幼いころ幻想郷に迷い込みしばらく面倒を見てもらった、しかし何らかの要因で帰ってしまったあなた。その2
でもまた何故か幻想郷に戻ってきてしまった!
そんな時の彼らの反応とは…


「あら、こんな雪の日に人が訪ねてくるなんて…あらっ!? ちょっと大丈夫!?
 身体が随分冷えているわね…暖かいのは好きでは無いけど死なれても困るわ…。
 …ごめんなさい、顔をちょっと見せてもらえる?
 …あなた、まさか○○!?」

「そう、向こうに帰ってしばらくしてまた帰ってきてしまったの。
 しかもこんな豪雪地帯に。
 あなたに非があるのかは分からないけれど気をつけなさいね?
 …大丈夫よ、私はあなたを襲ったりしないわ」

「…また、帰るのね。
 いつかはそうなると分かってはいたわ。
 ねえ、質問しても良いかしら?
 元の世界に帰るのとここで私と一緒に暮らすの、どっちがいい?
 良いのよ私は別に、家賃も取らないしあなたが私の傍にいる、それだけが望みだもの」

「お願い、私と一緒に居て欲しいの。
 私の冷たい心を溶かす炎になって欲しいの。
 でも…あなたを引きとめるのは悪い事だとは分かってる…」

「心優しいお姉さんなら、『やっぱり引きとめるのはダメ、あなたを縛るなんてできない』と言うのかもしれないわね。
 でもごめんなさい、私は目の前に自分の欲しいものがあるのなら取りに行きたいのよ。
 特に、欲しいものがあなたなら」

「ねえ○○…雪が綺麗でしょう…そうね、私が嬉しいからかもしれないわね。
 あなたは嬉しくない…?
 大丈夫よ、嬉しくないのならすぐにでも嬉しくさせてあげるんだから」




「にゃーにゃー。
 そこの人間、私に見覚えない?
 うーん…○○だよね? 私の事忘れちゃったのかな…橙だよ?
 昔遊んでたような気がするんだけど…覚えてないの?」

「へー、ゆかり様やらん様が言ってた外の世界の住人って○○みたいな人を指してたんだねー。
 でも何で○○は2回もここに来たの? あっ、それは分からないんだ…
 まあいいや! 久しぶりに会ったんだしあそぼーよ」

「んー帰り方…? 多分ゆかり様に相談すれば帰れるんじゃないかな?
 でも私は○○ともっと一緒にいたいんだけどなあ…。
 ねえねえ、帰らないって考えに変わったりはしないのかな?
 ダメか…ちぇー…」

「はい! お願いしますゆかり様!!
 …ありがとうございますゆかり様! らん様もありがとうございます!!」

「ねえ○○…私、お願いをしてきたんだ…。
 何って? ○○がね、妖 怪 に な っ ち ゃ う よ う に」

「これでもう○○はお外には帰れないんだね。
 大丈夫だよ、私はずっと傍にいるから。
 ○○を守るよ? ずっと、永遠に」




「そこのあなた…少し名前を伺っても…って○○じゃない。
 …確か外の世界に帰ったはずだけれど、どうしてここにいるのかしら?」

「向こうで暮らしてたらふとした拍子に来てしまった…?
 随分簡単な理由でこっちに来れるのね…。
 まあいいわ、久しぶりに会ったことだしまた昔みたいにお茶でも飲みながらお話しましょ」

「あら、幻想郷からの帰り方? 私は分からないわ
 でもどうしてそんなことを?
 ふーん…また帰っちゃうんだぁ…」

「ねえ○○、私、昔と比べてまた色々と魔法が使えるようになったのよ。
 もちろん人の役に立てる魔法よ。
 例えば人形の糸で人の体の一部分を吊って包帯や添え木代わりにしたり、
 巻きつける事で傷つけることなく無力化したり…」

「ねえ○○? 外の世界を捨てて私と一緒になる気はない?
 外の世界は面倒なことだらけだし辛いでしょう?
 でもここにいればずっと安全。
 私があなたを守るし、あなたの全てを私が管理する。
 あなたの人生を保証するわ。
 お返しとしてあなたが私に愛をくれればそれでいいの」

「…そう。
 まああなたが簡単に意見を曲げないのは子供の頃からだものね。
 それじゃあ心置きなく、
 私 で い っ ぱ い に し て あ げ る わ」



「やあそこの人間! 私の演奏を見に来てくれてありがとー…って、
 君、もしかして○○? あ、やっぱり!?
 ここ最近ずっと見かけないから何処に行ってたのか心配してたんだよー!!」

「あ~やっぱり~? 妖怪や幽霊では無いだろうなーと思ってたら普通の人間だったんだねー。
 でも何でまたここに迷い込んできたのかな…?
 あ、実は私の事ずっと意識してくれてたり? だったら嬉しいなぁ」

「外への帰り方? あー…ごめん、人里の話とか私全然詳しくないからさ。
 まあ探すのを手伝う位はライブやる時でもなければ手伝うよ?」

「ねえ…○○?
 私ね、昔あなたに演奏を聴いてもらってた時に色々意見を求めたりしたよね。
 メルランお姉ちゃんみたいにもっと明るい音を出すべきか、とか、
 リリカお姉ちゃんみたいにもっと深く暗い音を奏でるべきか、とか。
 でも君は笑顔でこう言ったよね、リリカはリリカ、他の誰かの音を真似る必要はないよ、って」

「私ね、その言葉を聞いた時に初めて誰かに認められたって気がしたんだ。
 もちろん、お姉ちゃんたちに認められていないわけじゃないのは分かってるよ。
 でも、自分っていう個性が、存在が認められてすっごく嬉しかったの」

「でもその人は気が付いたら会えなくなってしまった。
 どこを探しても、いつもの場所で演奏していても会えなくなっちゃったんだ」

「だから私は決心したの。
 次にその人と会った時はずっと一緒になろうって。
 その人を笑顔にするために、その人の隣でその人のために演奏し続けようって」

「だからね○○。
 ず っ と 隣 に 居 て ね」



メルラン

「はろーみんな―! 今日も私たちのライブに来てくれてありがと―!!
 まあ、観客はそんなにいないみたいだけどねー!」

「うわぉ! 君は確か○○くんだね!!
 最近会えなかったからお姉ちゃん寂しかったんだぞぉ!!
 背も大きくなって立派になったねぇ!」

「なるほどー! 外の世界に帰って向こうでハッピーに過ごしてたんだねー!!
 でも何故かこっちに来ちゃったんだねー!!
 それはそれは…アンハッピー?」

「ここからの帰り方ねー…うーん私は分からないなぁ!
 大丈夫だよー探索の時に私も付いて行くから!!」

「○○くん! お姉さんの正直な気持ちをお話しします!!
 私はね、昔○○くんに私の演奏を褒めてもらった時、惚れました。
 いわゆる一目惚れです!!」

「今まで明るいとか、賑やかとか、騒がしいという意見は沢山いただきました、が
 ○○くんはその上を行く、
 一緒に踊ったりしたら楽しそう、という具体的な意見を話して頂いたのです!!」

「この揺さぶられる感情をどう伝えようか…どう話そうか迷っているうちに、
 ○○くん、あなたは帰ってしまいました!!
 ああ! なんたる悲劇!!」

「だから私は思ったんです!
 目を離せば帰ってしまう可能性があるならば、
 目を離さなければ安心と」

「大丈夫ですよ○○くん!
 お姉さんがハッピーな演奏で怖い気持ちは全部吹き飛ばしてあげます!!」
 だ か ら ず っ と 安 心 し て そ こ に い て ね」



「来場の皆様へ、ようこそいらっしゃいまし…まあ、いつも通り1人しかいないわね…?
 そこの人間、あなた、○○…?」

「どうして…戻ってきたの?
 …なるほど、良く分からないけど来てしまったのね。
 どうも混乱しているみたいだし、私の演奏を聴いて落ち着いてみる?」

「落ち着いた所でどうするの?
 …なるほど、帰りたい、ね。
 いいわ、演奏の練習に影響が出ない範囲であなたが帰るための探索を手伝ってあげる」

「こうして2人で歩いているとあなたが子供の頃に話してくれた感想を思い出すわ…
 私が妹たちみたいに明るい音色が出せなくて困っていた時、
 あなたは自分の弾く音色に自信を持とう、って言ってくれたわね」

「実際、そう考えるようにしたら姉妹で役割分担もできるようになったし、
 私の中の音楽の世界が広がった様な感じがしたわ。
 無理に協調しようとせず、1人1人個性を持つって大事な事ね」

「だからその言葉に感謝してあなたにお礼をしようと思ったの。
 でもあなたは気が付いたら私の隣からはいなくなっていたわ」

「それから先、私はこの揺さぶられる様な気持ちを音楽に込めて演奏し続けていたの。
 二度と会えないかもしれない絶望、それでも会いたいと言う希望、
 心の中の虚ろな気持ち、それを埋めようとする代償行為」

「でもあなたは戻ってきた。
 あのときの面影を残して。
 まるで私の心の奥底の願いを誰かが聞いたかのように。
 そして叶えさせてくれるかのように」

「だから改めて私の気持ちをハッキリと言うわ。
 私はあなたの事が好き、愛している」

「でもあなたはその気持ちを受け入れる気が無いのを私は知っている。
 だって、帰りたいんでしょう?
 外の世界に、私の居ない世界に」

「だから私は考えた。
 外の世界に帰ろうという気持ちが、希望があるのなら、
 私の演奏で閉じ込めてしまおう
 動きたくない、何も考えたくない、そういう気持ちだけにさせてしまおう」

「そ れ が 私 の 能 力 だ か ら」


妖夢

「止まりなさい! そこの人間!!
 この階段は気軽に登って良いものではありませんよ!!
 それ以上先に進むのなら…あれ、○○くんですか?」

「そうですか、あの時は私より幼い子供だったのがもうここまで…
 外の世界、もとい人間は成長が早いみたいですね…。
 ところで、今でも武芸などはやっているのですか?
 あ、外だとじゅーとーほーいはん? で真剣は使えない…?
 よく分かりませんが、そういうルールがあるのですね」

「ところでここへは何の用事で来たのでしょうか?
 あ、外の世界への戻り方について幽々子様に聞きたい…。
 えーと、それでしたら私も付いて行きましょう。
 私に捕まって飛んで行った方が歩くより早いですし」

「懐かしいですね…昔はいつもあなたの手を取って空を飛んで楽しんでいましたね…。
 あの時はまるで弟みたいで、可愛い弟子が出来たみたいで凄い嬉しかったんですよ?
 それが今や見た目は完全に逆の立場になってしまいましたね」

「…○○さん、私は今のあなたを見て恋焦がれています。
 武芸の技術はともかく、今のあなたの精神、見た目、様々なものに魅了されています」

「分かっています、あなたが師匠の告白を受けるためにここに来たわけではない事は。
 でも、私だって女です。
 こういう気持ちを持つのは悪いことなのでしょうか」

「武芸はそのような邪な気持ちを捨てて行うもの…。
 えぇ、私もそう思っていました。
 先程あなたと再会するまでは」

「全てをかなぐり捨てて幽々子様の従者として仕え続ける…
 それだけというのはもう考えられません。
 何が有ってもそこに追加で○○さんがいる。
 私はそれしか考えられないのです」

「浅ましいのかもしれません、従者として失格なのかもしれません。
 それでもあなたの事を考えてしまいます。
 だから…私と決闘して下さい」

「…やはりこうなりましたね。
 あなたが武芸について濁した時、正直この決闘について手心を加えようと思っていました。
 切り合わなければ分かりあえないのならば、こんな感情は捨てるべきだと。
 わざと負けて、あなたの事を忘れるべきだと」

「正直、負けても私が失うものはこの感情位ですしね。
 でも一心不乱に勝つために刀を振り続けるあなたを見て確信しました」

「私はあなたの事をこうまで思っていても
 私の気持ち全てを無視し自分のために刃を向け続けるあなたを見て」

「あ な た を 帰 さ な い。
 あ な た を 殺 し て で も。
 あ な た を 亡 霊 に し て で も」


幽々子

『幽々子様、人間の来客です』

「あら~? 人間が白玉楼に何の用かしら?
 …ねえあなた、もしかして○○じゃない?」

「あら、また紫が何かやらかしたのかしら。
 戻ってきちゃうなんて。
 …ああいえ、何か幻想郷にやってきた心当たりは無いのかしら?」

「まあ、ここまで長旅だったでしょう?
 とりあえず休んでから考えても良いんじゃないかしら」

「あの頃は小さな子供だったのに、何時の間にこんなに大きくなって…
 あら? 起しちゃったかしら?
 いえ、独り言よ、気にしないで」

「ところで私の所に来た理由は…まあ帰る方法を聞くためよね?
 それだったら紫と霊夢に頼めばいいと思うわ。
 幻想郷から外来人を帰す時はあの2人が何かと世話を焼いているから」

「○○…あなたに大事な話があるの。
 まあ、別にそんな大層な話ではないのだけれど」

「あなたが幼いころに迷い込んで母代りに私が育てた。
 そして今、あなたは大人になって私の元にやってきた。
 知ってるかしら○○、義母って結婚できるのよ?
 どうしたのそんなに慌てて…冗談よ?
 それにそんな長く育ててるわけでもないし」

「ああでも、あなたの事を好いているのは本当よ?」

「もう…昔から照れた時の表情は可愛かったけれど、
 大人になっても可愛いわね。
 …その表情、私以外の誰にも見られたくないわ」

「ねえ○○…もう一度お義母さん、いえ私とここで一緒に暮らす気は無い?
 あら、女性の家に懇ろになるのはお嫌い?
 大丈夫よ、普通の女性ならまだしも私は亡霊の女王よ?
 男1人養う位問題ないわ~」

「あら…逃げるつもり?
 お義母さん悲しいなー?」

「悲しすぎて…
 う っ か り 亡 霊 に し ち ゃ う か も」



「やあ大将、いつものお揚げを頼む。
 …ん? 大将、いつもを頼むと言ったんだが?」

『んっ? ああ! 藍さんか!
 ○○、藍さんは俺に任せな。
 お前はまた仕込みをやっとけ』

「○○…?
 大将、○○とやらに仕事が終わったら広場にいるよう伝えといてくれ」

「…やはりお前か○○。
 どうして、戻ってきているんだ?」

「お前は紫様と霊夢の力で外の世界に帰ったんだろう?
 だがここに戻ってきている。
 まさか、また紫様の結界が崩れたのか…?
 崩れた箇所を探すのも補修するのも大変なんだがな」

「戻ってきた時どの辺にいたのかは覚えているか?
 多分その近くが結界の裂け目だろう」

「…そうか、私が甘かったんだな。
 ○○だけに正直に話すとしよう」

「お前が来た時、紫様は寝ている状態だったからあえてその部分の結界は壊しておいたんだ。
 理由? 簡単だ、お前がまたこの世界に来れるように、だ」

「毎年毎年、紫様が寝ている間はこの部分の結界だけ壊しておく。
 お前が何かの弾みで来れるようにな。
 そしたらどうだ、本当にやってきたという訳だ」

「どうしてそんなことを? その答えも簡単だ。
 お前を愛しているからだよ、○○」

「橙と遊びまわっていた時も、
 私と紫様で勉学を教えていた時も、
 お前は真面目に様々な物事に取り組んでいたな」

「その何事にも真っ直ぐな姿勢、
 そして他人への優しさに私は惚れたのだ。
 全く…相手は年端もいかぬ子供だったと言うのにな」

「お前が私のもとを去った後も、
 紫様のスキマを通してお前が成長する姿を見届けていたよ…。
 残念ながら紫様の機嫌が良い時にしか見れなかったから、
 何年か経過してからようやく見守る事が出来たりした、ということもあったが」

「だがそのお陰で衝撃を受けることもあったぞ。
 特に、少し前まで可愛らしかった少年が立派な青年になった時などどれだけ悶えていたことか」

「…そしてお前の魅力に他の女狐共が気が付き、
 尻尾を振り始めた時にどれだけ苛付いたことか」

「その時に私は思ったんだ、お前を保護しようと。
 あんな汚れた売女共にお前は相応しくない。
 お前に相応しいのは誰でもないこの私だ」

「だから結界にあえて裂け目を作っておいた。
 いつかお前が来れるように、と」

「だが私とて鬼では無い。
 私はこっちに来るための出入り口を作っただけだ。
 もし○○、お前がこっちに来なかったのなら諦める事にするつもりだった。
 正直、お前があの女狐共を選んだのならばそれも運命と考え、諦めるつもりだった」

「それにスキマを使えるのは紫様だけ…私にもスキマを操るだけの力があれば、
 女々しくお前を待つかどうするか考えることもせずに連れ去る事も出来たのだがな」

「だが来てしまったんだお前は。
 そして見つかってしまったんだお前は。
 タチの悪い狐の妖怪にな」

「そして妖怪は人間を喰らう…まあ自然の掟というものだな。
 大丈夫だ、殺しはしないさ。
 それじゃあ自然の掟に従い」

「い た だ き ま す」



「あら…結界が…見事におかしくなってるわねぇ…。
 地面には足跡があるし…。
 誰かがまた入り込んじゃったみたいね」

「足跡追って、ごゆるりとー。
 あら、見覚えのある顔が。
 ○○、大丈夫かしら?」

「ごめんなさいねぇ、結界が割れててそこから入れちゃったみたいね。
 でもまさかまたあなたが迷い込んで来るなんて思ってもいなかったわ」

「…それにしても随分大きくなったわねぇ。
 前の時は片手でも簡単に持ち上げられたのに」

「ところでこれからどうするの?
 まあ、帰るの希望よね。
 望んで来たのならまだしも不慮の事故で来てしまっているわけだし」

「あ、そうそう、戻るついでに私も少し付いて行っていいかしら?
 外の世界からの結界の状態の確認も必要だから。
 それが原因であなたはやってきているわけだし…ね?」

「…うーんごめんなさい、○○。
 幻想郷からだと気にならなかったけど外の世界からだと結界の範囲ってかなり広いのね…。
 流石に1,2日じゃ確認が終わりそうにないわ…。
 ごめんなさい! 確認が終わるまで○○の家に泊めて欲しいのだけれど!!」

「え? なんでって…私、お金も持っていませんし、
 女性を1人で野宿させるつもりですの?
 それに何か異常があったとしてもある程度事情が分かっているあなたが居た方が面倒事は避けられるでしょう?」

「あー…私の事どう説明するって?
 海外からの留学生とかそんなのでいいわよ。
 あるいは○○に泊まろうとかそんな感じのアレで」

『あらまあ○○…随分綺麗な留学生ね…』

『ど、どこでそんな方と知り合ったんだ…?』

「ちょっと旅行している時に会いまして。
 気が合う方でしたので日本の文化の研究ついでに泊めて頂こうかと」

『あ、そういうことなら私たちは別に…ねえお父さん?』

『そ、そうだな…』

「宜しくお願い致しますね、叔父さま、叔母さま」

「いやー、無理あるかと思ったけどどうにかなったわねー。
 じゃ、私は夜の間に作業をしてくるわ。
 お休み、○○」

「さてと、作業…ね。
 まあ結界が広いのなんて嘘だし、結界の補修のために外に出たわけではないけれど。
 さて、大規模な境界線の操作にはどれだけの時間が掛かるかしらね…。
 本当、あなたの優しさは私の心を惑わすわね…○○」

「うーん出来れば簡単に終わらせたいし…
 とするとやっぱりあの状態にするのが一番かしらね…。
 さて、やってみましょうか」

「おはようございます、お父様、お母様」

『あら紫、おはよう』

『よう紫、相変わらず朝が早いね』

「どうしたの○○? あなたのお父様とお母様でしょう?
 ちゃんと挨拶なさいな」

『そうよ、ダメよ紫に急かされているようじゃ』

『まあそう言うなよ、俺だって親父にあいさつするときはどもってお前に急かされてたしな』

「何かが変? じゃあ簡単にヒントをあげるわね」

「事 実 婚 っ て 便 利 よ ね」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2017年01月10日 00:02