よく分かるかもしれない麻雀概要

よく分かるかもしれない麻雀概要

※知り合い向けに書いたもの

「麻雀」とは?

  1. 4人で行うカードゲームのようなもの!
  2. 14枚の手札を組み合わせて役を作って上がりを目指せ!
  3. 数ラウンド繰り返して1番点の高い人が勝ちだ!

札(牌)の種類

各4枚ずつある。

  • 数牌(シューパイ、スーハイ):1~9までの数字を表す
    • ワンズ・マンズ(萬子):萬(=万)の字があしらわれている
    • ピンズ(筒子):丸い筒のようなものがあしらわれている
    • ソーズ(索子):鳥(1)と棒(2~9) 棒々鶏(バンバンジー)と覚える(?)

数字の読み方は下から「イー・リャン・サン・スー・ウー・ロー・チー・パー・チュー・シー」
2は「アル」ではないので注意。ハイハイチャイナ!

  • 字牌(ツーパイ、ジハイ):字だけを表す
    • 四風牌(スーフォンパイ、シフウハイ)東(トン)・南(ナン)・西(シャー)・北(ペー) それぞれ方角を表す
    • 三元牌(サンゲンパイ)白(ハク、真っ白で何も書いていない)・發(ハツ、緑)・中(チュン、赤)

目指すべき手札の形

14枚の札を「3-3-3-3-2」の組に分けて、次のような形を作る。

シュンツ(順子)またはコーツ(刻子)4組+トイツ(対子)1組
  • シュンツ(順子):数の連番3つ(1萬・2萬・3萬、5筒・6筒・7筒など)
  • コーツ(刻子):同じ札3枚(2索×3、東×3など)
  • トイツ(対子):同じ札2枚(白×2、中×2など)

順子または刻子の3枚1セットを「面子(メンツ)」、2枚一組のペアを「雀頭(ジャントウ)」または「アタマ」といい、上記の完成形は「四面子一雀頭」という。

「9-1-2」のような連番で順子とすることはできない。また、字牌は順子を作ることができない。
同じ牌は4枚しかないので、2人以上が同じ牌で刻子を作ることはできない。対子であれば可能性はある。

配られた牌のうちどれを面子にしてどれを雀頭にするかを考えながら、牌を引いては捨て、引いては捨てを繰り返すのが、基本的な立ち回りになる。

ただし、この形を完成させたとしてもそれだけでは上がれず、上がるためには「役」が必要。役については後述。

ゲームの流れ

開始前

4人が四方に分かれて座る。座るとこのようになる。

 北
東 西
 南
※実際の方角とは東西が逆転しているので注意!

それぞれの座席を「東家(トンチャ)」「南家(ナンチャ)」「西家(シャーチャ)」「北家(ペーチャ)」と呼ぶ。
また、自分から見て左の人を「上家(カミチャ)」、正面の人を「対面(トイメン)」、右の人を「下家(シモチャ)」と呼ぶ。

東家は「親」、それ以外は「子」といい、「東→南→西→北→東……」の順でゲームを進める。積まれた牌を山から取るのも、牌を揃えた後ゲームを進めるのもこの順番で行う。
誰が最初の東家になるかは、ゲーム開始前にサイコロを振るなどして決める(オンラインでは自動で決まる)。

なお、自分のことを「自家(ジーチャ)」、他のプレイヤーを「他家(ターチャ)」と呼ぶ。

1局の流れ

まず、牌を山から13枚引く(オンライン麻雀では自動のため工程は省略)。ただし、親のみ14枚揃えた状態で開始する。
ゲームが始まったら、親が14枚のうち要らない牌を場(河という)に捨てる(切るともいう)。親が捨て終わったら、「南家→西家→北家→東家(親)→……」の順で山から1枚牌を引いて、要らない牌を河に捨てる。
山がなくなるまでに役を作って上がることができたら、そのプレイヤーがその局の勝者となり、他のプレイヤーから点数を獲得する。点数は上がり方と役による。
誰も上がることができなければ「流局」(引き分け)になる。
流局になったとき、手牌を確認して「あと1枚で『四面子一雀頭』ができあがる状態(「聴牌(テンパイ)」という)」になっていれば牌を全て表に晒す。なっていなければそのままにする(「ノー聴牌(ノーテン)」という)。ノーテンの人は、聴牌の人に罰符として「聴牌している人数×1000点」を支払わなければならない。
なお、山のうち14枚は「王牌(ワンパイ)」という必ず残す牌なので原則引くことができない*1

局とラウンド(風)

親と子は固定されるわけではなく、1局が終わると(正確に言えば1局の中で親が子に敗北すると)全ての方角が右にずれる。
つまり、最初に東家(親)だった人は次の局では北家に、南家だった人は次の局では東家(親)になる。
そして、親が全プレイヤーに行き渡ったら再び最初に親だった人に親が返ってくる。
このように、親は1ゲームの中で持ち回り制になっており、この持ち回りの回数に応じて「東風・東場(第1ラウンド)」「南風・南場(第2ラウンド)」「西風・西場(第3ラウンド)」「北風・北場(第4ラウンド)」と呼び方が変化する。
元々は東風から北風まで行うのが正式ルール(「一荘戦」)なのだが、あまりにも1ゲームが長すぎたため、日本では「東風」「南風」の2ラウンド制のルールを基本としている(「半荘戦」)。より早く決着をつけたい場合、1ラウンドだけを行うこともある(「東風戦」)。
たとえるなら、「『桃鉄』は楽しいけど99年もやるのは長すぎるから、30年勝負や3年決戦の特別ルールが定着したよ」といったところだろうか。

上がりの種類

ツモ(自摸)

自分で山から引いた牌で上がる場合、「ツモ」と呼ぶ。上がり牌を引いたときに「ツモ」と宣言し、牌を全て表に晒して他家から承認を得る。
点数を計算し、他家全員から点数を奪う。

ロン(栄)

他家の捨てた牌で上がる場合、「ロン」と呼ぶ。他家が上がり牌を捨てたその瞬間に「ロン」と宣言し、同様牌を全て表に晒す。
点数を計算し、上がり牌を捨てた人から点数を奪う。
ただし、上がり牌候補の中に一度捨てた牌が紛れていると、ロンで上がることはできない(フリテンという)。候補の中に1枚でもあればフリテンであり、候補が複数ある中で捨てていない牌で上がる、ということもできない。ツモなら上がれる。

親の仕様

親が上がると、1.5倍の点数ボーナスが入る。
その代わり、子にツモで上がられた場合、親は子の倍の点数を奪われてしまう。

親は、1局の中で上がることができれば無条件に親を続けることができる。
流局した場合であっても、親が聴牌していれば「判定勝ち」とみなして親を続けることができる。
子が上がるか、流局時に親が聴牌できていなければ、親番は次の人に移動する。

鳴く(食う)

原則、手札は自分で揃えることになるが、一定条件を満たした時に限り、他家が捨てた牌を拾って面子を作ることができる。これを「鳴く」または「食う」という。
鳴く場合、拾った牌で作れる面子を丸ごと場に晒さなければならない。その後、手札から1枚河に捨てる。
このように、鳴いた瞬間にその人の番になり、元々来るはずだった番は飛ばされてしまう。
オンラインでは鳴くかどうか待つことができるが、実機では迷っていると迷惑になるので注意!

鳴きはしてもしなくてもよい。鳴けば面子ができるので上がりに近づくが、鳴くと作れない(成立しない)役がいくつもあり、成立するが点数が下がる役もある。
ちなみに、1回も鳴かない状態を「門前(メンゼン)」という。

チー

手牌2枚と上家が捨てた牌順子を作れるとき、「チー」と宣言して捨てた牌を取ることができる。
上家以外から取ることはできない。
チーを行ったとき、拾った牌と同じ牌、または晒した連番の反対側の牌(筋という)を捨ててはならないとされることが多い(喰い替え禁止のルール)。
「連番の反対側」とは、たとえば「3萬-4萬-5萬」の順子を持っていて、上家が6萬を捨てたのを見て「チー」を宣言して、「4萬-5萬-6萬」の面子を場に出したとする。このとき、「3萬」が「連番の反対側(筋)」にあたる。「喰い替え禁止」は、この番でこの「3萬」を捨てることはできない、というものである(既に面子ができているのにわざと他家の牌を奪って面子を作り変えた、とされるため)。どうしてもこれを捨てたければ、1巡以上待たなければならない。

ポン

手札2枚と他家の誰かが捨てた牌で刻子を作れるとき、「ポン」と宣言して牌を取ることができる。
チーと異なり対面からも下家からも取れる。

カン

通常、面子は3枚でなければいけないが、同じ牌が4枚あるときに「カン」と宣言することで、「4枚を面子とみなす」ことを他家に示すことができる。
こうしてできた面子を「カンツ(槓子)」という。槓子はカンを宣言しない限り面子と認められない。
カンを行うと、王牌の右側の「ドラ表示牌」を1枚表にし、さらに王牌の左から1枚引く。
カンの上限は4回までで、2人以上が4回カンを行うと強制的に流局になる。1人だけが4回行う分には構わないが、5回目はできない。

カンその1 暗カン(暗槓)

自力で4枚同じ牌を引いたときに行う。他家から拾ったわけではないが、表に晒す。4枚のうち端の2枚を裏に、真ん中2枚を表にする。

カンその2 明カン(明槓)

2つのパターンがある。
1つはポンで揃えた刻子と同じ牌を自分が引いたときに、それをポンに加えて槓子にするパターン。これを「加槓(カカン)」という。
もう1つは手元に3枚あり、他家が捨てた1枚を加えて槓子にするパターン。これは「大明槓(ダイミンカン)」という。

加槓の場合は元々ポンしてあったものを増やすだけなので、面子が変わらなければドラが増えるのみ。
大明槓の場合、もし当人が鳴いていない状態で行ってしまうと、役の制限がかかる上にドラまで増えるので、当人にとって不利になりやすい。行う場合は慎重に。
ドラについては後述。

全てを紹介すると長いので、代表的なものを紹介する。
役の点数の基準となる単位は「飜(ハン・ファン)」である。これが多いほど点が高くなる。
基本的には「四面子一雀頭」が完成した上で特定の形や行動があれば役として認められるものである。

1.面前清自摸(メンゼンチンツーモー・メンチンツモ・ツモ) 1飜【面前のみ】

鳴くことなく、全て自分の引きだけで「四面子一雀頭」を完成させた場合に成立する。

2.立直(リーチ) 1飜【面前のみ】

分かりやすく言えば「あと1枚宣言」
聴牌した状態で「リーチ」と宣言し、牌を横向きにして捨てる。リーチ宣言料として1000点を場に提供する。
上がるか局が終わるまで一切手を変えることができないが、上がったときに裏ドラをめくることができる。
この一連の動作をもって「立直(リーチ)」という役がつく。
「聴牌したけど役がない!」という場合でも、リーチをすれば役とみなされるので上がれる。

なお、提供した1000点は、他家に上がられた場合はその人に奪われ、局内で誰も上がれなかった場合は次の局に持ち越される。

3.一発(イッパツ) 1飜【面前のみ】

リーチを行って1巡目以内に上がることができた場合のボーナス役。この1巡目は「自分の次の番」を含む。
ただし、1巡目が終わらないうちに他家が鳴いた場合はその瞬間に消滅する(この目的の鳴きを「一発消し」という)。

4.役牌・飜牌(ヤクハイ・ファンパイ) 1飜【食いあり】

手が完成したときに特定の字牌の刻子または槓子があれば成立する。

  1. 自分の座席の方角(「自風(ジカゼ)」)
    東家なら「東」、南家なら「南」、西家なら「西」、北家なら「北」。
  2. 現在のラウンド(「場風(バカゼ)」)
    第1ラウンド(東場)なら「東」、第2ラウンド(南場)なら「南」。ふつう西と北はここでは選ばれない。
  3. 三元牌(白・發・中)
    この3種は揃えれば無条件で役扱いとなる。

自風と場風が重なる場合はどちらもカウントされ、2飜になる
たとえば東場の東家の人が「東」を揃えて上がる場合や(「ダブ東」という)、南場の南家が「南」を揃えて上がる場合(「ダブ南」という)などがある。

5.断么九(タンヤオチュー・タンヤオ) 1飜【食いあり、ただし……】

紹介する前に、牌の区分について説明する。
  • 么九牌(ヤオチューハイ):数字の19、および字牌 揃えると点が高くなるが、揃えにくい
  • 中張牌(チュンチャンパイ):数字の2~8 揃えても点は低いが、揃えやすい
断么九は么九牌を一切入れず、中張牌だけで手を完成させると成立する。
現在の標準ルールでは鳴いて作るタンヤオ(「喰いタン」という)をありとしているが、場所によっては「喰いタンなし」のルールになっていることがあるので、よく確認すること。
(個人的には「なし」のルールの方が好みである)

6.平和(ピンフ) 1飜【面前のみ】

条件が複雑で分かりづらいが、麻雀初心者がまず目指すべき役の1つとされ、実際の対戦でも手牌でこれが作れるかどうかが立ち回りの基準になる、重要な役である。

  • 条件1:四面子が全て順子でなければいけない
    1つでも刻子や槓子が入っていると、平和にならない。
  • 条件2:雀頭(アタマ)は役牌以外でなければならない
    三元牌は無条件でアウト。四風牌も自風や場風と一致していてはダメ。数牌であれば問題ない。
  • 条件3:聴牌したときに両面待ちでなければならない
    なんだそれは?
  ↓
【上がり手の待ち方】
  1. リャンメン(両面)待ち
    数牌の連番2枚を持っていて、両端どちらかが揃えば上がれる待ち方。
    たとえば「2筒-3筒」だけがあって「1筒」または「4筒」が揃えば上がれる、という状態。
  2. カンチャン(嵌張)待ち
    数牌のうち1つ飛びの数字2枚を持っていて、間の数字が揃えば上がれる待ち方。
    たとえば「5萬-7萬」だけがあって「6萬」が揃えば上がれる、という状態。
  3. ペンチャン(辺張)待ち
    数牌のうち1と2だけがあって3がない状態、または8と9だけがあって7がない状態で、それぞれ3または7が揃えば上がれる待ち方。
  4. シャンポン(双碰)待ち
    対子が2セットあって、どちらかの3枚目が来れば上がれる待ち方。俗にシャボという。
  5. 単騎待ち・アタマ待ち
    四面子が揃っていて、雀頭にする予定の牌が1枚だけあり、もう1枚が来れば上がれる待ち方

平和の役をつけるためには必ず両面待ちでなければならず、それ以外の待ち方は許されない

以上3つの条件を全てクリアしたときに初めて成立する。
なお、上記の条件の中では触れなかったが「面前のみ」の役である。1回でも鳴くと平和はつかない。

7.一盃口(イーペーコー) 1飜【面前のみ】

同じ組の順子を2つ揃えると成立する。たとえば「2索-2索-3索-3索-4索-4索」等が手にあると成立する。
鳴いて作れれば楽だったのだが、残念ながら面前のみ。

8.三色同順(サンショクドウジュン・サンショク) 2飜【食い下がり1飜】

萬子・筒子・索子で全く同じ順子を揃えると成立する。たとえば「3萬-4萬-5萬」「3筒-4筒-5筒」「3索-4索-5索」等が手にあると成立する。
鳴いても作れるが、本来2飜のところが1飜になる。

9.一気通貫(イッキーツーカン・イッツー) 2飜【食い下がり1飜】

同じ分類の数牌で「1-2-3」「4-5-6」「7-8-9」の順子を揃えると成立する。
ただし、「1-2-3-4-5-6-6-7-8-9-9」のように揃えた場合、「1-2-3」「4-5-6」「6-7-8」の三面子、「9-9」の雀頭とみなされてしまい、成立しない。必ず面子の形を確認する必要がある。

10.対々和(トイトイホー・トイトイ) 2飜【食いあり】

四面子全てを刻子にすると成立する。鳴いても作ることができ、同じ牌3つを4セット揃えて後は雀頭2枚、という分かりやすい形なので覚えやすい。
同じ牌3枚は中々揃わないので、基本的には鳴いて作る役になる。
というか、面前のみでこれを作り上げてしまった場合、トイトイどころではなく、「四暗刻」という役満になる(後述)。

11.七対子(チートイツ・チートイ) 2飜【門前のみ】

対子を7セット揃えると成立する。
「四面子一雀頭」の形にならない珍しい役だが、作りやすく、相手からも読みづらい。

13.小三元(ショウサンゲン) 2飜【食いあり】

三元牌のうち2種を刻子に、1種を対子にすると成立する。
表向きは2飜だが、字牌の刻子が必ず役に加わるため、実際は最低でも4飜になる。

12.混一色(ホンイーソー・ホンイツ) 3飜【食い下がり2飜】

1種類の数牌と字牌のみで上がると成立する。「1色染め」「染め手」ともいう。
仕組みこそ簡単だが、捨て牌が明らかに1種類少なくなるため相手から非常に読まれやすく、自分で引く牌も偏っていないといけないので、実際はかなり上がりにくいむやみに狙うべきではない。

13.清一色(チンイーソー・チンイツ) 6飜【食い下がり5飜】

混一色から字牌を抜いたもの。
当然上がりにくいだけでなく、手牌が数字だらけになるせいで上がり牌が分かりづらくなりがちで、フリテンに陥ることもよくある。

特別枠:ドラ

上がったときにこの牌が入っていると、枚数×1飜分のボーナス点がもらえる。
ドラ自体は役ではないため、ドラだけで上がることはできない。

ドラの対象牌

一般的なルールでは、王牌で表になっている牌(表示牌)の次の牌が対象牌になる。
誰かがカンを行うと表示牌が増えるため、ドラも増える。

例)
  • 表示牌:2筒→ドラ:3筒
  • 表示牌:9萬→ドラ:1萬(9の次は1とする)
  • 表示牌:東→ドラ:(東→南→西→北→東→……)
  • 表示牌:中→ドラ:(白→發→中→白→……)

裏ドラ

リーチを行って上がったときに限り、ドラ表示牌の下に隠れている牌もドラ表示牌として認定することができる。これを「裏ドラ」という。
対象牌は普通のドラと同じ。
実際にめくるまではどの牌が対象か分からないため、完全な運要素である。ポケモンでいうなら技が急所に当たるようなものか。

赤ドラ

数牌の5のうち1枚を赤くして、特別にドラとするルールが存在する。これを「赤ドラ」といい、対象となる5を「赤5(あかご・あかウー)」という。
赤ドラとドラ・裏ドラは重複する。

麻雀では飜に加えて符(フ)という点数計算式があり、同じ飜でも符によって点数が異なる。
長くなるのでここでは省略する。

満貫

一定以上の飜および符があるときには、点数計算を中止し、決まった点数を与える。これを「満貫(マンガン)」という。
3飜70符以上4飜40符以上、および5飜の役があるときに「満貫」になる。
満貫より上もあり、次のようになる。

呼び名 読み方 飜数 子の点数 親の点数
満 貫 マンガン 上記 8000 12000
跳 満 ハネマン 6〜7 12000 18000
倍 満 バイマン 8〜10 16000 24000
三倍満 サンバイマン 11〜12 24000 36000
役 満 ヤクマン 13〜  32000 48000

役満

飜数が13以上になると「役満」というが、これは通常「数え役満(カゾエヤクマン)」という。
数え役満とは別に、その役を作っただけで即「役満」と認定される特別な役がある。通常はこちらの方を「役満」という。
役満になる手を上がった場合、役満以外の役を複合させることができない。当然ドラも加算しない。
また、本当は役満なのに別の役を宣言して上がった場合は役満にならない。オンラインでは発生しないが、実機では注意しよう。本当なら役満なのにタンヤオと宣言したりすることがあるのだから……
滅多に完成させることができないので、上がれたら自慢しよう。

主な役満

1.四暗刻(スーアンコ)【門前のみ】

最も完成させやすいとされる役満。
全ての面子を刻子にした上で、これを門前で(鳴かずに)完成させると役満になる。
なお、既に4つの暗刻が揃っている状態で雀頭だけを待つ場合は「四暗刻単騎(通称スッタン)」といい、ダブル役満(点数は役満の倍)とするルールもある。

2.国士無双・十三么九(コクシムソウ・シーサンヤオチュー)【門前のみ】

么九牌は合計13種。この13種を1枚ずつ揃え、残り1枚も么九牌で揃えると役満になる。
つまり「1萬/9萬/1筒/9筒/1索/9索/東/南/西/北/白/發/中」+「左うち任意の1枚」の形を作ればよい。
雀頭予定の牌が既に2枚ある状態で足りない1枚を待つのが一般的だが、先に13種揃えた状態で残り1枚を待つ形は「十三面待ち」と呼ばれ、ダブル役満とするルールもある。
ただし、この役を狙おうとすると他の役に派生させることができず、乾坤一擲の勝負を仕掛けることになる。

3.大三元(ダイサンゲン)【食いあり】

小三元の進化形。
三元牌を全て刻子で揃え、上がりの形まで持っていければ成立する。
三元牌の刻子3種だけがあっても他が揃っていなければ上がれないので注意。

4.緑一色(リューイーソー、オールグリーン)【食いあり】

發と、索子の2、3、4、6、8が緑色なので、それらの牌だけを使って上がると役満になる。
同じ索子でも1、5、7、9が入ると役満にはならない。
なお、これはアメリカで採用されていた役を日本でも導入したものと言われている。

5.九蓮宝燈(チューレンポウトウ)【門前のみ】

1種類の牌のみを使い、「1-1-1-2-3-4-5-6-7-8-9-9-9」の13枚を揃え、残り1枚を同じ種の牌のうち1〜9までのどれかにして上がると成立する。
形が非常に美しく、「天衣無縫」「ヘブンズドア」の別名もある。
ちなみに、上記の形で聴牌すると1〜9までのどれかを待つことになる(九面待ち)。この場合「純正九蓮宝燈」といい、ダブル役満とするルールもある。
九蓮宝燈は、低確率かつ役の形の美しさから、上がれるだけの運を使い果たしたとされるため、上がると死ぬ役とも言われる(プロの中には生涯で5回上がった人もいるらしいが)。

立ち回り考

1.平和(ピンフ)主義者を目指せ

平和は、条件が複雑な割に作りやすい役として知られ、数々の役と複合して結果的に高い点数を叩き出すこともできる、便利な役である。
平和を目指すことで、「連番の確認」「牌の残し方」「待ち方の吟味(両面にできるかどうか)」など、様々なスキルを学ぶこともできる。
トイトイやホンイツは上りの形が分かりやすいが、形の割に上がりにくい。
麻雀に慣れようと思うなら、まずは平和を目指してみるのがよい
意識して平和を完成させられたら、麻雀の面白さが一段と理解できるようになるだろう。

2.鳴きはほどほどに

鳴くと簡単に面子が作れるので手が作りやすくなるが、上がれる役や点数に制限がかかる。
より高い点を取りたければ、やはり鳴かずに手を作るのがよい
もちろん役牌など、鳴かないと難しい手もあるので、手牌とよく相談するように。

3.聴牌即リー?それとも?

一姫の口癖「聴牌即リー」とは、聴牌した番に即座にリーチをかけて上がりを待つ速攻スタイルのことをいう。
だが、リーチはご存知の通り「一度発動すると、誰かが上がるか流局になるかするまで、一切手を変えることができない」という大きな弱点を抱える。
他家の狙っていそうな牌だろうが、欲しかったドラだろうが、お構いなしに切るしかないのだ。ポケモンでたとえるなら「げきりん」状態である。
その代わり、もし上がれれば裏ドラチャンスを得ることができる。

このように、リーチは諸刃の剣であり、即リーを好む人もいれば、手牌や河をよく見て慎重にリーチを仕掛ける人もいる。
ちなみに上級者は、リーチした他家の捨て牌から上がり牌をある程度予測するようになる。せっかくいい手を作れてリーチまで行けたのに上がれなかったという場合、上がり牌を勘づかれてわざと捨てずに手牌に抱えられていた(ガメるという)ということもあるかもしれない。
リーチをするかしないか、また、他家のリーチをうまくくぐり抜けられるかもまた、麻雀の面白さの1つなのだ。
(ちなみに私はリーチせずに上がる(ダマ上がりという)のが好きなので、卓を囲むときには意識されたい)
最終更新:2024年04月18日 08:22

*1 もともとは王の墓に見立てたものらしい