何処だ・・・ここは・・・?

ゆっくりと目を開けると我は不可思議な液体の中に入っていた。
全体的に緑がかっているが不快感は無い。
むしろ心地よいくらいだ。
酸素マスクらしき物をつけていないが、普通に呼吸はできる。
一体何なのだこれは・・・・?

「お~、ようやく目が覚めたか」

その時一組の男女が現れた。
一人は狡猾的な表情を浮かべている、白衣を着た男。
もう一人は何かの制服をらしき物を来ている、ウェーブがかかった薄紫色の長髪の女

「誰だ貴様らは・・・・?」

「おっと、そんなに警戒しないでくれたまえ。
一応これでも君の命の恩人なのだからね」

その男は不気味な笑顔を浮かべながらそう言った。

「命の恩人だと・・・・?」

「そうだ。私の娘が仕事の帰りに傷だらけの君を見つけてね。
そのままにしておくのも忍びないので、ここに運ばせてもらったよ」

傷だらけの我を運んだだと?
そんな事はありえん筈だ・・・。
我はあやつとの戦闘に敗れ、この身諸共消え去った筈・・・。

「ふむ・・・信じられないと言う顔をしているね。
まあ、無理も無いだろう。
君は左腕を失っているうえに、瀕死の重傷をおっていたんだ。
普通ならば死んでもおかしくない状況だよ。
それに・・・・」

「ドクターそろそろ・・・・」

男の言葉を遮るように、さっきまで口を黙っていた女が口を開いた。

「おっと、もうそんな時間か・・・・。
すまないが私も仕事があるのでこれでおいとまさせてもらおう。
取り敢えず君はゆっくりと休みたまえ。
何か必要であればそこにいるウーノに頼むといい。」
白衣の男は後ろにいた女を指差し、この部屋の出口と思われる所へと向かった。

「そうそう・・・、もし良ければ君の名前を教えてくれないかな?」

途中で振り返りながら男は私にそう問うた。

「魔術師・・・・荒冶宗蓮・・・・」

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最終更新:2008年12月23日 02:00