マジカルマリサ1
20年前に付き合ってた女と居酒屋でであった。
別れた理由は、束縛。懐にいれていた、付き合いで飲みに行った茶屋の女にもらった、名刺をつき出されて、こいつとはやっていけないなと決心がついた。
別れるのには苦労したが、一度離れれば案外あっさりとしていたものだった。向こうはすぐに他の男を作ってそのまま嫁いで、町から離れた。
俺は仕事ががっちりこの町に根付いてしまっていたので、そのまま上司の娘さんと結婚。二年も立つと子供も生まれた。中々幸せな人生を送っていたつもりだったが、かみさんといわゆる二枚布団の夜になってからは愛人を作るようになっていった。
向こうも気付いてはいるのだろうが、すでに夫と妻ではなく父と母。対して、態度は変わらなかった。
そんなときに、マリサと再開した。
20年の歳を重ねた割には、大して老けていないことに驚いたが、魔法少女だったというカミングアウトをうけたので幻想郷とは難儀なものだと感じ入った。
夫とはあのあとすぐに別れたらしい。今は、茶屋でマジカルマリサの名で糊口をしのいでいるらしい。お互い同じような境遇にあることに、親近感を覚え、油断した。
朝起きたら、隣に裸のマジカルマリサが寝ていた。
「おはようございます」
「おはよう、ございます」
「昨日は、お仕事が大変だったようですね」
「はい」
「でも、お父様は〇〇さんは昨日は早くお帰りになったとおっしゃっていたのです」
「お父様のお耳に入っているのですね。」
「何か問題が?」
「なにもありません」
「とりあえず、お風呂の用意が出来ております。」
「朝食はそのあとで、お酒と香水の匂いは味噌汁には合いませんので」
「はい、そのとおりです」
ここで、私の仕事を紹介しようと思う。
私は印刷業を営んでいるのだが、主に新聞や雑誌などを扱っている。
つまりだ。これを読む方々にはすでにお気付きの人もいるだろうが、私の上司、親会社の社長は天狗の親分でもあらせられる。
そして、その娘さんはもちろん天狗である。
名前は
はたて。彼女と結婚した時にも、色々とあったのだが、今回は魔法マジカルな話なのでそれは省く。
それでは、現在、私は非常によろしくない状況にいるのは皆さんわかっていただけただろうか。
感想
最終更新:2019年02月09日 20:47