堕ちていく、堕ちていく。
どこまでも暗い奈落の底へと少女の魂は堕ちていく。
身体は既に動く骸。こんな身体で想いを寄せる少年の前に立てる訳が無い。
目指したモノには到底至らず。想いは告げられる事すらなく。
只々嘆きと悲哀のみが募り、心に溜まった澱みは少女の心から希望を奪い去っていく。
あたしって、ほんと────。
魂が砕け、絶望が芽吹くその刹那────。
座へと届いた少女の嘆きが、ある英霊の逆鱗に触れたッ!
◆ ◆ ◆
「え………?」
美樹さやかはキョロキョロと周囲を見回す。確かに電車に乗っていたのに、何故か廃墟に 佇んでいた。
ソウルジェムを確認すると、真っ黒に濁りきっていた宝石は、魔法少女に成り立ての頃の様に青い輝きを放っていた。
)え?なんで⁉︎」
疑問に答える者など当然存在せず、代わりに一陣の風が吹いた。
啾々と吹く夜風が、随分と前に枯死したであろう枯れ木の梢を揺らしている。
樹と風の立てる音に、亡者が呻きながら這いずり回っているかの様な気がして、さやかは我が身を抱きしめた。
風に呼ばれたのか、黒雲が空を覆い尽くし、天地を闇に閉ざす。
月も星も雲に隠された闇黒の中、さやかは恐怖に
「嗤わせる。高々この程度で絶望したのか」
不意に後ろからかけられた男の声に、さやかの全身が発条と化して後ろを向いた。
「誰よ?アンタ」
いきなりの異常事態に、引っ込んでいた澱みが、男の声をきっかけに再び表出した。
怒りと、嫌悪と、絶望とがない混ぜになった声。ナンパ目的の男なら、その場で踵を返して逃走する程に刺々しく、敵意が溢れた声。
さやかの声を受けたのは、艶やかな繭袖(けんちゅう)の布地に龍の刺繍をあしらった長衫を纏った男の姿。纏った装束からして大陸の人間だろうか。さやかの敵意を正面から浴びて、平然としている姿が、より一層さやかの癇に触った。
「この程度って‥何?何で初対面のアンタにそんな事を言われないと」
男と目が合ったさやかの声が途切れる。
佇む男の姿は、均整のとれた長身と男の麗貌とが相まって美丈夫と呼ぶに相応しい。 陽光の下、街中を闊歩すれば、老若を問わず異性の目を引くだろう。
だがさやかの言葉を止めたのは、男の容姿ではなくその眼差し。
何もかも諦めた目をしてる。空っぽの言葉をしゃべってる。
眼だけはさやかを見ているが、意識は全然別のことを考えている。
────この眼。何処かで。
さやかの思考は、男の言葉で遮られた。
「見て分からんのか?愚鈍だとは思ったがここまでとはな」
心からの蔑みが込められた男の声と表情とが美樹さやかの逆鱗に触れたッ!
「なんでアンタにそんな事言われなければ────」
言葉が途切れる。気がついた時にはさやかの身体は地面と水平に飛んでいた。
「グハッ!」
枯れ樹の一つに背中からぶつかって漸く止まる。
男の方に目を向けたさやかは、男が緩やかに足を降ろすところを見た。
距離を詰めて蹴り飛ばす。只それだけの事だが、さやかの目に映りもしなかったその速度は、正に超常存在であるサーヴァント。
「想いを寄せる相手に己の気持ちを伝える努力を何もせず、只嘆くだけ。これを愚鈍と言わず何と言う。
その程度の想いだから、他の女に奪われるのだ」
「…アンタに何が判る!こんな体で抱きしめてなんて言えない!キスしてなんて言えるわけが無いッ!」
己の嘆きを慟哭を、全て否定されたさやかの激昂は、男に更なる侮蔑と、怒りの念を抱かせた。
「判るとも。お前の絶望…ソウルジェムとやらの濁りこそが、俺の現界に際しての魔力となったのだから」
つまりこの男は、さやかの絶望を余さず飲み干して、その上でさやかを嘲っているのだった。
お前の絶望など俺を揺るがすには到底足りぬと。お前の絶望など、絶望と呼ぶに値せぬと。
「俺の妻はな、どれ程想っても想いの届かぬ愛する男に、自分の気持ちを伝える為に、獣共に自分を輪姦させた」
男の言葉を聞いてさやかはよろめいた。男の言葉は今までに受けてきた魔女の攻撃全てを合わせたものよりも重かった。
想いを伝える。言ってしまえば簡単だが、その為に取った行為が尋常のものでは無い。
そこまでして伝えたい想い。伝えなければならなかった想い。そんな想いを知っていれば、美樹さやかの想いなど、成程。高が知れていると一笑に付すだろう。
「その上で魂は五等分され、五つの電脳に収まった。そして猶も魂の欠片の入った人形を獣共に苛まれ続けた。
それ程までの事をしてあの娘は想いを伝え、そして叶えたのだ。
翻ってお前はどうだ?自分の想いを伝える為に、一体何をした?どんな犠牲を払った?」
「わ…わたし………は…」
何もしていない。想いを伝える為に何も行動しなかった。
この男が語った女性の様にしなければならないわけじゃ無い。けれども、何もしていないということには変わりがない、男からすれば、さやかの嘆きな度理解不能のものでしか無い。その事は美樹さやかにも理解できた。
「理解できたか?貴様に嘆く資格は無い」
男はさやかの慟哭を、嘆きを、ただの一言で切り捨てた。
「それにな、お前は一体何の為に魔法少女とやらになったのだ?
好きな男の不幸を嘆きを見過ごせなかったからだろう」
男の声は変わらず平坦なまま。だが"変わった''。
さやかの身体が震える。男の声に含まれたもの。大紅蓮地獄の氷ですら暖かく感じる程に凍てついた声。その冷たさの裡に込められた、焦熱地獄の焔ですらが涼風と感じられる程に熱い激情。
────殺意。
男はさやかに対し、真正の殺意を抱いているのだった。
「お前は何の為に今まで血を流してきた?
正義とやらを行う為だろう」
さやかの視界が横に流れた。男に蹴り飛ばされたのだと理解した時には、地面に転がっていた。
「男は幸を得た。お前は正義とやらを為した。ならば何故嘆く。
貴様に理解する事が出来るか?愛する女の嘆きを只見ることしか出来なかった俺の心が。
俺が彼女に捧げられる全てが彼女には塵芥程の価値も無く、自分の全てが彼女にとって無駄だと知った俺の絶望が」
さやかの襟首を掴んで持ち上げ、男は更に裡にある激情を吐露する。
「お前は一体何を嘆く。願いを叶えておいて何を哀しむ。望んだものを得ていながら、未だに足りぬと泣き喚くのか」
「け…けど、こんな身体────」
急激に遠ざかる男の姿。顔を殴られたと理解したのは、鼻梁に熱と痛みを感じてからだ。
肉体に蓄積された魔女との戦闘経験が、意識とは関係無く咄嗟に受け身を取る。
「ガハッ」
身を起こそうとしたさやかの胸を、男の足が踏みつけ、地面に縫い止めた。
「この身体は、脳を除いて生身の部位が無い。貴様は俺にはあの娘を愛する資格は無いとでも言いたいのか?」
脚に力が篭り、胸骨の軋む音をさやかは聞いた。
「俺の生きた時代はな、脳以外の生身を持たず、用途に応じて義体を変える、そんな人間が普通に居たぞ」
「グハッ………あ、あああああッ!」
胸骨と肋骨に亀裂が走る。その音の悍ましさと苦痛にさやかは絶叫した。
「痛みを感じ、傷つけば血を流す、お前の身体は正しく人のものだろう。
これでなお人の身で無いというのならあの娘はどうなる。
機械の身体に五つに裂かれた魂の一欠片をいれただけのあの娘は」
男にさやかの嘆きは理解出来ない。身体に対する概念が違い過ぎる。
男にさやかの慟哭は理解出来ない。愛する女の魂の一欠片を収めたガイノイドに、変わらぬ愛を捧げ続けた男なれば。
「身体などに拘る蒙昧な貴様には理解出来まい。真に大切なものはな、心であり………魂だ。
抱いた想いと。己を己足らしめる意志。それが人を人たらしめる」
さやかの身体が痙攣したかの様に震えた。震える唇が途切れ途切れに言葉を紡ぎ出す。
「わたしって………本当にバカ。………わたしは何も失ってなかった…願いなんてとっくに全部叶えていた………………。
後悔なんてする理由が無かった………………。なのに…そんな事に気付きもしないで…嘆いて、皆を傷つけて…アンタのおかげで目が醒めた………」
男は無言。冷え冷えとした眼差しをさやかに注いだままだ。
だがさやかの胸を圧迫する重さが緩んだのは、さやかの言葉が届いたからか。
「有難う………………………。わたし決めた。生きて帰る…必ず生きて帰って………恭介に告白する」
想いが届くかは判らない。けれども、伝えることもせずに諦めるなんて出来っこ無い。身体がどうした?この胸の内に抱いた想いは変わらず有る。それだけで充分だ。
「好きにすれば良い」
男の脚が上がり、解放されたさやかは蹌踉めきながら立ち上がった。
男を真っ直ぐ見つめて、さやかは問う。
「貴方は好きな人の為に聖杯を望むんだよね」
「当然だ。彼女が地獄を望めば地獄に落とし、世界を望めば世界を獲る。
花は彼女の為だけに咲けばいい。鳥は彼女の為だけに鳴けばいい。
彼女の為になるのであれば、世界であっても捧げよう。ましてや英霊如き」
「その事を止めはしない。けれどこれだけは誓って。マスターは殺さないって」
「マスターを殺すのがサーヴァントを斃す最も確実で安全な手段であり、サーヴァントを失っても、他のサーヴァントとの再契約が可能だと知らないのか」
「私の願いは貴方も知ってるように正義の魔法少女だから、マスターを殺す事は認められない………だから、お願い、誓って、マスターを殺さないって」
拒絶するならば令呪を用いてでも従わせる。明らかに不利になる判断だが、美樹さやかは譲らない。正義を為すために魔法少女の力を振るうと、とっくの昔に決めているのだから。
男は少しの間沈黙した。さやかを値踏みしている様な、そんな沈黙。
「………………修羅場では何が起こるか判らん。たが、善処はしよう」
「有難う」
さやかは解っていた。男が誓いを守る意思を持たない事を。 令呪を用いてでも誓わせようとしたさやかの意志を読んでの応えだという事を。
それでも構わない。人を殺させない様にするだけだ。美樹さやかは正義の魔法少女であらうと望み、その望みを叶えたのだから。
「……最後に聞かせて…貴方の名前と、願いを」
さやかの呼びかけに、背を向けて霊体化しつつあったアサシンが振り向いて言葉を紡ぎ出す。
「俺の願いなど彼女の為にのみ存在する。
『彼女の幸を永劫のものとする』此れのみだ」
男の姿が揺らぎ、虚空に溶け込む様に消えていく。
男の姿が薄らぐのに合わせるかの様に風が吹きすさび、夜気を震わせた。
唸りを上げて吹く風の中で、さやかはアサシンの名乗りをはっきりと聞いた。
「アサシン。劉豪軍(リュウ・ホージュン)」
名乗りと共にさやかに向けられた視線。
その視線がさやかの記憶を呼び覚ました。
何もかも諦めた目。それは、さやかの知る魔法少女の一人。
暁美ほむらの目と同じだった。
◆
◆
翌日。
美樹さやかと劉豪軍は、二人が出逢った廃庭園で剣を交えていた。
やっている事は剣の稽古だ。至極単純に生き残る為に、戻ってからも正義の魔法少女として在り続ける為に、さやかが豪軍に剣を教えてくれと頼んだのだ。
豪軍の身につけている武功は、丹田で練った気を練り、全身に巡らせる事で森羅万象の気道の流れに身を委ねるもの。
気を魔力と置き換えれば、魔法少女の身で有る美樹さやかにとっては、効率の良い魔力運用法になる。覚えておいて、損は無かった。
豪軍から簡単な講義(レクチャー)を受け、魔力を身体に巡らせる事を実践して、剣を交えてみるも、積み重ねた“功”の差は明確だ。
斬る。薙ぐ。突く。打つ。さやかの剣の悉くが届かない。
まるで事前に軌道を読んでいるかのように配された豪軍のレイピアに、さやかの剣はある時は抑えられ、ある時は勢いを殺され、ある時は別方向へのベクトルを加えられてあらぬ方へと流される。
豪軍の身に付けた武功の境地の一つで有る『一刀如意』、意と同時に剣を繰り出す境地に遥か遠い美樹さやかでは、さやかの意を読んで、最適の守りを為す豪軍の剣を破れない。
この聖杯大戦の間、只管に挑み続けても、それでも尚、届く事は決して無いだろうが、それでも構わない。
豪軍に師事する前より強くなれば、それは学んだ甲斐があったと言えるのだから。
『手の届かない事を嘆くより、手に入れたものを尊いと思おう』。豪軍との邂逅を経て、美樹さやかの至った心境で有る。
更に速く、もっと速く、そう意気込むさやかの剣は、確かに勢いと速度を増しつつあった。
豪軍に、遥か遠かった豪軍の身体に、剣先が近づきつつある。
────イケる!!!
そう確信した美樹さやかの頬が僅かに緩むよりも速く、さやかの視界が翻った長衫の裾に遮られた。
「戴天流。臥龍尾」
豪軍の言葉が聞こえたのは、強かに鼻を蹴られて、噴水の様に鼻血を噴きながらひっくり返った後だった。
◆
「痛たた…これでも女の子なんだから手加減しようよ」
座り込んで鼻を摩りながら、さやかが愚痴る。
よりにもよって、靴の踵で鼻を蹴られるとは思っていなかった。これは流石に酷いと思った。
「ふむ」
さやかの様子を観察していた豪軍は、身を屈めると、マジマジとさやかの鼻を見つめた。
万人が美丈夫と認めるだろう、豪軍の麗貌が至近に近づいて、さやかの頬が赤く染まる。
「もう治っているな。確かに鼻を蹴り折ったが」
「酷っ」
「治りが速いと聞いていたからな、実際に試してみた。実戦でいきなり確認するよりはマシだからな」
────ああ、そういう事。
さやかは豪軍の言葉を理解はしたが、納得は出来ない。何しろ魔力を使えばソウルジェムが濁るのだ。濁り切れば魔女になる。
「その様子だと気付いていないようだな」
「何が?」
気になる。このサーヴァントは剣の技量のみならず、頭脳も一流だ。さやかの気づいていない何かを知っていたとしても、何の疑問も無い。
「お前のソウルジェムの濁りは、俺の現界や行動を支える魔力となっている」
「何で!?」
一体何がどうしてそうなるのか、東洋の神秘ってヤツですか?
「俺がもとより反英霊だからだろう。人より恐れられ、忌まれた結果“座”へと至った身には、真っ当な魔力よりも、濁りの方が具合が良いらしい」
「じゃあ、私は────」
「ソウルジェムの濁りなど、一切気にせず魔法少女として振る舞えるという事だ」
◆
◆
無邪気に喜ぶさやかを見て、豪軍は心中に成功を確信する。
────上手くいったな。
頭部以外に決まり切った急所を持たず、痛覚もない為に、両腕を落とされても平然と戦闘続行する戦闘サイボーグをすら上回る、魔法少女の不死性。
それは、この聖杯大戦に馳せ参じた時に飲み干した濁りにより見えた記憶で理解している。治癒能力の高さも、鼻を確かに蹴り折ったのに即座に元通りになった事で確認できた。
サーヴァントに襲われても、これではそう簡単に死ぬ事はない、さやかの戦闘能力も有れば尚更だ。
此処に反英雄である劉豪軍が、ソウルジェムの濁りすらも魔力とできる事を知ったさやかは、必ず戦闘に赴くだろう。
これでさやかを囮として、敵のマスターを狙うことが可能となった。
不死ともいうべきさやかと違い、他のマスターは頭を潰せば死ぬだろう。アサシンのクラスを得た事は僥倖というべきだった。
────ああ、そう言えば。
勝利への算段が成った豪軍は、ふと、自らの行いを振り返り苦笑する。
小娘をあやし、機嫌を取り、物事が自分の思い通りにいっていると思わせて、搾取する。
────まるで女衒だな、今の俺は。
嘗て青雲帮の帮主だった身が、死んだ後に女衒の真似事とは、生前の豪軍を知る者達は何と思うだろうか。嘲笑うか、驚愕するか。
どちらにしても構わない。豪軍はそうとしか思わない。
この身が泥に塗れようと、己の名が汚名そのものとなろうと、そんな事は些事ですら無い。
只々瑞麗に幸を。それが叶わなければ、如何なる英名にも意味は無く。それさえ叶えば如何なる汚名もどうでも良いのだから。
【クラス】
アサシン
【真名】
劉豪軍(リュウ・ホージュン)@鬼哭街
【ステータス】
筋力:E 耐久:E 敏捷:E 幸運:E- 魔力:E 宝具:E(通常時)
筋力:C+ 耐久:D+ 敏捷:C+ 幸運:E- 魔力:B 宝具:B (内功使用時)
【属性】
中立・悪
【クラススキル】
気配遮断:C
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
アサシンの場合はスキルにより、初撃に限り攻撃対象に直感や感知に類するスキルがない限り、気配遮断のランクは落ちない。
元より暗殺者としての活動を行なった事は全く無いのだが、同門の弟弟子であり、義兄である男が、凶手(殺し屋)として名を轟かせていた為に、兄弟子である豪軍もこのスキルをランクが高く無いとは言え、使用する事ができる。
【保有スキル】
狂愛:A+
精神を病む程の愛。一人の女に己の全てを捧げた結果、周囲の事がな全く気にならなくなっている。精神的なスーパーアーマー。
このスキルの為にアサシンの幸運値はマイナス方向に突き抜けているが、アサシンは全く意に介していない。
このスキルは外せない。
内功:A+
呼吸法により丹田に気(サーヴァントとしては魔力)を練り、全身に巡らせて、森羅万象の気運の流れに身を委ねる技法。
このスキルが低下すれば、後述の戴天流、軽身功スキルも低下し、使用不能ともなれば、戴天流、軽身功スキルも使用不能となる。
呼吸法により魔力を幾らでも精製することができる為、実質的にアサシンは無尽蔵の魔力を持っているに等しい。
修得の難易度が非常に高く、Aランクで漸く『修得した』と言えるレベル。
使うと内傷を負い、内臓や経絡に損傷を齎す……が、アサシンは宝具により内傷を負う事が無い。
戴天流:A(A++)
中国武術の二つの大系のうちの一つ、『内家』に属する武術大系。
型や技法の修練に重きを置き、筋肉や皮膚など人体外部の諸要素を鍛え抜く武術大系である『外功』と対になる武術大系。
外功の“剛”に対する“柔”であり、力に対する心気の技である。体内の氣が生み出すエネルギー“内勁”を駆使することにより、軽く触れただけで相手を跳ね飛ばしたり、武器の鋭利さを増したり、五感を極限まで研ぎ澄ましたりといった超人的な技を発揮するほか、掌法と呼ばれる手技により、掌から発散する内勁によって敵にダメージを与えたり治癒能力を発揮したりもする。
内家掌法の絶技。胸への掌打を以って五臓六腑を四散させる。黒手裂震破と言う絶技も存在する。
内家功夫は外家功夫より修得が難しく、その深奥に触れうるのはごく一握りの者しかいない。
修得の難易度が非常に高く、Aランクで漸く『修得した』と言えるレベル。
敵手の“意”を読んで、“意”より遅れて放たれる攻撃を払う事で、“軽きを以って重きを凌ぎ、遅きを以って速きを制す”事が可能となる。
これとは逆に、意と同時に刃を繰り出す事で、通常は意に遅れて刃が放たれる為に事前に察知される攻撃を、事前に悟らせない様にする“一刀如意”の境地もある。
ランク相応の魔力放出、矢避けの加護の効果を発揮する複合スキル。
効果を引き出すには、其れに見合った内功スキルが必要になる。
アサシンは絶技に開眼してはいないが、練達の武人であり、修得した戴天流の武功は、宝具の効果により、極めた者の其れを遥かに凌駕する。
内勁の込められた刃が齎すは因果律の破断。凡そ形在るもの全てを斬断する。
内功を充分に練らなければ使用不能だが、練る事さえ出来れば、同等の功の持ち主か、宝具でもない限り防げない。
鬼眼:A
心眼(真)の上位互換スキル。
卓越した観察力と洞察力により個人戦闘は元より、組織運営、集団戦闘、対外交渉に至るまで常に先を予測し、最善の手段を取る事ができる。
武では無く智を以て青雲幇(チンワンパン)に迎え入れられ、隆盛へと導いたアサシンの持つ''智"の顕れ。
但し、予測する為には情報を必要とし、質量伴った情報で有る程予測の精度は高まる。
裏を返せば知らない事は予測出来ない。
軽身功:B+
飛翔及び移動の為の技術。多くの武術、武道が追い求める運体の極み。単純な素早さではなく、歩法、体捌き、呼吸、死角など幾多の現象が絡み合って完成する。
アサシンの縮地は宝具との組み合わせにより、技法の域を超えている。
その速度は複数の残像を伴いながら間合いを詰め、複数人数から同時に攻撃されたと誤認させる程。
アサシンにとって、間合いとは存在しないに等しいものである。
【宝具】
電磁発勁
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:なし 最大補足:自分自身
対サイボーグ気功術である。体内の氣の運行によって瞬間的に電磁パルス(EMP)を発生させ、それを掌力として解き放つ,
EMPにより電子機器を破壊する轟雷功"及び轟雷功"に耐えうるシールドを施した電子機器を瞬時に焼き切る紫電掌''が存在する。紫電掌は電磁パルスに耐えられる戦闘用サイボーグを倒す為に編み出された技である為、同ランクまでの電撃に対する守りを無効化する。
Aランク以上の内功スキルがなければ使用不能。
内勁駆動型義体
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:なし 最大補足:自分自身
生前に己の肉体を寸分たがわず再現させた、史上初の内剄駆動型義体の試作品が宝具化したもの。
アサシンの肉体をを完全に再現した義体であり、経穴まで存在する。
この為内功を駆使できるが、義体そのものの性能は、生身より多少丈夫というだけである。
人造器官の強度とパワーで駆使する内功は尽きること無く、内傷を負うことも肉体の限界に縛られることも無い、全ての流派を過去の遺物とセイバーが豪語する程。
この宝具により戴天流スキルは()内の値となる。
この身体で軽功を繰れば、敏捷の値がA++にまで引き上げられる。
絶縁体で構成されている為に電撃系の攻撃を無効化する。
しかし、首筋だけは接続端子がある為に電撃が通る。
痛みも疲労も感じず、出血も無い為に、継戦能力はかなり高い。
しかし、損傷を回復魔術で治すことが出来ず、自然回復の速度も通常より遥かに遅い。
この義体の為にアサシンを知る者達から、その実力を過小評価された逸話から、無冠の武芸の効果を発揮する。
六塵散魂無縫剣
ランク:なし 種別:対人絶技だ レンジ:1 最大補足:10人
戴天流剣法絶技。 理論上はできるようになるという事で宝具として登録されている剣技。
十の刺突を神速で繰り出すその剣閃は同時に放たれたように見えるどころか、緻密な残像が重なって一薙ぎの斬撃としてしか捉えられないほど。
弾雨を悉く撃ち落とす事さえ可能な剣技。
その実態は、体感時間の減速と、六感全てによる周囲の状況の把握、自身の精神や肉体の状態に依らず、至高至極の剣技を行使するという所にある。
無窮の武練、圏境、透化の効果を発揮、刃圏に入ったものは、全て捉えて斬って捨てる。
この絶技を発動している間、体感時間は極めて緩慢に流れるが、使用者以外からは突如として高速で動いている様に見える。
尚アサシンはこの絶技を習得しておらず、自身の功と義体とを以て速度のみを出している状態である。
【人物背景】
「花は彼女の為だけに咲けばいい。鳥は彼女の為だけに鳴けばいい」
望むならば世界の全てを手に入れる。そう思うほどに愛した妻が実際に愛していたのは自分ではなく実の兄というどうしようもない悲劇。
「兄を愛してるけど、兄は自分が幸せだと本気で思ってるから、自分の思いには気付いて貰えない」
「だから地獄に落ちた自分の姿を見せて、兄を振り向かせたい」
と妻が望んだので、実際に妻を地獄に落として、義兄で有り弟弟子でもある主人公に、妻の気持ちに気づかせようとした。
取り敢えず主人公にマカオで重傷負わせて、妻を仲間四人に輪姦させる。その後妻の脳内情報を全部吸い出して、五体のガイノイド(人間の脳内情報を入力したアンドロイド)に五分割して入力。
そして妻そっくりのガイノイドを自分の手元に置き、残りの4体は仲間に分ける。
うち一人は義兄の事を嫌っていて、女を嬲り殺すのが趣味というロクデナシだが、妻が望んだ事なので無問題。
自分は妻そっくりのろくに反応を返さない人形をひたすらひたすら愛でる。
端麗を模したガイノイドの肌に5mm傷付けられた程度で、傷付けたメイドを原型無くなる力で殴り殺す程にに愛している。
義兄が戻ってくると、仲間四人はおろか、自身が属する組織すらも妻への贄として義兄により壊滅させる。
最後は荒涼と荒れ果てた妻の邸宅で義兄である主人公と決戦。恨み言まじりにネタバレかまして主人公を精神的に嬲りながら刻み殺そうとするも、
絶技に開眼してい主人公と相打ちになって死ぬ。
最後の最後まで主人公に呪詛を吐いていた。
英霊となった事で、端麗が幸を得た事は知っている。ならばその幸を永劫不変のものとする。
それが豪軍の願いである。
CV
鈴置洋孝(旧) 速水奨(新)
【weapon】
レイピア
【方針】
聖杯を獲る。手段は選ばない。
【マスター】
美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ
【能力】
剣とか沢山出せる。見た感じはサーベル。
刀身射出したり蛇腹剣にしたり出来る。
投擲して使う事もある。
再生能力が高く、生半可な攻撃では戦闘不能になる事はない。
痛覚を遮断する事でゾンビじみた戦い方を可能とする。
ソウルジェムという宝石に魂を封入する事で、肉体の損傷や痛みを無視して戦う事を可能とするが、魔法少女としての力を使う程、精神的な苦痛を感じる程、ソウルジェムは濁っていく。
ソウルジェムが肉体から100mも離れてしまえば、肉体を制御できなくなり、肉体は只の死体となる。
【人物】
正義の魔法少女を目指した少女。色々あってソウルジェムが濁り切り魔女化する直前にこの事態に巻き込まれた。
【聖杯への願い】
帰還
【方針】
生きて帰る。アサシンには聖杯を取らせたいが、人殺しはさせない。
最終更新:2023年09月20日 23:57