Girl of Fate&Blade Worker1 ―――
赤い影が疾風のように大地を駆け、双刃が煌く度に光の矢は次々と撃ち落とされていく。
対して上空からそれを猛追する金色の影。
落とされてなお倍する雷弾を赤い外袴の男に放ち続ける。
アーチャーと金髪の少女の戦いは既に始まっており、サーヴァントである男をして苦戦を強いられる少女の技が冴えを見せていた。
「ぬぐっ!?」
魔弾の的を散らすため、動き回ろうとする弓兵に何かが絡みつく。
少女の技量もさる事ながら、弓兵を真に苦しめていたのは所々に設置されていた罠。
その空間に踏み込んだ瞬間、手に足に絡み、肉体を拘束せんとするチェーン型の捕獲魔法であった。
(もう一人いるか……いや、この足音は人間のものではない)
どうやらこちらが藪を抜け、平地に出てから仕掛けてきたのも相手の計算のうちだったようだ。
舌打ちする弓兵。 幾多のトラップが仕掛けたここにみすみす追い込まれてしまうとは……
相手は、幼女と舐めてかかれる技量ではない。
信じられない事にあの歳でサーヴァントと刃を交えるに不足無い実力を持っている。
窮地に追い込まれたアーチャーが、何時もの様に己が運命を双剣に賭ける―――のだが……
(まったく……子供相手にとんだ醜態だな)
ド級のフェミニスト気質、少女にドキドキ体質、どうやら共に死後にも持ち越されたようである。
彼がまず超えなければならない壁。
それは女のコを相手に本気で喧嘩をしなければならない―――
その背徳感と尽きせぬ葛藤であった事は言うまでもない。
――――――
――――――
管理局の技術でも超えられない、境界に隔てられた2つの世界。
異世界同士がロストロギアの力によって絡み合い、邂逅を果たしてより1ヶ月―――
ミッドチルダにおける最強戦力「魔導士」と、第97管理外世界……否、ガイアといわれる星の意思によって現世に蘇った英霊。
死の盤上に上げられた開戦の狼煙より、既に激突する事三度。
いずれも死闘と呼ぶに相応しい闘争の極限を場に映し出す。
しかして此度のそれは間違いなく、異なる世界の者が出会ってより起こった最大規模の戦闘行為に他ならず
互いの叡智と、歴史と、誇りと、意地を以って相手を屈服させる、闘争を超えた戦争であった。
盤上にて踊る両世界の駒達。 もはや彼らの殺し合いは止め得ぬ所まで来てしまったのだろうか?
運命のサイコロが無情なまでに彼らを弄ぶ中で―――
最古の王と狂えし亡霊の終の序曲が奏でられる。
War1 ―――
「我の事を姑息に嗅ぎ回ったのであれば、我が宝物において居並ぶ対城宝具の数々―――当然、識り及んでいよう」
数百の弾幕が絶え間なく飛び荒ぶ戦場。 その中で英雄王ギルガメッシュが敵に問うた。
対城宝具―――それは一般に騎士王のエクスカリバー等、膨大な出力で対象を薙ぎ払う破格の神具に付けられる称号である。
城といっても近世に残る力の失った遺跡ではない。 古の防壁がまま生きた要塞クラスの代物を指しての物だ。
故にそれを一撃で薙ぎ払う神威の宝具は、今ならば山一つを灰塵に化して余りあるものばかり。
「だが偏に対城と言っても内訳は様々でな。
出力、性能で対人から対城までこなせる万能のものもあれば、ソレ以外の役割を果たさぬものも多々ある」
男の言葉と共にその手が再び宝庫、ゲートオブバビロンの鍵を開く。
途端、力場は拮抗している筈なのに――――
「……………ああ」
時の庭園のオペレーター、使い魔リニスが震える声を漏らす。
その耳にサーヴァントの話など全く入っておらず
「敵の新たなる射出口展開!」と、告げようとした口が開いたまま固まっていた。
あれ? あれ? 何か、サイズが―――
瞬きを忘れてそれを見やるリニス―――
初めは他の孔と同じ大きさに見えたのだ。
だがそれは、機器より送られてくるデータによって、敵の遥か後方に現れたものだとすぐに分かる。
だから、つまりそれは間抜けな話……所謂、遠近感というやつだった。
眼前に居並ぶ宝具の射出口よりも、だいぶ離れた場所で雄大に口を広げるソレ―――
――――――――――直径10mに及ぶ巨大な孔
「て、敵の新たな武装の展開を確認! お、大きい……巡洋艦クラスっ!?」
今度こそリニスが絶叫交じりに現状を報告する。 血を吐くような叫びだった。
今までは一様のサイズだった敵の弾丸の中に、明らかな規格外!
人には到底、振るえるものじゃない巨大な刃が姿を現したのである!
対人宝具ではない、彼の言った文字通りの対城宝具とはコレか?
確かにこれならば城や要塞をそのままの意味で薙ぎ払う、問答無用の暴力の具現であろうが―――
こんなモノを一体、神話上のどんな英雄が手に持ち、振るえたというのだ?
「元々、宝具とは決まった規格を持たぬもの。 ノーブルファンタズムと謳われる幻想の産物よ。
疑問に感じた事は無いか? 世に知られる名剣、神槍の類は伝承によっては巨人が振るう事もあれば神の手で薙がれる事もある。
世の摂理すら捻じ曲げるアーティファクトと呼ばれる神器とは即ち―――
齎された際、主の手に収まるべくして収まる形無き力の塊。 幻想が人の世に顕現する力そのものの総称なのだ」
ギルガメッシュが所持する宝物は今でこそ王の手に愛でられるため一様の規格で蔵に収められている。
だが元々、その大小に際限などはなかったのだ。
マテリアライズ――――幻想は使い手が最も望んだ大きさ、カタチへと姿を変えて世界に顕現する。
「故にアレもまた、人の手に渡る前のとある宝具の原型よ。
天空より遣わされた巨大な石刳れに過ぎなかったそれは、後に不死不滅といわれた聖者を貫く宝具へと姿を変える。
曰く、聖なる者を十字架に張り付け、血を浴びた事により確たる神格を得るに至った、その御名こそ―――」
―――――――神槍ロンギヌス
あの巨大な槍?こそは、救世主<セイヴァー>と呼ばれた聖者を貫いた破格の宝具。
もっとも目の前のアレはライズされる前の姿ゆえ宝具としての格は低い。
きっと類稀なる聖遺物を、無骨な岩くれなどに使用するのをギルガメッシュ自身が嫌ったが故の措置だろう。
だがどの道、そんな事はどうでも良い!
問答無用の巨大質量は、それだけで見るものに恐慌を超える諦観すら感じさせる。
魔法の弾丸などではどうしようもない圧倒的な破壊の権化―――その事実が今の彼女らに齎された全てだった。
「かつて世界は瞬く間に我の足元に平伏した。 故にな、生涯の大半は挑まれ迎え撃つ戦だったのだ。
よって我から攻め入る戦の何と久しき事………胸が高鳴るぞ」
王の無慈悲な神託の元に―――
天空が揺れ動き、空が堕ちてくるが如き威容を場に現すソレ。
「さあ、覇者の城攻めをとくと見よッ!!!」
即ち、大型航空機ほどもある巨大な槍が! 庭園に向けて射出されたのだった!
――――――
Girl of Fate&Blade Worker2 ―――
(いけそうかい、フェイト……? そろそろ私も仕掛けようか?)
幼き雷光と弓兵の戦いが続く。 その最中で少女は使い魔からの念話を受信した。
(機先は制したよ……アルフの張ってくれたチェーンバインドのおかげ。
もう少し空から削るから、暫く様子を見てて)
(でも大丈夫かねぇ……サーヴァントってのは大層、強いらしいじゃないか?
リニスは説得出来なきゃ帰って来いって言ったけど)
フェイトの顔に微かな苦渋が浮かぶ。 師匠であるリニスの言いつけを破ってしまっている後ろめたさからだ。
しかし説得出来ればどんなに良かったか知れないが、こちらは男の背中を一度、撃ってしまっている。
普通に考えて説得の言葉など聞いてくれるわけがない。 自分ならばそんな相手の言葉など絶対に信じない。
だから彼には悪いが連れて帰るにはこの方法しかない。
未だ言葉の重みも温かみも知らない幼い魂―――硬く閉ざした相手の心を開く言葉など持っている筈がなかった。
(良い地形に誘い出して罠も張ったし、しかも向こうは疲れてる。
6分以上のアドバンテージは取った……あとは連携と戦術次第。 頑張ろう、アルフ!)
(う、うん……フェイトがそう言うなら)
神話の英霊などという謎めいた相手に刃を向ける―――それに危険を感じない筈が無い。
だが、データによるとあのアーチャーは金色のサーヴァントには相性が良いらしいが
他のサーヴァントと比べて、そこまで強力な個体では無いという話だ。
時は一刻を争い、彼を連れて行かなければ帰るべき自分の家が……母親の身が危ない。
ならば英断。 稀薄な感情の内に並々ならぬ決意が灯った。
確固たる意思を以って少女は、弓兵のサーヴァントに闘いを挑んだのだ。
その瞳に優しかった母の面影を写して―――
未だ手に入らぬ愛を求めて彷徨う、健気で儚い翼がそこにあった。
――――――
War2 ―――
射出された巨大宝具がプレシアの雷の矢を余さず弾き飛ばし、王自身の放った宝具すらも蹴散らして進む!
威容極まりない質量が大気を押しのけ、その気圧だけで要塞をゴリゴリと地面に押し付ける。
五分の位置で展開されていた弾幕の嵐も確実に庭園側に偏っていく。
属性付加されたファランクスの矢はあくまで規格内の宝具に対しアドバンテージを握る為の備え。
テスタロッサの魔法の弱点は防御と出力にある。 当然、あんなものを想定して組み立ててはいない。
バリアで防ぐなど論外。 あんなものを受け止められる防壁がこの世に存在する筈が無い。
あれが庭園に突き刺されば問答無用でお終いだ。
綺麗にカッティングされて3、4つに割れるか、巨大な田楽刺しの出来上がりだろう。
あの手の巨大質量を叩き返すには、高位の砲撃魔導士のフルドライブショットか、もしくは―――
「…………」
無言のリニス。 その表情に浮かんだのは死の恐怖か悔恨か―――
――――――――いや…………
(予想の範疇………だけど)
そう、糞の役にも立たない男の薀蓄はさておき、持ち得る武装についてはこれくらいの想定はしていた。
何せ並々ならぬ相手に戦いを仕掛けようというのだ。 この程度の事は予想していなければ始まらない。
人類史に登場した全ての兵器を所持していると言って憚らない敵サーヴァント。 古代の宇宙船まで引っ張り出してくる反則。
彼女が調べ得ただけでも、現代までの人類の戦争の歴史において、バリスタ、怒、投石機など巨大質量に任せた兵器は数多く登場する。
ならば攻城兵器、対要塞武装を奴が所持していても何らおかしくはない。
当然、それに相対するものも、こちらは用意してきたわけだが――――
「……」
それでもリニスは無言だった。 モニター上の主人の顔を仰ぐ……躊躇いと戸惑いの意思を称えて。
迫り来る破滅を前にして、狼狽にも似た心境に苛まれる使い魔は、唇を固く引き結んで何かを憂いて動かない。
(いいんですか……? 本当に……?)
それは謂わば、ミッド世界に住まう者全てが持つ倫理の根底に根付いているものなのかも知れない―――
ロストロギアの所持など問題にならぬ最大最悪の大禁忌がある。
かつてのプレシアも魔導士としての矜持か、その必要がないと判断したのか定かではないが
管理局と事を構える位置にいてなお、その一線を踏み越える事はなかった。
――― だが今、主であるプレシアから庭園中枢に魔力が送られてくる ―――
今までこちらが魔力を送っていた、その供給を逆流させてきた事の意味。
もはや確認するまでもない……彼女には何の躊躇いも無い。
これを撃てば、プレシアテスタロッサの名は決して拭えぬ罪と共に後世に悪名を遺してしまうというのに―――
ヒトの生んだ悪魔の鉄槌――――――即ち、
――― 質量、兵器 ―――
――――――
覚悟を………決めるしか無いのか?
例え後に地獄の裁きを受けようと、今これを使わねば死ぬだけだとしても。
主と共に煉獄へ堕ちようなどと考える使い魔ではない。
あくまで主人の幸せのみを願う彼女は必要ならば主人を諌め、窘める事も厭わない。
だが事ここに及んで、今は生き残るために悪魔に魂を引き渡さねばならいのだろうか?
「………バレルオープン。 時の庭園、中央射出口より………主砲、開きますっ!」
躊躇は実際には一瞬。 リニスは結局、外法に身を染める事を選ぶ。
兎にも角にも、今は主人を害する脅威を取り払うのが先決だからだ。
「見せてあげますよ……古代の英霊。 進化の極みに達したヒトの恐ろしさを」
リニスの指が高速でコンソロールを滑る。
すると共に歪な機動音を響かせて、庭園中央から巨大な円筒状の造物が突き立つ。
この浮遊建造物がもはや住居ではなく、戦闘要塞として生まれ変わった確たる証―――「主砲」
長大な割り箸を二つ連ねて重ねたような奇妙な造形の、ソレこそ人類の叡智の究極!
近代兵器において最強の一角に数えられる、その名も―――
「大口径・超電磁・高速弾頭射出砲ッ!!!!! ショートレンジ・モード! 撃ち貫きますっ!」
超電磁砲――――即ち――――レールガン。
速度において光速への到達すら可能と言われる近代兵器の粋。
もっとも弾頭、砲塔共に光速に伴う膨大なエネルギーに耐え得る方法が未だ確立されていないため
光の速度とは机上の空論なのだが、それでもこれが最速の兵器である事に変わりは無い。
娘が最速の翼を、親が最速の兵器をそれぞれ選ぶとは何という皮肉か。
ともあれ、プレシアの魔力量、電撃という資質を考慮するに、この大魔導士にこれほど相応しい兵器は他に無い。
既にPT事件で名を知られ、局の艦隊と事を構える事も辞さない彼女の―――狂気を称えた新たなる牙であった!
「レディッッ! …………ファイアーーーーーーーーーッ!!!!」
最終安全装置を解除! 目と鼻の先に迫った神人の槍を前に、リニスはついにその引き金を引く!
イイイイイイイイイイ、―――――キュイイッ、!!という、大気を擦り、削り取るかの如き共鳴音!
「くっ!!!」
大気を残らず持っていってしまうような衝撃!
庭園が揺らぐ! 伏して耐えるリニス!
そして射出されるはアーチャーの矢すら上回る、初速15㎞/秒を超え、更に加速する破砕弾っ!
迫り来る無骨な槍の中央に、あまりの驚速に時をも置き去りにした弾丸が、パキン―――!!!、と……甲高い音と共に突き刺さった!
深々とめり込んだ破砕弾―――
その打ち込まれた箇所を中心に―――
槍は空中で時を止めたかのように制止し―――
まるでガラス細工のように中央から亀裂を生じさせ、敢え無く三つに砕けてヘシ折れたのだ!
――――――
「主砲命中ッ! 対象、爆砕しました! 出力は80%をキープッ!!」
使い魔が昂ぶった心を抑えて叫ぶ!
英雄王の目前でズズン、ズズ―――ン、……と―――
地面に突き刺さって果てる神の遺物、ロンギヌスの槍の前身。
砕けて堕ちた、いずれは聖遺物として世に広まる神槍の残骸は、まるでストーンヘンジのように無骨でもの悲しく
古代の秘法を近代兵器が撃ち砕いた瞬間を場に映し出す役割を果たすのみとなった。
「…………………」
尊き幻想、その歴史をこよなく愛する英雄王。
その双眸に何を称えるか―――
口に紡がれる言葉が、なかなか発せられる事は無かった。
「――――――見事だ」
だが―――――――――やがて、愉悦。
「見事だぞ雑種。 こうでなくては我自らが出向いた価値が無い」
宝具の残骸を背に佇む王の言葉に虚勢は無かった。 本心からの言葉を紡いだ。
人の叡智の行き着く先もまた男にとっては己が宝で有り得るのか。
愛でるべき自身の世界の一部に過ぎないが故の、この問答。
初めは下らぬ茶番に堕ちると思われた舞踏―――
敵は曲がりなりにも王に拮抗するだけの戦力を揃えてこの場に立ったのだ。
それでこそ敵。 それでこそ戦争が成り立つ。
強大であるが故に、およそ一人を除いて並ぶ者すらいなかったその身にようやく炎が灯った瞬間だ。
これほどの高揚はいつ以来か……
あの征服王との一戦以来、感じた事も無い「戦い」に対する気の昂ぶり。
自身が敵と認める者の奮闘は、王にとっては脅威ではなく、飽くなき愉悦の肴と同義である。
「負け惜しみを……このまま押し込みます!」
叫ぶリニス。 その余裕は相手にとってはこれ以上なく不気味で不快なものだった。
「振り絞れ――――――出し尽くせ雑種。 我の前にて、培った全てを見せてみよ」
満面の愉悦を称えて王が下知を下す。
男がパチンと再び指を鳴らすと、巨大な孔がまたも口を開ける!
また打ち落としてやる!と身構えるリニス。
だが、その瞳に写ったのは―――
同じように顔を覗かせる巨大宝具………
その数――――――――――――――――8つッ!
もはや大小問わぬ宝具の数々が空を埋め尽くしていた!
調和も雅も自重も無い!
敵を圧する事のみを目的に馳せ参じた刃の群れ!
「こ…………この……」
淑女である使い魔がワナワナと震え、山猫の本性そのままに牙を剥き出して唸る。
「この、成金………ッッ!」
そして男に思わずこんな罵声を浴びせてしまったとしても……
誰も彼女の不躾を責められよう筈もなかった――――――
―――――――――戦争は、続く………
――――――
Girl of Fate&Blade Worker3 ―――
少女によるサーヴァント捕獲作戦は佳境へ入りつつあった。
弓兵を追いすがる影は既に2つ。
爆撃機さながらの空爆を降らせる少女と、橙の毛並みを持つ獣が地上からアーチャーに迫る。
相手の消耗に合わせて少女が使い魔を投入し、一気に詰めにかかったのだ。
(いける…………)
ほぼ初陣となる任務を、フェイトは完璧にこなしつつあった。
その冷徹にして冷静な手腕はとても歳相応の少女のものではない。
全ては母のために。 実戦経験こそ無いが、生まれてより厳しいトレーニングを欠かさず直向に努力してきた成果だ。
弓を番えられない弓兵など物の数ではない。
地雷式のチェーンバインドに俊敏な狼の爪と牙、そしてフォトンランサーのつるべ打ち。
防戦に苛まれるアーチャーの陥落はもはや時間の問題だった。
(追い込んで……そう……そこ)
使い魔との密接な連携で敵の動きをコントロールし
今、奮闘を続けるサーヴァントの四肢をライトニングバインドにて―――捕らえた!
磔の様に手足を四方向へ伸ばされ、肢体を拘束される弓兵。
終始、無言で振るい続けた双剣もまた沈黙を強要される。
「……………勝負ありましたね」
「フ、―――」
その笑みは諦観の現れか。 不敵な表情のまま、サーヴァントアーチャーは少女の下に降る。
(………よし)
胸を撫で下ろすフェイトテスタロッサ。
さて…………これから先はどうすれば良いのか?
情報が確かならば、この後――――――
少女は英霊を眼下に置きつつ、自らの手の甲を見据えて「兆候」を待つ―――
――――――
Archer,s view ―――
大したものだ――――さして手を抜いた覚えも無いが……
事実、私は防戦一方のままこうして囚われの身になっている。
信じられんな。 あの歳であの技量。
真っ当な戦闘力ならば熟練の魔術士を遥かに超える。
さりとて10にも満たない幼子に遅れを取ったとあってはマスターに何を言われるか分からん。
人間の少女に敗れたなどと聞けば、そんな石潰しの役立たずは
鍋の具にでもなってしまえ、くらいの事は平気で言うだろう。 我が不肖のマスターは……
(仕方が無い……気は進まんが、そろそろ―――私らしく行こうじゃないか)
幸い相手はあの獣も含めてほとんど実戦の経験が無いと見える。
力はあっても攻めに嫌らしさが無い。 真っ直ぐで、それ故にいくらでも捻じ込める。
そういえば、豊富な弾幕に飛行能力、そして拘束術……似たような相手と刃を交えた記憶があるな。
抱える武装が似通うと展開も似通うものか。 いずれにせよ我が積み重ねてきた百戦を超える棋譜。
その膨大な経験から紡ぎ出す読み筋を、少女は超えられなかったという事だ。
勝利を確信するには百年早かったな―――
無理も無いか…………相手はまだ子供だ。
「―――――けろ」
「………え?」
自身の手の甲を見つめていた少女が、私の言葉にきょとんとした表情を返す。
「たわけ! 避けろと言ったのだキャス……では無い、少女よ!」
――――――
幼い魔導士がハッと気づいた時―――既に敵の反撃が喉元に迫っていた!
左右から飛来するのは夫婦剣、干将と莫耶!
互いに引き合う性質を持つ中華の陰陽剣がフェイトに牙を剥く!
(い、いつの間に……!!?)
息を呑むフェイトだったが、そこは彼女の動体視力の賜物。
「はあっ!!」
何かに気を取られていたとはいえ、警戒を怠ってもいなかった。
同時両方向から飛び荒ぶ短剣を大鎌で一閃、迫る刃を切って落とす!
男の掛け声があったとはいえ、その技は賞賛に値するものだろう。
だが―――――――!
その間、コンセントレイトの乱れた瞬間を弓兵は逃がさない。
フェイトの電付加拘束術式を気合一閃、何と砕いて抜けたのだ!
そしてその手に番えるは、戦場を共に駆けた――――弓!
(まずい!)
フェイトとアルフに戦慄が走る。
アーチャーの名を冠するならば、当然その真髄は弓術であろう。
故にそれだけはさせぬよう、戦いを進めてきた。 ここでむざむざ撃たれるわけにはいかない!
「させるかよぉ!」
更なる魔弾を降らせようと構えるフェイトよりも速く、間髪入れずに襲い掛かるアルフ!
男との距離は一足分。 至近から剥き出しの牙を翻し、怒号をあげて狼は弓兵に覆い被さる!
「!!」
フェイトが追い討ちの詠唱を止めて息を呑む!
弓兵の肩口に、今―――――アルフの鋭い牙が食い込んだのだ!
――――――
War3 ―――
とても大きな、剣、槍、斧、槌―――
攻城兵器と呼ぶにはあまりにも原始的な、故に明快な攻撃方法。
巨大質量をぶち当てるという単純にして凄まじい破壊力。
宝具堕とし、とでも呼べば良いのか……あの威容は?
ともあれ眼前に展開される、10機を越えるジャンボジェットが特攻してくるかのような光景。
それを仰ぎ見て戦慄を感じない人間はいないだろう。
「重装騎兵は左右に展開! フィールド最大出力っ! 1秒でもいいからアレを阻んで下さい!」
恐慌に押し潰される寸前でリニスは踏み止まり、機動兵士の全AIに指示を飛ばす!
「ショートレンジ! 射線オールグリーン! 第6射ッ……………ファイアーーーーーーッ!!」
大地を覆うほどの影を落として迫る刀剣の、6つ目を主砲が撃ち抜いた!
ピキィ―――という亀裂音の後、砕かれ力を失って墜落する神代の宝具の起源達。
先の神槍を初め、砕いた刃はいずれも神話に名を遺した、もしくは残す事になる前の代物だったのだろう。
あの大きさで、その本来の性能を発揮されていたら間違いなくアウトだった。
担い手であるギルガメッシュの手にある宝具の数々は、バビロンの斉射でも相当の性能を発揮していたのだが
あそこまで人の手に余るモノへと零れ落ちた以上、王の手に「担う」事すら出来ないという事か?
もっとも、それでも何の慰めにもならないが。
戦線は如実に押し返され、戦力の底が見え始めてきたのは庭園の方だった。
(ファクトリーの生産も追いつかない……このままじゃ!)
プレシアの所持していた9つのジュエルシードのうちの1つ。 その膨大な出力を以って稼動を続ける無限工場<ファクトリー>
果てなく回り続ける生産ラインからは今もなお、新たなる機動兵が生産されているのだが、今その生産速度をゆうに消費が超えている。
そも機動兵一体一体の性能とて、決して急場造りのロースペックな物ではないのだ。
元々の設計図にスカリエッティの齎したガジェットドローンの技術を流用して造られた完全軍事用キリングマシン。
ともすれば初めに男を包囲した時点で、対象を圧殺できるだけの性能を発揮してもおかしくなかった。
それなのに、結果は見ての通り。 図工で作った紙の兵隊のように
虎の子の機動兵団はガラクタ同然に薙ぎ払われた。 その様は悪夢以外の何物でもない。
王に挑むためのカード―――質、破壊力、量。
その全てを揃えて戦いに望んだ筈だった。
負ける事など考えていなかった。 だのに………
プレシアとてファランクス対空弾幕を張り続けながら、主砲へ魔力供給をも同時に行っている。
その体が何時まで持つか……このままでは押し潰されるのは明白だった。
(リニス)
その時、使い魔の脳に主人から念話が飛ぶ。
(そのまま劣勢を演じなさい)
(演じるも何も、見たまんまの劣勢です! このままじゃ揃ってペチャンコにされますよっ!)
(なら、このままの状態を維持し続けなさい。 出来ないとは言わせないわ)
(5分も、持ちませんよ……庭園も……貴方も!)
切迫の事態だった。 勤めて事実だけを述べる使い魔の声には抑え切れない苦渋の念が混ざる。
虎の子の主砲であのサーヴァントを撃ち抜ければ良かったが、これは後々管理局の戦艦との戦いすら視野に入れた
あくまで巨大兵器や圧倒的質量を対象にした切り札だ。 斧でハチを狩れる狩人はいない。
発射後の弾速は無双無類のレールガンだが、英霊連中を撃ち抜くには予備動作と小回り、そして照準に難があり過ぎるのだ。
「……………」
艦橋にて佇む影……プレシアテスタロッサ。
見据える先では、砲線が徐々に徐々に要塞側に押し返され、熱波が鼻先にまで届くに至っている。
肌をじりじりと焼く爆風を嫌うように、彼女は艦橋から姿を消した。
英雄王に背を向けて、まるで万事休すとでも言うかのように―――
「死に場所を決めたか―――――よかろう。 その岩刳れを貴様の墓標にしてくれる!」
王の財宝が一層の激しさを増して降り注ぐ!
これ以上はあるまいという願いにも似た予想を嘲笑う、際限無き侵攻蹂躙部隊。
進退窮まった要塞の防壁に、ギルガメッシュがついに手をかけたのだ!!
――――――
ミッド式魔導士は通例、強大な力を制御するためにデバイスを従えている。
だがしかし、この闘いにおいて彼女はあれほどの力を駆使しておきながら―――己がデバイスを振るってはいなかった。
インテリジェント、ストレージ、アームド……どの種別のデバイスもその身に装着してはいなかった――――
――――――
時の庭園中枢―――玉座の間。
王の住まわぬ方舟で「玉座」などと何の洒落にもならないが、ともあれプレシアはそこにいた。
そして彼女の虚空を称えた瞳が見上げたその先に―――それは在った。
伽藍の天井に近い場所に、太陽の如き白光を称えた巨大なモノ。
ヴヴヴ―――、と低い稼動音とプラズマを伴って輝き続けるのは
この要塞を司る9つのジュエルシードに護られし、庭園の中枢コアである。
アリシア………
声無き声で彼女は最愛の名を呼び、頭上に燦々と輝く白光に手を伸ばす。
すると光球は答えるように彼女に光の触手を伸ばし返す。
数百本では利かない粒子状の触手がプレシアの周囲を、身体を繭のように覆っていく……!
海底で踊るイソギンチャクの戯れのような、それは幻想的な神々しさと、おぞましさを同居させる光景。
前言を撤回する。
彼女は――――――初めからデバイスを使用していたのだ。
中枢コア―――この庭園そのもの。 それこそが彼女のデバイス。
名を 『アリシア』 ……
闇に沈んだ彼女が永遠に仰ぎ続ける陽光―――
二度と傷つけさせない……
誰にも、何にも犯させない……
光り輝く繭がプレシアの身体に完全に同化した瞬間―――
紫電の魔力光が、くすんだ黒雷へと変化し、部屋中を駆け巡るっ!
爆雷! 閃光! その雷の猛り狂う様を一体、どのように比喩すれば良いのか!?
ダムの氾濫のようにところ構わず漏れ出て暴れ狂う暴力的なまでの魔力の渦!
やがて己が体内にて猛り続ける黒ずんだ紫電を、彼女は―――掲げた両の手に集束させる!
右手に集うは不滅の雷―――
左手に集うは無敵の雷―――
紡ぐ魔法はThunder Rage―――
究極の域にまで昇華したプレシアテスタロッサ唯一無二の剣。
黒炎の如き、漆をぶちまけた様な毒々しい黒が紫の魔力光を侵食して食い尽くす!
それはあの高町なのはが、「ある状態」で体から立ち昇らせる焼け付くような赤熱の光に酷似していて―――
母さんが………護ってあげるから
その細腕に最強の王をも葬り去る剣を称えて。
……………母はもう一度、娘の名を呼んだ。
答えなど返ってくる筈が無いのに――――それでも呼んだ。
陽光は沈黙を守り、ただ彼女を照らすだけ。
荒れ狂う稲妻の大河の只中にて―――
狂気のみを称えていた彼女の麝香の瞳が―――優しく、穏やかに微笑んだ………気がした。
――――――
Rinis,s view ―――
逃げた――――――――
あのプレシアですら、サーヴァント最強の個体には敵わなかった―――
どうにもならなくて、殻の中に篭ってしまった――――
―――――――――――――――いや…………………違う。
艦とリンクしているから分かる。 あの人が、ついに自身最大の剣の柄を握った事を……
――――――あの科学者によって齎された最後の剣。
愉悦に満ちた狂人そのものの男が、悪魔の囁きみたいな言葉と共に齎した力を
プレシアは全て受け入れてしまった。 目的のために。 目指す奇跡の成就のために。
サーヴァント戦においてミッド式魔法が極めて有効に働くのはデータでも分かっていた。
だからこの戦いにおけるラストカードは、やはりプレシア自身の魔法以外には有り得ない。
そして膨大な演算機によって出された、あのサーヴァントの思考・行動ルーチン。
それを頼りに最後の賭けに出る時が来た。
エアを解き放ったキングの行動パターンは、大別してそう多くはありません。
彼は王の財宝で倒しきれない場合、そのまま押し潰さずにかなりの可能性で「その行動」を取る。
きっと彼のプライド……一方的な蹂躙に慣れ過ぎた思考が、己の軍が相手と拮抗する事実を許さないのでしょうね。
あと、もう少しで―――――60~70%の確率で、英雄王は「エヌマエリシュ」を解禁する。
きっと……いや、絶対。
ここでその確率を引けないようならそれで終わり。
天運に見放されたと思って諦めるだけの事。
もはや拮抗を許さない戦況だけれど、それでも食らいついていく時の庭園。
<A・S・G>を付加したファランクスを抜け、1本、2本と要塞の外殻に突き刺さる宝具。
その内包する魔力が爆発を起こして庭園を揺さぶる。 削り取られる外壁。 もう一刻の猶予も無い……!
サーヴァントは個体差はあっても総じて隙の無い、人間を超えた超闘士達。
でも彼らに一様に隙が出来る瞬間がある………それが宝具発動時!
(カウンターチャンスはもうそこだけ……!)
あの最強宝具を敢えて撃たせるなど正気の沙汰ではないけれど、成功すれば見返りは十二分。
最も無防備な所に最大戦力をぶつける……レールガンすら超えるアレを!
「ク、フハハハ――――我に二度、これを抜かせるとは贅沢者よな。
常ならば、冥土の土産には過ぎた賜り物だと弁えて然るべきなのだが」
!!!!!
「この我に全力を出させた事をまずは誇るが良い。
英雄王との戦争をこうして成り立たたせた貴様らの蓄積と労使。
そして健気にも蓄え続けた叡智を―――我は決して哂いはせん」
来たッ!!! ご丁寧に台詞付きっ!
ギルガメッシュがゆっくりと紅い孔の中に手を突き入れ、そしてあの恐ろしい円柱状の剣を取り出した!
既に起動を開始している歪な刃の3重重ね!
その刀身に纏わり付くように、紅き倶風が集約されていく!
「今こそ仰げ明星を! 醜悪な亡霊ではあったが最期は艶やかに送ってやろうッ!」
打ち放たれたら後が無い!
主砲は今もなお巨大宝具を撃ち抜いている最中!
速射性と破壊力であの宝具発動を潰せるのは、もうアレだけ―――ッ!
「エヌマァァァ――――――」
――――――
「プレシアッ! 今ですっ!!!!!!!!!!!」
搾り出したリニスの叫びがブリッジに木霊する――――
――― ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ―――
よりも早く――――この世の全てを無音へと帰す、落雷の轟音が第2セクターに響き渡った。
――――――
次元跳躍法――――
プレシアが艦のバックアップを経て行う魔法の中でも、最大最強最悪を誇る破壊術式の総称。
戦技とは異なる高度な理論構築と、卓越したセンスを要する人道的に反するとまで言われる反則行為。
序盤にアーチャーとギルガメッシュを撃ち抜いたのと同様―――いや、それ以上に巨大で禍々しい雷が英雄王の頭上に落とされた。
初めの一撃は、無限の剣製を警戒していた王が数多の防具を予め備えていた。
そして弓兵もまた、それを利用してギルガメッシュを盾にする形で逃げ延びた。
故に狙われた双方共に生き残れたが、今度は違う。
完全に意外の外。 宝具発動にカウンターで合わせたのだ。
タイミングもドンピシャ。 宝具の鎧一式と幾多の神盾を6枚を貫いた稲妻を生身にまともに喰らえば―――
「いかに我とてひとたまりも無い―――そんな所であろう?」
その戦術を、男は雄弁に、小賢しく弄した当の相手に語って聞かせたのだった。
――――――
カチカチと、恐怖で歯の根を震わせるリニス。
怯える子猫そのものの瞳だった。
その彼女の眼前に見据える―――口元を引き上げて哂う王。
まるで健在のギルガメッシュ。
頭上に張り巡らせた20近い守護、防壁宝具が役目を終えて、バラバラと地表に落下していく。
「うつけ。 よもや遊びと勘違いしているのではあるまいな?
どこの世界にこれから切り札を放つと宣言して撃つ馬鹿がいるか」
冷め切った口調で男は言った。 胸躍る熱戦の、よりにもよって最後に打った敵の悪手を嘲るように。
「そんな……フェイントってアナタ……」
―――パクパクと口を開くも二の句が繋げないリニスである。
正論だった。 その口を突いて出たのはこれ以上無いほどの正論だった。
でも、駄目だろう…? 何を言っているのだこいつは……そんなの卑怯だろう?
圧倒的過ぎる力を持つ者が、そんな普通の事をしちゃ駄目に決まってるだろう……?
「コレがそんなにも恐ろしかったか? 恐怖に呑まれ、詰めを違えるとは所詮、雑種……
いかに叡智を積み上げようと、恐れ苛まれる者に勝機など訪れぬ」
やはり我の敵ではなかったな、と溜息を付く男。
この王に対等に見られる事がこんなにもどうしようもない事態だったとは……
誰が勝てるというのか? この油断も隙も無い最強に―――
もはや命運尽きたとばかりに、力無く座して最期の光景を見据える使い魔。
対して再びエアを構える男。 もはやそんな必要も無いというのに……
こちらの張っていた弾幕は既に無く、バビロンの一斉射を次々と受けて剥がれる庭園の外壁。
思い出の住居が壊されていく……爆発は既に内壁をも削り取り、間もなくこのメインルームに届くだろう。
だのにハチの巣にしただけでは飽き足らず、この上、あの宝具を解放するなんて容赦が無さ過ぎる。
英雄王の掛け値無しの全力全開、全戦力解放状態。
天地波濤す終局の刻―――
ウト ・ ナ ビ シ ュ テ ム
男は完全に、跡形もなく、魂すら一片も残さずにプレシアを殺滅する気なのだ。
「―――――――――終わり、だ」
勝利を確信するギルガメッシュ。
終の号令を宝具に下そうと口を開き―――
そして―――――――
「…………なっ!!?」
リニスの口から漏れた驚愕の言葉が、その決着を如実に物語るのだった。
――――――
「―――――、ぉ」
省みよ―――省みよ……!
この世で王気に勝る力こそ―――子を想う母の母性。
子を傷つけられた母は鬼子母神となりて目前の全ての敵を砕いて食らう。
それはギルガメッシュに二の句を上げさせる事すら無かった―――
即ち、無間の地獄より這い出て黄泉返った亡霊の一撃。
光の上を歩いてきたものにはそれは決して見えず、聞けず、感ぜず、故に防げない!
一撃目を完全に防いだと誰もが思った瞬間―――
王に……………敗北を告げる光の奔流は突然に訪れた!
黒紫電の稲妻は、再び男の「真横」から翻り―――
飛行船ヴィマーナ諸共、王を薙ぎ払ったのだ!
黄金の舟を巻き込み飲み込む、大河の氾濫の如き稲妻―――
――――――吼える落雷は………悲しき悪霊の慟哭のように。
――――――
最終更新:2010年10月15日 11:43