――政界には、サーヴァントはいない。
そんな自分の幻想は、眼の前で打ち砕かれた。
自身のサーヴァントが、鋏で両断される。
「嘘だ…辞めてくれ…」
粒子の先から出てきたのは、人形のような少女だった。
「そ、そうだ!今の主を裏切って俺のもとに…!」
少女の眼光が光り、男を刺す。
悶え、苦しみ、首に刃をかけられる。
最後に放たれた言葉は――
「…僕の主のために…」
血が、周りに飛び散った。
――――――――
とある豪邸、その一室を、すり抜け入ってくる。
「終わらせて来たよ、マスター。」
「そうか…良くやったなアサシン。」
銀髪の男――銀田栄角は少女――アサシン、蒼星石を労った。
「奴の油断がこちらに功を奏してくれた…邪魔を早急に排除出来たのは良いことだ。」
「僕もそう思うよ。」
鋏の手入れをしながら、蒼星石は答える。
「とにかく、今日は私は床に入る、見張りは頼むぞ。」
「わかってる。」
そう言い、銀田は外へ出ていった。
――――――――
「…」
月を見上げなら、蒼星石は思う。
「あのとき、確実にローザミスティカを水銀燈に抜かれた…英霊の立場とはいえ…僕は生きている…」
忠誠を誓った主、決別した姉による本心の解明、そして、アリスゲームからの脱落。
そして、アサシンとしての顕現、今の自分にやれることは一つだ。
「…僕は、主のために、最大限の忠誠を尽くす…」
もし、今の姿を翠星石を見たら愚行だと言われるだろうか、正直、彼にも見せる顔が無い。
「…やってみせるさ…」
そして、霊体へと、沈んだ。
――――――――
「…聖杯か…」
裏社会最大の殺し屋戦争、銀田率いるCODE-EL本隊と離反者毛利班との戦い。
数、質量、全てに置いてこちらが勝っていたはずだった。
しかし、天秤は毛利に傾いていた。
翠嵐、ピンク、鵺、伊舎堂、薬師丸…その他名を挙げたアサシンは全て返り討ちにされた。
対してこちら、芦澤、最近になってジェイクが鶴城に討ち取られたのみ…明らかに劣勢だ。
あんな偽善者共がなぜこちらに勝っている?
殺しに手をかけながら良識?笑わせる。
人はいつだって残酷だ、そんなのわかりきってるだろう。
「必ずや、この戦争に勝ってみせる…どんな手を使っても…!」
この私が正しいことを、奴らに、世界に、見せつけてやる…!
蒼銀は前奏曲を奏で始めた。
悲しく、残酷な世界を表した歌を
【クラス】
アサシン
【真名】
蒼星石@ローゼンメイデン
【属性】
中庸・中立
【ステータス】
筋力:D 耐久:D 敏捷:B 魔力:C 幸運:E 宝具:D
【クラススキル】
気配遮断:D
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断は解ける。
【固有スキル】
除草:B
心の成長に邪魔な雑草を自身の武器「庭師の鋏」で切り取る能力。
「庭師の如雨露」と対極の能力を持つ。
人口精霊:B
自身の使い魔的存在、人口精霊、レンピカを従えていることを表したスキル
レンピカは夢の扉を使った他社の夢への干渉、庭師の鋏の召喚に使われる。
忠誠:A
主君に対する、絶対的な忠義を表す。
A以下のカリスマ、洗脳、精神操作といった行為を無効化する
【宝具】
『庭師の鋏』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1〜10 最大補足:1人
蒼星石の主武器の一つ。
心の成長を妨げる雑草を除草する。
あくまでも武器生成として宝具であり、実質的に前述の除草スキルとの併用となる。
【人物背景】
ローゼンメイデンの一つ、見た目や口調が中性的な人物。
冷徹であり、忠義に厚い、その忠義をかけたものためにどんな自己犠牲でもかけれる、しかし料理関連は無理な模様。
アリスゲームには興味を示しておらず、作り主であるローゼンに対しての反応も希薄。
主人に尽くす、それが彼女の信念だ。
【サーヴァントとしての願い】
栄角の願いを叶える、でも、もし自分も叶えても良いのなら、僕は――
【マスター】
銀田栄角@ヒューマンバグ大学
【マスターとしての願い】
毛利班の全滅、自分の正義を正しいものにする
【能力・技能】
優れたカリスマ性を持ち、大規模組織であるCODE-ELを纏め上げた。
また、殺し屋としての技量も高く、組織上位に居たと語られる。
まだ若いため、トップについているが、その技量は衰えていない。
【人物背景】
名家、銀田家の子息であり、CODE-EL新トップ。
性格は端的に言えば短気。
アサシンの心を無視した改革を続けた結果、毛利らアサシン達の離反者を生んてしまう。
過去の経験から、殺しの家業であるアサシンに、殺害する相手は善人だろうが悪人だろうか関係ない、誰かに死を望まれる善人などいないという思想にたどり着いた。
最終更新:2023年10月15日 19:24