけどよ」
徳川光成が発案した、宮本武蔵のクローン、それが現代に蘇った際、現代武道の手本して呼び出されたのが独歩だった。
しかし――その反応は。
「とんだ、コケにされたよ、挙げ句に手加減までされちまってよ」
武蔵からの評は「武道では無く舞踏」、現代武道は舞踏に過ぎぬという評価だった。
「そうは思わねぇけどよ、お前さんの武道はすげぇもんだよ」
「ふっ…日本の剣豪の片割れに言われちゃ、心が救われるもんかね…」
そんな事を言いつつ、柱に隠しておいた酒を取ろうとする。
その時だった。
ドアを蹴破り、不遜に中に入ってきたのは、一組の主従。
「おいおい、これから酒だったのに…」
「まぁ、仕方ねぇ、マスター、ここはこの吾にまかせておけ」
真剣を構え、小次郎の集中力が上がる。
――敵のクラスはバーサーカー
――こっちからの攻撃は
――どう受け切る
――正面からの可能性は
一歩、互いに踏み出した。
棍棒が、捉えたと――思った次の瞬間。
サイドステップを踏み、課されたのは袈裟斬り、振り際を狙い、打たれたその技は、未熟なサーヴァントを消すのには十分過ぎるほどだった。
「まぁ、人の家に土足で踏み込んだんだ、これぐらいは覚悟してるよな?」
真剣の切っ先を見て、敵のマスターは千鳥足で逃げていった
◆
「ほらよ、祝杯だ!飲んでくれ」
「いい酒と肴だ、進む進む!」
夜もふけ、同じく道場の真ん中に座り、互いに酒を今度こそ酌み交わす。
――こんな面白い時が続けばいい、だが、帰らなければ、夏恵の元にな。
そう思いながらも、今は一時の酌み交わしに心躍らせる独歩であった。
【クラス】
セイバー
【真名】
佐々木小次郎@終末のワルキューレ
【ステータス】
筋力B+ 耐久B 敏捷A 魔力C+ 幸運B 宝具A
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、現代の魔術師では小次郎に傷をつけられない。
騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、
魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。
【固有スキル】
希望のカリスマ:B+
ラグナロクにおいて、神殺し(エインヘリヤル)に選ばれた13人の一人。
小次郎は、人類側の闘士として、初めて神殺しをなしたものとして、スキルに補正がかかっている。
仕切り直し:B
窮地から離脱する能力。
不利な状況から脱出する方法を瞬時に思い付くことができる。
加えて逃走に専念する場合、相手の追跡判定にペナルティを与える。
戦闘続行:B
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
【宝具】
『先手無双』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
あらゆる攻撃を予測し、あらゆる攻撃を先読みする小次郎が生み出し技。
それは神の意識するも凌駕し、現に、ポセイドンとの戦いで先手を取ったのは小次郎だった。
『史上最強の敗者(ルーザー)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1〜50 最大捕捉:1名
海神・ポセイドンとの戦いの際、先手無双でも読みきれぬ攻撃が発生し、諦めたその時、人類側の剣士たちの声援を受け、立ち上がり、その反撃の一手でポセイドンに勝ったという逸話からなる宝具。
この宝具に切られたものは、どんな状態であろうと、すべての回復防具を無効化し、消滅させる。
ただし、魔力消費が大きく、令呪2画分を要する。
【人物背景】
人類側の3回戦闘士。
老体で有りながら、その実力は全盛期とされ、敗者とされながら、13人の中から選ばれた実力者。
そして、彼がポセイドンに打ち勝った事により、「人類が神に勝てる」という希望の架け橋を作ることになる。
【サーヴァントとしての願い】
無し
【マスター】
愚地独歩@刃牙シリーズ
【マスターとしての願い】
帰還する。
【能力・技能】
長年の努力の末、作られた空手。
【人物背景】
空手・神心会開祖。
「虎殺し」「武神」などとの異名とは裏腹に
性格はお茶目で江戸っ子気質な愛妻家。
彼が磨いた武道の技術は、世界一のタフガイ リチャード・フィルスを砕き、天内悠の急所攻撃を耐え抜き、最強死刑囚ドリアンを屈伏させ、果ては範馬勇次郎に本気を出させるほどの実力者である。
最終更新:2023年11月21日 19:08