月夜の空、十手百手と、四方から攻撃される。
――逃場は無いのか、嘆くのはランサーのサーヴァント。
眼前に構えて見えるは、鎌を持った少女、敵のサーヴァントだ。
なんとか離脱を試みるも、彼女の分身によって阻まれる。

――これしか無い。
宝具の発動を決意する。
直ぐ様、自身のマスターへと、目をやる。
――その光景にランサーは――絶句した。

緑髪の少女――眼の前のサーヴァントのマスターであろう女が、自身のマスターに対して刃を突き立てている。

さらに、よそ見をついた隙をつき、さらに苦戦していく。

――――――――

「さぁ、どうします?ここで死ぬか、それともあのサーヴァントを自殺させるか、どうします?どっちにしろ生きる道は無いんですけど」
夜風に緑髪をなびかせながら、少女、園崎詩音は脅しを放つ。
眼の前には自身のサーヴァント、アルターエゴが敵を嵌めていく光景――こちらの勝ちは確定している。

「で、どうし――」
人質に取っていたマスターが手を挙げる、そして、高らかに言い放つ。

――宝具を発動しろ、ランサー!

「ッ…!テメェェ!」
怒りのままに、ナイフで首を引き裂く。
血しぶきを上げ、倒れる敵マスター、しかし、敵の詠唱は既に始まっている。

――――――――

――遂に来たか!
槍を構えて、スタートの体制に入る。
たとえここで消えても、マスターの敵は取れる、主従としての役目も果たせる。

――一英霊として、私は、幸せものだ。
全身全霊、眼の前の少女を打ち砕く、確実に本体だ、これで相打ちに――

そんな幻想は砕かれた、またしても四方からの攻撃が行われる、槍兵は唖然とし、全てを体で受ける、消えていく体、最後の見た景色は。

赤く光り輝き、憎悪に満ちていた少女の目だ。

――――――――


「手を煩わせてくれて…消滅するからいいんですけど…」
手を拭きながら、空を見上げる。
彼女のサーヴァント、アルターエゴは地に足を置くと、何も言わぬまま、消えていった。
霊体化だ――

「会話の何ひとつもなしですか…まぁ、いいでしょう」
ふと、首に手を当てる――かゆみは感じない。

(この世界に来てから首の痒みを感じない…おそらく、聖杯の手引…自滅を防ぐためか…)
冷静に分析しながら、ビルの非常階段へと足を進める。

「まぁ、良いです、私は――悟史君のために勝つだけですから」
夜の月の光が、彼女の不敵な笑みを照らした。

――――――――

わたしはもうナニモカンジナイ

うらみ、ぞうお、それしかかんじない

オチたわたしのまつろ。

ダレカ――タスケ――テ

――タカ――ジま――さ――

――――――――――

【CLASS】
アルターエゴ
【名前】
郡千景@乃木若葉は勇者である
【属性】中立・中庸
【ステータス】筋力;C 耐久;D 敏捷:B 魔力:D 幸運:E-宝具;B+
【クラス別スキル】

狂化:EX
本来はバーサーカーに与えられるスキル
狂気というより憎悪に近い

忘却補正:B
 本来はアヴェンジャーに与えられるスキル
 加害者は忘れても、被害者は忘れない

【保有スキル】
勇者システム:B
神世紀、という時代において、外敵、バーテックスに対抗するため生み出された存在。
花をイメージとして採用しており、彼女の場合、花は彼岸花、武装は大葉刈である。

【宝具】
『個にして複、複にして個(七人御先)』
ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大補足:5人
精霊、七人御先の力を宿す切り札
後の満開に該当する。
自身の分身を六人召喚し、合計7人で攻撃を加えるというもの、分身がいる間は、誰がやられても復活するが、その性質上範囲攻撃に弱い
事実、バーテックスとの戦いの際には、7人中6人がやられた

【weapon】
大葉刈

【人物背景】
友は死に、罵倒され、周囲は悪化した。
少女は狂い、役目を忘れた、いや忘れた訳では無い。
彼女の怒りは仲間により沈められ救済された、しかし、これはされる前の姿――
今の彼女は、殺戮兵器のような存在である。

【マスター】
園崎詩音@ひぐらしのなく頃に

【マスターとしての願い】
悟史君と合う、そして、彼を苦しめて来たもの殺害

【人物背景】
雛見沢御三家、園崎の娘。
村から省かれた者に恋をし、今でも彼の影を追っている。
彼の為ならどんな行為でも厭わない、この村の暗部を打ち砕く為に。

【備考】
時系列は発症後からになります。
また、L5到達による自滅を防ぐために、予選期間内は侵攻と症状の進み具合が遅くなっています。
予選終了後には下に戻ります。

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最終更新:2023年10月27日 13:38