「ヒョーヒョヒョヒョヒョヒョ、あの切り札もAMFと聖王の前では無意味―――もう虫の息、
私の勝ちよヒョーヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョ」
本性を表した4番目の戦闘機人は着々と進むプラン進行に満足していた、妹達はとっ捕まったらしいが…
「まぁ役立たずの集団ですし、私さえ生き残っていれば大丈夫、ヒョーヒョヒョヒョヒョヒョ」
しかしその声に気付いたのかモニターに映るツインテールの少女(19なのに)はこちらを見据えドスの聞いた声で言う。
「何勘違いしているんだ?」
「ヒョ?」
「私の攻撃はまだ終わっていない」
「な、何いっているの?私の場所は…」
ふと気が付き上を見ると…
「あうあうあうあうあう、目標を発見したのですぅ」
変な巫女服着て角生やした少女がいた。
「よしよくやったわ」
「あうあうあう~シュークリーム上乗せお願いするのですぅ」
「…貴女、いつからそんな事言えた義理だっけ?」
「あうあうあうあう~~~~(TT)」
そしてツインテールの少女は此方に向けてデバイスを向ける。だが
「何を考えているの?ここは中枢…届くはずが…」
あ・・・そういえばあいつはそんな常識通じないだっけ…
「この腐れ眼鏡リリー〇モドキ!私のとっておきでぶち抜いてやるから覚悟しなさい!」
「ブラスター3!!!」
少女は最後のリミッターの外し、とっておきの魔法を詠唱する。
―――闇よりなお昏きもの―――
―――夜より尚深きものー――
―――混沌の海よ、たゆたいし存在、金色なりし闇の王―――
―――我ここに 汝に願う
―――我ここに 汝に誓う
―――我が前に立ち塞がりし 全ての愚かなるものに
―――我と汝の力持て 等しく滅びを与えん事を!
〇 破 斬!!!!
少女から解き放たれた最凶クラスの攻撃は重装甲である隔壁を障子の張り紙のように破いていき、
そして4番目の戦闘機人を包み混む、彼女の発する断末魔を含めて…
ちなみにそれを見ていた聖王はこいつは私を助けに着たんじゃなくタマ獲りにきたんだと思ったそうな。
「あうあうあうあう~なのはちゃんやりすぎですよぉ」
「大丈夫、大丈夫、悪人に人権なんてないなの」
とあるゆりかごでの出来事―――
バチカン―――
管理局内で最も調査に行きたくない世界ランキング毎年一位を取っているランクZ級危険地域、
表ではキリスト教カトリックの聖地として観光地の名所として有名だし、表戦力もデルタフォースやSASに匹敵する
『ヴァチカン・ガーズ』がいるだが本当にやばいのは裏の方である、管理局の魔法歴史は3ケタ単位に対して
バチカンは4ケタもの長い年月を経て、様々な異端などを狩る「戦闘」に完全特化した管理局基準で言えば
『バケモノ』連中を多数生み出してきた―――
今日もも毒牙にかかるのが一人
「クスクスクス、鬼ごっこはもう終わりかな?」
一人の少年らしき人物が、とある片隅に追い詰めている男に笑顔で言う。
「クソ!くたばれバケモノ!」
男は手にした杖から魔力弾を撃ち出す、だがその魔力弾は少年の前に飛び出した異形の獣によって防がれる。
「もうこれでおしまいなの?」
少年の笑顔に反応するように男は次々と魔力弾を撃つが、その獣を打ち抜くことはなかった。そして少年は冷めたように言う。
「つまんないの…前にきた人はもっと抵抗してくれたよ、いいよもう殺っちゃって」
少年が素っ気無く言うとその異形の獣はうなり声を上げながら男に向かってくる。
「な、何なんだ、お前は!お前たちは!ここは!」
男にとっては全てが覆される光景だった、自分たちの魔法がすべてにおいて勝っていた事、
管理外世界という新の意味を知らなかった事、何より目の前の少年が、この場所が…何もかもが規格外であった事―――
「ん?僕?」
少年は言う。
――――僕は、ピーターパンだよ。
そして異形の獣は男を喰らった。
「フフフフ、デバイスゲットォ」
少年は笑顔で杖から元の宝石の形になった男の所持品だったものを笑顔で拾った
その頃 時空の秩序を守るものたちの本局
「あ、喰われた」
「あーあ、グレートビースト相手じゃ無理ないよ」
「まぁ暗黒卿に捕まって火あぶりにされるよりマシだろ」
「5日もったか…次は誰送る?」
「くじ引きだな」
「いいかげんバチカンの技術取るの諦めたらいいのに」
「仕方ないだろ、上から命令だもん」
「…あいつら、1将なりて万骨狩るって言う事か」
「フン、メレムが紛れ込んだ鼠を駆除するのに5日か―――」
埋葬機関最凶と呼ばれているナルバレックは言う。
「まぁ、いいじゃないの…もったいなけど」
その隣にいる男は残念そうに言う。
「だが、君のやっている事は大問題だぞ、捉えた鼠をそのまま返すなんて、カリー」
カリーと呼ばれる男はムッとしたように言う。
「そのままではないのよ!きっちりとカレーの素晴らしさを教えて返しているのよ!」
熱弁を奮うカリーにナルバレックはこめかみを押さえる、『また始まったか』と
「カレーの素晴らしさをこの世界でなく、ありとあらゆる次元世界に広める!カレーこそ(以下略)
スーパーフード、そう私はSCS団会長としてやっているのよ!」
S→すべての次元世界に
C→カレーの
S→素晴らしさを広める会
会長、カリー・ド・マルシェ
「…何その某涼宮〇ルヒが設立した部活みたいな名前は…」
ナルバレックはそう思った。
とある次元を守る人達の船の中、そこの艦長にして提督は暇を持てあましていた、あのJS事件以降何度か管理局を狙ったテロ事件こそ起きていたが、
次元を揺るがす大事件というのは起きていなかった。ただCICで艦長席に座っているだけの時間はある意味苦痛でもあったそれをおくびにださず、
クロノ・ハラオウン提督はいた。
「それにしても―――」
クロノは思う。
「何でなのはやフェイト達は執務官候補の試験場所としてよりによって97管理外世界なんて選んだんだ?」
クロノは知っていた、97管理外世界が本当に洒落にならない世界である事を―――
- 世界を巻き込み7、8ケタ単位の死傷者を出したミッドチルダですら起こり得なかった大戦争を二度も起こした。
- それにあきたらず、異常なまで発達を続ける質量兵器
- かつてベルカが全世界を滅ぼせるほどの兵器を作るのに3ケタの年月をかけたのに対して10年もかからず大都市を一発で吹き飛ばせる兵器を作ったと思いきや、
今度もそんなに年月がかからない間に自分の世界を滅ぼす事が出来る兵器をあっさり作り上げる
- 150万のクーデター軍をたった一人で蹴散らした上に単独で虚数空間を潜り抜ける大統領(もち管理局ブラックリスト入り)
それだけではない、質量兵器が発達するが如く発展し続ける魔法技術
- ランクで言えば全盛期の3提督、それ以上と思われる5人の魔法使い
- ただ敵を完全に殺す事に特化した埋葬機関
- 明らかにぶっ飛び性能である27祖 etc…
「こんな世界がよくもまぁ滅びなかったものだ」
クロノの率直な感想でもあった、97管理外世界が危険である事を知っている理由、尊敬する父クライドが1日戦争に参加して数少ない生存者であり、
それを母から聞かされていたこと、そして終戦後、一応管理局の名前としてバチカンに派遣される局員達の哀れな末路の映像を見ていた事…
PT事件の時も闇の書事件でも、母と一緒に菓子折りとか持ってバチカンや祖の長役でもある「トラフィム・オーテンロッゼ」に対して
「介入してよいでしょうか」
と揃って頭下げに行ったことは今でも覚えている、あの時感じた凄まじいほど怖気の走るプレッシャーは忘れたくとも忘れられない(特に暗黒卿)、
何せ両事件とも下手すればバチカンや祖、魔術教会による介入もあると想定されたのだ。冗談ではない、そんな事になったら凄まじい惨劇になる事は分かりきっている。
「なのにあいつらは…」
試験の翌日事の真相を知り、その張本人達に詰め寄ったときの態度
「ええ、そんなに危険な所なのお兄ちゃん?」
驚く義妹…まぁ意図的かもしれんし管理局は地球の恐さを教えていなかった、まだいい
「そんなに危険なの?みぃ~知らなかったなの」
驚いていたけど久々に戻る故郷に何か思い人に会える嬉しそうな義妹の親友にしてエースオブエース、
まぁ彼女もそれ相応の歳だし男の一人や二人はいるのだろう…でも彼女の思い人が一体どんな奴か本当に気になる。
(何でも昔なんとか沢において命がけで助けてくれたとかなんとか)まぁそれも仕方ない…
だが正直一番呆れたのはその3人娘の最後
「そんな危険な場所、6課復活させようか~6課の力は無敵やし、バチカンとかも制圧してやるで~」
などとほざいた狸、聞いた瞬間
(お前、命惜しくないの?)
と思わず呟いてしまった…だって脳裏に浮かんだ光景は暗黒卿によってコテンパンにされる狸やエースオブエースや義妹の姿だったのだから―――
そして突然CIC内に充満し始める香ばしいスパイスのにほい…
「またあいつかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
思わず、叫ぶ。最近クラウディアに配属されたSランク魔導士、あのバチカンから命からがら生還したとあってクロノは大いに期待した、彼はクロノの期待に大きく答えてくれた、たった一つを除いて…
それがこの猛烈なにほい…カレーの匂いであった。彼は無類のカレー好きでカレーを作る事に対しても
凄まじいほどの熱を上げている、確かにそのカレーは美味しかった。
ちゃんとスパイスなどを使って一からきっちり作るルー、そしてルーの美味しさを引き立てるようにただ
肉、馬鈴薯、人参、玉葱をいれるだけではない、ルーに合わせる具材をしっかり選んで素材にもこだわっている、
そしてライスだけではなく自家製のナンも焼いて提供する。
はっきりいって愛しき嫁の作るカレーに比べれば遥かに美味い、今まで食べてきた金曜カレーよりかは遥かに美味い、
これには自分だけではない、クラウディア全クルーでさえも大絶賛し、さらに訪れた管理世界に振舞っても子供や大人も大喜びであった。
現にバチカン帰りの人が管理局を辞めてミッドチルダで作ったカレーショップは連日人が押し寄せるほど大盛況なのだ。
しかしCICの皆はウンザリとしている、そのスパイシーなかほりに、だって毎日その匂いを嗅げばそれこそウンザリするだろう、
しかし警告した途端後が恐い、一度警告したら―――
「貴様、カレーを侮辱するのか!冒涜するのか!そもそもカレーとは人類が生み出した至高にして(以下一時間続くので略)
の存在である!貴様はそれを否定するというのか!」
と物凄い剣幕で詰め寄られたのだ、これ以上やると
「死ぬがよい」
となる可能性が大なので、強く言う事は出来ない。
(畜生、胃が…)
色々なストレスによりまた胃が痛み出した…そして貯めに貯めていた97管理外世界製の胃薬のス
トックは底をついていた、何故かあそこの世界の薬はやたら効くのだ。
(なのはに連絡して大量に購入しておいてもらおう)
そう心に誓う苦労気質の提督であった。
そんな事関係なく公園
―――さて問題はいつしかけるか…
チンクは少し顔を顰める先ほど承認したプランB、近付く為には困難な点がある。
1、どうやって相手の投擲武器をかわす
2、そしてどうやって相手の急所、心臓、頚動脈、頭にスティンガーを突き刺すか
この2点だ、相手の能力や推定される戦歴から、急所狙いの攻撃も恐らく自身の一部を犠牲にする事によって(例えば心臓を突くところを腕で防御)
防ぐ事も躊躇しないだろう、そして投擲武器も投げ方によって軌道を変える事が出来るし、あるいはこちらが知らない技術を使って投擲中に
軌道変更と言うのもありえるだろう、しかし長身の刃故に急激な方向転換にはほぼ不可能と言えよう。だが手数で相当カヴァー出来る点というファクターが付く為…
―――厄介だなぁ…
少なくとも自分と同じ投擲兵器主体の敵と戦うのは初めてであるし、動きの機敏さそして相手の頑丈さから推定して、
自分にとってはかなり厄介な相手に違いない。その機敏さについていける片方しか機能しないモニター(眼)と自身の戦闘能力に感謝する。
―――トーレ姉さまなら互角以上に渡り合えそうだが…
フェイト・テスタロッサに負け、武人としての誇りを折られたのか、セッテ共々隔離牢に収監される姉を思い浮かべる、
彼女ならIS能力で知覚する間もなく叩けるかもしれない。
―――だがいない相手を頼ったところでどうしようもない。
こちらに投げつけられる投擲武器をかわし、返礼するようにスティンガーを投げながら思考する。
近付く為にどうすればいいか、一番友好的なのは相手の隙を突く…隙を付くには。
A、煙幕による視覚妨害
B、閃光による相手の視覚完全妨害
C、大音響による聴覚の妨害
D、相手の注意をどこかに向かわせる
の4点があげられる―――だが、答えが見つからない。
A、確かに煙幕による攻撃は機人(特殊モニターで見える)として有利であると推定されるが、相手も独自の魔術で使用、もしくは
長年積み上げてきた殺気を感じるという点も考えられ、長期戦になるだけこちらに不利、却下。
B、相手の視覚を奪う上に行動を怯ませる点においては確実だろう、しかしこのような攻撃は屋内戦の方が有利であり、
屋外で使用した場青閃光を起こす為に一時的に視界を防がなければならない、当然隙が出来る却下。
C、却下、うかつに大音響をだして警察などの治安維持勢力、最悪な場合ここに存在する(事前調査で分かっていた)異端組織の介入の可能性大、却下。
D、無理、「あ、あんな所にUFOだ!」なんて出来るか、却下(即決)
自身のスティンガーには特殊弾頭型を自分で組み上げた、主に自分が使うのはAP型(徹甲型)、IS能力によるAPHE型(徹甲榴弾)が主体であったが、
対機動6課戦において反省して独自で作り上げた、閃光型、音響型、煙幕型も作り、局員相手の模擬戦や旧機動6課隊員との模擬戦そして犯罪者相手の
実戦においても大きな成果…まぁ前者2つは後遺症が残ってしまうケースもあり八神はやてや高町なのは相手に凄い剣幕で怒られたのだが…
―――手段はと…ん?
投擲武器を回避しつつ一瞬目についた自動販売機…そして機人ならではその自動販売機に売られていたもの
―――そうか!之なら隙を作れる!
そして自動販売機をバックにするよう一気にかける、そしてシエルから投げられる黒鍵を左斜め後ろにかわす、
そしてその黒鍵は寸分かからず自動販売機を貫く…そしてスティンガーを自動販売機の背後に出現させ刺す。
―――IS機動!
自動販売機は爆発する、しかしあえて爆発力は最低限にした、そして黒鍵が突き刺さり前部のドアは弱っており、
後部からの爆発の圧力によりドアは吹き飛び、中に詰まっていた缶を吹き飛ばす、いくつかの缶は爆発の衝撃で破損していたがだが中身が零れていない、
そう自分が求める物があった、そしてその缶を手に取る。
―――ではいくか!
シエルが黒鍵を投げる姿を見て手にしたスティンガーを左手の4本投げつける、それは狙ったものではない扇状に広がるように投げた、
それは途中で黒鍵という迎撃を恐れていた為、今投げたのはVT型と呼ばれる対象物を察知するとスティンガーを起爆させると言う代物であった、
黒鍵を探知すると一斉にスティンガーは爆発、爆発の余波で黒鍵の軌道は大きく変わる。
―――今だ!
チンクは右手に持っている缶を全力で投げつける、投げつけるスピードは野〇や〇坂や江〇のストレートなんか目じゃないと言うスピードでシエルの顔面に
向かって猛スピード進む、人としてやってしまう、顔に向かってくるものを手で防ごうとする何時の間にか刻まれた行動、そうその缶を黒鍵で斬ったのだ
―――かかった
内心でチンクはニヤリとする、そうそして斬られた缶の中身は飛び散り、シエルの顔にかかる、それと同時にシエルは「クッ!」と小さなうめき声をあげると動きを止める…
それを確認するまでもなくチンクはシエルに向かって飛び出し、駆け出した、自身の防御壁でもあるあのコートは駆け出すにおいて不要、脱ぎ捨てた。
シエルを一瞬怯ませたもの、それはビールである…多分なった人しか分からないと思うけど、ビールなどアルコール類が目に入った時の苦痛は
正直洒落にならない…いやマヂで、ちなみにチンクもその痛みを知り抜いていた、一度例の3人とリンディ・ハラオウンとレティ・ロウランと
言う人に夜のクラナガン連れまわされた時にビールが眼に入ってのた打ち回った経験があるからだ。例え肉体が強化されようと眼球までは
完全に強化出来ない…チンクの賭けは当たった…
―――いや確かに狙いは当たっていたがチンクの予想は外れてしまう、それは相手を自分と同じと想定したからだ。
そしてシエルとの距離を詰め、一気にスティンガーを突きたてようとする…相手の視界が回復して
いない今なら出来る、そう思っていた。しかし――
チンクの目の前に映った光景、それは・・・
『拳』
であった。驚愕する暇もない、声を上げる暇もない自分の顔面に拳がめり込む…刺す事に集中して
いためバリアを張る暇すらなかった。さらに拳の威力はこちらの突っ込んだスピードにより倍加す
る。
「ブベラ!」
情けない声をあげて吹き飛ばされるチンク、そしてシエルはその隙を逃さない、投擲される黒
鍵、しかし先ほどの影響で狙いは定まっていないが、一本の黒鍵がチンクの左肩にその刃を付き立
てた、BJは刃物に弱い…
「グッ!」
加算されるように訪れた肩を貫かれる痛覚…
―――痛い!
そしてチンクは自分の考えが浅はかであった事を知る。シエルは黒鍵による投擲戦術を得意として
いるが、格闘技能ではアルクェイドに匹敵する腕をもっているのだ。
―――しまった、こいつ、接近戦も出来たのか。
そして自分の左肩に突き刺さった黒鍵を抜き取る、抜き取る時にもまた痛みがでる、それに耐える。
幸い返し刃がついてなくてよかった、ついていたら抜けずにさらにダメージを受けたり動きを制限
される、そして刺さった左肩から流れ出るオイルと血を見て現状を把握する。
顔面の損傷…小、口内にいくつかの裂傷、一部歯の破損、殴打部の骨に異常有り、しかし戦闘に支障なし
左肩の損傷…大、左腕の機能大幅に低下、スティンガー投擲使用時平均的速度の7割減、現在の戦闘状況から考えればほぼ使用不能
稼働時間…流れ出る血ならびにオイルの関係から戦闘時間の大規模な短縮が要求される。
機動状況…流血から先ほどの動きはほぼ不可能
―――参ったな…
真っ先にそれが思い浮かんだ、まだ刺さるのが腹ならマシだった、これよりダメージは大きいがま
だ駆ける足や投げれる腕さえあれは充分戦えるはずだった、しかし片手が使えない以上状況はかな
りやばかった。
Q、不本意だが助けを呼ぶか…
A,却下、彼女達のマンションからここはかなり離れている。時間的に無理。
シエルは言う。
「褒めてあげましょう、咄嗟に私の視界を妨げさらに隙を作らせて一撃を叩き込もうとする貴女の
判断は…貴女は中々の強敵でした、次があるなら期待したい」
―――ええ。心の中から思いますよ
それは相手を心の底から賞賛する言葉であった、シエルにとっては彼女のような者と対峙した事
はそうないからだ、シエルが戦った局員と言えば大概デバイスによる魔力弾攻撃、一部はベルカ
式による接近戦でもあったが咄嗟の判断に難があり、またそのデバイスにあまりに頼りすぎてい
た。しかし目の前にいる少女は自分の能力、そして相当な修羅場を潜り抜けたように、ここにあ
るものを有効活用して自分の有利に持って行こうとした…ただ
―――貴女は私が投擲戦に特化していると思っている、それは誤算ですよ…
このような1VS1戦において誤算はバランスを大きく傾ける、確かにチンクはそうだった、しかし、シエルも誤算していた。
――――彼女にもまたある物があると…
―――不味い、助けは呼べない、左腕は使用がほとんど出来ない…逃げる…難しい
そう思いながらチンクは決断する、かつて6課襲撃の際タイプゼロ…スバルが強制解放したあれを―――
かつてジェイル・スカリエッティの作り上げた戦闘機人、完成の域にではありAAAランクでも
互角以上に戦える自身はあった、そう、もしSランク、S+ランクと対峙する事になったら?か
なり不利になる事は分かっていた、そして場合によってはAAAランクでも苦戦はする可能性も
高い、確かに数が少ないとは言え、自分がやろうとする事を考えるとそれらとの衝突は必須…そ
して戦闘機人に取り付けられた物…
『リミッター解除』
リミッター解除―――
速攻魔法、自分フィールドの機械族モンスターの攻撃力を倍にする、ターンエンド時に自分フィールドの機会属性モンスターを全て破壊する。
パワーボンドとの組み合わせで「アルティメットアンティークギアゴーレム」や「サイバーエンドドラゴン」場合によっては「サイバーツインドラゴン」
などで相手プレイヤーを一撃でアボーンできる、制限カード
じゃなくて、機人である機械部分のリミッターを解除する事によって爆発的な戦闘能力を得ると言うものである、何故リミッターをつけるのか?話は簡単だ、
生体部分に対する負担の倍増、そして機械が発する熱にラジエーターが追いつかない場合もある…そして使用後の肉体のオーバーホールなど、
だがスカリエッティはあえて承知でつけた、だが無論ちゃんと戦闘型ナンバーズの皆には説明しており、
「使わない方がいいんだけどなぁ…」
とよくぼやいていた、リミッター解除は付けられていたのは…
ウーノ→秘書型、官制型が戦闘するようでは完全にだめでしょ、なし。
ドゥーエ→諜報型なんかにそんな機能はいりません、なし。
トーレ→研究所のフェイト戦に使用、一応一撃いれ、ザンバーを受け止められたが返り討ち。
クアットロ→ウーノのバックアップ型、そんなのあるわけないでしょ、なし。
チンク→発動しなくてもスバルに勝てると思ってましたサーセン。
セイン→潜行型、ゲリラ戦型にそんな機能はいりません、なし。
セッテ→付いていたけど、発動前にフェイトに潰されました。
オットー→付いていたけど、発動前に御用されました。
ノーヴェ→付いていたけど凡骨(ティアナ)相手に某英雄王みたいに慢心するから。
ディエチ→一応解放していたど、なのはさんのブラスター1のドラグスレイブの前に呆気なく粉砕☆玉砕☆大喝采!
ウェンディ→ついていたけど凡骨あいてに慢心したから…
ディード→ついていたけど(ry
…そしてチンクの一つしかない眼が金色(誰だティエリアと言った奴は)になり、同時に衝撃波が巻き起こる。
「うにゃあ、もう食べられないよぉ」
「はぅ~~~~けいちゃんお持ち帰りだよ~~~~」
現状起きている事を知らずに夢心地の二人がいたりもする
最終更新:2008年05月19日 18:18