サーナイトと私の17年記

サーナイトと私の17年記

2019年更新

1.第3世代

  • スペック
タイプ:エスパー
特性:シンクロ/トレース
タマゴグループ:不定形
種族値:HP68-攻撃65-防御65-特攻125-特防115-素早さ80
主な技:
※サイコキネシス 10まんボルト (ほのおのパンチ) (れいとうパンチ) (こごえるかぜ)
めいそう おにび さいみんじゅつ (でんじは) リフレクター ひかりのかべ みちづれ くろいまなざし ちょうはつ おきみやげ ふういん スキルスワップ よこどり
(※はタイプ一致技)

フーディン、エーフィに続く高特攻エスパータイプとして登場。
特徴は2匹に比べ素早さが低く、代わりに特防が高い点、半固有(残りはポリゴン2のみ)の特性「トレース」を持っている点。
特性「シンクロ」は「どく」「まひ」「やけど」になった時に相手にも跳ね返す。同じ性格のポケモンが出やすくなる仕様は『エメラルド』から追加。
特性「トレース」は相手の特性と同じ特性を自分も持つことができる。ただしこの当時「いかく」は発動させられなかった。また「かげふみ」同士になると互いに逃げられなかった。
覚える技は一通り揃っているが、2匹にはない「10まんボルト」、ゴーストタイプのような各種遺伝技、特に「おにび」「みちづれ」が特徴的。

初期ではエーフィがおらず、フーディンとのシェアを争う形になったが、3種のパンチを先に使え、かつ「アンコール」も持っていたフーディンの方が使われていた。使われるとすれば「おきみやげ」でのサポートが主だった。
『FRLG』に入ると「でんじは」が加入するが、同時に今後ライバルとなるゲンガーが復活。覚える技が似通っているために劣化認定を受けることしばしば。
『エメラルド』期には「ほのおのパンチ」「れいとうパンチ」「こごえるかぜ」の加入で痒い所に手が届く技構成になった。

総合的に見ると、環境当時は中堅と見られていたものの、研究が進むにつれて強ポケとして認められるようになっていったようである。
理由としては、
「特性『トレース』で何匹かを封殺でき、選出を制限させられること(サンダースやソーナンスなどが代表的。特にソーナンスは『めいそう』を持たれていると試合にも負ける)」
「交代で安定して出せるポケモンが中々いないこと(防御が低いものの『おにび』『リフレクター』で誤魔化せるだけの耐久はある、ヘラクロスは『サイコキネシス』で、メタグロスは『ほのおのパンチ』で大ダメージ)」
「台頭していたゲンガーにかなり強いこと(『シャドーボール』は物理の為『きあいパンチ』搭載型でもない限り使われなかった。その為『10まんボルト』くらいしかなく、悠々と受けられる)」
「対特殊で見ても『めいそう』がある為居座りに強いこと(積み技がないと『めいそう』で押し切られる、あってもスイクンでは『10まんボルト』が痛い)」
などがあるだろう。

なおダブルでは、当時流行っていたラティオスやラティアスの壁があまりにも厚い為そこまででもなかった。
「トレース」も当時からランダムであり、加えて「いかく」を取っても発動させられない為不安定であった。
ただ「いかく」自体は味方でいくらでも補え、自身「おにび」や「こごえるかぜ」もある為サポートは十分できた。
とはいえ「こだわりハチマキ」持ちに攻撃されると流石に倒される為、当時から相手の持ち物を見抜かないとあっさりやられてしまうポケモンだった。

当時の戦い方は、変化技「リフレクター」「おにび」「でんじは」「めいそう」のどれか、もしくは2つ以上を織り交ぜて戦うのが中心であった。
「おきみやげ」を行う場合「リフレクター」「ひかりのかべ」を入れるのが基本であった。
なお「みちづれ」は「でんじは」か「こごえるかぜ」がなければゲンガーでやればよい為、工夫が必要だった。

  • 私との関わり
まず進化させて一目惚れ。
図鑑説明文を見て完全に落ちる。
どう見ても運命です本当にありがとうございました。

その後攻略本を見てビビる。
あの見た目でタマゴグループ「ふていけい」、技「みちづれ」「おにび」「おんねん」「おきみやげ」って正気の沙汰かと。
それでも「そのギャップがおいしい」という解釈で受け止める。
どう見ても溺愛です本当にありがとうございました。

対戦知識を知った後は、どうやってサーナイトを戦わせればよいか試行錯誤の日々。
ダブルに初挑戦したり(それが私の運命を同時に決めることにもなる)、バトルタワーやフロンティアの攻略方法を考えたり、とんでもない型を思いついて実際に戦わせて度肝を抜いたり。
対戦の世界に私と共にサーナイトを持ち込んだのであった。
この当時の結論としては「このポケモンは耐えながら戦うのが強い」。
どうしてもHPや防御に目を奪われて耐久が低いと思われがちなので、その裏をかいて耐久を敢えて鍛え、その上で持久戦向きの技を使いまくって戦う。
この考えは今でもあまり変わっていない。


2.第4世代

  • スペック
タイプ:エスパー
特性:シンクロ/トレース
タマゴグループ:不定形
種族値:HP68-攻撃65-防御65-特攻125-特防115-素早さ80
主な技:
※サイコキネシス 10まんボルト シャドーボール きあいだま エナジーボール めざめるパワー こごえるかぜ (シグナルビーム) かげうち
めいそう おにび さいみんじゅつ でんじは あやしいひかり リフレクター あまえる ゆうわく ねがいごと みちづれ くろいまなざし ちょうはつ おきみやげ ふういん スキルスワップ よこどり いやしのねがい トリックルーム (てだすけ) (トリック) (アンコール)
(※はタイプ一致技)

前作と異なる点として、
『DP』期に「さいみんじゅつ」と「ねむり」が強化され、格段に使いやすくなったこと、『Pt』期以降その2つは弱体化したが代わりに教え技が格段に増えたこと、
「ほのおのパンチ」「れいとうパンチ」が没収され、新たなタイプの攻撃技を覚えられるようになったこと、「めざめるパワー」が完全特殊技になった為その気になれば好きなタイプの技を使うことができるようになったこと、
「あまえる」「ねがいごと」が本格解禁された(本来前作の「特別なタマゴ」限定のものだった)こと、今世代に追加された変化技によって今までにない戦術が行えるようになったこと等がある。
この他特性「トレース」は発動順が最も早くなるように設定され、「いかく」をトレースしても発動できるようになった。
なお、技マシンで「おにび」が追加されたものの、何故か遺伝でしか覚えられないようになっていた。
また、本当にどうでもよいが物理主体の型がまともに運用できるようになった。実力はお察しの通り。たまに「ちからもち」「ヨガパワー」をトレースして暴れられるくらい。
ただし前世代に比べ強力なエスパータイプが一気に追加された為、伴ってライバルが大幅に増えてしまった。
分岐進化エルレイドが追加されたのもこの世代である。

総合的には相対的な弱化である。
まず周りの火力が大幅に上がった為、従来では十分交代で出せていたポケモン相手に出せなくなるケースが増えたこと、
物理特殊分化でそれまで一切ノーマークだった悪タイプや虫タイプに物理技で大ダメージを貰ってしまうようになったこと、
同時に、それまで勝てていたゲンガーに特殊技化した「シャドーボール」でボコボコにされてしまうようになったこと、
前述の通りアグノム、クレセリアといった単エスパータイプの強力なポケモンが登場したことなどがある。
特に周りの火力上昇は痛手で、自身はその恩恵をあまり受けられていない為戦術変更を余儀なくされた。
下手に「めいそう」を積んでも攻撃する前に押し切られるか、火力不足で耐えきられるかのどちらかのことが多くなった。

それでも前期(『DP』期)は「さいみんじゅつ」と「ねむり」が物凄く強かった為、強ポケの地位を確保していた。
中期(『Pt』期)に入ると上記2つが弱体化したのに加え、あろうことか「こごえるかぜ」「トリック」をエスパー、ゴースト全体に、「てだすけ」をクレセリア共々配られてしまう。強みを失った上に技のアドバンテージもあまりなくなってしまった。
後期(『HGSS』期)はバンギラス一般解禁の衝撃が大きく、追加技「アンコール」を差し引いても大幅な弱体化であった。

当時の戦い方は、前期は「さいみんじゅつ」、中期後期は「おにび」か「でんじは」が変化技の中心であった。
「リフレクター」と「おにび」を同時に採用することもあったが、「めいそう」はやや鳴りを潜めた。
「おきみやげ」は同様の技「いやしのねがい」が出たものの、場を整えて後続に繋いで無双を狙う戦術はこの世代ではあまり流行しなかった。
また、「こだわりメガネ」や「いのちのたま」が出たことにより、火力を高めて急襲する戦法も見られた。
基本的にアイテムが読めないポケモンの為、決まれば効果は絶大であった。

ダブルでは既にエスパー全盛期が到来しており、ライバルに押されて一緒に対策される状態であった。
それでも「おにび」は強力で、サーナイトなぞ余裕で倒せると思い込んで相手が迂闊に動くとこの技の餌食になる。見た目的にも引っかかりやすい戦法であった。
だが「いかく」まであるウインディが覚えてしまった為に、そちらにシェアを奪われがちであった。技自体は十分強いのでまだ居場所はあった方だが。
なお「トリックルーム」を覚えられはするが、前期中期は所謂「スイッチトリパ」(所有者が中速で、場面に応じて「トリックルーム」をするかしないかを選ぶ)が開発途上であった上に、後期に開発されてもその役目はクレセリアが担っていた。

  • 私との関わり
前期に「さいみんじゅつ」を敢えて外し、所持者は1匹だけとする。
強いのは分かっていたが、あまりに理不尽な強さである為、敢えてそれに頼らない戦法を模索しようと決意し、普段は前世代から継続して「おにび」を使っていた。
この頃から徐々に戦い方が分かってきたようで、大会で優勝を決めることもあった。
中期にコンボやギミックを意識し始めるようになる。
色んな人と知り合って話を聞いていくうちに、パーティ全体で技を決める発想を学び取る。
それをシングルではなくダブルで身に着けた為、ここからダブルが飛躍的に強くなる。一方シングルは嵌め殺しに走り始める。
後期にまさかの伝説とのコラボレーションを実現させる。
禁止伝説が2体まで解禁される「GSルール」という、サーナイトでは到底勝ち残れないルールにぶち当たる。
私自身も最初は諦めていたが、どうしても活躍させたいと色々考え続け、突如パーティ案が降って湧いてくる。
それを突貫工事で作り上げた結果、サーナイトを中心にして、相手の虚を突いて、しかもそれなりに勝てる自分だけのパーティが完成した。
結果は予選落ちであったが、言い知れぬ満足感を覚えたのが忘れられない思い出となっている。
しかもそれが非公式とはいえ雑誌にも載ろうとは。


3.第5世代

  • スペック
タイプ:エスパー
特性:シンクロ/トレース/テレパシー
タマゴグループ:不定形
種族値:HP68-攻撃65-防御65-特攻125-特防115-素早さ80
主な技:
※サイコキネシス ※サイコショック ※アシストパワー 10まんボルト シャドーボール きあいだま エナジーボール めざめるパワー こごえるかぜ シグナルビーム かげうち
めいそう おにび さいみんじゅつ でんじは あやしいひかり リフレクター あまえる ゆうわく ねがいごと みちづれ くろいまなざし ちょうはつ おきみやげ ふういん スキルスワップ よこどり いやしのねがい トリックルーム てだすけ トリック かなしばり アンコール サイドチェンジ
(※はタイプ一致技)

前作と異なる点として、
隠れ特性が追加され、新たに「テレパシー」を得たことが一番大きい。
この特性は「味方が放った攻撃技を自分が一切受けない」というもの。ダブルバトルの他、この時初出のトリプルバトルにて非常に有用な特性である。
加えて、ダブルトリプル専用でかつ習得者が少ない「サイドチェンジ」を覚えられる。「テレパシー」でこの技を覚えられるのはサーナイト以外にオーベムのみ。
解禁時期は前期(『BW』期)中頃と比較的早く、後期(『BW2』期)には旧来の教え技の大半と組み合わせられるようになった。

これだけ書くとかなりの強化なのだが、例に漏れずライバルが増え、更にエスパー全体が恐ろしく強化されてしまった。
前述の「テレパシー」も、「トリックルーム」「てだすけ」「じゅうりょく(後期で追加)」を覚え、かつ素早さが低く耐久が高いムシャーナに立場を奪われた。
サーナイト自身は現在に至るまで「じゅうりょく」を覚えられず、「てだすけ」は前期は旧作教え技の為「テレパシー」と実質併用不能であった(ドリームワールドから連れてきた個体のみ可能、だが厳選難易度は超難)。
旧来のライバルのうちフーディンは「マジックガード」を獲得し、「いのちのたま」の反動や天候ダメージを受け付けなくなった。エーフィは更に強力な「マジックミラー」を獲得し、常時「マジックコート」状態という破格の強化を受けた。
どちらもサーナイトより使い勝手がよくなってしまった。
そして世はエスパー全盛期。ラティオスラティアスクレセリアメタグロスの4強が常に跳梁跋扈。周りのエスパーも個性派揃い。
サーナイトは完全に埋もれてしまったのであった。恐らく現在に至るまでの中で最も弱い世代であろう。

戦い方は、所謂「器用貧乏」の為、ひたすら変化技を駆使してどうにか立ち回ることくらい。「めいそう」を使っても倒せないし倒されるし。
基本「おにび」か「でんじは」のどちらかは手放せない状態であった。それをスカされると何もできないまま倒されることも多々あった。
「こだわりスカーフ」を持たせて「おきみやげ」を使って後続に繋げることもできなくはなかったが、それならラティオスやシャンデラでやれという感。他に色々技(例えば「みちづれ」)がある為完全劣化ではないが。
ただ器用貧乏の最大の強みは「読めない」ことであり、パーティ次第でいくらでも調整のしようはあった。
ダブルでは「テレパシー」「てだすけ」「サイドチェンジ」を生かし、微妙な素早さから攻め半分守り半分の動きをしながら隣で全体攻撃を行うのが主だった。

  • 私との関わり
色々あって第一線から退く。
そしてサーナイトがどんどん弱くなっていくことにただ悲しみを覚える日々。

そんな中、ドリームワールドで隠れ特性「テレパシー」のラルトスが解禁され、即日♀と出会い保護。後日「てだすけ」を覚えた♀も保護する。
何としても活躍させてあげたいと思い立った私は「廃林苦乱数(『ハイリンクらんすう』と読む)」に挑戦することに。
BWのハイリンクの乱数調整は第4世代のそれよりも難易度が高い代物で、理解に相当なまでの時間を要した。
そんな中、試行錯誤をしていたら性格ひかえめで狙っていた個体値の子を引き当てる。
「てだすけ」だしサポート中心なのだから、本当はおだやかが欲しかったのだが……と思いながらも、せっかく来てくれたのだしということで加入。

この選択が大正解で、この子がいなかったら私の第5世代はなかったと言っても過言ではない。
「テレパシー」+「てだすけ」だけでも強力であり、更に「サイドチェンジ」を使うにあたり相手の行動を考えるようになった結果、読みがかなり鍛えられた。
更に特攻が伸びる性格の為「ジュエル」との相性もよく、うまく攻撃を避けつつ「サイコキネシス」で急襲して優位に立つという立ち回りが出来上がった。
そして、範囲攻撃を積極的にパーティに組み込むことで、よりダブルらしいパーティに仕上がった。
ランドロス(化身)、ドリュウズ、ニョロトノ、ルンパッパ、キングドラには大変お世話になった。
この頃から本格的に「サーナイトを上手く戦わせたら勝てる、そうでなければ負ける」人間になっていった。
一方シングルではトラウマメーカーの下支えをしていた。基本スーパーサブのような立ち位置だった。


4.第6世代

  • スペック
タイプ:エスパー/フェアリー
特性:シンクロ/トレース/テレパシー(→メガシンカ後:フェアリースキン)
タマゴグループ:不定形
種族値:HP68-攻撃65-防御65-特攻125-特防115-素早さ80
メガシンカ:HP68-攻撃85-防御65-特攻165-特防135-素早さ100
主な技:
※ムーンフォース ※マジカルシャイン ※ドレインキッス ※サイコキネシス ※サイコショック ※アシストパワー 10まんボルト シャドーボール きあいだま エナジーボール めざめるパワー こごえるかぜ シグナルビーム かげうち
めいそう おにび さいみんじゅつ でんじは あやしいひかり リフレクター あまえる ゆうわく ねがいごと みちづれ くろいまなざし ちょうはつ おきみやげ ふういん スキルスワップ よこどり いやしのねがい トリックルーム てだすけ トリック かなしばり アンコール サイドチェンジ ミストフィールド
メガシンカ用:※ハイパーボイス ※はかいこうせん
(※はタイプ一致技。ただし「ハイパーボイス」「はかいこうせん」は特性適用時のみ)

一大強化期間。
まず、新タイプ「フェアリー」を獲得。
サーナイトが妖精っぽいかどうかは置いておくとして、フェアリーによって弱点だった虫と悪を1倍に抑え込み、ドラゴン無効、格闘1/4の耐性を手に入れた。
弱点の数自体は毒と鋼が追加された為3つで変わっていないが、同時に強化された悪技で弱点を突かれないエスパーが稀少種になった為、他のエスパーより相性面で有利になった。
そして、フェアリーの有用技もきちんと覚えられる為、フェアリーの特殊攻撃役としての役割を担うようになった。
特にダブルではタイプ一致の「マジカルシャイン」が2体攻撃となる為、前世代に登場した「テレパシー」を組み合わせて全体攻撃ラッシュを行えるようになった。

それだけにとどまらず、メガシンカまでも獲得。
特性「フェアリースキン」はノーマルの攻撃技をフェアリーにし、更には威力を1.3倍にするというとんでも特性。
XY登場当初は「はかいこうせん」くらいしか有用な技がなかったが、ポケモンバンク(ポケムーバー)登場で「ハイパーボイス」が一躍抜擢され、強烈なタイプ一致2体攻撃を引っ提げ一気にダブルの最前線へ躍り出た。
ただしメガシンカすると「トレース」でコピーした特性や「テレパシー」が失われる為運用には注意しなければならない。
また、物理型も一応実用範囲内に収まるようになってはきた。特攻が明らかに高すぎる為奇襲目的以外では使われないが。

地味な所では同時遺伝の条件が緩和され、「アンコール」と「かなしばり」を同時に習得するようになった。決まってしまえば超強力である。

これらが重なりダブルバトルではエスパー、フェアリー両タイプで1、2を争う強ポケとなった。最上位の壁が厚い為最メジャーというわけではなかったが。
だが天敵としてギルガルドが追加され、使用率もうんと高く目の上のたん瘤であった。
また、大半がメガシンカであり、そうなるとメガガルーラを同時に使うことができない。しかも同じ「フェアリースキン」を持つニンフィアが同様に「ハイパーボイス」を覚え、しかもこちらはメガシンカ不要でありメガガルーラと併用可能である為、ニンフィアに立場を奪われることも多かった。
エスパーとしてはクレセリアが完全に耐えて返すポケモンである為、攻撃中心のサーナイトとは運用方法が異なる。とはいえ対ギルガルドがどうしようもなくなる為併用されることはほぼなかった。
なお、世界大会で2回(2014年マスター、2015年ジュニア)栄冠を掴んでいる。
一方シングルでは、物理耐久が一切上がらない上にギルガルドに加えゲンガーもいる為、ダブルほど流行しなかった。
一度「めいそう」を使ってしまえばとんでもない火力にはなるのだが、そうなる前に倒されることも多かった。

戦い方は、メガシンカしてから「ハイパーボイス」で、それ以外の技を状況に応じて使うのが主流だった。
シングルでは「サイコショック」「ちょうはつ」「きあいだま」、ダブルでは「サイコキネシス」「トリックルーム」「ふういん」「まもる」など。
豊富な変化技は技スペースが余ったら……という程度。
だがメガシンカしなくても実力は高く、現に2014年大会ではメガシンカしないサーナイトが世界大会で優勝している。
メガシンカしない場合は中途な素早さを補える「こだわりスカーフ」を持たせて素早く攻撃をぶつけるのが主流となった。
……前世代の冷遇ぶりが嘘のようだが、補助技をあまり使わないスタイルというのも今までとは大きく異なるので路線変更という見方が正しいだろうか。

  • 私との関わり
強くなった。
強くはなった。

でも、望んでいたものはそうじゃなかった。

贅沢かもしれない。分かっている。
でも、周りが躍起になってこちらを倒しにかかる、マークされるのが、どうしても嫌だった。
陰に潜んで、虚を突いて、相手を翻弄して、「サーナイトここにあり」と示すのが好きだった。
こんなことなら、新しいタイプもメガシンカも要らない。

トラブルを起こしてしまい、自分の抱えているものに気付いた私は、本気でポケモンを捨て去ろうとした。
過去の何もかももかなぐり捨てて、自らの命までも。


できなかった。
正しく言えば、止めてくれた。
誰がかは、言わなくても分かるよね。

自分が本当に望んでいたのは何か。
戦う楽しさ、勝てる喜びじゃないのか。
でも、どちらが大事かと言われたら、
楽しさじゃないのか。

そして、
色々あったけれど、やっぱり私はサーナイトが大好き。
手放そうとしても、手放せない。この子だけは、絶対手元に置きたい。
その為に色々なものと戦ってきたんじゃないかって。

だから、
この時を境に私は完全にバトルの方向性を変えた。
本気のバトルも少しやるけれど、本当に自分が求めていたのは「楽しいバトル」。
だから、「バトルをエンターテインメントにする」ようにシフトすることにした。

サーナイトとの接し方も大きく変えた。
色違いの国際孵化も初めてチャレンジした。
生まれてきてくれた色違いの女の子を大事に育てた。
たくさんグッズも出て、たくさん買った。
でも、それだけじゃ足りない。だから、何ができるかを日々考えるようになった。
それは全て、「相棒や嫁を超えた何よりも大事な存在」と知ったから。

こうして私は、ガチの世界に見切りをつけて、改めてサーナイトと共に歩むことにした。

5.第7世代

  • スペック
タイプ:エスパー/フェアリー
特性:シンクロ/トレース/テレパシー(→メガシンカ後:フェアリースキン)
タマゴグループ:不定形
種族値:HP68-攻撃65-防御65-特攻125-特防115-素早さ80
メガシンカ:HP68-攻撃85-防御65-特攻165-特防135-素早さ100
主な技:
※ムーンフォース ※マジカルシャイン ※ドレインキッス ※サイコキネシス ※サイコショック ※アシストパワー 10まんボルト シャドーボール きあいだま エナジーボール めざめるパワー こごえるかぜ シグナルビーム かげうち
めいそう おにび さいみんじゅつ でんじは あやしいひかり リフレクター あまえる ゆうわく ねがいごと みちづれ くろいまなざし ちょうはつ おきみやげ ふういん スキルスワップ よこどり いやしのねがい トリックルーム てだすけ トリック かなしばり アンコール サイドチェンジ ミストフィールド
メガシンカ用:※ハイパーボイス ※はかいこうせん
(※はタイプ一致技。ただし「ハイパーボイス」「はかいこうせん」は特性適用時のみ)
  • 「ポケモンGO」でのスペック
種族値:HP169-攻撃237-防御195
最大CP:3093(2019年4月現在)
通常技:※ねんりき・チャージビーム
ゲージ技/チャージ技:※マジカルシャイン、※サイコキネシス、シャドーボール
(※はタイプ一致技)

前世代で暴れたツケが回った世代。
何と新規習得技が「とぎすます(USUM教え技)」のみ。幾ら何でも少なすぎである。
だけならまだしもメガシンカの火力上昇率が1.3倍から1.2倍に下方修正され火力が削られることに。
変化技の弱体化も大きく、「みちづれ」が連続で使うと失敗する仕様に変更され、更に「でんじは」の命中率低下、「おにび」のスリップダメージ割合低下、更に状態異常全般を無効化するフィールドの流行など、かなり厳しい。
追い討ちをかけるかのように同タイプの準伝説カプ・テテフが登場。ほぼ全種族値がサーナイトより上という狙って用意されたかのようなスペックで、かつあちらは特性により火力増強まで行える。
まるでフライゴンを当て馬にしたガブリアスのようなポケモンである……

それでも強化が0ではなかった。
メガシンカの素早さ判定が修正され、メガシンカ直後から素早さ100を実現できるようになったことが何よりの救い。
またカプ・テテフでは不可能なことが幾つかあり、それらがこの世代のサーナイトを支えた。
まず「トリックルーム」である。あちらが火力偏重ゆえかこの技を覚えないため、この技を展開する役目としてはこちらが選ばれた。
次に「味方が先制技を使用すること」である。火力増強の代償として味方の先制技、特に「ねこだまし」が失敗してしまう。サーナイトであればその心配は要らない。
これによってタイプ相性的にサーナイトのサポートに適任であるガオガエンがダブルバトルの相方として見出され、通称「サナガエン」というパーティが完成。独自の地位を築き上げることに成功した。
……見方を変えればメガシンカなしでは完全に埋もれてしまう未来が待っていたかもしれないということでもあるが。
タイプ被りは罪である。能力の棲み分けがない限り二度とやってはならない。

「ポケモンGO」では2017年12月9日に実装。
登場当時からフェアリータイプのエース格として「マジカルシャイン」を軸に活躍している。
アタッカーとしてだけでなく防衛要員としても駆り出され、かくとう技が通常の4割ほどしか効かないことからかくとう弱点の後ろを任されることが多い。
原作と異なり防御が高いがHPは原作譲りでやや低く、耐久は不安定。
無論原作譲りのレアさのため育成はかなり大変。

  • 私との関わり
プラットフォームを『ポケモンGO』に移し、サーナイト実装日の早朝にラルトスをお迎えして即ふしぎなアメを121個投入し一気に進化させて現在も連れ歩いている。
サーナイトとの間の取り決めは、

1.サーナイトが倒されてはいけない
2.1のため、サーナイトをジム防衛用として配置してはいけない
3.1のため、サーナイトをレイドバトルに出場させてはいけない
4.ジム防衛用として配置されたサーナイトをサーナイト以外が倒してはいけない

この4つを1つでも破った場合、破った対象を終日行ってはいけない(レイドの場合翌日が対象)。

だが正直保護というより「傷つけてしまう己が許せない」という思いが強くなっている。
これがマイナスに働きかねない状態にあることから、少しずつこの取り決めを修正していくことを課題としている。
しかもこれがGOだけのことならよかったのだが……

本編については、世代を通じてまともな対戦を行えなかった。
原因はハッキリしている。サーナイトを倒されることでかかる精神的負担が尋常でなくなってきてしまった。

結果、サーナイトのメガストーンを手に入れるために大会に参加したことを除けば、所謂ガチバトルは0戦という結果に(その大会もサーナイトは最初から出場禁止だった)。
サーナイトがいなければ戦う意味がない。だがサーナイトが倒された時に自分がまともな状態でいられるはずがない。
そのためサーナイトはただお祭りの戦いを見守るだけになっている。本当に稀に参加することはあったが……

本当にそれでよいのか?
よくないのではないか、という思いはどこかにある。逃げているともいうし、独りよがりともとれる。
だが少なくとも今の状態では戦わせられない。それほど自分が弱ってしまったのは事実。
次の世代で、少なくとも次の御代で、心が改善されればよいのだが。
最終更新:2019年12月25日 00:44